タイトル:僕とユウ〜アオの訪問
ファイル:僕とユウ〜アオの訪問.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:1867 レス数:0
初投稿日時:2008/02/03-17:48:56修正日時:2008/02/03-17:48:56
←戻る↓レスへ飛ぶ

ある晴れた日。
としゆきとユウは外に出て洗濯物を干していた。

としゆき
「良い天気だなぁ、これなら洗濯物もすぐに乾きそうだ。」

ユウ
「ぞうデズね、ぎっどぶどんもぶがぶがになるデズ。」

その時、
—ピンポーン!
玄関のベルが鳴る。どうやら来客のようだ。

としゆき
「はぁーい、今出ます」
玄関へ急いで行きドアを開ける。

としあき
「よう我が弟!元気か?」

ニカッと笑いながら兄、としあきがそこに居た。

としゆき
「なんだ兄貴かよ。」

としあき
「なんだは無いだろぅよ?としゆき」
「今日はせっかく顔合わせに来てやったのに。」

としゆき
「顔合わせ?」

と、としゆきが頭に疑問符を浮かべた時、
ちょこんと、としあきの後ろから実蒼石が姿を現した。

アオ
「こんにちわボクゥ。」
帽子を取り丁寧にお辞儀する。

としゆき
「ああ、アオか・・・。」

としあき
「そう!前に言ったろ?連れて来るって、」

そこへユウが現れた。

ユウ
「誰がお客ざんデズ?」

としあき
「ようユウ!お前も元気にしてたか?」

ユウ
「なんだ、どじあぎざんがデズ」

としあき
「ふたり揃って酷いぞお前ら!」

と言いながら笑う、
が、ユウの姿を見たアオは途端に鋏を帽子から取り出した。

としあき
「アオ!!!!」

アオ
「ッッッ!!」
冷静さを取り戻したアオは鋏を帽子に収め、
少し嫌そうにとしあきの顔を見つめた。
としゆきは少し怒ったようにとしあきに言う。

としゆき
「ちゃんと躾たって言ったよな?」

としあき
「ああ、悪かった、条件反射ってやつだ、アオの悪い癖でな。」

すまなそうにとしあきが謝る。
それを見たアオは慌ててユウに頭を下げ謝る。

アオ
「ごめんなさいボクゥ!」

ユウ
「もういいデズゥ。ワダジは平気デズゥ」
微笑みながらユウは言った。

としゆき
「ユウがいいならいいけど・・・。」

としあき
「詫びと言っちゃ何だが饅頭もって来たんだ、皆で食べようぜ。」

としゆき
「じゃぁお茶も淹れた方が良いな。」

としゆきはキッチンの戸棚を漁り始め、
としあきとアオが部屋に上がりこむ
アオはユウを終止見つめたりしていた。
そんなアオを見てユウはにっこりと笑った。

アオ
「ボクゥ・・・。」

アオにとって実装石は狩るべき存在であった。
醜悪で意地汚く、人間に害を成す物、
だが目の前の実装石はそんな気配を微塵も感じさせない。
その事にアオは違和感を覚えていた。
居間に入るとアオは真っ先に聞いた。

アオ
「何で君は他の実装石と違うボクゥ?」

としあきは慌てて、
「アオ、失礼だぞ!」
と言った。

ユウは
「良いデズゥ、少しお話ずるデズゥ」

と言い、これまでの経緯を話した。
もちろん、としあきにされたと言う「事」は伏せて。

アオは驚いた、
実装石が人間に対して恩義を感じる等思っても無かったからである。
ましてや糞虫固体であった存在がここまで礼儀正しくなる等・・・。

としゆき
「お茶淹れたぞ〜。」

としゆきが緑茶を持って現れた。
そしてお茶会が始まった。
饅頭を食べお茶を啜り和やかな雰囲気に包まれる。
アオは最初の雰囲気など微塵も無く警戒を解いてユウと喋っている。

アオ
「飼い実装は野良に目の敵にされるボクゥ、」
「護身術でもボクが教えるボクゥ。」

ユウ
「大丈夫デズゥ、我流デズがワダジにも少じ心得があるデズゥ。」

その姿はとしゆきやとしあきにとって、とても微笑ましい物であった。







—ガン!ガン!ガン!

その微笑ましい空気をぶち壊しにしたのは、
またもや野良実装、成体が三匹、窓に向かって石を叩き付け。
部屋に侵入しようとしていた。

アオ
「ボクゥ!!」

アオが鋏を取り出し臨戦態勢を取るが、
その前に赤い影が現れる。

ユウ
「ワダジに任ぜるデズゥ。」

としゆき
「ユウ?お前どうするつもりだ?」

ユウ
「追い返ずデズゥ。鍵を開げで下ざいデズゥ。」

としあき
「面白いものが見られそうだな」

としあきが窓のロックを外しユウが外に飛び出した。
野良達の中から一際大きい実装が前に出る。

野良
「何デスお前、そこをどくデス!」

ユウは答えない野良を睨め付け、

ユウ
「ずぐにごごがら立ぢ去るデズゥ」
と言った。

野良はにやにやしながら、

「何デスゥ?その声、汚らしい声デスゥ」
と挑発した。

ユウは
「もう一度言うデズ去れデズゥ。」
一歩前に歩み出した。

野良
「断るデスゥ、この家はワタシ達の物にするデスゥ。」

と野良が言った瞬間顔面に拳が叩き込まれていた。


野良「デブォ!!ブガァアアアアアアッッ!!!」

左足を前に出すと同時に左腕のパンチ、
そして続けざまに右腕の鋭いパンチが入り
野良は庭の壁まで吹き飛ばされた。

としあき
「ワン・ツーか。」

としゆき
「ワン・ツー?」

としあき
「きっとTVでも見て覚えたんだろうよ。ボクシングの技だ」

リーダー格の実装が殴り飛ばされたのを見て他の二匹は逃亡しようとした。
だが、それはいつの間にか外に出ていたアオによって許されなかった。

アオ
「何処に行くボクゥ?お前等の死に場所は此処ボクゥ。」

—斬—

二匹の哀れな野良実装は首と胴体が泣き別れになっていた。

大家
「ちょっと!お宅から実装ちゃんの泣き声が聞こえたんだけど」
「一体どう言う・・・。」

最悪のタイミングで大家が現れた。
大家は愛護派である。

大家
「ッッッ!!!嫌ぁああああああああっっっ!!!!」

としゆき
「お、大家さん!?これは、その、」

大家の目の前には惨劇が繰り広げられていた、
顔を殴られ鼻血を出し壁に倒れこむ実装石。
そして首を切り落とされた二匹の実装石。

大家
「ああ、あ・・・。」

精神的ショックで大家はその場で倒れこんだ。

としゆき
「大家さん!?大丈夫ですか!」

数分後、大家はとしゆきによって呼ばれた救急車によって運ばれた。

・
・
・
・
・

—数日後、

としゆきの元に、退居するよう大家から手紙が届いた。
手紙を出すという事は顔も会わせたくないのだろう。
いや、もしかしたら精神的なショックで具合が悪いのかもしれない。
・・・どちらにせよ荷物をまとめなければ。

としゆき
「はぁ・・・。」

溜息が出る、

新しい入居先は見つかった。
兄、としあきの住むアパートの一室、
正確には偶然にも空いていた兄の部屋の隣だ。
今は引越し業者に電話して荷物をまとめている最中である。

ユウ
「ゴジュジン、ワダジもお手伝いでぎる事は無いデズゥ?」

としゆき
「いいよ、ユウは座って休んでな。」

ユウ
「ごめんなざいデズゥ、ワダジのぜいで引っ越ず事になっで・・・」

しょぼくれるユウを見て、としゆきは言った。

としゆき
「いいって、ユウが気にする事じゃないよ。」
「新しい家では隣の部屋に兄貴やアオも居るし。」
「近所だからバイト先にも普通に行けるし、それに、」

にっこりと笑いながらとしゆきは言った。

としゆき
「ユウが一緒なら僕は平気だよ。」

その言葉にユウは嬉しさを感じ、一言

「デズゥ。」

と鳴いた。



■感想(またはスクの続き)を投稿する
名前:
コメント:
画像ファイル:
削除キー:スクの続きを追加
スパムチェック:スパム防止のため8613を入力してください
戻る