俺は今、今世紀最大のショックを受けている。 託児された。……別にそんな事は気にしない。むしろ絶好のチャンス。 弁当を食われた。……買い直せばすむ話だ。どうせ安い弁当だったし。 媚びてきやがる。……直接関係ないな。 それよりも何よりも。一番のショックな出来事が。 「……畜生。なんで忘れてるんだよ、俺って奴は」 無事だったビールを洗って冷蔵庫に入れ、ついでに腹に入れられる物を探してみたら賞味期限切れのプリンを見つけてしまった事だ。 ちょうど安売りしていた時に買った奴で、計6個。全て未開封。二日三日だったらまだ腹痛を覚悟で食えるが…… この6個は期限をとうに一週間以上過ぎていた。これはいくらなんでも危険レベルだろう。 「はぁ……マジヘコむわ……」 バケツの中でテチャテチャと仔実装がうるさい。……ふと思いついた考えを、頭を振って消し去った。 「こんな糞蟲におごる物なんてないだろが」 要は『このプリンを仔実装に食わせる』という事だ。いくらなんでもそんな愛護派みたいな真似が出来るはずがない。そうするんだったら自分が食う。 「……待てよ?」 その考えを全否定しかけた時に、ある事を思い出した。 「前にチョコを実装石にぶっ掛けるなんて事をやった奴がいたな」 バレンタイン辺りの時期に虐待派の集まる掲示板、通称虐板に「糞蟲がウザいから熱いチョコぶっ掛けてやった。お前らにやるわ」という書き込みがあった。 その時は全員が「いらねーよwwwww」と返してたな。俺も爆笑しながら同じ事描いたけど。 そうだ。俺も同じ事をやってみよう。……ただし、チョコじゃなくてプリンだが。 プリンのパックを開け、一つ一つにばらしていく。……仔実装がさらに喧しくなった。食い物をよこせとテチャテチャわめく。 仕方がないからプリンを一つ開け、指ですくってバケツの中に落としてやった。すぐに黄色い物体に飛びつき、テチューンテチューンと恍惚の表情ですする。 その間にすくったプリンをレンジにかけ、熱々にしておいた。 「テチー!テチャテチテチチ!」 もっとよこせとばかりに鳴き喚く仔実装。……まあまあ待ちなさいな。今すぐ出してやるから。 素手では長い間持てないくらい熱いのでミトンを装着。レンジのふたを開けるとむわっと甘い匂いが鼻をなぶった。顔をしかめながらもプリンの容器を持ち、仔実装のバケツの上に持っていく。 「テッ!テチテチテチャーッ!チャー!」 どうせ甘い匂いがするテチ、そのアマアマをさっさとよこすテチ、とか言ってるんだろうな。プリンの容器を逆さにしてやる。熱々のプリンは簡単に容器から落ち、仔実装の上にかかった。 「ッヂュアァァァァァァァ!」 ありゃりゃ。突然落ちてきた熱いものに泣き叫ぶ仔実装。ごめんねー。勝手に落ちちゃったね。 仕方がないので熱いプリンをもう一個作る。今度は形はは変わってないから大丈夫、なはず。 「ヂィッ!ヂィッ!ヂュワッ!」 相当熱いのか悶え苦しんでいる。ああもうせっかくのプリンをダメにしちゃって。仕方ないなぁ、もう一個あげるよ。 今度は逆さにしてもすぐには落ちなかった。と思ったら耐えたのはほんの少しで、すぐに仔実装の上に落ちてしまった。 「テギィィィィィィィッッ!!」 またプリンをぐちゃぐちゃにする仔実装。ちゃんと食べなきゃダメじゃないか。 「テヂャァッ!ヂュワ!ヂュワ!テヂテヂィ!」 どうやら何をするんだバカニンゲン、と言ってるみたいだプリンを食わせているだけだけど、文句あるのかい? 「あー、なんだって?聞こえんなぁ」 もう一個熱いプリンを落とす。 「ヂャァァァァ!ヂィッ!テヂィッ!」 また悶え苦しみ、プリンを崩す。……この俺の施しを受け取らないと言うのか貴様は。 「ちゃんと食べるまで落とすからな」 うーん、俺ってなんて愛護派。……といっても6個しかないけど。 *** 「まあこんな感じだ……っと。ちょいとミスったが面白い物が見れたしいっか」 早速虐板にその事を書き込んでおく。 あの後、6個全部使ったところで仔実装の偽石が壊れ、ひとまずお開きとなった。 やってきた親にはプリンまみれの仔実装にジワリを追加したバケツの中に入れた。そのバケツは今、ふたをして地下に埋めてある。 「……さて、また飯を買いに行ってきますか」 ====== D氏の画像を見てこんな妄想を。
