雪玉 --------------------------------------------------------------------------- その山の上に実装石親仔は住んでいた。 この季節、そこは雪と岩以外何も見当たらない。 こんな何も無い所に何故住んでいるのか。どうやって生活しているのか。 誰にも解らない。 「何処にでも実装石はいる」 ・・・それしか言いようがなかった・・・。 親実装が仔実装の手を引いて断崖絶壁のほんの僅かな平坦部の道を歩いていた。 「テェ・・・コ・コワイテチィ・・・」 「大丈夫デスゥ・・・下を見ちゃダメデスゥ」 親は慣れていたが、仔はこの道を通るのは初めてだった。 その時 「テ!?・・・テチャァァァァァァッ!!マァマァァァァァァァァッ!!」 仔が足を踏み外し落下した!! 「デェェェェェェェェェッ!!私の仔ォォォォォォッ!!」 手を繋いでいた・・・といっても指の無い手ではくっつけていただけ・・・ といった方が正しいだろう。 「テチャァァァァァァッ!!」ポスン! 10㍍程落下した所で雪の上に落ちた。 体重の軽い仔実装はそれ程めりこまずに済んだ。 そこは急傾斜に積もった雪の上だった。 「テェェ・・たすかったテチィ・・・」 周りを見渡そうとした瞬間足がもつれた。 「テ!?・・・テチャァァァァァァッ!!」 今度は急斜面の上を転がり落ちる仔実装。 体の周りに雪が付着し始める。 「めーがーまーわーるーテーチーィー!!」 仔実装を核とした雪玉は転がりながらどんどん大きくなる。 ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!! 雪の上に突き出た木々をなぎ倒し転がり続ける。 バキバキバキバキバキバキバキバキ!! 何度か失神とパンコンを繰り返した時ドスン!と雪玉は止まった。 何かにぶつかったようだ。 仔実装は体を動かそうとするが狭い空間では殆ど動かない。 ゴロ・・・ 暫くするとまた転がり始める。 ゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロゴロ!! 「テェェェェェェェェェェチャァァァァァァッ!!」 雪玉は更に大きくなりながら転がり続ける。 もうどれだけ大きくなっただろう。 「いつもよりよけいにまわっているテチャァァァァ!」 もはや錯乱して意味不明な言葉を喚く仔実装。 ズドォォォォォォォォォォォォォォォォォンン!! 雪玉が再び何かに衝突した! その瞬間・・・ バコォォォォォォォン!! 一度ぶつかってやや脆くなっていた雪玉は二度目の衝撃に耐えられず粉砕した。 「テェェェェェェェェェェチャァァァァァァッ!!」・・・キラーン 雪玉の中心にいた仔実装の体が空中に放り出され・・・一瞬煌くとどこかに飛んでいってしまった。 ・・・その夜・・・ テレビでは報道特集が組まれていた。 内容は概ね以下の通りである。 「本日正午頃、某県白保山に於いて突如巨大な雪玉が山頂付近より転がり落ちて来ました。 雪玉は一度、オープンしたばかりの『ホテル ニューフタバ』の別館に衝突し、停止しましたが、 建物を押し潰し、更に転がり続け、その下にあった双葉村を直撃。家屋の半数を破壊した後 送電線の鉄塔に衝突し、分解しました。」 調査隊の話ではこの大惨事の原因は未だ不明であるという。 --------------------------------------------------------------------------- あとがき 「・・・これ何デスゥ?」 『ギャグネタ』 「リアリティ無いテチィ。雪玉の中で呼吸はどうするテチィ?」 『昔のギャグマンガだってちょっとした無茶してるだろ。それと一緒だよ。それに ほら、実装石だしOKOK!』 「ング・・ングング!」(口と鼻をガムテープで塞がれる) 「レフ。それより言わなきゃならない事があるレフ」 『「温泉地の山実装」の御感想を寄せて下さった方、本当に有難うございました。感激です!』 「本当にお目汚しなスクデスゥ・・・」ザクッ!(アタマに鉈が刺さる) 「レフ?ママとオネーチャどこ行ったレフ?」
