——6日目 木曜日 朝になって仔実装たちの様子を見に行くと、通常仔実装達は傷も完全に再生した様子で、 水槽をペスペス叩きながらテチテチ鳴いていた。 一方マラ仔の方はというと、昨夜総排泄口とマラを乱暴に栓をされた痛みで寝られなかったのか、 皆一様に憔悴しきって——いない。 正確に言うと二匹は昨夜の処置で相当参っているようなのだけれど、 一匹のマラ仔は、なんとホッチキスで止めてあったマラの皮を破り捨て、 血まみれのマラを扱いてオナニーをしていた。 相当痛かっただろうに、それでもオナニーを選ぶなんて、 とんでもない糞蟲根性だわぁ。ある意味親よりも強烈ねぇ。 私が近づくと、二匹のマラ仔はマラを押さえてガタガタと振るえていたが、 血まみれのままオナニーをしていたマラ仔は「デヂャアー!!」と威嚇する。 それは体が一番大きく、昨日も一番うるさかったマラ仔だった。 よくみると血はずいぶん乾いてきていて、傷もほぼ再生していた。 「ヂャー!デヂャヂャー!!」 うるさく鳴く仔蟲を摘み上げようとしたら、生意気にもマラを振り回して 私の手をペチペチと叩く。まぁ、当然痛くも痒くもないのだけどぉ。 ただ、乙女の柔肌にこんなものを叩きつけるだけで宮刑確実よねぇ。 私は暴れるマラ仔の首の皮を掴んで捕まえると、昨日と同じように吊り下げる。 するとさすがにこの馬鹿にも昨日のことが思い出されたのか、 途端に「テチュ〜ン♪」などと媚びてきた。 だけど残念、もう遅いわぁ。 私は昨日とまったく同じようにマラを根元から扱いて皮を先端に集めようとした。 だけど、なぜか今日は集まらない。いくら皮をよせてきても昨夜のようには余らない。 どうやら破り捨てた分がなくなって、仮性包茎が治っちゃったようねぇ。 その様子に、どうやら私が昨日と同じことができないと悟ったのか、 「チププ」と例の糞蟲笑いをするマラ仔。 それだけならまだしも「チュペッ!チュペッ!」とこちらに向けて唾を吐きかける始末。 そのあまりの汚らしさと糞蟲っぷりに頭の中で何かが音を立てて切れた。 こういう時って本当に音がするのねぇ、ブツッって……。 喚き暴れ散らすマラ仔の胴体をむんずと掴むと、私は両足をコキリと折った。 「デヂィィィィイイイイ!?」 今度は痛みに泣き喚くマラ仔。 私の手をペチペチ叩き、血涙を流して痛がる。 しかし、一度火がついた怒りはこんなものでは収まらない。 私はさらに仔マラの体を逆さまにすると、股間をこちらに向けさせる。 すると消しゴムが押し込まれて広がった総排泄口とマラ実装にも珍しい陰嚢が丸見えになる。 私はその小さく可愛い袋の中にある、さらに小さな丸い玉をキュッと摘む。 「テヒィ!?」 するとそれまで痛みに泣き喚いていたマラ仔が短く鋭い悲鳴を上げて体をキュッと硬くする。 「フフフ……やっぱり人間の男と同じなのねぇ。ここが一番痛いんでしょぉ?」 私がキュッキュと摘み上げるたびに、マラ仔は「テッ!テヒッ!」と ひくついた鳴き声を上げては大きく体を痙攣させる。 「どのくらいまで、我慢できるかしらぁ?」 徐々に摘む指に力を入れると指の間でグミのようなそれが 平らに変形していくのが感触で分かる。 もはや悲鳴も上げられないのか、口をパクパクさせるだけのマラ仔。 その顔色は土色になり、脂汗をダラダラとたらしている。 そんなマラ仔に、リンガルを通して「痛い?やめてほしい?」と尋ねると、 痛みのせいかぎこちないながらも必死に頷くマラ仔。 「そう。じゃあ止めてあげるわねぇ」 私がそういって少し指を緩めると、助かったとばかりに深いため息をつく。 「二つ潰すのは」 言うと、私は一息に睾丸の一つを捻り潰した。 「————————ッ!!」 マラ仔は全身をピンと伸ばして硬直すると、口から泡を吹いて気を失った。 その後、ついでに親マラの様子も見に行くと、親マラは水槽の底でぺたりと 座り込んで、何かブツブツとつぶやいていた。 その姿に初めて家に来たときの面影はまったくなくなっていた。 餌をやっていないので頬はこけ、体も一回り小さくなっている感じがする。 髪はぼさぼさで服もなく、その肌はやけにくすんで血色が悪いのか青黒くなっている。 そしてなにより、あの隆々としたマラは見る影もなく、痛めつけられた ショックのせいか今では勃起することもなく、ただ蛇口をつけたホースのように だらりと垂れ下がっていた。 そんな様子のマラだったけど、私の姿を見つけると盛んに「デスデス」と鳴き始めた。 リンガルのスイッチを入れると「私の仔はどうしたデス!返すデス!」と言っている。 「大丈夫よぉ。ちゃあんと可愛がってあげてるからぁ」 少し笑みを浮かべて言う私に、マラが「デッ!?」と短く鳴く。 元々それなりに賢いマラ実装だったこいつのことだから、 言外の意味を察したのかもしれない。 「ワタシの仔になにをしたんデス!?ひどいことするなデス!」 「だからぁ、可愛がってるっていったじゃない」 「嘘デス!昨日の夜もさっきも向こうの部屋から仔の悲鳴が聞こえたデス!」 あららぁ、仔マラちゃんの絶叫が聞こえていたのねぇ。 「嘘じゃないわよぉ。たっぷり可愛がってあげたんだからぁ」 目を細めて喉の奥で忍び笑いながらそういうと、マラはいっそう興奮して鳴き喚く。 「仔達に何かあったら、お前を絶対殺してやるデスゥ!絶対デスゥ!!」 「あらぁ、あなたにそんなことができるのぉ?」 「ワ、ワタシじゃなくて下僕に人間がお前を許さないデス!」 「なんであんたみたいな糞蟲の仔を殺されたからって、その下僕が私を許さないのよぉ?」 「あの下僕はワタシの魅力にメロメロだからデス!きっとワタシの仔にも メロメロになるデス!その仔を殺せばお前を絶対にブチ殺すデスゥ!!」 「まぁまぁ、そんなに心配しなくても、今日の夜にはあわせてあげるわよぉ。 それよりも、ちょっと言葉遣いが悪いんじゃないかしらぁ?」 私が目元をすっと細くすると、マラは「デッ!?」と小さく鳴いて口元を押さえる。 「まったく、何度言っても自分の立場をわきまえない馬鹿ねぇ」 ゆっくりと近づきながら私はリンガルのスイッチを切る。 「デエエエッス♪デスゥン♪」 鳴き声が急に甘ったるいものになる。 私がマラの頭をむんずと掴んで水槽の中からつかみ出すと、 右手を口許に当てて、例の媚ポーズとともに「テスゥン♪」と 涙目でガタガタ震えながら媚た。 そこで私はにっこり微笑む。 しかし、マラはより一層怯え、「デェェエエン!デェエエ!」と泣き喚く。 どうやらここまでは学習したようねぇ。 この笑顔が、一番恐ろしいということを。 「何を言ってるのか、わからないわねぇ」 私は笑顔のままで、マラに拳を振るっていた。 夜帰宅した私は、早速仔実装の部屋に向かった。 普通仔実装の水槽を覗くと「テチュー!」「テチテチー!」とかしましく鳴いているが、 皆これまで全然虐待らしい虐待を受けていないために元気そのものだ。 ただ、餌を与えてないわりに糞だけは一人前にするようで、 全匹パンコンで汚らしくなっている 。 次にマラ仔達の水槽を覗くと、こちらは逆に酷い状態だった。 朝、睾丸を潰されたマラ仔は、再生は済んだようだが陰嚢が倍くらいに 脹れ上がっていて、まるで信楽の狸の置物のような股間になっていた。 その上まだ痛みが残っているのか、身じろぎするたびに「テェェ…」と か細く鳴いては涙を流していた。 一方、残りのマラ仔はというと、昨日先端を閉じられた傷の部分は 完治しているようだけど、先の部分で皮同士が癒着しているようで、 完全にマラの先端が塞がれてしまっていた。 そのせいで親同様、オナニーをしても射精に至れず、酷い不快感と 苦痛を味わっているようだった。朝に比べてまた一層顔色が悪くなっている ところを見ると、何度かオナニーをしたのだろう。 今も「テヒィ!テヒィ!」と喘いてはこちらも涙を流し続けている。 さぁて、今日はこの仔達を使ってどんなことをしてやろうかしらぁ。 私はそれぞれの水槽を運び出しながら、自然と笑みがこぼれていた。 「お前達!大丈夫デス!?」 「ママー!おなかすいたテチー!」 「助けてテチー!」 「あの糞ニンゲンをやっつけテチィー!」 すべての水槽をリビングに集め、リンガルのスイッチを入れると 早速親仔の感動的なご対面が繰り広げられているようだった。 「デェ!?こっちの仔達はどうしたデス!?」 「テェエ……ママァー……」 「イタイテチ……おまたが凄くイタイテチー……」 「射精できないテチィ……苦しいテチィ……」 憔悴しきってほとんど鳴き声をあげないマラ仔たちに親マラは悲壮な声を出す。 「そっちはマラ付の仔だったのよぉ。だからあなたと同じように、ううん、 もっと酷いかしらねぇ。射精ができないようにマラに蓋をしといたのよぉ」 そういうと、親マラは自分の下腹を押さえて「デェエ!?」と鳴く。 自分が味わったあの苦しみを思いだしているのかしらぁ。 「なんて酷いことをするデス!すぐにあの仔達を助けるデス!」 水槽の壁を叩いて喚き散らす親マラ。 う〜ん、なかなかいい反応ねぇ 私は一匹のマラ仔の後ろ髪を掴んで摘み上げると親の頭の上でブラブラさせる。 「テチュー!ママー!怖いデチ!助けテチィー!!」 「デェエ!やめるデス!何をするデスゥ!!」 マラ仔は暴れ、親マラは届きもしないのに手を伸ばして ピョコピョコ小さく跳ねている。跳ねるたびにマラの先に付いた蛇口が ガツガツと水槽の底に当たって音を立てるのが滑稽というか間抜けねぇ。 私は鋏を取り出すと、そいつをことさら見せ付けるように マラ仔の目の前で二三度開いたり閉じたりして見せる。 「テェエエー!?怖いデチィー!助けてママー!ママァアアア!!」 「デスゥ!やめろデス!仔を虐めるなデス!返すデスゥ!」 「あらぁ、仔を助けろって言ったのはあなたじゃない?」 私は鋏を開いて、その刃を一物の先端部分にあてがう。 「それじゃあ、マラ仔ちゃんの割礼の儀式を執り行いまぁ〜す」 ——ジョキン。 「テギィィィャァァアアアア!!」 ビュッ!ビュビュッ!! 仔実装とは思えない悲鳴とともに、先の切り飛ばされたマラから精液と鮮血がほとばしる。 その二つが混ざり合った薄茶色の液体を頭から浴びて呆然とする親マラ。 しかし、頭上で吊り下げられたまま痙攣を繰り返す我が仔の姿を見て、 「デズアアアアアアア!」と悲鳴を上げる。 「あららぁ、暴れるから亀頭を丸まる切り飛ばしちゃったわぁ」 ビクンビクンと痙攣を繰り返すマラ仔。 血涙はとめどなく流れ、「ヒィ……ヒィ……」という呻き声を上げるしか出来ない。 「なんてことするデスゥ!早くその仔を助けるデスゥ!!」 わが仔の惨状に血涙を流し喚き散らす親マラ。 「さぁ、どうしようかしらねぇ〜」 髪の毛を摘んだままマラ仔をプラプラさせる私に、業を煮やした親マラが叫ぶ。 「もういいデスゥ!その仔をこっちによこすデスッ!」 「あらそぉ?じゃあ受け取りなさいよ」 両手を上に差し出し、無様に飛び跳ねながら言う親マラに、 手首のスナップを利かせてマラ仔を投げつける。 ——ビタン! 「デヂュッ!?」 「デェエエエエエ!!」 しかしいまいちコントロールがよくなかったため、水槽の中には入らず、 水槽の側面に間抜けな音を立ててぶつかるマラ仔。 「ママァ……ママァァ……」 そのまま血糊を残しつつ、水槽の側面に沿って床にゆっくりと落ちるマラ仔。 体の前面が裂け、内臓をはみ出しながらも「ママ、ママ」とうわ言のように親マラを呼んでいる。 「し、しっかりするデス!ママはここデスゥ!」 水槽のガラスを必死に叩きながら我が仔を呼ぶ親マラ。 「ママァ……どこテチィ……ママァ……助けてテチィ……」 叩きつけられた時に体の前面が潰れてしまったマラ仔は目が見えておらず、 それでも必死に母親を探して半壊した手で宙を掻く。 「こっちデスゥ!ママはここにいるデスゥ!」 「ママァ……痛いテチィ……ママァ……」 「こっちデスゥ!こっちに手を伸ばすデスゥ!」 親マラの叫び声の方にマラ仔がよろよろと手を伸ばす。 「しっかりするデスゥ!このニンゲンは私達を殺すことは出来ないデスゥ! きっとお前も助かるデスゥ!」 その言葉に、私は眉をひそめた。 どうやら何か勘違いをしているようねぇ、この糞マラは。 「ママァ……助かるテチィ?……ママァ……」 親の言葉に僅かながら力を取り戻したかのように思えるマラ仔。 水槽のガラス越しに仔マラと親マラの手が重なりかけたその瞬間——、 「ヂュ!」 私の足が醜く悶えていたマラ仔を踏み潰した。 突然目の前から我が仔の姿が消えたことに呆然としていた親マラだったが、 スリッパの裏からにじみ出てくる赤緑色をした液体を見て、 わなわなと震えだしたかと思うと、 「デッギャアアアアアアア!!」 と気も狂わんばかりの悲鳴を上げる。 「なんでデスッ!なんで死んだデスッ!そんなはずないデスッ!なんでデスゥ!」 半ば錯乱状態で叫び続ける親マラ。 「あらあらぁ、仔が一匹死んだくらいでこんなになっていたら、 あと五匹も潰したらどうなるのかしらねぇ」 私の言葉に「デェエ!?」と悲鳴を上げる。 「お、お前がワタシ達を殺せるはずがないデスゥ!そんなことをすると ワタシの下僕がお前を殺すデスゥ!!」 唾を飛ばしながら喚き散らす親マラに、私はわざと大げさにため息をついてみせる。 「私が預かったのはあんただけよぉ。この意味、分かるわよねぇ?」 「そんなの知らないデスッ!仔を返すデスッ!返しやがれデスゥ!!」 完全に我を失って、まるで子供の癇癪のようねぇ。 そんな親マラを無視して、私は普通仔実装を入れてある水槽に目をやった。 先ほどまでの行状に、パンコンをして怯えている仔蟲が二匹。 残る一匹は潰れた自分の姉妹を見て「チププ」と笑っている。 どうやら次の生贄はあいつに決定のようねぇ。 私は普通仔実装の中のとっときの糞蟲を摘み出す。 残された二匹の仔実装が「やめてテチー!」「お姉ちゃんを返してテチー!」 なんて殊勝なことを言っているのに対して、この仔蟲は 「チププ。お前は見る目があるニンゲンテチュ」などと糞蟲のテンプレのような 台詞を吐いて下に残された姉妹を嘲り笑っている。 そんな仔蟲を手に、私は親マラに話しかける。 「ところで親マラちゃん。このまま全部仔を捻り潰すのも可哀相だから 何匹かは助けてあげるわぁ」 「デッ!?なに言ってるデス!仔は全部助けるデス! さっき殺した仔も生き返らせるデスゥ!!」 仔が殺されたことで完全に錯乱しちゃってるわねぇ。 話が通じなくなってるわぁ。 そんな親のマラの目の前で、私は手にした子蟲の後ろ髪を二三本摘んで引き抜く。 「デチャー!何するデチ!?止めるデチィ!」 プチプチと小気味よい音で引き抜かれた髪の毛と仔実装の悲鳴に ようやく親マラが慌てはじめる。 「や、止めろデスゥ!言うこときくから酷いことするなデスゥ!!」 「止めろぉ?」 再び髪を摘んで同じように引き抜く。 「テヂャァアアア!!やめろデチィ!!抜くなデチィ!この糞ニンゲンめデチィ!!」 私に掴まれたまま唯一動かせる頭を必死に振り乱して喚く仔蟲。 「や・め・て・く・だ・さ・い。でしょぉ?」 仔蟲の体をぎゅっと握りつぶす。 「テギョォオオ!!苦しいデヂュウ……助けてデヂュゥ……」 絞られた体から血と糞がボタボタと垂れる。 「デェエエ!?お願いするデスッ!止めてくださいデスゥ!」 少し媚の入った悲鳴に私は握りこんでいた手を緩めてやる。 仔蟲が「テヒィ!テヒィイ!!」と酸素を求め涙を流して大きく息を吸う。 そんな仔蟲が「テヒィ…」と息を吐き出したところで再び体をぎゅっと絞る。 「——ッ!!」 肺から完全に空気がなくなったところで呼吸を止められ、 顔を真っ赤にして身悶えする仔蟲。 血涙を流して必死に声を上げようとするが、吐き出す息がないために 悲鳴を上げることすら出来ない。 しばらく大暴れしていた仔蟲だったが、2分も過ぎるとピクンと小さく痙攣し、 ぐったりとして動かなくなった。 「デェエエエエ!なんでデスゥ!言われたとおりにしたデスゥ!」 酸欠で気を失った仔蟲に取り乱す親マラ。 私もこんなことをするつもりはサラサラなかったのだけどぉ、 まぁしいて言うなら—— 「う〜ん、面白そうだったからぁ?」 「デェエエエエ!?むちゃくちゃデスゥ!!」 う〜ん、私もそう思うわぁ。でも、虐待なんてそんなものよぉ。 「まぁそれは置いといてぇ、話は戻すけど、仔を全部は殺さないわぁ ちょうどマラ仔実装と普通の仔実装が半々だし、好きな方は助けてあげるわぁ」 「デェ!?そんなの選べないデスゥ!みんな大切な仔達デスゥ!」 うんうん、テンプレのようないい返事ねぇ、親マラちゃん。 「まぁ、時間はあげるからじっくり考えなさぁい」 ——ブチブチ 「テヂィー!?」 私が再び髪を二三本引きちぎると、その痛みで息を吹き返す仔蟲。 「な、なんデヂィ!?なにがおこったデヂィ!?」 失神して前後の記憶が飛んでるようねぇ、この仔蟲。 しかし、親マラの方はそんな私の所業に悲鳴を上げる。 「や、止めるデスゥ!手を出すなデスゥ!!まだ決めてないデスゥ!!」 「あらぁ、時間はあげるとはいったけど、その間手を出さない なんていってないわよぉ」 そう言いながら、私は再び仔蟲の髪の毛をブチブチと引き抜く。 「テェエ!?止めろデヂィィイイイイ!!」 「デェエエエ!?ちょ、ちょっと待つデスゥ!?」 「早く決めないとこの仔蟲が丸禿になっちゃうわよぉ」 いいながら、花びら占いのように仔蟲の髪の毛を少しずつ毟り取っていく。 ——ブチブチ 「テッピャァアアアア!!」 「デアアアア!?」 それからじっくり一時間。 血涙を流しながら親マラは「普通の仔を残すデスゥ……」と搾り出すように答えた。 しかしその決断を下すのに時間がかかり過ぎたため、 手の中の仔蟲は、後ろ髪はもちろん前髪もない、すっかり禿げ頭になってしまっていた。 それどころか途中から毟る毛もなくなったので頭巾を剥ぎ、服を剥ぎ、 それでもまだ時間がかかったので両手と片足を捻ったところで ようやく我が子の悲鳴に耐え切れず下した決断だった。 「イタイテチ……ママ、助けてテチ……ワタチの髪……」 途中からは気がふれたかのように繰り言だけになった仔蟲。 「その仔は普通の仔デスゥ……だから手当てして欲しいデスゥ」 親マラのほうも憔悴しきった顔をしている。 普段あんまり考え事をしないような頭で一時間も悩んでればしょうがないかもねぇ。 しかしそんな親マラの願いを聞く前に、私は一つ質問をしてみる。 「ところで、どうして普通の仔の方を残そうと思ったのかしらぁ?」 いつもなら私の質問に威嚇を返す親マラだけれど、今は流石にその元気もないようねぇ。 弱々しくだけれど、素直に質問に答える。 「マラ付の仔はもう二人しかいないデスゥ……普通の仔はその仔を入れると三人デスゥ だから、少しでも多くの仔を助けるためにそうしたデスゥ……」 なるほど。 長い時間をかけて、2<3という物凄く分かりやすい材料で判断したのねぇ。 だけど、残念。 「あらあら、それで残す仔の方を決めたんなら、考え直した方がいいんじゃなぁい?」 私の言葉に親マラは「デェ?」と鳴くと呆けたような顔をする。 「だってこの仔蟲は、数に入ってないんだからぁ」 私は仔蟲を握っていた手を開く。 すると、「テェ〜」という間抜けな声を上げ仔蟲が落ちる。 ——ドチャ! 「ヂュェェアアア!!」 「デェエエエエエエ!?」 落とされたショックで飛んでいた意識が戻ったのか、 また盛大に悲鳴をあげる仔蟲と、その様子を見て同じく叫ぶ親マラ。 「な、何するデスゥ!!なんでこの仔にこんな酷いこ——」 「ヂャァァアアアア!」 仔蟲のすさまじい悲鳴によって親マラの言葉が遮られる。 私の足がゆっくりと仔蟲の体を下半身から押しつぶしているのだ。 元々落ちた衝撃で砕けていた下半身がまず磨り潰され、腰、下腹部と、 踵を床につけたまま、ゆっくりと頭に向かって踏み潰してゆく。 「ヂャァアア!!イタイ!イタイ!イタイデチィ!ママ!助けてママァアア!」 徐々に押しつぶされる我が身に半狂乱になって叫び声を上げる仔蟲。 水槽際でまたも繰り返される惨劇に、親マラも髪を振り乱して仔を呼びつづける。 「しっかりするデスッ!そのくらいの怪我すぐ治るデス!頑張るデスッ!」 「イタイデヂュベァdeas——」 やがて胸あたりまで潰されるといよいよ悲鳴も上げられなくなったのか 静かになる仔蟲。 ただ小さく繰り返される痙攣だけが足の裏に伝わってくる。 「デェエエ!?ヤメロデスゥ!!その足をさっさとどけろデスゥ!!」 泣き叫ぶ親マラの顔に向かって満面の笑顔で言ってやる。 「言葉遣いがなってないわねぇ。残念♪」 ——パキョ。 卵の殻を押しつぶしたような乾いた音とともに、私の足が完全に仔実装を踏み潰す。 その様子に惚けた顔をする親マラ。 「そんなはずないデスゥ……ワタシの仔が死ぬはずないデスゥ…… この糞人間が足をどければ、テッテレー♪といって元気に飛び出してくるデスゥ……」 うわ言のように呟きながらわなわなと震える手を水槽の外に向かって差し出す親マラ。 「さぁ、とっととその足をどけろデスゥ……糞人間……」 水槽の壁に擦り寄って呟く親マラの目の前で、 私はタバコを揉み消すように足を捻る。 すると足と床の隙間から潰れた仔実装の体がミンチ状になって周辺に飛び散る。 その肉片の一つが親マラの目の前の水槽の壁面にぺちょっと張り付いた。 「デヒィアアアアアア!」 親マラの絶叫が上がる。 「それで、どうするのぉ。やっぱり普通の仔実装を残しておくかしらぁ?」 「デェエエエン……デェエエエエエ……」 力なく泣き続ける親マラ。 どうやら話を続けるどころじゃないようねぇ。 私はふと時計に目をやった。 このやりとりのせいでずいぶん時間がかかってしまい、もう夜の10時になろうとしている。 まだ晩御飯も食べていないし、着替えも済ませていないことに気がついた。 なにより今日は少し張り切りすぎたせいで部屋の掃除もしなくちゃいけないわねぇ。 まだ明日一日あるからいいかしらぁ……。 そう思って今夜はこれで切り上げることにした。 一気に追い詰めて精神崩壊されてもつまらないしねぇ。 「じゃあ、とりあえず、残す仔の方は普通の仔でいいわねぇ」 勝手に話を進める私に、親マラはまだうずくまったまま泣いている。 そんな親マラに私は軽く溜息をつく。 「じゃあ、明日マラ仔ちゃんたちは処分するから、今夜くらいは精々可愛がってあげなさぁい」 私はそういうと、マラ仔達を親マラの水槽に入れてやった。 うずくまったままさめざめと泣き続ける親に「テチー」「チィー」と マラ仔達が鳴き声を上げる。 私は親マラ達の入った水槽と普通仔実装の入った水槽を元の部屋に戻す。 その間もずっと、親マラはまとわりつくマラ仔を無視してか細く鳴き続けていた。 「じゃあね、マラちゃん」 私はそんな親マラの背中にそういって部屋の電気を消した。
