タイトル:【虐】 悲しみのチュワワ 2
ファイル:悲しみのチュワワ2.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:3589 レス数:0
初投稿日時:2008/01/05-00:12:03修正日時:2008/01/05-00:12:03
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                                  「悲しみのチュワワ 2」


『泣いてる場合かチュワワ!こんなに汚しやがって』
『汚した所を舐めろ』

「チュワ?舐めるって・・これはウンチテチュ」
「ウンチは舐めるもんじゃ無いテチュ」

『うるっさい!』

健太はチュワワの頭を鷲掴みにすると、糞溜まりに顔をぐちゃぐちゃと押し付けた。


『食え!食え!きれいに舐めろ!』

「チュワァ!チュワッ!チュワワワァァァァア!!」

チュワワは悲鳴を上げ必死に糞舐めの抵抗をした。
ウンチを食う事はチュワワにとって初めてではなかった。
この家に来る前も母実装や姉のウンチはチュワワの餌だった。
二匹がおいしそうに食べる餌を横目に、チュワワはひり出されたウンチをハウスの隅で一匹だけで食べていた。
母親にしてみれば保存食に自分の食料を分けて上げるなど、意味が無いしありえない事だ。

腐ったウンチを食べていると姉が自分の食べている残飯を自慢げに見せびらかした。
みじめだと思った、なぜ自分だけだと思った、だけどウンチ以外にチュワワの口に入るものは許されなかった。
そんな姉に作り笑いをしてご機嫌を伺った事もある。
もしかしたら食べている物を分けて貰えるかもと思ったからだ。

姉の返事は糞緑色に汚れたパンツを下ろしウンチをチュワワの前でひりだし示した。

「オマエの餌はウンチ以外許されないテチ」

そう言ってホカホカのウンチを食べるようチュワワに命令をした。
チュワワは湯気の出るウンチを泣きながらほうばった、残飯のカスウンチは幾ら食べても栄養にはなりにくい。
それでも食べる物は他には無い、チュワワにとって命を繋ぐ唯一の食料なのだ。

やっとそんな地獄から開放されたのに、また同じ事を命令された。
それも嫌いな姉ではなく大好きな健太からだ、チュワワにとってそれが一番悲しかった。

健太がチュワワの頭から手を離すとウンチに顔を突っ込んだままチュワワは泣き出した。

「えっく、えっく・・チュァァア・・」
「チュワァァン!チュワワァァァァン」

健太はチュワワのそんな過去を知る由も無い。
『いいか!その糞を全部舐めきるまで餌抜きだ』そう言うとその場を離れた。

「グス・・グスン・・ご主人様すごく怒ってたテチュ」

チュワワは座り込むと床に散らばってこびりついているウンチを見つめた。
トイレに貯まっていたウンチが全て床に落ちている、その量は健太がトイレ掃除をしなくなってから一週間分の量がある。

「こんなにたくさん舐め取れないテチュ・・」

なぜこうなってしまったのかをチュワワは考えた、最近の健太は怒りっぽく何かにつけてチュワワに文句を言った。
チュワワはこうなった責任は自分にあると思ったが、その理由が分からない。
連れて来られた頃は厳しい面もあったが、その後は必ず優しくしてくれた。

理由があるから怒られる、それなのに今回はウンチを散らかしたが自分で片付けようとした。
これ程まで酷い仕打ちをされる事が理不尽だと感じた。

「きらいテチュ・・ご主人様なんかきらいテチュ・・」

舐め取ろうと握ったウンチを床にベチャリと投げつけた。
30分程だがチュワワはその場所でじっと汚れた床を見つめた。
そして両手を目の前にかざして見る。

「汚いテチュ・・チュワワのウンチテチュ」

両手はウンチで緑色に汚れている、それを自分の前掛けにゴシゴシと擦り付けた。
すると汚れた前掛けが更にウンチで汚れた。

「ご主人様に買ってもらったお服がドロドロテチュ」

チュワワは健太に自分の服を買って貰った時の事を思い出した。
この家に来た時チュワワの服は、今の様にウンチがこびり付き所々破れていた。
シャワーを浴びてきれいになった体に着せると、また服に付いたウンチで汚れた。
洗った所で破れた場所はもう戻らないなと思った健太は『ちょっとの間だけ我慢してくれ』と言った。
チュワワは何を我慢するのか分からなかったが、「チュワ!」と、返事をした。

その日の夜チュワワはまたシャワーできれいにされた。
シャワーから出ると健太は新しい服をチュワワに見せた。
チュワワはその服が自分の物だとは今までの暮らしから理解が出来ない。
何かを貰うという事が、チュワワには想像できなかった。

「チュチュ?」と、言いながら首を捻っていると健太が『両手を上げて』と言ったので言う通りにした。
スルリとその服が体を通って着せられる、その時チュワワは初めてこれが自分の為に与えられた服だと知った。
新しい頭巾を被せられギュッと前掛けを締めて貰うとチュワワは健太を見た。

『ほうら、良く似合うぞ』そう言うと組み立て式の鏡をチュワワの目の前に置いた。

チュワワは鏡の前で自分の姿を確認する、向きを変える度「チュワ!チュワ!」と、驚きの声をあげた。
汚れ一つ無い折り目の付いた真新しい実装服、洗ったばかりの自分の体、全てが清潔で汚れの欠片も無い。
生まれて初めての体験にチュワワは健太に抱きついて精一杯の感謝をした。
チュワワは心から幸せだと思った、そしてその幸せをくれた健太の事が好きで好きで堪らない。
その時のチュワワは健太の為に自分は一体何が出来るのだろうかと思っていた。



チュワワは現実に戻るとウンチの塊を見つめた、そして手に取るとそれを口に持っていく。
久しぶりに味わうウンチは実装フードや人間の食料に慣れた舌に吐き気をもよおさせる

「ゲボゥッ!!ゲホ!」

ウンチ混じりの黄色い嘔吐物がぼとぼととウンチの上に落ちた。
チュワワは四つん這いになるとその汚物を犬の様にペロペロと舐める。
苦く酸っぱく腐った味が口一杯に広がり、それがまた嘔吐を繰り返させる、
チュワワは何度も吐いては舐めてを繰り返す。

「チュワワは悪い仔テチュ」
「ご主人様に反抗するなんて・・チュ」
「これは罰なんテチュ、チュワワが悪い仔だから・・」

チュワワは自分にそう言い聞かせると懸命に床にこびり付いた自分のウンチを舐めた。
大好きな健太に嫌われたくない、その思いがチュワワの体を動かしていた。




チュワワにウンチを舐めるよう命令した後、健太は母親とチュワワについて話し合っていた。
「実装石と躾け」と書かれた実装石の本をテーブルに置くと母親に読む様に勧める。
母親は本を手にして躾け欄を開き『何だか可哀相』と、呟いた。

『母さん、可哀相でも躾けはチュワワには必要な事なんだ』

健太の母親は自分に良く懐いているチュワワが可愛かった。
決められた時間以外に餌を与えたのも、実は母親からだった。
自分の後をチュワチュワとさえずる様な声を出して付いて来るチュワワは、
母親にとっても子猫を見ている様に映った。

自分の食べている物を分け与えるとチュワワはとても喜んだ。
そして抱き上げ頭を撫でると、抱きついて甘えいつまでも離れようとしない。
チュワワは知らずに母親の母性本能をピンポイントで鷲掴みにしていた。

『今、チュワワに躾けの一環として自分の糞を舐めさせている』

母親はえっと言う顔をした。

『なんて可哀相な事を、あんたはチュワワが憎いの』

健太は母親の前に置いてある本のあるページを開き指差した。
そこにはトイレの躾として、漏らした糞は舐め取らせて本人に分からせる行が書いてある。

『本来実装石は糞を食べても平気なんだけど、飼い実装になったら糞食いは屈辱となるんだ』
『なぜだか分からないけど野良と飼いは、ある時期から性質が変わるそうだよ』
『だから飼い実装になったらトイレの躾けに、一度は糞を食わせる事が必ず必要なんだと書いてある』

母親はそのページを真剣に読み始めると『確かに書いてあるわ』と答える。

『こっちへ来て母さん、チュワワが糞を舐めているかどうか確認をしよう』

チュワワの事が気になった母親は健太の後ろを付いて行く。

ガラリ!と引き戸になっている扉を健太が開けると、ウンチを舐めていたチュワワはビクンと体を震わせた。
チュワワは健太と母親を見上げ「ごめんテチュ、まだ終わってないテチュ、いま・・いま全部舐めるテチュ!」
すぐに四つん這いになりウンチを舐めた。
二人は何も言わずただチュワワを見ていたが心境は複雑だった。

大好きな健太と母親がウンチまみれで汚れウンチを舐めている自分を見ている。
チュワワは惨めで惨めで堪らなかった、いつしか涙がぽたぽたと落ちて来て前が見えなくなる。
涙を拭ってはまたウンチを舐めまた涙を拭った。

それでも二人は何も言わずに見つめていた、途中で許すのは簡単だった。
だがそれをする事はチュワワに返って気の毒な様に感じた。
懸命にウンチを舐めるチュワワに、二人は心を打たれる何かを感じた。


チュワワが全てのウンチを舐め終わる、実際は幾らきれいに舐めた所で清潔な訳ではない。
そんな事は些細な事だった、二人は涙をためて見上げるチュワワに駆け寄ると、
ウンチまみれのチュワワを抱え上げた。

『良く頑張ったな、本当は僕も辛かったんだ・・ごめんよチュワワ』
『こんなに汚れちゃって、後でシャワーを浴びましょうね』

涙をこらえていたチュワワは、二人に優しい言葉をかけて貰うと堰をきった様に泣き出した。

「チュワーン!チュワワァァン!」
「悪いのチュワワテチュ、言いつけ守らないからテチュ」
「ごめんテチュ、ごめんテチュ、チュワ!チュワ!チュワァァァァ!!」





                △





健太と母親は「実装石と躾け」を前に真剣な顔をしていた。

『私はやりません、こんな事チュワワに出来るわけ無いじゃないの』

『分かってる、僕がチュワワの主人だ僕がやる』

健太はこれからの事を思うと気が重かった。
チュワワの躾けは順調に進んでいたが、あるページに差し掛かると健太も母親も進めなくなってしまう。
最後の躾けは肉体的苦痛の欄だった、実装石の主人なら必ず通らなければ行けない行為だ。
躾け方の初歩はビンタに始まり、軽い悪戯なら指で頭や体を弾いて分からせる、それが進むと腕や足をポキリと折る。
更に鉄拳制裁、手足の切断、どうしても分からなければ火傷を負わせそれを見る度に思い出させる。
健太にはそんな残酷な事は出来ない、出来てせいぜいビンタ止まりだった。
幸運な事にチュワワは賢い個体だったので、今まで何かあってもビンタ程度で済ませられた。

『僕は喧嘩だってしたことがないんだ、チュワワをこんな目にあわせられるだろうか』
『こんな事したら・・僕の方がおかしくなってしまう』

実装石躾け本は基本的に虐待派寄りに書かれてある、気の弱い健太には読む事すら苦痛だった。
だがそれだけではない、健太がどうしても通過しなければ行けない事がもう一つあった。
肉体的躾をする前に必要な事、それは偽石の摘出である。
主人が本当に可愛いと思うなら偽石を摘出後、栄養剤に漬け込む必要があった。

実装石はひょんな事で偽石が割れて死んでしまう事がある、人間と違い恐ろしいほど弱く出来ているからだ。
何かがチュワワの上に落ちたり、うっかり踏んづけたり、シャワーの温度が高かったり。
そして躾けの行き過ぎによって肉体的でも精神的でも死ぬ可能性があった。
死ぬ理由は幾らでも考えられた、摘出はそんな事故からチュワワを守る唯一の手段だ。

それにはチュワワの腹をナイフで切り裂き偽石を取り出す必要がある。
それをするのは主人でなければ行けない、その責任が主人にはあるからだ。

健太はチュワワがいる居間を気づかれないようにそうっと覗いた。
チュワワは健太の与えた仔実装用のオモチャで遊んでいる最中だった。
ソフトボールに抱きつきコロリとひっくり返ると「チュチュチュッ♪」っと小さく声を上げる。
その姿はとても無邪気で健太もいつの間にか頬を緩ませていた。

『やるしかないか、暫くへこみそうだよ』

健太が居間に入って来ると、それに気づいたチュワワが駆け寄ってくる。

「ご主人様チュワワと遊んでくれるテチュ?」

健太の目の前で何度も飛び跳ねると遊んで欲しいとせがんだ。
そんなチュワワを見て健太は真面目な顔をする。
チュワワもその雰囲気を察すると、ピタリと動かなくなり笑っていた顔が不安な顔へと変わった。
何か自分がいけない事をしたのだろうか?チュワワの心臓が早くなる。

『チュワワ良くお聞き、これから話す事はチュワワの為にしなければいけない大事な事なんだよ』

「チュ〜?」

『良いかい僕の事を信頼しておくれ、絶対にチュワワを苛めるって訳じゃないから』

チュワワは口元をへの字にキッと結び、しっかりと返事をした。

「テチュ!ご主人様!」

『分かってくれたんだね、いいかい今からチュワワの偽石を取り出す』

「チュ?」

チュワワは健太の言ってる意味が分からない。

『チュワワの偽石はお腹の中に入っているんだ』

自分のおなかをさすり「おなかの中テチュ?」と、不思議そうな顔をする。

健太はチュワワに腹を切る為の刺身包丁を見せた。
その包丁は刺身を切り分ける為に細く鋭できている。
通常の包丁とは明らかに形状が違っており異様な形をしていた。

「チュワ!」

チュワワはその包丁を見ると目を大きき開き驚きへたり込む、その体勢のまま後ずさりを始めた。

「ヂュァァア!!チュワワッ!!」

ブバァ!ブリブリブリ!

チュワワは手をブンブンと振り恐怖のあまりパンコンをしてしまう。
実装石の本能なのか見た事が無い物でも、あれは痛い事をされる物だと認識が出来た。
しかもそのレベルは尋常ではない、ドーパミンが激しく抽出されて脳を揺さぶる。

「いやテチュ!来ちゃ駄目テチュ!ヂュァァァァァアア!!」

『本に書いてある通りだ、DNAに刷り込まれた何世代も前の記憶がチュワワを怖がらせているんだ』

健太がチュワワの体を掴むと、チュワワは逃げ出そうと手足をバタバタともがき必死に抵抗をする。

「チョワ!ヂュア!ヂィィィィィィィィ!!」

『いい加減にしないかチュワワ!これはチュワワの為なんだぞ』

「刃物=凄く痛い死」この単純な法則は実装石全てに当てはまった。

チュワワは我を忘れ掴んでいる健太の手をペチペチと叩いた。
そしてあろう事か健太の親指をカプッと噛んだ。

『いてっ!』

健太の手からチュワワがこぼれ落ちる、親指を見ると薄っすらと血が滲んでいた。
チュワワはヂーヂーとうめき声を上げ部屋の隅まで逃げて行った。

健太はチュワワの意外な一面を見て少しショック受ける。
大人しい性格だと思っていたのに野良としての野生が残っているんだなと感じた。

チュワワの意識は既に無く恐怖という意識がチュワワの脳を完全に支配してしまう。
本能はチュワワの中に隠されていた野良実装の本質を導き出した。
哀れな事に自己防衛本能は、チュワワニとって全てである主人の健太にもその牙を向けてしまう。

チュワワは追い詰められると実装石唯一の武器、歯を剥き出して威嚇を繰り返す。

「ヂユゥゥ・・ヂュァァァァア!!」

健太は『僕が分からないのかいチュワワ」と、呼びかける。

手を差し伸べるとその手から逃げる様にうずくまる、
頭を抱えぶるぶると震える姿は、公園でリンチにあっていた姿と同じだった。

健太は噛まれないようチュワワの後ろから、猫の首を掴むように右手で摘み上げた。
ジタバタと暴れるチュワワの顔は、目をつぶって痛い事をされるのを耐えているようにも見えた。
そっと左手をチュワワのお尻にあて抱きかかえると、やっと大人しくなった。

「チュワ?・・チュ?」

気が付くとキョロキョロと辺りを見回す、見上げると健太がチュワワを見ていた。

『正気に戻ったようだねチュワワ』

頭を撫でると、親指から血が滲んでいる事にチュワワが気づく。
かすかな記憶、それでもはっきりとその場所を噛んだ瞬間だけは憶えている。

「チュァァ・・血が出てるテチュ」

チュワワはすまなさそうな顔をすると、血が滲んでいる場所をぺろぺろと舐めた。

『チュワワ、僕はチュワワの為にやらなければ行けないんだ』

チュワワは決心したのか健太を見上げた。

「ご主人様が言うなら間違いないテチュ」
「チュワワの偽石はご主人様にあげるテチュ」




健太はチュワワを台所に連れて行くと、動けないようまな板に紐で縛り上げた。
手には刺身包丁が握られている。

『この本によると偽石の場所は胸の中央みたいだな』

慣れない包丁を握る手が震える『しっかりしろ、カエルの解剖と同じだろ』自分に言い聞かせる。

プス

包丁の先がチュワワの胸に刺さった。
ピンク色の肌にじわりと血が滲み、つーっと滴り落ちる。
とたんにチュワワの喚き声が響いた。

「ヂュァァァァア!!」

健太の母親は自分の部屋で耳を塞いで、その声が聞こえないようにしている。

唯一動かせる首をぶんぶん振って痛みに堪えるチュワワ、だがその痛みはまだ始まったばかりだ。

すーっときれいな胸に赤い切り口が上から下へおりてくる。
思ったほど血は出ない、鋭すぎる切り口が細胞を潰さずに切ったからだ。
チュワワも思ったより痛みが無い事が不思議だった。

次の瞬間その顔は苦痛に歪む。
健太がその切り口に手を突っ込んだからだ。

グチャリと内臓を掻き分け健太は偽石を捜した。
とたんに血が切り口から噴出すと、その血が健太の顔に飛び散った。

「ギョバババ!!チュバァア!!」

口から泡を吹いて声を絞り出すチュワワ、痛みと言うより火傷のような熱さが傷口を襲う。

『頑張れチュワワ!すぐに偽石を取り出すから』

健太に励まされチュワワは歯を食いしばった、
それでも内臓をまさぐられる度に信じられない痛みが伝わってくる。

「チュワ〜・・ご主人様、チュワワはもう駄目テチュ・・」

目が霞むとチュワワは痛みで気絶してしまう。
生物はあまりの痛みに直面すると、その痛みを感じさせないように痛覚が麻痺してしまう。
だが人間によって改良されてきた実装石は、その痛みを麻痺する機関が働かないようにされた。
チュワワの痛みは麻痺する事も無く、失神と言う状態でその痛みから逃れようとした。

ぐったりとするチュワワをよそに、健太は中々偽石を探し当てられない。

『ん?・・うん?・・』

何か硬い物が健太の指に当たった。

『これか!』

ぬるりとした黒い血に包まれた偽石は、指で血を拭うとエメラルド色の光沢を放った。

『これがチュワワの偽石か、案外小さいな』

健太はその偽石を大事そうにタオルできれいにすると、冷蔵庫に用意していたユンケル皇帝液に漬け込んだ。
そして包帯を持ってくるとチュワワの体をぐるぐる巻きにした。
縫合する必要が無い事は本に書いてあったので、処置も書いてある通りにした。




                  △


「チュ?・・チュワ?」

翌日になってチュワワが目を覚ました。
場所は自分の寝床になっている靴の空き箱だった。
ふかふかなバスタオルが掛けられている。

「ご主人様?どこテチュ、ご主人様」

チュワワは健太を呼んだ、一人だと心細かったから、頑張った事を褒めて貰いたかったから。

『起きたのねチュワワ、健太はもう会社へ行ったわよ』

現れたのは健太の母親だった、健太は既に会社に行っていた。

『いまゴハンを作ってあげるから』

そう言うと母親は台所へ戻っていった。
バスタオルをめくってみると、包帯でどうなってるのか分からない。
痛みは体をよじるとまだあったが、我慢できない程ではなかった。
暫くすると母親がチュワワに餌を持って来た。

『おなか減ったでしょう、たくさん食べなさい』

チュワワを片手で支えると玉子焼きを口に持っていった。
食べ物を前によだれを流すチュワワだったが、口を開けようとしない。

母親が『どうしたのチュワワ』と優しく聞いた。

「これはニンゲンさんの餌テチュ、チュワワは実装石だから食べちゃいけないテチュ」

母親は『フフフ・・』と微笑み『今日は特別よ』と答えた。

チュワワは慌てる様に玉子焼きにかぶりつくと、一心不乱に食べた。
母親はその様子を優しく見ていた。



              △



『もうすぐ仕事が終わる時間だな』

健太は時計を見上げ呟く、チュワワの事が気になってしょうがないからだ。

『頑張ったご褒美に、今日は実装ショップでチュワワになにか買って行こう』

仕事が終わり健太は会社を足早に出て行こうとした。
最近は明るくなったと同僚から良く飲み会に誘われる。
今日も誘われたが、用事があるからとやんわりと断った。



『いらっしゃい』

実装ショップのドアを開けると、店長が挨拶をしてきた。

『今日はどういった物をお探しですか』

既に健太と店長は顔見知りになっており、お互い気心も知れている。

『ええ、チュワワになにかオモチャでもと思ってね』

健太はこの店長から実装石の飼い方を色々と教えて貰っている。
店長の話ではチュワワはとても珍しい個体で、
野良実装ではまずありえない性格と賢さを兼ね備えているらしい。

以前、客から預かった野良実装から飼い実装になった個体を見せて貰った事がある。
そこら中に糞を漏らし、パンツは糞がべったりと付着して凄く汚らしかった。
とてもチュワワと同じ元野良実装石だとは思えない。
性格はいつもデプデプとあざけり笑いを人間に対しても繰り返し不快感を感じた。

『しかしチュワワちゃんの鳴き声は面白いですね』
『可愛くチュワチュワ鳴いてる様子が目に浮かびますよ』

そんな話をケージに入った仔実装を見る振りをした女が聞き耳を立てている。

(チュワチュワですって、何だか面白そう)

女は健太に声を掛けた。

『えー!チュワチュワって鳴くんですか、なんだか可愛いですね』

『あ、ああ?所で君は』

『わたしー、橘圭子って言います、ケイコで言いですよ』

健太は馴れ馴れしい女だなと思ったが、容姿はとても綺麗だったので話を合わせた。

『僕は健太って言うんだよろしく』

『なんか硬いですね健太さん』

そう言うと健太の腕を組んで体を近づけた。
女性経験が皆無に近い健太は落ち着かない。
甘い香水の香りがいっそう健太を惑わせた。

女は健太に舌をペロリと出しておねだりをする。

『ケイコもチュワワちゃん見たいなぁ』







続く


















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