■月下の宴02 うしろ暗き若人集いて 宴を約すこと −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 案の定 と云うか 予定調和と云うか 当日集まったのは マッチョ 元地味女 ケバい女 ぼく の4人のみ なのだが 一昨日と様相はあからさまに変化している マッチョは 革ジャンにジーパン たとえレインコートを着てきたとしても中身が濃ゆいので印象は変わらない ある意味うらやましい 前回の元地味女の言(げん)を気にしてか 呑んで来ている 尻ポケットには ウィスキーの瓶もねじ込んでいる 元地味女は 地味目のウィンドブレーカー(たぶん撥水仕上げ)下半身はタイガーストライプの迷彩パンツとジャングルブーツ 地味女に格下げ 当然化粧っケは無い ぼくは置いとくとして ケバい女はコトモあろうに ジャージに前回のジャンバーを引っかけている(ぼわぼわが付いているやつ) 靴は掛け値無しの運動靴 肩から下げている(ジャンバーの下)スポーツタオルのみ派手で「E-Yazawa」とか書いてある 「ゲンキデスカー!!」 いや 間違ってるって 「今回ウチは 審判の方に回るわ」 ぼくの方を見る 気を遣ってくれてるのね ありがとう ケバかった女よ 「ヒャッッハhァァァッァアーーーーーーーーーーーーーーーーーー」 待ちきれなかったのか マッチョがバール(ryを振り回している いちおう 布袋に入れてデイバックに納めて来るくらいの配慮はあるのだが 叫んじゃ隠匿性の意味がない 「うーし 鈍ってない!」 裏付けるように バールの短い一端の方には4匹の中実装が刺さっていた しかも左目のみを貫いている 「めざし」 自慢ソウに突き出されたバール(ry にぶら下がった中実装が一斉に表情を硬くする 足下から首に向かって赤い線が縦に走る 一匹あたり 数十に分割され 蛸や火星人のヨウに見える 汚い火星人だ 「糸使いを見るのは初めてだ」 究めて珍しい 難易度が高すぎるのだ 新宿のマンサーチャーや 左右非対称に嗤う自動的なお嬢さんを引き合いに出すまでもない 地味女はその糸使いだという この糸は 先端(振り回す方)に行けば行くほど 太くなるように縒(よ)る それが 振り回すための重し役となっているため 遠くまで糸は飛んで行くのだ 云うほど楽な技ではないが 「蛆の繭を20使った」 見た目には 碧白い糸にしか見えない 強度も絹糸には及ばないと聞く 「コツがあってね」 初めて笑ってみせる ぼくはと云えば キャンパス地の帯を紐解き(この場合文字通り)地面で展開 内側には折り返しで作ったポケットが並んでいて その一つひとつに ぼくの得物は並んでいた 竹べら 竹ひご 竹ぐし 耳かき そのどれもが 黒々くなめらかな光沢を放ってる そうか ぼくは竹つかい・・・・ じゃなくて・・・・ 「へぇ」「ほぅ」「ふぅん」 ベテランには この味が分かると信じたい 「コレだと 不審尋問に引っかかっても 問題ないし」 ちらりと マッチョを見る 「うぁ おれOUTだなぁ」かんらからから 意に介さない 「西洋で云うエレメント(物質を構成する基礎的な成分)は 古来【風】【火】【水】【地】となるが 陰陽五行説では【木】【火】【土】【金(『ごん』と読む)】【水】となる コレを五角形に配す 木 水 火 金 土 (ズれたらごめん)※表示用にプロポーショナルフォントを使ってない方が良い 隣り合った エレメントは相性が好いとされ 木は火を生じ 火は土を生じ 土は金を生じ 金は水を生じ 水は木を生ず 木>火>土>金>水>木の 順に良い影響をもたらすということが『五行相生』である (点を結んで五角形を描け) また 水は火に勝(剋)ち 火は金に剋ち 金は木に剋ち 木は土に剋ち 土は水に剋つ 水>火 火>金 金>木 木>土 土>水 のベクトルに悪影響を与えてしまうということが『五行相剋』である (点を結んで五芒星を描け) 因みに西洋の場合 風 ↑ 火←+→地 ↓ 水 (ズれたらごめん)※表示用にプロポーショナルフォントを使ってない方が良いってば 【風】←→【水】と【火】←→【地】の対極関係をむすぶ さておき 実装石は【木】(色では青[碧] 方角は東 五感では目) 対してバール(ryやナイフは【金】(色では白 方角は西 五感では口) 金剋木(ごんかつもく)の相に則ると 正解なのだが 相性が悪い ソコから痛んでくるのは レタスを包丁で切らないのと似ている(手で千切ってサラダは作ろう) 虐待目的なら 申し分ないのだが 永く痛めつける分には同じ【木】属性で攻めるのが 良好だ また 竹にしても相性が好く 馴染むのだ 重ねれば 重ねるほど 竹材は 実装石の血を吸い なめらかさを増す 時には へらに刻みを増やして 抵抗を付けてやらないと 斬られたコトに気が付かない個体もいるくらいだ 余談になるが 金気(かなけ)を嫌うという一点に於いては 欧州の妖精と符丁する」 あ スルーですか? 「テーマは説得力だソウだが ドウするんだ?」とマッチョ 「1家族単位を 20分の個人演技で」地味女 ぼくは「数モノで無ければ対応出来るよ」 「ったく 自分ってモノが無いのかよ」 「あるよ ぼくの相性は『蓋』を開けないと解らないから」 「ってコトだ ワンセットめ 誰いく?」 おおまかな 外枠は決まった(らしい) 「ぼくから行って良い?」 プレイが地味だから 「ご謙遜 ごけんそん」ジャージ まぁ 謙遜では無いんだけどね 「家族の選択は?」 「それも 評価に入る 状況から類推せよ」 「条件は?」 「親がいて 仔がいて・・・」 「蛆実装は おやつに入りますか?」 「・・・・はいる」 OK 段ボールハウスの大きさも 判断の基準になる 大きめのハウスは家族連れの可能性もあるが 単個体が住んでいないとは限らない 小さい段ボールには 家族は物理的に住めない ストレスに弱い特製が利いてくる あとは 設置条件これは むつかしい 普通に考えれば 子供にとって障害物が無いロケーションに家を設置するのが正解だ (バリアフリー?) 賢い個体は 逆に仔供の出入りが困難な場所に家を設置したりする たとえば 位置エネルギーが高い場所(急な坂の上とか) 仔実装が ある程度育たなければ出入り出来ない構造だ 云うまでもなく 仔実装の一人歩きは 危険だ 親は仔に 「ワタシがもどるまで おソトに出てはいけませんデス」 とか教育を施す 好奇心に負けて 外に出たがる個体もいるワケだか その仔供は転げ落ちて 家には戻れない 不服従な個体を間引くシステムを兼ねているのだ 個人的な意見としては 転げ落ちた個体を集めて育てた方が 面白い実装石になると思うのだが・・・ (糞蟲率も高いよ ネンノタメ) 数行に渡る説明を無効化して 単に 「マエのカゾクをオいダしてスんだデス」「あきヤにはいっただけデス」 と云う独身モノも居れば ソコから家族持ちになったケースもある くは ヨウは感でしか計れない と云う 着地点 「ぼくは アレだな」 大きさも中間 位置も中間な段ボールを指さす 「日和ったな」 うっ 否定できない マッチョは意外と鋭い でも大きさ「中」ってトコを評価してほしい 件(くだん)の段ボールハウス 一般に 荷物使用目的で云う上面を前にして 出入り口にしてるのが一般的なハウスだ それを ひょいと 上面にひっくり返すトコロから 始まる 逃げないようにするためだ 蓋を開ける前に 日本の民俗学上の有名な思考実験 「大きな葛籠(つづら) 小さな葛籠」を思い出す 数学的には どちらが正しかったか? ままよと開ける 親実装 仔実装2 条件クリア 20分で出来るプランを模索 そもそもが お持ち帰りして 時間を掛けるタイプのぼくにとっての華とは・・・ 竹串を取り出し 親の首筋に差し込む 「デ・・」と云ったきり動かなくなる まぁ いわゆる麻酔だ このあと 竹串を抜くまでは 親は放置だ なめらかな方の古い竹べらを選び 2匹の仔実装から偽石を抜き取る 当スクに於いては 仔実装の偽石を無害で抜き出すのは 神業に近いとしておこう さすが 同エレメントの妙技! 一人称だから 説得力無いけど 無造作に栄養剤を張ったフィルムケースに二個とも落とし込み蓋をする 今回は20分状況をキープできればいいので 濃度は極薄で構わない 栄養剤は高いのだ デモンストレーションの意味合いが多い 仔実装2匹を 立て続けに縦にふたつに斬る そうだね 確かに飲酒は避けたい作業だ シャッフルし 仔実装Aの右半身とBの左半身を(逆パターンも) くっつける 「あしゅら男爵!」 前後に切り裂いて まえ前でくっつけると 「両面宿儺(りょうめんすくな)」 うしろ後でくってけると 「無面目(むめんもく)」 ってのもあるけど 結局親が育児放棄するので(って 後者は育たない)今回の悲哀とは別のテーマになる ので 却下 兎に角 体型が同じで良かった 本当は 時間を掛けて 仔実装A Bの間に埋められない心理的乖離を施してやると面白いのだが まぁ20分では無理な話だ 初期の兆候として右の目と左目の動きがバラバラに動いている 声を出すには まだ快復が足りないので 動きはない 対組織の癒着には蓄積も自信もあるので 3分もしたら 偽石を戻してやる どちらが どちらなのか この際関係ない ネタバラしすると 偽石の持ち主の方のキャラに落ち着くのを識ってるが 云わないで於くくらいの消極的な嘘を許して欲しい 個体差にも依るが この間 1〜2週間 仔煩悩な母親は(我が子の異変に)耐えられるか そもそも仔実装本人が耐えきれるか? そのあたりを主眼にデモンストレーションを締めくくる 「想像して欲しい 家庭に於ける闖入者 たとえば 藤子・F・不二雄で云う『オバケのQ太郎』あるいは『ドラえもん』 真の怖さは 彼ら闖入者の存在ではなく それに違和感を感じなくなってしまった家族のあり方では無かろうか?」 「いや それ わかンね」 「・・・・ピースケ」 マッチョの意見は予想に難くなかったが 地味女には 別のスイッチが入ったようだ このまま F氏の確信犯的嗜虐行為を検証しようかとも思ったが 今日はこの辺りにしておこう・・・・ 母親へのアプローチは 五感の強化 攻撃衝動の抑制 前頭葉に竹のケバを差し込んで 破壊し あるいは刺激する 大まかな位置だし 持続効果も微妙だ 単に 気分がすっきりする効果しか得られないかも知れないが コンセプトの説明そのものに意義があるので 良しとする 「巧く機能すれば 我が子の異常行動ばかりが目に付くが 決定的に処分が出来ない親になります・・・」 それは 「笑えない」と嗤ったのは 誰だったのだろう ぼくかもしれない 【※無面目】 混沌のふたつ名 どうやら 諸星大二郎のオリジナルらしい −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 続 ■過去作品 常緑樹 コチラ側通信 答えて曰く もっぱら中実装 数学者は恐い
