タイトル:【虐】 山中の西洋料理店
ファイル:某名作.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:3854 レス数:2
初投稿日時:2007/11/14-01:03:36修正日時:2007/11/14-01:03:36
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2匹の如何にも糞蟲っぽい面つきの山仔実装が、肉の塊のようなモノをクチャクチャとしがみながら山奥の木の葉の積み重なった場所を歩いていました。

「まったく、集落のオトナ達はケシカランテチュ! ワタチ達のようなカチコクてウツクチイ選ばれた仔実装も働かなきゃいけない掟なんてくだらないテチュ!」
「良い仔ぶりっこな糞ネーチャンの横腹に蹴りを二三発入れただけテチュ、随分痛快だったのにアタチ達を殴った挙げ句『出てけ』だなんて……!」

二匹が歩いている場所は、集落の成体実装達に立ち入りを堅く禁じられていた場所でした。
しかし、村という秩序から追放された二匹の糞蟲達にタブーはありません。ズンズン奥に進んでいきます。
山が凄すぎた所為か、それとも二匹にあんまりにも小突きまくられた所為か、集落の外で遊んでいたのを捕まえて連れてきた仔実装が死んでしまいました。

「まだ大きなケモノも出て来ない内に死ぬなんて役立たずテチュ! 高貴なるワタチ達を守らずに死ぬなんて本気で凄まじい損害テチュ〜!!」
「本気で凄まじい損害テチュ、囮が勝手に死んじゃうのは駄目テチュ〜!! でも、お肉は美味いテチュ」
「あ、それじゃ腕貰うテチュ……ムグムグ、馬鹿な劣等だったけどお肉は美味いテッチュ〜ン♪」
「チププ、あの馬鹿はワタチ達に喰われる為に生まれて来た家畜テチ、トーゼンテチ〜♪」

そんな感じで、二匹は死んだ仔実装を引き摺りつつ毟り喰いしながら山の中を歩いていました。

「早く山から降りるテチュ。ニンゲンのトコに行って隷属させてシュチニクリンテチィ」
「糞ママ達やババァ達はバカテチ、山を降りればドレイとラクエンが待っているのに山の中で苦しい生活なんてくだらないテチュ」

山実装の集落の教育では人間の事を『決して敵わない、自分達を捕まえようとする恐ろしい存在』と仔達に教育していました。
それでも、学ばない馬鹿はどこにでも居るもの。しかも、肝心な事は学ばない癖に、親達が教えなかった歪んだ知識だけは豊富です。
しかも、一度ですら見たことも無いニンゲンを奴隷扱いまでしています。散々『人間と人里には決して近付いてはならない』と教わったのに。
この仔実装の二代前の実装石は都会から逃げて来て山に帰化した実装石なので、その実装石から偽石を介して受け取った情報の所為かもしれません。
好き勝手な事を放言しながら進んでいく二匹ですが、肝心な事———どこをどう行けば山を降りれるかについて全然考えていませんでした。
この禁足地に踏み込んだ事も完全なる偶然でしかなく、考え無しに前進を続けた結果此処に至っただけの事です。

無勉強な所為で全くの方向音痴である二匹を嘲笑うかのように、風がどうと吹いてきて、草はざわざわ、木の葉はかさかさ、木はごとんごとんと鳴りました。

そうこうしている内に、陽が沈み始めました。
食料としていた仔実装は既に食い尽くしていましたが、ただ食欲のままに貪った二匹はまだまだ食い足りないようです。

「どうにもお腹が空いて、さっきからポンポンが痛くてしょーがないテチュ」
「ワタチもそうテチュ。もう歩きたくないテチュ。お前、ワタチをおぶって歩くテチ」
「ふざけるなテチィ! ワタチだってもう一歩も歩きたくないテチュァ!」
「アンヨが痛いテチィ、糞ニンゲンさっさと迎えに来てステーキ金平糖寿司を献上するテシャアアア!!」
「誰か来いテシャア! 何かワタチ達に喰わせるテチィ!!」

空腹の為か、二匹の糞蟲はブリブリとパンコンしながら手足をジタバタさせて駄々を捏ねまくります。
都会の堕落した飼い仔実装をテンプレ制作したような腐れ具合です。
とても山実装には見えません。寧ろ、飼い主に愛想を尽かされて山間部に捨てられた元飼い仔実装です。

駄々を捏ねるのに疲れて荒い息を吐いていた片方の仔実装が、ふと顔を上げてみますと立派な一軒の西洋造りの家がありました。
そして入り口には絵付きの看板がぶら下がっていました。
その看板には、笑顔で美味しそうな食べ物にかぶりついている実装石の絵が描かれていました。

「……これは」
「ここがドレイの住むという家テチか?」
「……解ったテチ、ウツクチクカチコイワタチとした事がうっかりしてたテチ」
「うっかりは何時もテチ」
「つまらねー突っ込みするなテッシャアアア! バカなお前にも分かり易く言うと、ここがニンゲンの里なんテチ!」
「……………………そ、それくらい解ってたテチィ!! 解っていてここに向かって歩いていたのは全てケーサンズクなんテチュ!!」

二匹は先程まで何も無かったような場所に忽然と現れた怪しさ全開の建物の前で、全く的の外れた罵り合いを繰り返していました。
暫くの間罵倒し合い、互いの腹の音が鳴ってからようやく二匹は不毛な行為を止めて家の方を見上げます。

「まぁ、いいテチュ。早く中に入ってニンゲンをドレイにするテチュ、今日からここがワタチのお家テチィ♪」
「ニンゲンを跪かせて奉仕させるテチィ♪ あの絵みたいに、美味しいものを一杯食べるテチィ♪」

2匹は玄関前に立ちました。
玄関は白い瀬戸の煉瓦で組んで、実に立派な造りとなっていて、本日付でこの家の主となる事を(勝手に)決めた2匹は大いにはしゃぎます。
入り口と外界を隔てる硝子の開き戸が風も無いのにゆっくりと開き、そこに金文字でこう書いてありました。
「どなたもどうかお入りください。決してご遠慮はいりません」
人間の字なんて読めない2匹はそんなメッセージなど意に介さず土足で無遠慮に入り込んで行きました。
例え読めたとしても救いがたい暴言を吐き散らしただけでしょうが。

「ドレイニンゲン、ゴシュジンサマのお帰りテチィ!!」
「出迎えするテチュ、土下座するテチュ、髪に糞を塗らせるテチュ〜!!」

喚きながら玄関を潜ると、そこは直ぐ廊下になっていました。

『いらっしゃいませ。当レストランにようこそおいでくださいました』

どこからか、ぼんやりと遠い声が聞こえます。
この家に住む人間なのか、それとも同族なのかはっきりしない。そんな不可思議な声でした。

「ニンゲン、なぜ姿を見せないテチィ! 躾のなってないバカテチュ!」
「出迎えはまだテチ、土下座はまだテチ、糞を塗らせ(ry」
『まぁ落ち着いてください可愛くて美しい仔実装様達』
「……テッ」
「ウツクシイコジッソウサマ……」

自動的に抜歯出来そうな褒め言葉に、2匹の仔実装は暫し硬直した後。

「チププププ! 当たり前の事言ってもウンチくらいしか出ないテチュよバカニンゲン!!」
「トーゼンの言葉しか言えないテチか! もっと褒め称えるテチュそしてステーキ金平糖寿司を(ry」

顔の表皮を限りなく緩ませて、2匹は浮かれまくりました。
虐待派がこの表情を見たら即座に殴り殺す、それ位不愉快な笑みです。
しかし、『声』は相変わらず静かな口調で仔実装達に語りかけます。

『可愛くて美しい仔実装様達、大変申し訳ございませんがそのまま奥へと進んでください』
「ドレイの分際でゴシュジンサマに命令をするなんて蛆ちゃんの歩みくらい早いテチ!」
「お前が来いテチ、寧ろ運ぶテチ!」
『当店は色々とご注文が多いですが、美 し く て 聡 明 な 仔実装様達ならお解りになってくださると思います。どうかご了承くださいませ』
「……全く、口先だけのバカニンゲンテチ。しょーがないからワタチ自らが歩いてやるテチュ、見返りは金平糖の山とジュースの池テチ」
「後でワタチ達のあんよをマッサージするテチ。ゴシュジンサマに対するギムを忘れちゃ駄目テチュ!!」

世辞でコロリと機嫌を直し、廊下を進んでいく仔実装2匹。
テッチ、テッチと歩いていくと扉がそびえ立っていました。
足下には姿見の鏡と、大きな壷が置いてあります。

『可愛くて美しい仔実装様達、そちらで綺麗な亜麻色の髪に壷の中に入っているモノを満遍なく塗ってください』

二匹が壷の中を覗くと、中には白い泡のようなモノが入っていました。
取り敢えず舐めてみると酷く苦く、二匹はやはり『声』に向かって抗議の声を上げましたがお世辞攻勢で軽くいなされてしまいました。

『しっかり塗り込んでください。その泡は可愛くて美しい仔実装様達の髪を素晴らしい状態にする魔法の泡です』
「す、素晴らしい状態って何テチ?」

仔実装の質問に答えるかのように、扉が少しだけ開いて中から実装石の髪の束が出て来ました。

「き、綺麗テチィ……」
「ツヤツヤのサラサラテチィ……糞ママ達の髪なんてただのチ○毛テチュ」

二匹が感嘆している内に、髪はすっと引っ込んでしまいました。

『ささ、どうぞ泡を御塗りください。たっぷりと念入りにお願いしますね』

『声』に促されるまでもなく、二匹の仔実装はせっせと泡を髪に塗り込み始めます。
非常に珍しい事に協力して、互いの手の届かない場所にも泡を塗りつけました。

『はい、充分に塗り込みましたね。大変結構、そのまま通路をお進みください』

閉まっていたドアがギィと軋んだ音を立てて開き、二匹はドアの開いた隙間を潜って次の場所へと入りました。
短い廊下の後でまたドアがあります。

「またドアテチィ! もう歩くの嫌テチィさっさとご飯持ってくるテチィ!!!」
「ドレイニンゲンいい加減にするテチィ、飯まだかテチィポンポンが鳴りっぱなしテチィ早くしろテシャアア!!」

ドアと廊下の繰り返しに痺れを切らした二匹がぶち切れ、パンコンをブリブリと更に膨らまします。
今にも糞投げをしそうでしたが、『声』は相変わらず落ち着いたものです。

『今暫く、今暫くお待ち下さい。こちらも仔実装様に楽しんで頂けるよう用意をしておりますので……その前に、お風呂に入るのは如何でしょう?』
「テェ、お風呂……」
「お風呂って、ニンゲンのお風呂テチか? 里のあの寒いお風呂じゃ無いテチ?」

彼女らの集落で言う『お風呂』とは集落近くにある溜め池の事であり、側にある川から水を引き込んで使います。
もちろん、お湯なんかではないので、夏場は兎も角秋などは寒くて堪りません。
夏にしても溜め池なので、ボウフラが湧いたりとしてあまり良い環境ではないのでこの二匹はお風呂が嫌いでした。
ついでに洗濯も面倒なので大嫌いです。故に、二匹はとても不潔でした。

『はい、温かいお湯が一杯で、とても良い香りのシャボンをたっぷり使えますよ?』
「「テ、テェェェェェ!!!」」

偽石情報による残像イメージが脳裏を過ぎり、二匹の幸福回路はギアの回転率を更に上げました。
矢も盾も堪らずとばかりに開いたドアの間に躰をねじ込み、先を争うように潜り抜けます。
するとそこにあったのは、2つの篭と2つの西洋式便器。
彼女らの偽石情報にあるイメージ通りの浴槽はどこにもありませんでした。

「お風呂どこテチィ?」
「ドレイ、お風呂はまだテチュ!?」
『仔実装様、お風呂に入る前に幾つかして頂く事がございます。まずは、その篭にお召しの服を脱いで入れてください』

この言葉に、二匹は顔を合わせて若干途惑った顔をしました。
環境変化が著しい山中に置いて、服を脱ぐという事は自殺行為に近い事です。
親の言うことなんて聞かなかった二匹ですが、自宅を糞まみれにした時に懲罰として一晩全裸で吊し上げを喰らい身をもってその危険性を学びました。
ちなみに風邪は引きませんでした。真性のバカは風邪を引かないものです。

『仔実装様、お風呂とは着ているモノを全て脱いでから入るものです。まさか、美しくて聡明なる仔実装様が常識を知らないなんて事はございませんよね?』
「あ、当たり前テチュ!! 普段入ってるお風呂とはちょっと違ったから驚いただけテチュ!!」
「そ、そんな事でアタチのドトメ色の脳細胞を試そうったって駄目テチュ、お前の浅はかさは見抜かれているテチィ!!」
『そうですか。それはようございました。では、服を脱いで篭の中にお入れください。お召し物は後で素敵なお洋服を用意致しましょう』
「「テッチューン♪」」

『声』の指摘に焦りまくっていた二匹ですが、『素敵なお洋服』という単語に頭が一杯になってしまいました。
着ているあちこちすり切れたりボロが出ている実装服と靴を乱暴に脱ぎ捨て、パンツというよりはウンコを内包した布きれを篭に放り込みます。
篭の中が良い具合に糞まみれになりましたが、どうせ新しい服が貰えるのです。全く気にも留めませんでした。

『はい、大変結構です。では、その白い便器に腰掛けてください。お二人にお風呂へ入る前の美味しいモノをご用意いたしました』
「お、美味しいモノ!
「ステーキテチ!? 金平糖テチ!? 寿司テチ!?」
『とても気に入ると思います。まずはそこに腰掛けてくださいね』

そういわれると仔実装達の行動は早い。せかせかと洋式便器に後ろ向きに跨り……注意されて慌てて前へと向き直りました。
当然ですね。野生の山実装には洋式便器の使い方なんて知らないのですから。

『足下をご覧下さい。そこに置いてあるものが美味しいモノです』
「「こ、これは……!!」」

二匹がふと足下を見ると、そこにあったものは小さな皿に乗っかったピンク色の棘がいっぱいある球体が一粒ありました。
つまり、実装石の大好物である金平糖です。聞いた事しかありませんが、二匹には何故か解りました。

「こ、金平糖テチィ、ワタチの、ワタチの金平糖テチィ!!」
「食べるテチュ、金平糖食べるテチュ!!」

実装石の反射速度とは思えないほどの勢いで、二匹は皿の上に置いてあった金平糖をかっさらうと躊躇う事なく口の中に押し込みました。

「アマアマテッチューン♪」
「口の中がパラダイステチュ♪ 甘美過ぎてウンチ出ちゃうテチュ〜♪」

生まれて初めての強烈過ぎる程の甘味。
甘いものが何よりも好きな実装石にとって野苺などのソフトな甘みよりも、コテコテな人工甘味料の方が舌にあう様です。
クッチャクッチャピッチャピッチャと下品な音を立てつつ舐め、口の端からだらしなく唾液を垂らし、歓喜のあまり緩い排出孔から脱糞しています。
便器に跨ったままだったから良かったものの、これが普通の椅子の上だったら今頃大惨事だったでしょう。
夢中になって舐めた所為か、口の中の金平糖はあっさりと舐め尽くされてしまいました。

「チププ、とっても美味だったテチュ、もっともっと金平糖寄越すテチ」
「そうテチ、たった一粒程度では満足出来ないテチ、その程度の気が利かないなんてホントバカテチ♪」

甘味を食べた事による充足感と、もてなされている事への実感により仔実装達の横柄さが更に増したようです。
ですが、『声』はやはり沈着冷静でした。お代わりを持ってくる代わりに、仔実装達に1つ指摘をしたのです。

『ご希望であればお代わりをお持ちします……ですがその前に……お腹の方は大丈夫ですか?』
「「……テ?」」

『声』が合図になったかのように、それは聞こえてきました。

グルル、ゴロロロ、ギュルルルルルルゥゥ〜。

腹の方から、凄まじい轟音が流れて来ます。

「「ナ、ナニテチ、一体何が起こってるテチ!?」」
『はい、縄を絞めまーす。無理な起立はお止めくださーい』

シュルシュルっと、腰に縄が巻き付いてしまいました。
慌てて仔実装達は便器から立ち上がろうとしますが敵いません。
縄を引きちぎろうとしましたが、非力さ極まる腕力ではどうやっても無理です。

「バカニンゲンさっさと解くテチィ!!」
「そうテチィお腹が凄いグルグル鳴ってるテチこのままじゃ、チ、チチャアアアアアアア!!」
「と、解かないとポンポンが……テェェェェェェ!!」

そこまで言いかけた瞬間、ソレは来ました。


ブリブリブリブリブリブリブリュリュリュリュリュリュ————————————!!!!!!


凄まじい勢いで緑色の糞が二匹の総排出孔から吹き出ていきます。
その20cm足らずのちんまい躰のどこに収まっていたのかと言わんばかりの多量の糞が、濁流の如き勢いで便器の穴に吸い込まれていきます。

「ウ、ウンチ出てるテチィ、と、止まらないテチィ———!!」
「ば、バカニンゲン止めるテチィ、ウンチを止めるテチィ———!!」

そうは言うモノの本人ですら止められないものをこの場に居ない者が止められる筈も無く。
かなりの量のウンコが飛び出してから、ようやく二匹の糞吹きは終了したのです。
幸い、便器からウンコが洩れ出すような事はありませんでした。後数秒間長く噴出を続けてたら危なかったようですが。

『いやいや、よく出ましたね。加減した低圧ドドンパとは言え、思ったよりも効果があったようです。気をつけなきゃなぁ……あ、大丈夫ですか?』
「テ……テ……テ……」
「テヒ、テヒィ……」

二匹は結構な疲労困憊具合です。
強制的に腹の中の糞を全て排出させられたのですから当然と言えばそうでしょう。
もっとも、それ程きついものではなくやつれたり骨と皮だけになっている訳ではありません。
あくまで体内に蓄積された糞袋の中身を全て出し尽くしただけです。

「な、なにしやがるテチかこのバカニンゲンー!」
「こうきなるワタチに何喰わすテチ、直ぐに出てくるテチ、お前にはクソ食わせてやるテチ!!」

さて、強制脱糞させられた仔実装達は大激怒状態です。
さっきまで大喜びで浅ましく金平糖にしゃぶり付いていたとは思えないほど怒り狂っています。
短い手足をジタバタ動かし、顔を日干し中のウメボシ状態にし、糞は出ないので総排出口を惨めにヒクヒク動かして抗議。
おまけに服も着てない頭が泡に包まれた貧相な姿では、その滑稽さに恐縮するどころか腹抱えて笑ってしまうのではないでしょうかあっはっは。

『まぁまぁ、落ち着いてください。これは全て入浴の為なのです』
「お風呂の前になんでウンチしなきゃいけないテシャア!!」
「あんな苦しいウンチ始めてテチィ! お前の顔にかけてやれないのが残念テチュ!!」
『ウンチの混ざったお湯に入りたいのですか? 折角のお風呂が臭くなってしまいますよ』
「「テ……」」
『それに、もうすぐご馳走が完成します。空腹は最大の調味料と言うじゃありませんか。これもまた、食事を楽しむ為の心尽くしです』

仔実装達の胃袋がグウとなりました。
どこからともなく、同じようにグウという音がなりました。

「「テ?」」
『おほん……兎も角、飼い実装の方々は須く入浴前にウンチを抜くのがマナーなのです。まさか、ご存じでは無いとか?』
「お、おおおお前バカテチュ! ジョーシキテキなワタチに対してジョーシキを問うなど問題外テチュ、勿論ご存じテチュ!!」
「ワタチも知っててバカなお前を試しただけテチィ、さっさと風呂場に連れて行くテチュ!!」
『畏まりました。では、こちらへどうぞ』

次のドアを開けると、前方が湯気で覆われた部屋が現れました。
左右にとても小さなバスタブが1つずつあり、中央はカーテンで仕切られていました。

『さぁ、お風呂にお入り下さい。仔実装様お一人につき、浴槽を1つご用意致しました』

そう言われるが早いか、二匹は返事もせずに浴槽へ向かって駆け出していきました。
浴槽へは仔実装用の足場あるので大丈夫です。

「テッチー♪」
「チューン♪」

どぽんとやや温めのお湯に身を投じる二匹。
深さは精々仔実装の腹辺りまでなので、溺れる心配はありません。

「温かいテチューン♪」
「ヌクヌクテチ、冷たい水なんて問題にならないテチィ♪」

機嫌良く温水に浸かりながら、手足をパタパタと揺らす仔実装達。
上から全身に満遍なくお湯がかかってくるのを、嬉しげに受け止めてはしゃいでいます。
暫くの間、始めて浸かる温水の心地よさに浸り尽くしていました。
しかし、それでもお腹が空いた所為か、幾分名残惜しげに浴そうから上がり始めます。
お湯が何故か茶色と緑色が混ざったような色になっていましたが、二匹とも風呂上がりの爽快さに気にも留めませんでした。

『お風呂の方は心地よかったでしょうか? それでは、お二人にはお食事の為に次の部屋に進んでください』

声が聞こえ、奥のドアがギイと開きます。
そのドアの隙間から、何やら良い匂いが漂ってきました。
そのドアの場所まで、浴槽の位置からカーテンが降りている為、二匹にはお互いがどうなっているか解りません。
二匹とも自分の事しか頭に浮かばなかったので問題はありませんでしたが、実は、両方とも同じように赤い小さなドアが開いていたのです。

「ご飯テチァアアアアアア!!!」
「ウマウマテチ、お腹一杯食べるテッチューン!!」

両目を血走らせながら、テッチテッチと全速で走っていきます。
二匹とも、躰を拭くどころではなく、ただただ遮二無二突進してドアを潜りました。

「ご飯ご飯ご飯!! ……テェ?」
「ドレイニンゲンもてなすテチュ……テェ!?」

そこは、一面が銀色でした。
いや、銀色というのは正しくありません。
磨き込まれた調理器具の数々、コトコトと湯気を立てる鍋がずらりと並び、手入れが丹念に行われてるのが窺える調理器具が収納棚で出番を待っています。
それらが全て、銀色に輝いている為、仔実装達には銀色の世界に思えたのでした。

「こ、ここはどこテチ……チ?」
「お前! 何があったのかワタチに説明……テェ?」

別々のドアから潜り抜けて来た仔実装は各々の方を見合い、数瞬間硬直した後で、

「チプププププ———!!!」
「テッピャピャピャ———!!!」

お互いを方を指さし、大笑いを始めました。

「何テチュその無様な有様は、笑いが、笑いが止まらんテチュピャピャピャ!!」
「貧相テチ、貧弱テチ、ソッコードレイテチィ〜ヒッピャピャピャ!!」

暫く笑った後、二匹は声を揃えて相手をこう評したのです。










「「全く、無様な禿裸テチィ♪」」












「…………」
「…………」
「…………」
「…………」

痛すぎる沈黙の後。
二匹は引きつった笑みを保持したまま、目だけをギョロギョロと動かしてます。
全身から脂汗が流れ落ち、つい先程まで湯上がりでホカホカしていた躰がすーっと冷めていきました。

『あ、どうやら現状の姿に気が付いたようですね。説明致しましょうか』

やけに冷静な『声』にすら反応しない仔実装達。相当にショックな様子です。

『実はですね。先程お二方が熱心にすり込んだムースは、虐待派御用達の毛抜きムースなんですよ。実装の髪だけに反応して、髪を分解してしまうんです』
「…………」
「…………」
『お二方がよーくすり込んでくれたもので効果覿面! 先程のお風呂に入った際に溶けちゃいました。全然気が付かなかったですよね? それ位完璧に溶けたんです』
「…………」
「…………」

二匹が、フリーズ状態から徐々に復帰し始めました。
しかし、『声』は興に乗ったのかますますトークの速度を上げていきます。

『いやー、お二方には本当に感謝しておりますよ。毛抜き、服剥ぎ、糞抜き、躰の洗浄とわざわざそちらから進んでやってくださったのですからねぇ』
「…………ヂ」
「…………ジィ」
『私どもも感謝の念が絶えません。おかげで随分と手間が省けて直ぐさま調理に取りかかれます。そう、今すぐにでも!!』
「ヂャアア!! …………!?」
「デジャアア!! …………!?」

口から泡を吐きながら『声』が聞こえる方に悪罵を叫びかけた仔実装達が、動きを止めました。
それどころか目を見開いたままワナワナと震えたかと思うと、その場で腰を抜かしてしまいました。

二匹の見上げる方、其処に浮かんでいたのは……。


『ふっふ、如何されましたか仔実装様。料理はもうすぐ出来ますよ。15分とお待たせ致しません。直ぐに、直ぐに出来ますよぉ』
『いやいや、本当にわざわざご苦労様です。大変に結構に出来ました。さぁさぁ料理に取りかかりましょう』

暗闇の中に浮いた、二対の青く丸っこい瞳がキョロキョロとこちらを見ていたのです。
おまけに逆さ三日月状の紅い口が、鋭い犬歯を覗かせながらニタァと笑っていたのです。
二匹はもう血涙を流しながら、ガタガタ震え出してもうモノすら言えませんでした。


…………
………………
……………………


ジュウジュウと音を立てて、金串に刺された仔実装が焼かれています。
デチャアデチャアと悲鳴を上げ続けているところを見ると、不思議な事にまだ生きているようです。
一旦火から外してハケでタレを実装石に撫でつけ、それから遠火で焼き直し。どうやら、仔実装の照り焼きのようですね。

『やれやれ、ようやく調理にこぎ着けたね』
『ああ、やっとこいつらに対して敬語使わなくて良くなったよぉ……あんな迂遠な方法、不愉快で非効率的なだけなのになぁ』
『あれだ、前に人間に対してやってたような、メッセージで誘導するのは駄目かな?』

もう一匹は小麦粉と卵とパン粉の衣を纏って油鍋の中で揚げられています。
こっちは口からホワイトソースで炒めた椎茸を出した状態なので喚けません。どうやら、山菜の詰めフライのようです。
こちらも普通ならとっくに成仏してても不思議ではないのにまだ生きています。

『親方のメッセージなんて、元々期待出来ないだろ? 誘導が下手なばっかりにあの2人組の猟師をみすみす逃したの忘れたのかい?』
『……随分昔の事を蒸し返すなって。おまけに逃げられた最大の原因は死に損ないの猟犬の所為じゃないか』
『それに、こんな馬鹿面した糞蟲に文字なんて理解出来ないって。全く、肉は肉らしく黙って食卓に来ればいいのに……手間かけさせてさ』
『ホントホント、こんな世にもバカな面した仔蟲煽てて下準備させるの、結構辛いってのに』
『親方は煽てられた糞蟲が嬉々として自分から下拵えしてくれるのを観るのが面白いみたいだけどね……』
『僕らにゃ理解できないな。此処に入った瞬間に喉に水ぶち込んで糞抜きして痛めつけた後、調理に入りたいよ。何が悲しくて糞蟲に敬語使わなきゃならんのか』
『親方のご希望だからしょーがないさ。下っ端の辛いトコだよねぇ。今度も骨だって寄越してはくれないだろうにさ』
『全くだ……お、こんがりきつね色に揚がったよ』
『こっちも焼き上がり、ところでこの照り焼き実装を見てくれ。この照り具合をどう思う?』
『凄く……香ばしいです』

二匹は、仲良く一枚のレタスや香味野菜が敷かれた西洋皿の上に置かれました。
二匹とも、やっぱり生きている状態です。これも料理の匠の為せるワザなのでしょうか。

「テ……テヒ……ピィ」
「ナ、ナンデ、ワタチ……リョウリニナッテルテチカ、タベ、タイノニ」

お皿に美味しそうに盛られてしまった仔実装達。
二匹共あんまりにも躰を痛めつけられたせいか、揚げられたり焼かれたりしたのにも関わらず顔がクシャクシャのウメボシのようになってしまいました。
そんな二匹を見て嗜虐心をそそられたのか、『声』達ははふっふっふっと暗く笑いながら囃し立てます。

『そんな顔したら折角の詰め物が流れるじゃありませんか。へい親方、ただいま。直ぐにもってまいります』
『さぁ、いよいよお待ちかねのディナーです。親方がもうナフキンをかけて、ナイフをもって、舌なめずりして、仔実装様達を待っておられますよ』

進退窮まった二匹は、為す術もなく血涙を流しながら顔面ウメボシを強めるばかりでした。

と、その時です。
いきなり横合いから、

ワォン、ワン、グワァ!!

といきなり犬の猛り狂った声が聞こえて来たのです。

『も、もしかしてこれって…… ま た 犬 か ! ? 』
『またしても、またしてもこのオチか。ああ、親方! 真っ先に逃げないでぇ!!』

上で揺れていた二対の目玉がすっと遠離ったと思ったら、バタンと派手な音がして黒い影がガバァと横切っていきます。

ニャアァァ!!
クワァァ!!
ゴロゴロ!!

という叫び声と激しくモノが倒れたりする音がして、それからがさがさ鳴りました。
厨房は夢幻のようにすぅっと消え去り、二匹の仔実装は大きな木の葉の上で相変わらず瀕死状態のまま放置されたのです。
全てが幻の様に消えたのに、何故か照り焼きとフライだけは元に戻りませんでした。

ワォーン!

鳴き声と共に、藪がガサガサとなり、黒い影がぬっと顔を出しました。
それは1匹の猟犬でした。首に首輪を付け、あちこちに古傷がある手練れの猟犬のようです。
グルグルと鳴きながら大きな木の葉の上でピクピク動いている仔実装の詰めフライと照り焼きに鼻を近づけた後、ワンワンと高く鳴きました。

「おーい、何かいたかよ。トシ」

藪を掻き分けながら、老年に差し掛かった猟師が村田式猟銃を構えながらやって来ました。
そして、犬が見つめてる山仔実装のフライと照り焼きを見つけ、はてと頭を掻きました。
この辺には確かに山実装が出る。だから、仔実装達が居ても不思議ではない。
だが、なんでフライになったり照り焼きに仕上がったりしているのか。

「うーん、こいつら、ひょっとして山猫共に化かされたのかもしれんな」
「ニ、ニンゲン……タ、タスケ」
「ワタチ……タ、タスケ……ゴチソウ」

何やら瀕死ながらも、焼け焦げたりこんがり揚がった手をかざしながらテチテチ鳴いている仔実装達。
老猟師は少しだけ考えた後、仔実装達を手に取りました。

「「テ……テ、テ、テチュー……ン♪」」

二匹のウメボシ顔が僅かに緩みました。
二匹とも、笑っているみたいです。
助かった、ようやく人間に保護されたと。
今度こそ、人間の家に連れて帰って貰ってご馳走をお腹一杯食べれると。
揚げられたり焼かれたりして半分白く濁った両目を生きる希望で輝かせました。

「この山に棲む山猫達の手にかかったモン、獲物として持ち帰るのは不吉だな……トシ」
「ワウ?」
「お前、こいつら食っちまえ」
「「テ、テ」」
「ワウ!」

そう言うが早いか、老猟師はぽいっとトシに向かって仔実装達を放り投げました。

「テピャアアアア……チベ!!」
「テチャアアアア……ヂィ!!」

トシという名の猟犬は器用に空中で次々と仔実装達をキャッチし、ガツガツと飲み込んでしまいました。
頭部を半分噛み砕かれ、トシの咥内に引きずり込まれた瞬間も、やはり二匹の仔実装の表情はウメボシ顔のままでした。

「美味かったか?」

老猟師の問いに、トシは尻尾を振りながらワオンと鳴きました。
匠の技で調理された山仔実装達は、何時も食べてる山鳥などよりも美味だったようです。

陽が落ちる前に山を降りる為、老猟師は犬を連れてさっさと藪の中に去っていきました。
風がどうと吹いてきて、草はざわざわ、木の葉はかさかさ、木はごとんごとんと鳴りました。


まぁ、何はともあれ。
めでたし。めでたし。






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1 Re: Name:匿名石 2015/02/28-19:51:22 No:00001666[申告]
何度読み返しても面白い
童話改変物のお手本のような良作でした
2 Re: Name:匿名石 2016/11/23-19:30:15 No:00002942[申告]
糞蟲はどうでもいいが作業させられ損の山猫2匹が不憫だ
養殖ですまんが仔実装の丸焼きをやろう
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