タイトル:【虐】 心配しても、いいですか?4
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初投稿日時:2008/01/06-16:44:09修正日時:2008/01/06-16:44:09
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心配しても、いいですか? 4



【前回までのあらすじ】

 生後一ヵ月半でようやくご主人様「としあき」に購入された、高級飼い仔実装の「ぷち」。
 一生懸命頑張ってご主人様に尽くそうと誓って頑張るのだが、それは全て裏目に出てしまい、
かえってとしあきの好感度を低下させてしまう。
 そそっかしく迂闊者のとしあきは、何の問題も起こしていないぷちの行動をこどことく誤解し、
過剰極まりないお仕置きを加えていく。
 そして、その愛情も徐々に薄れ始めていた。
 
 一兆匹に一匹居るかどうかという奇跡の実装石ぷちの精神も、そろそろ限界が見えてきた——


              ※            ※             ※

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□実装石を飼う際の注意 初心者編 28:

 最終判断。

 この項目は、貴方が自分の飼っている実装石に絶望感を抱いてしまった時に
読んでください。

 ここまで様々な躾や教育を施して来たにも関わらず、実装石の態度がとうとう好転
しなかった場合。
 これは、最悪のケースと言っても良いでしょう。
 実装石は、下のようなタイプの性質のいずれかを、生まれつき必ず持っています。
 私のようなブリーダーとなると、最初期にこれを見極めて優秀な個体だけを選別して
教育しますが、ここで弾かれた個体を優秀なレベルに育てろともし言われたら、即座に
NGを出します。
 もし、ここまでの注意項目をすべて忠実に守ったにも関わらず、貴方の飼い実装が
酷い態度を取る個体に成長してしまった場合は、最悪「処分」を検討する必要がある
でしょう。

【実装石の性質】
●改善可能なタイプ
1.大人しく賢い仔(中には小学生〜中学生並の考察力・理解力を持つ者も居ます)
2.ずる賢い仔(頭は良いですが自分の利益を優先する性格)
3.頭が悪いが大人しい仔(もっとも躾甲斐のある者)

●改善不可能なタイプ
4.性格が悪い仔(常に自己の利益しか考えません)
5.頭も性格も悪い仔(最悪のケース。どんな躾をしても無意味)
6.性格の悪さを隠せる仔(こちらも最悪のケース。もっとも悪質です)

 特に、5と6には注意が必要です。
 改善不可能とありますが、これは近年の研究結果に基くもので、決して私見では
ありません。

 最近の研究により、実装石は母体内での育成時に脳成長(主に大脳皮質・間脳・
前頭葉)障害が発生しやすい事がわかっています。
 これにより、性質の良い・悪い子供が同じ親から同時に産まれてくる事が起こりうるの
ですが、生まれつきの異常は決して改善されず、悪質なものは死ぬまで悪質なままで
固定されてしまいます。
 その仔達は「自己改善を受け入れるためのゆとり」が、生まれつき存在していない
わけです。
 ですから、もし後からでも5、6に相当する問題が見えてきた場合、それは人間との
共存は絶対不可能だという証明になってしまうわけです。

 少し長くなってしまいましたが、以下では「飼い実装が悪質個体だとわかってしまった」
時に貴方が取るべき的確な行動を示しています。
 しっかり読んで、間違いのない対処を行いましょう。


・もう一度性格を確認する方法
・虐待行為は逆効果
・生活圏を切り離すために
・実装石を処分する方法と、絶対やってはいけないこと
・最後まで信じてあげる気持ちも忘れずに

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 初心者向けの飼い実装レクチャーサイトの最終項目を、いつものようにさらっと流し見したとしあきは、ここでページを閉じて
しまった。
 彼の中では、既にぷちは「どうしようもない悪質な実装石」と定められていた。
 あれだけ丁寧に育て、あれだけきっちりと躾をしたにも関わらず、飼い主にここまで迷惑をかけるなんて……
 それはもう、としあきが求めていた理想の実装石とは程遠い姿だった。

 勿論、彼の躾が部分的な情報だけしか汲み取らずに行われた、中途半端極まりないものである事など、これっぽっちも自覚
していない。
 それどころか、有名ブリーダーが作成したこのサイトを「じっくり読み込んだ」つもりになっており、自分の手法は絶対的なもので
あるという自信を持っている。

 だからこそ、彼に物理的な被害を与えたぷちの行動は、絶対に許せなかった。

 なけなしの金で購入したマイクロSDカードは、ぷちのせいで一度も使う事なく再利用不能になった。
 だが実際は、買ったはいいが使い道もないため適当に放り出していたとしあきに問題がある。
 いつのまにかマイクロSDカードが机から落ちた事にも気付かず、その上に実装フードの袋を置き、更に水をこぼしてしまうほど
の不注意ぶりなのだから。
 お徳用で量だけは多い実装フードの袋を、20センチ程度の体格のぷちが持ち上げ移動させる事など出来はしない。
 冷静に考えればすぐにわかる筈なのだが、頭から「ぷちのせい」と信じ込んでいるとしあきには、自分の失態を疑う事など
まったくない。
 としあきの態度からマイクロSDカードの紛失を察し、わざわざ捜索を手伝ってくれたぷちの好意を踏み躙り、前髪を奪い取ると
いう暴挙を冒したにも関わらず、としあきは「あれではまだ罰が軽すぎるな」と思いはじめていた。
 言うまでもないが、先のサイトの説明の終盤部分とさらに先のリンク項目など、彼はまったく目を通していない。
 それどこか、もはや見る必要すらないとすら考えている。
 今はそれよりも、最近ようやくペットショップでの売り出しが始まった「実蒼石」に、興味が完全に移行してしまっていた。

 この時点で、ぷちの命運は確定した。
 にも関わらず、ぷちはこれから襲い掛かる不幸を察することなく、何度も何度も、毟り取られた前髪を額に貼り付けようと無駄な
努力を繰り返していた。
 心のどこかで気付いていながらも……


 テェェ……髪の毛、ママからもらった大切な髪の毛ェェ……
 禿はイヤテチ、禿は絶対イチテチ!
 これじゃあ、おっきくなってもご主人様のお嫁さんになれないテチィッ!!
 みっともないテチィッ!
 テェェェン……


 ここに至って、まだ夢を捨てていないぷちは、結局自分の髪の毛を両手に抱えたまま布団に入り、泣き寝入りしてしまった。
 その頃、としあきは更に別なサイトのページを読んでいた。
 いつものような斜め読みで。

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■実蒼石を飼ってみよう! 初心者編 1:

 近年ようやくペットショップでの取り扱い認可が下りた珍獣「実蒼石」は、実装石の亜種
ですがかなり性質が異なり、ポイントを押さえていれば比較的扱いやすいと言われています。
 ここでは、まだ一般的に馴染みの薄い実蒼石について、詳しく触れて行きましょう。

●実蒼石とは何か
●実装石との違い
●生態について
●実装石の性格と対処の仕方
●実蒼服と帽子、はさみについて


●実蒼石とは何か:

 実蒼石とは、哺乳網実装目ジッソウ科に属する二足歩行型動物のことで、遺伝子単位で
実装石と酷似している点から、別系統進化を果たした亜種であるとされています。
 実装石同様、装身物を持って生まれるという珍しい性質がありますが、以前はこの中に
人間を殺傷する可能性のある物体が含まれていたため、長い間ペットとして飼育する事
が禁じられており、主に家畜・食肉加工目的、または害虫駆除や他家畜育成補助に
役立てる程度でした。
 ところが、21世紀に入り遺伝子改良を加えられたことで「人間を殺傷する装身物を持たない」
個体を生み出す事に成功、以降これが一般的なペット用実蒼石として知られるようになりました。
 基本的に人間に慣れやすく、頭も良いので躾や教育をすぐに吸収して性格の良い仔を育て
やすいと云われています。

 →更に詳しい説明はこちら。

 生態はほぼ実装石と同じで、飼育方法もかなり似ていますが……

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「ふーん、実装石より楽に飼えるんだなぁ」

 自分の貯金の残りと比較し、とても手の届かない価格だと理解したが、としあきは「ぷちの時みたいな安売りもきっとあるさ!」
と無根拠に思い直し、明日早速ペットショップを尋ねてみようと決めた。

「ぷちの奴も、大人しくて賢い実蒼石を見れば、自分がどれだけ愚かか思い知るだろうな」

 そう考えながら、ぷちの眠るダンボールハウスを睨む。
 もはや彼は、ぷちに対する愛情など完全に尽き果てており、今はほとんど惰性で飼っているだけだ。
 これでも動物虐待を嫌悪する性格のため、無意味に傷つけようとまでは考えなかったが、代わりにとことん精神的に追い
詰め、反省を促そうと思い始めていた。
 それにより、目に見える改善がもし見られたら、これから飼う実蒼石のついでに世話し続けてやっても良いとも考えている。
 しかしそれでも、ぷちを飼い始めたばかりの頃のような想いが蘇ることは、もう二度とない。
 天文学的数値並の奇跡の下に生まれた実装石も、同じくらい奇跡的なレベルのうかつ者にかかれば、
そこらにいくらでも生息する野良の糞蟲と大差ない扱いとなってしまうのだ。

 十兆匹に一匹の特別な実装石ぷちは、同じくらい低確率の「不幸」をも呼び込んでしまう何かを宿していたようだ。


              ※            ※             ※


 それから二日後。
 としあきの家に、新しい住人がやってきた。

 ポキュー!

「さぁブルー、ここがお前の新しいおうちだぞぉ♪」

 ポッキューン♪


 ——テ、テチ?


 いつものまずい実装フードを食べ終え、日課の掃除を始めようと立ち上がったぷちは、小さな実蒼石を抱きかかえたとしあきの
姿を見て、硬直した。
 蒼い服、シルクハットに良く似た帽子(一般的にはこれも頭巾と言われている)、服とは違う色の靴、短い髪、実装石と反対の
オッドアイ……
 ぷちの本能が、初めて目にする筈の実蒼石から「危険」を感知する。

 テ、テチャアァァァァッ!!!

 ホウキとちりとりを放り出して、ダンボールハウスに頭から飛び込むと、ぷちは布団に潜りガタガタと全身を震わせ始めた。
 よく理解出来ないが、とても怖い、恐ろしい、生命的危機感を覚えずにはいられない!
 ブルーと呼ばれる実蒼石は特に何の威嚇もしていなかったが、ぷちにとっては、ただそこに居るというだけで充分だった。

 実蒼石は、実装石を見ると無差別に襲いかかり、圧倒的な力で蹂躙し残虐に殺傷する性質を持つ。
 そして実装石はそれを本能レベルで理解しているため、本人の意識とは無関係に自己防衛行動に移ってしまうのだが、今のぷち
が正にその状態だった。
 だが、そんな事情などまったく理解していないとしあきは、ぷちをダンボールハウスから無情に引きずり出した。

「こら、お前の住処はもうそこじゃない」

 テ?

「今日から、お前、玄関」

 テ、テチ?!

「そこは今日から、このブルーが使うの。わかったな」

 テ、テチャアッ?!

 ポキュー? ポー……

 としあきに抱かれている実蒼石ブルーは、奇異な物を見るような目でぷちを眺めている。
 ペット用に改良された個体のためか、はたまた武器を携帯していないせいか、ブルーはすぐにぷちに襲いかかるような事は
せず、また思いつかないようだ。
 ただ、考えの読めない素朴な瞳でなりゆきを見守っているだけ。
 首根っこを乱暴に掴まれたぷちは、そのまま玄関へと連行されていく。
 冷たい石床に敷かれた、40センチ四方ほどのダンボールの板の上に下ろされると、「今日からはそこで暮らすんだ」ときつく
命令された。

 テ、テジャアァァッ?!

「泣くなうっとおしい。お前みたいなワガママで言う事を聞かない糞蟲は、そこで充分だ!」

 テ、テ、テ……テェェェェェン、テェェェェェェン!!

「うるさい! ブルーが怯えたらどうするんだ?!」

 テェェェ……チベッ?!

 いきなり脳天をぶん殴られ、頭蓋と首を骨折する。
 大量に泡を吹いて悶絶したぷちを無視して、としあきはブルーを連れて家の中を案内し始めた。

「さぁブルーみてごらん。ここがお風呂場だぞー。今日からここでキレイキレイしてあげるからねー♪」

 ポキュー?

 すっかり実蒼石に興味が移ってしまったとしあきは、ぷちの存在などはじめからなかったかのように振る舞い始める。
 以前ぷちが使っていたものはすべてブルーの物になり、生活圏もすべて奪い取られた。
 それだけではなく、実装フードまで丸ごとブルーの物とされてしまった。
 ぷちがそれに気付くのは、意識を取り戻して随分経ってからのことになる。

 そしてそこから、彼女の本格的な不幸が始まった——



              ※            ※             ※



 ぷちは、冷たい風が吹き込む上、足下からじわりじわりと伝わってくる冷気に晒されながら、タオル布団もない状態で
眠らなければならなくなった。
 唯一与えられたのは、あのホウキとちりとり。
 としあきは、それはぷちの玩具だと認識しており、ブルーには使わせないつもりだった。

 ホウキを手にして呆然と玄関に立ったぷちは、泣きながら掃き掃除を始めた。


 テスンテスン、テスン……


 こんな状態に貶められたぷちにも、一つだけ幸運なことがあった。
 それは、暖かな部屋の中でベタベタイチャイチャするとしあきとブルーの姿を見ずに済んだことだ。
 こんな極限状態でそんな様子を見たら、ぷちの偽石は更に深刻なダメージを受けていたかもしれない。
 百兆匹に一匹と言われる究極的奇跡の実装石ぷちは、いまやスカポンタンな主人によって、二束三文以下の糞蟲的扱いを
受けている。
 それは心優しい彼女にとって人生最大の屈辱であり、悲しみだった。

 そしてぷちは、そうなった原因を「前髪」に求めた。


 きっと、ご主人様は髪の毛がないワタチを嫌いになったテチ!
 だからこんな酷い目に遭わせたテチ!
 どうすればいいテチ? どうすればいいテチ?
 どうすれば、またご主人様に抱っこしてもらえるテチ?


 そんな事を考えていると、ぽてぽてぽて、と可愛らしい足音が近づいてくる。
 見ると、頬を赤く火照らせたブルーが、興味津々でこちらを眺めながら寄ってくる。
 初めて間近で見る他実装…それは自分と同じくらいの体格しかないにも関わらず、圧倒的な威圧感と存在感、
そして恐怖感を与えてくる。
 対実蒼石防衛本能が発動してしまい、ぷちは、思わずホウキを放り出してその場に丸まってしまった。


 テ、テチャァァァァァッ!!

 ポキュキュキュ♪ ポッキュポキュー☆
(前髪のない糞蟲が居るポキュ。お前にはこの寒い場所がお似合いポキュ!)

 テ、テェ!?

 ポキュポキュポキュ、ポキュー
(薄汚い実装石如きが、ポキュの家の中に居るなんて我慢ならないポキュ。
 近いうちにあのバカニンゲンに命令して、お前を残酷にぷち殺してやるポキュ!)

 テ、テェェェェッ?!?!

 ポキュ〜! ポポポ、ポポキュ〜!
(本当はポキュが直接ぷち殺してやりたいポキュ。けど鋏がないから仕方ないポキュ。
 でも、ポキュにかかればお前達なんかいつでも皆殺しポキュ!)

 テ、テチャアッ!
(ワ、ワタチは何も悪いことしてないテチ!)


 見た目の可愛らしさに反して、ブルーの口から飛び出す言葉は醜悪極まりないものばかり。
 その酷さに、ぷちはつい言い返してしまう。
 そんな彼女の態度に、ブルーはニヤリと口元をゆがめて笑った。


 ポッキュ〜! ポキュキュキュキュ!
(今やニンゲンの家を手に入れた最強のポキュに向かって、失礼な口を聞く奴ポキュ)

 テ、テチャアッ! テチテチ、テチィッ!
(なんて事を言うテチ! ここはご主人様の大事なおうちテチ!)

 ポキュ〜? ポキュー…
(お前何言ってるポキュ? 世界最強を誇るポキュに文句あるポキュ?)

 テ、テェェ……テ、テチィッ!
(そ、それは……も、文句大有りテチ!)

ポッキュ〜
(いい度胸ポキュ…)


 恐怖に震えながら、全力で勇気を振り絞って反論するぷちと、それを冷ややかに見下すブルー。
 しばしのにらみ合いの後、ブルーは棒立ちのぷちに突進し、激しいパンチを繰り出した。

 ペチッ
 テチッ?!

 ペチッ
 テチャッ?!

 ペチ、ペチ、ペチ、ペチ
 テチャ、テチャ、テチャ! テ、テェェェン!

 生まれてこの方、一度たりとも戦いを経験していないぷちは、躾やお仕置きとは違う純然たる「暴力」というものに、生まれて
初めて晒された。
 闘う意味も理屈も理解していないたためか、ブルーの暴力への抵抗手段がわからない。
 無意識に手で顔を庇いはするが、ブルーは構わずその上から攻撃を加え続ける。
 人間基準で見れば大した差のない攻撃力だが、当の本人達にとってはそうではなく、ケンカ慣れした中学生にフルボッコに
される小学一年生にも等しい。
 非力極まりないぷちは、ブルーにあっという間にねじ伏せられてしまった。

 テェェェン、テェェェン!

 ポキュキュキュ♪

 思い切り力を振るい、ストレスを発散して満足したのか、ブルーは手に付着した血をぷちの実装服で拭い、最後に思い切り
脇腹を蹴飛ばして部屋へと戻っていく。
 ついに、としあきは助けに来てくれなかった。
 その現実がとても悲しく、せつない。
 その頃、としあきはヘッドフォンをしながら初心者用実蒼石育成HPを閲覧しており、玄関のトラブルにはまったく気付いて
いなかったのだが。


 その夜、餌を与えに玄関に向かったとしあきは、全身を血で汚しているぷちを見て再び激怒し、実装服を無理やりはぎ取って
放置した。
 ぷちがケガをした事を心配するよりも、実装服を汚してしまった事に怒りを覚えたとしあきだったが、彼女には当然そんな事は
わからない。
 またも、不条理なお仕置きを与えられて困惑し、悲鳴を上げるしかなかった。
 実装服はなんとか洗ってもらえたものの、ろくに乾かさない状態で戻されたため、ぷちは裸のまま外から吹き込む冷風に耐え
続けなければならなかった。
 当然、餌は抜きである。


 実蒼石が来たテチ。
 このままだと、いつかワタチは殺されてしまうテチ。
 ご主人様…助けて欲しいテチ。
 気に入らない事をしてしまったなら謝るテチ、許して欲しいテチ。
 もっとよい子にするテチ、お掃除ももっともっとしっかりやるテチ。
 だから……あの子を近づけないで欲しいテチ。


 ドアの隙間をすり抜けて来る外気は、日が暮れるに従ってどんどん冷たさを増す。
 ぷちはまだ湿っている実装服で身体を覆い、必死で寒さに耐えようとしていたが、逆に身体は冷たくなっていく。
 散々悩んだ末、ぷちは敷かれているとしあきのサンダルを支えにしてダンボールを立てると、風防代わりにした。
 石床から来る冷たさだけは防ぎようがないが、背中を下にすれば長い後ろ髪がクッション代わりになり、若干ましになる。
 肌が石床に触れる面積を出来るだけ減らし、ぷちはその晩を乗り切る事にした。
 ダンボールハウスの中にあるタオル布団は、どうなってしまったのだろうか?
 もはや懐かしさに変わったぬくもりを思い出しながら、ぷちは小さく「テェ…」と鳴いて、寂しく眠りに就く事にした。



 ポキャー、ポギャー!!

「どうしたんだいブルー? このタオルを使いなさい。風邪を引いちゃうだろう」

 ポギャー、ポギャァァァ———ッ!!

「ちゃんと洗濯して乾かしてあるんだぞ? 汚くなんかないんだから…」

 ポキャーッ、ポキャーッ! ポェェェェェェン!

「おいおい、なんで泣くんだよ…弱ったなあ」


 その頃、ダンボールハウスではぷちが使っていたタオル布団を嫌がり、ブルーが必死で抵抗していた。
 なんとか無理やり布団に入らせようと悪戦苦闘するとしあきだったが、ブルーは全然言う事を聞いてくれない。
 少し呆れてはみたものの、飼い始めたばかりなんだし、こんな程度で躓いているようじゃダメだと自分に言い聞かせる。
 だがとしあきは、どうしてブルーがこんなに抵抗しているのか、その理由をまったく理解していなかった。

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■実蒼石を飼ってみよう! 初心者編 1:

 (中略)

●実蒼石とは何か
●実装石との違い
●生態について
●実装石の性格と対処の仕方
●実蒼服と帽子、はさみについて

 (中略)

●生態について:
 実蒼石は、同種である実装石の天敵に当たります。
 元来実蒼石には強い凶暴性と自己誇示願望があり、自分より強い存在に対しては従順
ですが、弱い存在に対しては傍若無人に振る舞おうとしたり、自分の力で成し遂げた事を
自慢したりしてしまいます。
 この性質のために、時にはおぞましい方法で実装石を殺害・捕食したりします。
 そして実装石も、猫が犬を警戒する以上に実蒼石を恐れてしまうのです。

 現在ペットとして流通している実蒼石は躾済みなので上記のような凶暴性はありませんが、
逆に言うと「躾なしでは絶対飼えない」とも言えるわけで、ある意味では実装石より遙かに
たちの悪い動物かもしれません。
 しかし、その生態を理解すればとても楽しい生活のパートナーになってくれます。
 ここでは、実蒼石を飼うために必要なポイントを簡単にまとめてみましょう。


1.実装石とは決して一緒に飼わない
 双方にストレスが溜まり悪影響が出てしまいます。
 特に実装石は恐怖の余り偽石を自壊させてしまう危険もあるので、絶対にやってはいけません。
 これは、幼少時から一緒に育てたとしても例外ではありません。

2.実装石の匂いがする場所に実蒼石を住まわせない
 実蒼石は、実装石の匂いを激しく嫌悪する性質がありますので、以前実装石を飼っていた
人は完全に匂いがなくなるまで(風通しの良い部屋でおおむね四ヶ月以上)実蒼石を飼っては
いけません。
 実蒼石は大変に嗅覚が鋭いため、巣やトイレ、布類などは洗浄しても反応してしまいます。
 出来る限り道具は新規のものを揃えてあげましょう。

3.凶暴性を刺激するような物を与えない・近くに置かない
 躾済みでも、実蒼石には強い闘争本能と凶暴性が残っています。
 飼い主の不注意でこれが目覚めてしまうと、もう手が付けられなくなります。
 他の動物(同族含む)との接触を完全に断ち、また固い得物や刃物(代用品含む)に
なりそうな物品を近くに置かないようにしましょう。
 特に、鋏やカッターは絶対に手に触れさせないように注意が必要です。
 その他、ハムスターや小鳥、子犬や子猫、小型爬虫類なども傍に置いてはいけません。
 (退屈すると殺してしまう事があるためです)

4.甘やかさない
 別項でも触れますが、実蒼石との付き合い方はドライである事が望ましいです。
 人間の子供や他の動物と同じように甘やかしてしまうと、もっと自分を褒めて欲しいと思う
ようになり、悪気なく無差別に破壊活動を始めたり、動物を虐待し始めたりしてしまいます。
 逆に、飼い主との距離が適度に離れていると、実蒼石は自分の生活テリトリーを理解し
大人しく振る舞うようになります。
 とにかく、喜ばせ過ぎない・調子に乗せないように注意が必要です。

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              ※            ※             ※



 翌朝、なんとか寒い夜に耐え抜く事に成功したぷちは、凍える身体をこすって暖を取ると、ダンボールとサンダルを戻して早速
玄関の掃除を始めた。
 そうやって身体を動かし続けないと、本当にまずいと本能的に察したのだ。
 千兆匹に一匹の優秀な実装石ぷちは、ここに至っていまだとしあきもブルーも憎んではいなかった。
 それどころか、どうやったら彼らと仲良く生活していけるのかを、真剣に考え続けていた。
 自分に出来る事は、もう掃除しかない。
 だけど、一生懸命やればきっと誠意は伝わる。
 そう信じて疑わなかった。


 もうすぐ午後になろうという頃になって、ようやくとしあきが餌を与えてくれた。
 ぷちは昨日からろくに食べていないせいで空腹を通り過ぎ、まともに動けないという状態にまで陥っていたが、それでもとしあき
に感謝して、きちんと頭を下げて「いただきます」の挨拶をした。
 勿論、としあきは何の言葉もかけてこない。

 与えられた餌は——キャベツの芯。
 それも、せいぜい4センチ立方あるかないかの、極小のもの一個だ。
 しかも、傷んでいるのか匂いがキツイ。
 これは、としあきがどこぞのサイトから拾い読みした情報に従って行っている、間違ったダイエットの結果生じた生ゴミで、おととい
一度三角コーナーに捨てたものを拾ってきたのだ。
 としあきは、もうまともな食べ物をぷちに与える気などなくなっている。
 その証拠に、玄関にはぷち用の飲料水を飲む道具すらない。
 ぷちは、ほんの小さなキャベツの芯に含まれた水分だけで補給を行わなければならない。

 テ、テェェ…
 
 それでも、ぷちは我慢してそれを食べた。 
 口の中に不気味な甘みと臭み、ねちょっとした腐敗物の舌触りが広がり、思わず吐き出しそうになるが、「こんな物でもご主人様が
くださった物なのだから」と必死で言い聞かせ、全力で飲み下す。
 腐り始めた野菜クズを咬んでいるうちに、ホロリと涙がこぼれる。
 あまりにも厳しすぎる待遇に、ぷちの我慢は限界に達しようとしていた。
 だが、一京匹に一匹という奇跡の実装石であるぷちは、それを更に乗り越える事ができるだけの、奇跡的な我慢強さと信念を
持っている。


 ワタチは今、きっとご主人様に試されているテチ。
 ワタチが理想的な飼い実装になれるかどうかは、きっとここにかかってるテチ!
 この苦境を乗り越えて、いつかきっとご主人様にとって最高のペットになるテチ。
 あのとっても怖い「蒼い仔」とも、いつか仲良しになってみせるテチ。
 ママ…ワタチを見守ってくださいテチィ……


 無意識に跪き、天を仰ぐように祈るぷち。
 その背後から、「ポキュキュキュキュ♪」という耳障りな笑い声が響いてきた。


 ポキュポキュポキュ、ポキュキュン♪
(前髪のない糞蟲が、裸で何やってるポキュ?
 お前みたいな無様な肉の塊は、我が家には相応しくないポキュ。
 お前はいつかポキュがズダズダにしてお鍋の具にしてやるポッキュン♪)

 テ、テェェェッ?! テチャ、テチャアッ!
(ど、どうしてそんな酷いことを言うテチ?
 ワタチは、ご主人様やあなたと仲良くしたいテチ!)

 ポ?
 ポ……ポギャッハッハッハッ!!
(仲良く?
 ギャハハハハ! それは面白いギャグポキュ!
 誰がお前みたいな醜い汚物と仲良くするポキュ?!)

 テ、テェェッ?!
(ひ、酷いテチ! なんでそんなに虐めるテチ!?)

 ポキュー……ポキュ!
(それはお前が実装石だからポキュ。
 他に理由なんかないポキュ!!)

 テ…

ポキュ〜…ポキュポキュポキュキュキュキュ〜〜っ!!
(ポキュの家に臭いくちゃい実装石はいらないポキュ!
 あのバカニンゲンは頼りにならないポキュ。
 だから、ポキュがお前をここに居られなくしてやるポキュ!!)

 テ、テチャァァァッ?!


 ここに来て、ぷちは、ようやく腹の底から理解した。
 このブルーこそ、噂に聞く「糞蟲」に違いない!
 思い返せば、ペットショップで間引かれた妹も、これとよく似た性格をしていた。
 怖い気持ちを必死で抑え、出来る限り友好的に接しようとしたが、ブルーは話をまともに聞こうともしない。
 見た目こそ可愛らしく、クリクリした瞳とふっくらしたほっぺが特徴的な仔実蒼だが、その中身が腐り果てているのは疑いよう
がない。
 どうしたことか、としあきは糞蟲的性格の実蒼石を格安で購入してきてしまったのだ。

 だがぷちは、その後、実蒼石の本当の恐ろしさを実感させられる事になる。
 何を思ったか、玄関に躍り出たブルーは、突然自分の右腕に噛み付くとそのまま食い千切った。
 大量の鮮血が迸る!

 テ、テェェッ?!

 突然の奇怪な行動に驚くぷちを尻目に、ブルーは素早く体当たりを仕掛ける。
 勢いで倒れ込むぷちの服と腕に、ブルーの血が付着した。
 ブルーはニヤリと微笑むと、今度はその場に倒れこみ、搾り出すような悲鳴を上げ始めた。


 ポ、ポキャアァァァァァ———ッッッッ!!!!

 テ、テチィッ?!


 突然腕を押さえてのた打ち回るブルーと、状況を理解できずうろたえるぷち。
 悶絶する様子に、つい持ち前の優しさを発揮してしまった。


 テ、テチィッ?! テ、テェェェ?!
(だ、大丈夫テチ?! そんなに痛いテチ?! しっかりするテチ!)


 腕から大量に出血しながら、ジタバタと暴れてダンボールや石床を汚していくブルー。
 それを必死で押さえ、自分の実装服で血を拭き取ろうとするぷち。
 傷口を舐め、血を止めようと努力するが、染みるせいか益々暴れて始末に負えない。
 それでも、心優しいぷちは全力で助けようとしてしまう。
 十京匹に一匹の奇跡と言われるぷちも、所詮は実装石…予想外のパニック時には、それまでの考えと異なる行動に走りがち
になってしまう。
 先程までの本能的恐怖感や嫌悪感、疑惑は一時的に消滅し、今はただ、目の前の怪我人を助けようという気持ちだけが
突っ走ってしまっている。

 としあきが慌てて駆け込んできたのは、その直後だった。


「——ぷちぃっ?! な、なんて事をするんだっ!!」

 テ、テチィッ!

 ポキャアァァァァン! ポキャァァァァン!!

「ぷち……お前、お前ぇぇぇぇっっっ!!!!」

 テ、テチャ?! フルフル
(違うテチ! ワタチは……)

 ポキャアァァァン! ポキャアァァァン!!
(この仔にいきなり齧られたポキャァァン!)

 テチャアッ?!
(う、嘘テチ!)

「ついに本性を現したなぷち。お前…やっぱり一番始末に負えないタイプだったんだな!」

 テ、テチャアァァァッ?!


 怒りに駆られたとしあきに鷲づかみにされ、高く持ち上げられたぷちは、懸命に首を横に振り否定を繰り返す。
 だが、そんなものでとしあきの誤解を解ける筈などない。
 足下では、ブルーが早速ポキュキュキュと下品な含み笑いをしているにも関わらず…

「二度と…二度と俺のブルーに手出しできないようにしてやる!」

 テ、テジャアァァァァァァ———ン!!!


 ぷちは、再び理解した。
 もう、自分達の関係は決して好転しないということを……


              ※            ※             ※


 その後。
 重症を負った(実際は実装シリーズなとっては軽症のレベル)ブルーはとしあきに手厚く保護され、丁寧な治療を受けて
ダンボールハウス内で安静にされる。
 一方ぷちは、ついに後ろ髪までも引き抜かれてしまい、トドメとばかりに頭から冷水をぶっかけられた。

 テ、テピャピャピャピャピャーッ?!?!

 この寒い季節、水道水といえどその温度はかなり低下している。
 そんなものを洗面器一杯かけられたぷちは、一瞬心臓麻痺を起こしかけるほどの深刻なダメージを受けた。 
 体温の急激な変化は思考混乱を招き、意志とは無関係に奇怪な悲鳴が漏れる。
 水びだしになった玄関で、ぷちは後ろ髪を失ったショックに浸る暇すら与えられず、無意味に駆け回り続けた。
 みしり…と嫌な音が体内で響き、それがようやくぷちの身体暴走にストップをかける。
 すぶ濡れのダンボールの上にぶっ倒れたぷちは、更にとしあきの蹴りを食らって、玄関のドアにしこたま顔面と腹をぶつけた。

 デピャッ!

 としあきの蹴りは本気ではないものの、中実装にはきつすぎる強さで、ドアの激突がなくても肋骨や背骨、腰骨を著しく損傷
させるだけの破壊力は充分にある。
 力なく崩れ落ちたぷちは、もはや自力で濡れた服を脱ぎ去る事も出来ず、また後頭部の痛みに手を添える事すら
ままならなかった。

「ぷち! もうお前みたいな酷い糞虫には愛想が尽きた! 明日お前を捨ててやる!!」
 
 テ、テ、テ……チ……?

「お前とは今夜限りだ!」

 テ……

「まったく、実装石ってホントにろくでもない奴ばかりなんだな、飼ってやって損した!」

 ……

 薄れ行く意識の中、ぷちは、激怒するとしあきの声を聞いて悲しみに暮れた。

 何が、どうして、こんな事になってしまったのだろう?
 どうしてご主人様をこんなに怒らせてしまったのだろう?

 もはやぷちには、すべてが理解不能だった。
 今まで母や店員に教えられてきた善悪の判断基準は否定され、主人を思う優しさも意味を成さず、あげくには捨てられることに
なってしまった。

 ここに来たばかりの時、あんなに可愛がられたのは何だったのだろう?
 テーブルの上の遊び場で、玩具で楽しく遊べた日々は何だったのだろう?
 ご主人様に抱かれて、温かいお風呂で丁寧に身体を洗ってもらえた記憶は、夢だったのだろうか?


 ご主人様……ごめんなさいテチ。
 よくわからないけど…きっと、よくわからないワタチが悪いテチ。
 ご主人様の気持ちを理解出来なかった、バカなワタチが一番悪いテチ……。
 ワタチ、今度生まれ変わって来た時は、もっとご主人様に尽くせる仔になりたいテチ…。


 薄れ行く意識の中、ぷちは、以前としあきに本を読んでもらった楽しい思い出を反芻していた。
 膝の上にちょこんと乗り、綺麗で可愛い服を着た人間の女性が、男性と仲むつまじく絡み合っている内容だった。
 内容はあまりよくわからなかったが、とにかく男女が仲良くしている平和的なお話なのだという事は理解出来た。
 そして、としあきもこういう物語が大好きだという事も……
 その頃のぷちは、ご主人様と同じ本を一緒に読むという行為そのものに喜びと幸福を覚えていた。

 楽しい記憶の中、突然、蒼い者の幻影が混じる。
 いやらしく口と頬をゆがめ、あざけるように笑う醜悪な存在。
 それが、本来ぷちの居るべき場所を強引に奪い取る。
 ぷちの意識は、そこで突然現実に引き戻された。


 テチィ……
(あの仔はダメテチ…)

 テェェ……
(きっと、いつかご主人様を困らせてしまう仔テチ)

 テチ…テチ、テチィ…
(なんとかしなきゃダメテチ。ワタチしか、あの子の悪い所に気付いてないテチ)

 テ、テチイィィィィィィィ……


 弱々しい声を一つ上げると、ぷちは突然糸が切れたようにパタリと倒れ込み、そのまま動かなくなってしまった。
 どんなに寒い風が吹き込んでも、石床がどんどん体温を奪い取っても、ピクリとも動こうとしない。

 目をカッと見開いた状態のまま、ぷちは………



              ※            ※             ※



 翌朝。
 いよいよ、ぷちが捨てられる朝が来た。
 先にトイレに行こうと玄関の前を横切ったとしあきは、眼前に広がる予想外の事態に吃驚した。

「な、な、な、なんだ、なんだこれはぁっ?!」

 ポキュ〜? ポ……
(やかましいポキュ、クソニンゲ……)

 眠りを妨げられたブルーも、玄関を見て硬直した。


 玄関には、全長1.5メートル程もある巨大な白い物体が転がっており、そこから無数の糸が壁や床、天井にまで伸びていた。
 カサカサになった薄いダンボールはその下敷きになっており、横には散らばった亜麻色の髪の毛が落ちているが、ぷちの姿は
どこにもない。

 だが、ぷちは間違いなくそこにいた。
 白い物体は、まるで心臓の鼓動のように、時たま側面部をドクンと脈動させている。

「何だこれ? ぷちの奴、また何かやったのか?! どこ行ったんだあいつ?!」

 ポキュ……

 としあきもブルーも気付いてないが、それは、実装石が作り出すと言われている「繭」だった。
 本当ならば、特殊な条件を満たした個体のみが作ると言われる、ほとんど伝説に近いもの……

 百京匹に一匹という宇宙規模の奇跡実装ぷちは、本当に奇跡を起こしてしまった。
 
 
 (続く)

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