タイトル:【愛】 ボルチモア
ファイル:ボルチモア.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:2313 レス数:0
初投稿日時:2008/01/23-00:01:15修正日時:2008/01/23-00:01:15
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「デスァ!! デスァ!!」

「いや。だからもういいって。謝っているのはわかってるから」

俺の飼い実装の「ボルチモア」が、俺に向かって土下座を繰り返している。
繰り返して下げる頭の額が、何度もフローリングに床にぶち当たり、血が薄っすらと滲み始めている。

「デスァ!! デスァ!!」

謝る涙目のボルチモアの後方には、割れた花瓶がフローリングに広がっている。
ボルチモアは、必死に自分の過失を、己の行動で俺に示そうとしているのだ。

「わかったよ。さ、触ると危ないから片付けよう。ボルチモ…」

「デスァ!! デスァ!!」

ボルチモアはまだ自分が許せないのか、スリッパの裏を舐めながら、チラリチラリと俺を見る。

「もういいよ。ボルチモア」

飼い実装としての過失に耐えられないのだろう。
ボルチモアはその日は、台所の床。トイレの金隠しの隅。風呂のタイルの間を隈なく舐め続け、
俺の様子をしきりに覗うのだった。

3日後。
近所の100円ショップで買った花瓶は、すんなり部屋の風景に同化した。
ボルチモアは、今は、リビングで絵本を読みながら、鼻唄などを鳴らしている。
まったく、現金な奴だ。

(完)

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