□■□ 例外個体 □■□ 俺の大学時代のサークル(TRPGサークルなのだが)の後輩に珍しい個体?そんな感じの実蒼石を飼っている・・・で いいのかわからんがそういう奴がいる。 ちなみにその珍しい実蒼石の名前は「ウェル」。 元は野良だと思うが、一般の実蒼石のイメージとはかなりずれている。 例えばトレードマークの鋏と帽子。これは持っていない。その代わり実蒼石サイズの刀を持っている。 しかし、どこの飼い実装から強奪したのか知らないが、デスゥガンも愛用している。 そして、着ているものも黒のタンクトップにデニム生地のズボン。そして、革製のコート。 さらに、よく公園に行くのだが糞虫以外の実装石を狩るとかしない。むしろ仔実装とかの遊び相手になっていたりする。 しかも、それが長いのか仔実装もその実蒼石になついている。 そして、極めつけは・・・ 『じゃ、晩飯はピザで』 「ウェル!!お前、昨日もそれ言ってるだろうが!!」 「ウェル!!部屋散らかしたら片付けろって言ってるだろ!!」 『ん〜、今度やる。今は寝させろや。』 人間に対する忠誠心なんて全く無い。勤勉とは程遠い気がする。 それどころか、度の行き過ぎた虐待派、虐殺派に対して刃を向けることも平気でやってのける。 まあ、虐待とか虐殺を好んでやることのない俺らには関係ない話だし、そもそも我を通す為に俺達や飼い主である浦田に 刀を振るうとかはしない。 さらに、リンガルじゃ大抵の実蒼石の言葉は語尾に「ボクゥ」って出るのに何故かこいつの言葉は出てこない。1個も 出てこない。 服・刀は別としてその他の要素は後輩が拾う前に何かあったらしいが本人は話す気は無いらしい。 ただ、人間に対して刃を平気で向けることを考えると、帽子・鋏を失うきっかけ当たりは人間の悪意が絡んでいるので はないのかと思う。 まあ、今はお互い楽しくすごしているから俺達の間くらいでは問題ないと思う。 「虹川さ〜ん、ウェルに何とか言ってくださいよ〜。」 「お家騒動にはかかわらない主義なのでね。てか、五月蝿い。」 「ちょ!薄情すぎるんだけど!!先輩なのに後輩に冷たすぎ!!ゲームやめてこっちの話聞いてくださいよ!!」 『え〜、としのぶまだゲーム続けていいよ〜。あきらの世迷言には無視の方向で。』 ちなみに、俺がやっているゲームはスタイリッシュな悪魔が悪魔を狩るゲームの3作目で安値で買えるほうだ。 ウェルはこのゲームが好きなのだが、前になんでか聞いてみたら。 『いや、刀を使った立ち回りの参考にもなるし、実際やってみたいな〜って思う動きもあるんよ、ニンゲンじゃ無理な 動きでも出来そうなのが結構あるし。』 とのことだった。 浦田に説教を頼み込まれて俺は渋々ウェルの説得に当たった。散らかしに関してはあっさりと説得は終わった。 「お前のお気に入りが何かの下にしかれた状態になって浦田に踏み潰されるのはいやだろ?」 の一言で済んだ。 『そうだな・・・あきら結構そそっかしいし・・・帰ったら速攻で片付ける。』と言っていたので問題ない。 ピザについては「そんな毎日ピザばっかり食ってると太るぞ」と言うと 『ニンゲンと実蒼石の運動量を一緒にするな。結構ハードなんだぜ、実蒼石の運動量って。』 「じゃあ、その言葉をそっくりかえさえてもらう。」 『は?なんで?としのぶやあきらはニンゲンだろ?』 「浦田が太る。」 『ああ。じゃ、あきらが運動すればいい。』 「おお、そうかも。」 「ちょと、虹川さん!!?そんなことしてると今度のセッションのネタが・・・」 「それはまずいな・・・。」 『それに太ってしまったら、公園の差し入れに・・・』 その言葉に浦田がギョッとしながらも 「まてや、そんなこと抜かすならタバスコオンリーピザにしてやってもいいんだが。」 あー、この前俺が考えた悪戯でピザソース(ケチャップ)の代わりにタバスコの水気をある程度飛ばしたものを塗って ピザを作るってネタを浦田に話したっけ・・・。本当にやる奴が現れるとはねぇ。 『それはマジで勘弁してもらいたいな、あれはもう二度と食いたくねえ。てか、実蒼石虐待だろ。』 「・・・それ、人間が食ってもさすがに地獄だと思う。てか、そのネタ使ったのかよ。」 『それ食わされて、辛くて飲物を頼んだんだけど・・・炭酸飲料はねぇだろ。』 それはきつい。人間がやられてもマジできついと思う。浦田、お前ひどいぞ。 「まあ、ピザばかりだと飽きるからたまににしとけ。」 『そうだな・・・それに、なんかもっととんでもないものを出しそうな気がするし・・・』 まあ、こういった悪戯のネタ提供は8割が俺だしな。 この様子だととりあえず今回は成功とみていいだろうか。 それにしても他の面子が来ない。 「にしても、他の連中は来ないな。」 「ああ言い忘れてましたけど、双神と千葉遅れるって。」 「そうなのか。」 『ちょっと公園に行ってくる。直接帰ると思うんで。』 「おう、行って来い」 『としのぶ、また今度な〜』 「おう」 とりあえず、ゲームを再開する俺。 今度は迫り来る正義の味方を罠で撃退するゲームの3作目だ。 幕府副将軍を罠で切腹に持ってこさせようとしていると浦田が口を開いた。 「そういや、虹川さん」 「ん?」 「ウェルの服をそろそろ新調しないといけないと思うので制作を手伝ってほしいのですが。」 「服なら俺じゃなくてマエストロに頼めよ」 「そんな腕前の奴いねーよ。いたとしても高ぇよ!!」 「そりゃそうだろうね、でも耐久性とかで結構やり直しが多かったからな〜」 実際、耐久的に問題なしとお互い思ったのが出来上がるのに50着以上作ったんだよな・・・。 「虹川さん物作るの好きでしょ?だったらいいじゃないですか。」 「わかったよ、手伝っちゃる」 どうせ、消耗品だし・・・あのウェルの運動量じゃ・・・。 「すみませんね。ところでウェルの刀って虹川さんが作ったんですよね?それこそ普通にはいないと思います が・・・。」 「いや、小学校6年の時に図書館で見つけたのよ、釘でペーパーナイフを作る方法がかかれてた本。確か自由 研究に関する本だったと思うけど。あの本に書いてあった通り焼きなまし、焼入れとかいろいろやってみた ら今の刀のような強度が出た。」 とはいえ、素人の作ったものだから本物の刃物とかには勝てないと思う。いつか近いうちに折れるだろうね。 まあ、ウェルにはその話はしているから、折れたからと言って鋏が使い物にならなくなった実蒼石みたいな反応は 起こさないと思うが。 しかし、なんでまた実蒼石用鋏を買ってやろうかって言っても断るんだろうねぇ。しかも、断り方が拒絶に近い。 やっぱ、過去に何かあったが原因なのかな。 「本当にそんなんあるんですか?釘でペーパーナイフを作るなんて、小学校の図書館に。」 「だって、事実あったし・・・。まあ、今使っている刀が折れたらまた作るから心配するな。」 「はあ、すみません。」 ガチャ 「ちわーす」「うぃ〜っす」 ようやく、双神と千葉が来た。この二人も愛護派でも虐待派でもない。 「おう、ようやく面子がそろった」 「じゃ、始めますか。これまで見た実装石に関するえげつない話を」 =================================================================================================== ども、くらるんです。 今回は実装シリーズは蒼い子のみ出してみました。 「このままシリーズ化?」と掲示板でも書かれていますが、実は最初からシリーズ物のつもりです。 「虹川としのぶ」の視点を主に中心としたいくつかのシリーズで書いていく予定です。(現在は3つの予定) 今回は蒼い子の「ウェル」に関するシリーズの導入のようなものと見ています。 08/01/12 不安ながらもアップロード & 誤字発見・修正 & 改訂 急遽思いついたNG ピザについては「そんな毎日ピザばっかり食ってると太るぞ」と言うと 俺の肩の上に乗ってきて・・・。顔を真っ赤にして涙目で 『太ってないもん!太ってないもん!太ってないもん!!』 と言いながら左手に持った鞘で俺の頭を小突きだした。 ちょっと!!ウェル、痛い、痛いってば!!てか、お前そういうキャラじゃないだろ!!
