「どあああ!!!何故俺を追いかける〜!!」 オッス!!おら、としのぶ!!今、獣装石3匹に追い回されている真っ最中さ!! 理由はわかんね!!単にテリトリーに侵入した割には数多すぎだろ!! そしてさらに後ろを女の子(見た目はかなり可愛い部類だと思う)が 「こら、てめ〜!!とっとと山から出て行くですぅ!!」 と言って鍬持って追いかけてくる。怖ぇぇ・・・・。 俺としては荒らしに来たのは獣装石であってほしい、そう思ってたけど彼女の次の言葉でその希望も潰えた。 「てめえの顔見てるとムカッ腹が立ってくるんです!!クソ人間!!」 ちょ!!それ言いがかりもいいところ、それにクソ人間ってまだ俺は・・・と思ってきたところで石飛んできた!? 後ろをチラッと見ると、ノックの要領で鍬で石を打ってきやがった。こいつバケモノか!? 獣装石とかあんなやばい女の子がいるなんて聞いてないぞ!! □■□ 森の番人 □■□ 発端は母がじいちゃんの山から筍を採ってきてほしいと言ってきたことだ。 「筍?じいちゃんの山で?ここから50km以上離れてるだろ?」 結構遠いし俺は免許とか持ってない。車もバイクも。 「あんた最近運動してないじゃない。健康の為にも行ってきなさい。行ってこなかったらあんたの晩飯抜き。 それに、あんた毎年正月に100km以上チャリで走ってるじゃない。あの距離くらい大丈夫でしょ。」 「ちょ、それひどくない?帰り荷物あるでしょ。てか、勝手に採ってもいいわけ?」 そもそも母は親父と駆け落ち同然で結婚したわけで、じいちゃんの山に勝手に入るのも問題な気がする。 まあ、じいちゃんとは十年以上前に和解しているが、和解してから数年後にこの世を去った。 そういった経緯があり、和解したかどうか知らせているかわからないので管理している家の方が筍採りを 承認してくれるかが問題だ。 そんな心配をしている俺に母は 「まあ、だめだったときは連絡するから行ってきなさい!」 「いや、OKのときでも連絡くれ。」 そういう理由で50km以上チャリで走ったちょっとへろへろ気味の俺がいるわけだ。 そうしていると 「テッチッテッチッ」 町でも見かける緑色の物体・・・もとい、ナマモノが・・・。しかも仔実装。 じいちゃんの山にも山実装っているんだなぁと思いながらチャリを押しながら追うために山に入り込む俺。 それがいけなかった。しばらく進むと後ろからガサッという音が聞こえていくつかの影が目に入った。 やばいと思い、ダッシュする俺。 「デスゥ!!」 後ろを振り返って見てみると・・・・ どう見ても獣装石です、ありがとうございました。見たこと無くてもわかるくらい獣装石です。 てか、思いっきり覚醒してそうだし!! ちきしょー!これやばいぞ!!これって実は間引き!?謀ったな!?母さん!!とか思いながらもチャリに乗って必死で 逃げる。でこぼこの道だけど普通に走るよりは早いので何とか獣装石に追いつかれないで済んでいる。 ちなみに、追っていた仔実装は脇の森に入っていった。ぶっちゃけ追っている余裕はない。 そうしていると、先が二股路になっているのを発見。 そして片方に女の子が・・・やべえ!巻き込む!! そう思い別のルートを通ろうとする。その時、女の子と目が合った。 気づかれないように上手く逃げてくれと心の中で叫んでいたところ・・・ 「何でこんなところにあの野郎がいるですか!?」 と言う声が・・・。なんか・・・地雷踏んだ予感・・・。 そして現在に至る。 携帯の着信音が聞こえるが、取っている暇はない。 後ろからも以前小石が飛んでくる。距離もだんだん縮まってきている。やばい・・・。山から出ないと死ぬわ・・・。 そう思いながら走っていたら小屋が見えたので一か八かと思いチャリで突っ込んでドアを引いてみる。 するとすんなり開いたのですばやく小屋に入る。鍵は閉めれるようなので鍵を閉めて立てこもる。 警察を呼ぼうにも詳しい住所がわからない為呼べない。とりあえず、母に連絡して警察なりなんなり呼んでもらおうと 携帯を取り出そうとすると・・・。 「ひーっひっひっひ、この小屋は誰が使っているかわからずに入っていやがるですぅ。ま・さ・に袋のねずみですぅ。」 ちょ!!俺もしかして自分で墓穴掘った!?とりあえず、母に電話をする。 「もしもし!?」(もはやパニックで俺声上ずっている) 「どうしたん?そんな変な声上げて。さっき電話かけたけどとらんかったよね?一応あっちの家からOKもらってるから。」 「取れる状況じゃねーよ!!獣装石とか鍬もった女の子に追い回されたりしてたんだからさ!!」 「あー、その子にかわってくんない?」 「あほか!!そんな悠長なことしてたら死ぬわ!!」 そんなことを言っている間にカチャリという音が聞こえる。 ああ・・・俺、死んだな・・・。 へたり込む俺。そして、俺を見下ろしいや〜な笑顔をしている女の子。 「ごめん、母さん。俺死んだわ。俺の墓は海の見える丘に・・・」 そんな辞世の句を言っているところで女の子が話しかけてくる。 「何を馬鹿なことを言ってるですか。別に殺したりしないですぅ。その電話まだつかがってるんですよね? ちょっと変わるですぅ。」 と言い、俺から電話をひったくると・・・ 「お久しぶりですぅ!みき姉さま元気にしてたですかぁ?」 『みき』ってのは母のことだ。ああ・・・何となくオチが見えてきた。てか、姉さまってどういうこと? 叔母は俺には一人しか該当する人物がいないわけだし、その叔母とも面識はしっかりある。 電話を奪い取られて30分後、女の子は俺に携帯を返して言った。(後日その電話料金が俺に降りかかるのは言うまでもない。) 「実はもともとお前が来るのはわかっていたですよ。ただ、みき姉さまに『この子最近運動不足だから解消させてほしい』 って頼まれてたんですよ。」 「で・・・獣装石に俺を追わせたってこと?じゃあ、なんであんたまで追いかけるのさ。」 疑問に思ったことを聞いてみる。ただ、これを聞いた俺は脱力した。 「町ではドッキリカメラってのがあるって聞いたことがあるですぅ。ただ追っただけ放置してで誤解されるのも問題ですぅ。 でも、普通に追いかけてたんじゃ温度差あってお前に気づかれる恐れがあったんですぅ。」 「さいですか・・・。ところで、あんた誰?」 「そういえば自己紹介もしてなかったですね。あ、としのぶのことはみき姉さまからのメールで教えてもらってるんで別に いいですよ。というか、お前に自己紹介させると碌な自己紹介しないと聞いているですぅ。」 「あのクソババア・・・余計なことを・・・。」 「私の名前は『あゆみ』と言うですぅ。一応この山の管理をしているですぅ。姉さまとの関係なんですが、信じられないかも しれないけどとりあえず説明しておくですぅ。」 あゆみは元は実装石だったらしい。しかも、この山の山実装。あるときじいちゃんに拾われてたらしいんだけど、 母が駆け落ち同然で家出。それが原因でじいちゃんは落ち込んでいたらしい。 じいちゃんの娘になれればじいちゃんは元気になれるかなと思ってたらある日人化されていたとのことだった。 変に隠し子とか言って騒がれるよりはと言うことになって、とりあえず山の管理人として雇った人ってことで誤魔化してた そうだ。 ちなみに、後日叔母に聞いてみたところ母が結婚してから山にちょくちょく行くようになったということとその頃一緒にいた 山実装もいなくなったという話を聞いた。 「しかし、みき姉さまがいってたとおりあの男にそっくりですぅ。・・・事故と装って殺っちゃったほうがよかったですか ねぇ・・・。」 ちょ、このクソアマ、さらっととんでもない事いってやがる。 ちなみにその後、クソアマから筍の掘り方を殴られながらレクチャーされ、本日のミッション「筍掘り」を完遂することに なった。 帰る前に「今度はお前の一番下の弟も連れてくるですぅ。」とのたまいやがった。 多分、じいちゃん似のとしゆき(プリン事件の被害者)のことだろう。 今回の一番のショックは・・・俺を追いかけていたときの獣装石の走りは手加減してたものだったということだ。 せんせー、あまりにも情けない気がするので泣いてもいいですか。 =============================================================================================================== ども、くらるんです。 今回は人化実装石を出してみました。 「山実装は人化しねえよ!ボケェ!!」と言うツッコミは勘弁勘弁。 多分改訂します。 それにしても・・・今回虐待とかないな・・・。これって、何に分類されるのだろう・・・? とりあえず、【人化】ということで・・・。 勝手にこんなジャンルにしていいのだろうか。 08/02/15 本当は別のを書き上げたかったけど、なかなか表現できずこっちをアップロード。 08/02/16 アホなミスに気づき、改訂 ジャンルを仮としてつける。 後日談 「やっぱりご主人様にそっくりですぅ!!」 もうね、アボガドバナナと・・・。お前最初に俺が会ったときと全然キャラ違うし。しかも思いっきり引っ付いてるし。 あ、頬ずりまでしてる。う〜わ〜、こいつ上機嫌だよ。 「兄ちゃん・・・これどういうこと?」 そうとう動揺してるなぁ、まいぶらざー。でも、顔が赤いぞ?鼻の下も伸びてるぞ? 「まあ、邪魔はしないさ。俺も馬に蹴られて死ぬ勇気はないから。」 と笑って返す俺。 そして帰る頃になるとあゆみは涙目で 「としゆき〜、またくるですよ〜。いつかそっちにあそびにいくですよ〜。」 と言っていた。きっとその後小さな声で「としのぶはもうこなくていいですぅ」とか言ってるんだろうな〜。 それにしてもそこまで女の子に気に入られる奴っていないと思うなぁ・・・。 としゆきの幸せ者め。
