飼い実装になって5日目。 連日の悲劇に親実装はある決断をする。 「おはよう、昨日はすまなかったな、色々後始末があってな」 男が朝食を持ってやってくる。 献立は目玉焼きに味噌汁といったシンプルなものだった。 子供達はそれを美味しそうに食べる。 だが親実装だけは微妙な表情だった。 「ご馳走様デス」 「美味しかったテチュ」 「褒めてやるレチュ!」 「ご飯の後はお腹プニプニタイムレフ!さあ!カモーン!」 残さず食べた親子を偉いぞと褒めてやってから後片付けに移る男。 すると親実装が口を開いた。 「ご主人様、お話があるデス」 「ん?何だ?」 親実装の真剣な表情に男は片付けを中断し話を聞いてやることにした。 「話とは?」 「ワタシ達は飼い実装をやめて野良に戻りたいデスゥ」 「テェ!?」 「レェ!?」 「レフゥ!?」 親実装の言葉に一番驚いたのは子供達だ。 「ママ!?どうして!?」 「せっかく飼い実装になれたのに何でまた野良に戻るんレチィ!?」 「このクソババァ!どこまで蛆ちゃんのお腹プニプニを妨害すれば気が済むレフゥ!」 「聞くデス、お前達」 親実装は説明した。 自分達が思い描いていた飼い実装と現実のギャップに。 そしてここ連日の自分達に起きた悲劇を。 これなら野良のほうがマシだ。 だが子供達は納得しなかった、当然だろう。 親実装は確かにレイプされた挙句に空き巣から虐待を受け禿裸にされた。 しかし子供達は親ほど嫌な目に遭っていない。 「何で野良に戻らないといけないテチュ!」 「ママだけでそんな事決めるなレチュ!」 「蛆ちゃんは野良になんか戻らないレフ!まだプニプニもされてないレフ!」 「これはママが決めた事デス!聞き分けろデス!」 親実装は子供達を叱り付けるが誰1匹として従うものは居ない。 「ご主人様、お願いデス!野良に戻りたいデスゥ!」 「俺の生活スタイルに付いていけないなら出て行ってもらう約束だからな、止めはしない」 「ありがとうデス」 「嫌テチューーー!」 「ふざけるなレチューーー!」 「プニプニがーーー!」 「…お前の子供は嫌がってるが?」 「親であるワタシがキチンと言い聞かせるデス」 「ふむ…そこまで決心が固いなら仕方ない、すぐにでも出て行くか?」 「はいデス」 「分かった、達者でな」 「嫌テチューー!」 「離せレチューー!」 「このクソババァ!ぶっ殺してやるレフーーーー!」 親実装は嫌がる子供達を無理やり抱いていく。 子供達も全力で嫌がった結果、親指が親の手から転げ落ちた。 「ご主人様ーーー、ワタチはここに残りたいレチューーー!」 「デェ!待つデスゥ!」 親実装が親指に気を取られている隙に仔実装も蛆実装を抱いて親の手から脱出する。 そして子供達は男の足にしがみ付いた。 「ワタチはいい仔になるレチュ!だからワタチ達だけは飼って欲しいレチューーー!」 「そうテチュ!ワタチだって残りたいテチューーー!」 「蛆ちゃんもレフーーー!」 「…子供達はこう言ってるぞ?」 「こ…子供の戯言デス!後でワタシがよく言い聞かせておくデス!」 「ご主人様!ワタチ達はママなんてもう要らないレチュ!」 「そうテチュ!飼い実装になればママなんて不要テチュ!ご主人様さえいればそれで十分テチュ!」 「ママだけ出て行けばいいレフ!蛆ちゃん達を巻き込むなレフ!」 「デェ!?何を言うデス!お前達!今まで育ててやった恩を忘れて…!」 「ワタチ達はお前になんか育てられたくなかったレチュ!お前が勝手に育てたレチュ!」 「ぶっちゃげお前みたいな糞蟲から生まれたくなかったテチュ!」 「レププ!ママ、言われ放題レフね、まあ自業自得レフが」 「デ…デッギャアーーーーーーー!」 親として一番言われたくないセリフのオンパレードを受けて親実装は絶叫を上げる。 「この糞ガキどもがぁーーー!」 親実装は拳を振り上げ子供達を殴りつけようとするが バシィ! 「デギャ!」 男のビンタで吹っ飛んだ。 「子供達がこれだけ嫌がってるんだ、お前の我侭に付き合わせる訳にはいかんな」 「デ!?」 「お前だけ出て行けばいいだろ、子供達は俺がしっかり飼育してやるよ」 「そんな…ワタシはママなのに…」 「子供達はママなんて要らないと言っている」 「デ…」 「例えこのまま子供達と共に野良に戻ってもお前の言うことは聞かないんじゃないか?」 「デデ…」 「子供なんてまたすぐ生めるんだろ?だったら次に生む仔に期待するんだな」 「…そうするデスゥ…」 親実装は渋々男の言葉に従い1匹だけで野良に戻る事にした。 そして玄関の前で最後の別れの挨拶をする。 「達者でな」 「お世話になりましたデスゥ」 男に向かって頭を下げる親実装。 「おい、お前達のママとの別れだぞ、最後に言うことは無いのか?」 男は子供達にも別れの挨拶を促す。 「テ?特に無いテチュ」 「さっさと消えろレチュ!」 「今まで一度たりともコイツからお腹プニプニしてもらった事ないレフ!そんな奴に何も言うことは無いレフ!」 「デェ!」 子供達の非情な言葉に深く傷つく親実装、バカなりにも愛情はあったようだ。 「実装なんてこんなもんか、まあ気を落とさずに頑張れ」 男はそういうとドアをゆっくり閉め始めた。 親実装は最後まで子供達をじっと見ていた。 その時子供達が小声で呟く。 「ママは禿裸なのにこれからどうやって生きていくんテチュかね」 「髪と服の無い実装石がどういう末路を辿るかなんて今まで嫌というほど見てきたレチュのに」 「みすぼらしい肉塊の事なんかどうでもいいレフ!それよりお腹プニプニを…」 「デェ!?」 親実装はそれを聞いて奇声を上げた! 彼女はすっかり忘れていた。 自分が禿裸である事を。 禿裸が野良で生きていける可能性は極めて低い。 そんな事は分かっていた事なのに。 そもそも自分達は野良で生きていけないから飼い実装になったのではないか。 そんな自分が野良に戻るなんて自殺するようなものだ。 飼い実装となったことで野良の厳しさをすっかり忘れてしまっていた。 ヤバイ、これはヤバイ! 親実装は焦った、そしてすぐに行動を起こした。 「ご主人様!さっきのは無かった事にしてやっぱりワタシも…」 バタン だが無常にも扉は閉められてしまう。 「ご主人様ぁ!お願いデスゥ!ワタシも飼ってぇ!」 親実装はドアをポフポフ叩いて訴える。 だが男は既に玄関から去り部屋へと戻ってしまった。 親実装の声もドアを叩く音ももはや聞こえない。 「デスゥ!デッスゥーーーー!」 それでも諦めずに親実装は叫ぶ! だが次の瞬間 ドゴ!! 「デブォ!」 親実装はいきなり背後から何者かによって殴られ気絶させられた。 「元飼い実装ゲットだぜ!既に禿裸なのが残念だがいい虐待が出来そうだ!」 玄関先での一部始終を見ていた男は嬉しそうに気絶した親実装を掴んで去っていった。 どうやら親実装は再び飼い実装になれるようだ。 ただしこれまでとは少し扱いが違うかもしれないが… その頃男の家では仔実装達がこれからの事の説明を受けていた。 「さて、親実装が出て行ったんでこれからは俺がお前達の親代わりになるわけだ」 「はいテチュ!」 「よろしくレチュ!」 「ママになったんなら早速お腹プニプニをしてもらおうレフ!」 「その前に言っておく事がある」 男は子供達に伝えた、これからの事を。 今までは子供の躾けは親実装に任せていたがこれからは自分がキッチリ躾ける。 粗相をしたら遠慮なくおしおきする。 そう言い聞かせた。 「分かったか?」 「はいテチュ!」 「ワタチ達は元々礼儀正しいからおしおきなんてされる訳がないレチュ!お前はバカレチュ?」 「そんな事よりまずプニプニレフ!何度言えば分かるレフ!」 「仔実装は理解したようだが親指と蛆は早速躾けが必要だな」 「レチィ!?」 「レフゥ!?」 その後しばらくの間、家の中から親指と蛆の悲鳴が途絶える事は無かった。 続く
