赤線緑線 ────────────────────────────── かつて日本には、公的に売春行為が認められた地域があった。通称、 赤線地帯。そして現在、公園の一角にこう呼ばれる場所がある。 「赤線緑線」 実装石による、マラ実装のための売春街である。管理売春を行うこ とで、マラ実装による被害を最小限に食い止めよう、公園に住む野 良実装たちはそう考えた。 ────────────────────────────── 「ほーう、これは上物デス」女郎屋のオババが仔実装に舐るような 視線を浴びせる。仔実装は後ろ手に縛られ、ダンボール・ハウスの 床に転がされている。 「テチィ……ママのところに返して欲しいテチィ」 ふん、と鼻から煙草の煙を勢いよく吐き出し、スカートをめくる。 「イヤァ、何するテチィ!」 「豪勢なもんデス。シルクのぱんつデス。飼い実装は違いマス」 「オババ、いくらで買ってくれるデス?」 「これなら、金平糖20粒でどうデス?」 「ち、しけてるデスゥ。仔実装かっさらってくるのに、どれだけ危 険を冒すと思ってるデス?」 「嫌ならいいんデス。お前、この公園からいられなくなるデス」 「わ、わかったデス。それで手を打つデス」 飼い仔実装をさらってきた実装石は、渋々オババの言い値で仔実装 を譲った。金平糖20粒でも貰えるだけマシというもの、オババを怒 らせると……。 オババは右手をシルクのぱんつに滑りこませる。 「テチュウッ!?」突然のことに、動揺する仔実装。 オババは的確に仔実装の敏感な部分を刺激し、総排泄口を湿らせた。 「テテテ、テッチュウ! 嫌テチィ」身悶えする仔実装。 総排泄口を濡らす液体を掬い取った右手を、オババは音を立てて吸 う。その音に、仔実装は恥辱を感じる。 「ふむ、良い味デス。正真正銘の未通女デスゥ。これは高く売れる デス」 その言葉に、仔実装は絶望する。 ────────────────────────────── 「デププ、新しい仔実装が入ったデス?」マラ実装が赤線緑線のダ ンボール・ハウスに飛び込んでくる。既に一物は屹立している。 女郎の多くは、同属に食われることを免れた親を失った仔実装であ る。あるいは、生活能力を持たない親実装が、金平糖と引き換えに 自分の仔を女郎屋に売っていた。 彼女たちの生活は、悲惨極まりない。朝から晩までマラ実装の相手 をさせられる。総排泄口を引き裂かれ、命を落とす者も少なくない。 それでいて、わずかな手当ても出ない──ただ飯を食わせてもらえ るだけでもありがたいと思え、というわけだ。ぎりぎりの衛生状態、 栄養状態の女郎たちだった。 そんなわけだから、マラ実装も次第に飽きる。いつ来ても、同じよ うな、薄汚れた実装石が相手。生気を失った瞳、鈍い反応。女郎相 手では抑えきれない欲望の矛先は、自然、公園で生活している実装 石に向けられる。 そこでオババは一計を案じた。刺激がないのであれば、新しい刺激 を与えてやろうと。他の実装石を思ってではない。マラ実装が女郎 屋から離れると、生計を立てられなくなるからだ。かくして、飼い 仔実装をさらってきては、マラ実装の慰み物にしたのだった。 「デププ、今度はワタシが飼い仔実装をいただくデス」 「先立つモノ、持ってきたデス?」 「デププ、抜かりないデス」 そう言って、マラ実装はセブンスターを取り出した。まだ封の開い ていない、新品である。普段ならシケモク1本で一発抜ける。初物、 それも育ちの良い仔実装を買うには、相応の金品が必要なのだ。 「デス、デェース。マラちゃんはわかっているデス」 オババはそう言うと、ダンボール・ハウスの奥を指した。女郎屋は 複数のダンボール・ハウスが連結して構成されている。カーテンの 向こうの部屋に、さらわれた仔実装がいる。 「さあ、可愛い仔ちゃんが待ってるデスゥ。デププ」 ────────────────────────────── 暗がりの中、ベッドの上で仔実装は震えていた。逃げたくても、両 脚の腱を切られていて満足に歩くことができない。 「テ、テェーン……ママ……ご主人様……助けて欲しいテチィ」 突然、カーテンが勢い良く開けられ、明かりが差し込む。床に影が 映る。一物を猛らせて、ずんずんと近寄ってくるマラ実装。 「テ、テェーン!」 「デププ、観念するデス」 少しでもマラ実装から離れようと、ベッドの上で後じさりする仔実 装。その身のくねらせ方が、マラ実装の欲望を掻き立てる。スカー トがめくれ、ぱんつがあらわになる。先走り汁がぴゅっと出る。 「も、もうたまらんデスゥ!」 「テチィ、やめるテチィ」 飛びかかるマラ実装。シルクのぱんつを力任せにやぶり、仔実装の 両脚を持ち上げる。総排泄口が丸見えだ。恥ずかしさに、両手で顔 を隠す仔実装。マラ実装はお構いなしにマラを、まだ何ものの侵入 を許したことのない、初々しい総排泄口に当て、腰を引く。 その刹那、 「デスデスデース、デスデスデース」 実装PHSの呼び出し音。オババがニンゲンと会話を始めた。 「デス、デス、デェース! デス、デスゥ」 いきなりカーテンが開き、オババが入ってくる。振り向くマラ実装。 首を横に振るオババ。本能に従い、引いた腰を前に繰り出そうとし た瞬間、オババの右フックがマラ実装のマラに命中した。 「ッデースゥゥゥ」たまらず、ベッドから転げるマラ実装。 「悪いデス、その仔実装は売り物じゃなくなったデス」 ────────────────────────────── 背中を押され、女郎屋から追い出される仔実装。オババは何も言わ ない。 「どうチテ? ワタチ、助かったテチィ?」理由はわからないが、 貞操の危機は去った。そうだ、きっとママが助けてくれテチ。ある いはご主人様が……。 女郎屋の外には、ご主人様とは違うニンゲンさんがいた。悪いニン ゲンさんはいない。みんな親切で、美味しいご飯をくれて、きれい な服を着せてくれて……。このニンゲンさんがワタチを助けてくれ たんテチィ。仔実装は両手を振って感謝を示す。ニンゲンは、人間 の男の子は、片手で仔実装を掴むと、そのまま公園のトイレに向か った。 マラ実装がオババのもとへやって来る。 「ひどいデス、あと少しだったデス……」 「元締めがね、来ちゃったんデスゥ」 「デスッ!?」 「飼い仔実装を扱うようになってから、ちょくちょく来るようにな ったデス。まだ子どもなのに、ませてるデス」 オババは、元締めに仔実装を与えることで公園の権力を欲しいまま にしていた。子どもとは言え、人間の力に実装石が敵う筈もない。 オババの売春ビジネスが成立した要因の一つが、彼の存在であった。 「マラちゃんの相手をしていたほうが、あの仔実装にとっては幸せ だったかも知れないデス」 「ティエェェェン」 トイレから、仔実装の悲鳴が聞こえる。鍵のかかった個室の扉に耳 を当てれば、もっといろんな音が聞こえた筈だ。男の子の荒い息使 い。粘液の滴る音。粘膜がこすれ合う音。仔実装の小さな総排泄口 は、少年の陰茎のサイズにフィットした。少年は訳もわからず、た だ気持ち良いというだけで右手に掴んだ仔実装を前後に動かし続け た。 やがて絶頂を迎えると、少年は仔実装を自分の分身から解放し、力 一杯、トイレの壁に叩きつけた。 ただの肉塊と化した仔実装は、ずるずると、引力に引かれて落ちて いく。赤と緑の線を引きながら。 ──────────────────────────────
