タイトル:【哀】 刹那 一部改訂
ファイル:刹那.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:3457 レス数:2
初投稿日時:2007/10/17-20:36:43修正日時:2007/10/17-20:36:43
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ワタチは突然目覚めた・・・・
どうしてか分からないけどワタチだというのは分かった

そしてワタチはママの中にいることも分かった
どうして分かったのだろう?

やっぱり、わからないや

ここは真っ暗だけど暖かくて、とても優しいところだった
なんだか狭くで体が動かしにくいけど、嫌な感じはしなかった
そして、壁の向こう側から心地よい、気持ちが安らぐ声が響き渡る

何度か聞くうちにそれは、ママがワタチへ語りかけていることだと分かった

早く大きくなるのだと、やがてここから「外」というところに出るのだと
そして外は素晴らしくて「シアワセ」に満ちているのだと
オイシイ食べ物のこと、暖かくて気持ちよいお風呂、ワタチ達をお世話してくれる
ニンゲンというもの

そしてワタチと同じようにここにいて生まれてくる姉妹達のこと
どれも意味がさっぱり分からないけど凄くワクワクした気持ちになった

早く大きくなりたい!  早く外に出たい!  早く「シアワセ」になりたい!  

美味しいってどんなのだろう?  姉妹って楽しいのかな?  楽しいってなんだろう?

そんなことをだんだん考える内にワタチは「外」に出たくて出たくて我慢できない気持ちで
一杯になっていった

そしてある日ワタチはとうとう我慢できなくなってしまった

ママ、いい加減ワタチをここから出して!

早く「シアワセ」というものを知りたいの、感じたいの、だからここから早く出たいの!

そう考えると苦しくなって回りの壁に体をぶつけて回った

ぶつけていく内に感じの違う部分に当たった
そしてなんだかそこに体をぶつけたくってしょうがなくなった

何度も何度もぶつけていく内にワタチは突然そこからヌルリと出てしまった

出てきた瞬間ワタチは全てを理解したのだ
そして、もう外にでる時なのだと、誰よりも一刻も早く「外」に出て行く時なのだと・・・

この先どっちに進むのかは、頭の中のなにかがワタチに教えてくれる

以前いた所よりも狭いところに体を押し込んで全身を一杯動かしてなんとか進んでいく

やがて進んでいくにつれて真っ暗だったのがちがうものに変わっていた
それに向かってすすめば「外」に出られることは分かる

ひとつ進むごとにワタチの中でこらえ切れない気持ちが膨らんでいく

「外」はシアワセに満ちている ワタチは選ばれたのだ

ワタチはシアワセになるケンリとギムがある

ワタチは「外」にでて楽しいことやオイシイことをするジュウダイなシメイがあるのだ

素晴らしい! こんな素晴らしいことがあるだろうか?


「テッテレーッ!」


ワタチは全身の力を込めて叫んだ

「外」に出てこれたこの喜びを全身全霊を込めて叫んだ

ああっ、こんなうれしい事があるだろうか?

ワタチはこれからシアワセというものになるのだ

ママが優しく何度も語ってくれたいろいろな楽しいことやオイシイことがワタチをまっているのだ

何かがワタチを優しく掴み上げた・・・ママなの?

ママ始めまして、はやくこのヌルヌルを取ってちょうだい、そして早くシアワセにしてっジチッ・・・・

痛い・・・苦しい・・・なにがおきたの? どうしてまた周りが暗くなっていくの・・・?

・・・・・どう・・・・し・・・・て・・・・・


**********************************************************


季節はもう風の冷たさがしみるようになってきた。

ここはとある市の公園の公衆便所、そこに作業着姿の男が二人黙々と作業をしていた。

「あちゃ〜、これは酷いですね同属食いをやったな」

若い作業員が立て付けの悪くなった個室の扉を開けておもわず顔をしかめる。

「ちっ、またか!これだから公園の公衆便所の清掃は嫌なんだよ」

年配の作業員はそういって毒づいた。

「ここまで汚されると市の作業員では対処できんからな。だから俺たち専門業者の出番となるわけだが・・・」

そう彼らは市から依頼をうけた実装被害専門の清掃業者である。
仕事の内容は相当厳しいのだが、その分給料も良く仕事に必要な資格も会社負担で勉強して修得できるので、けっこう評判の職業だ。

「見てください、この残骸の様子からおそらく出産直前に襲われて親は即死状態だったのでしょうね」

そう言ってトングで指した先には便器にしがみつく形で絶命している親実装の首無し死体があった。

「そうだな、でもこいつら不思議なのは首をもがれても出産をやめないことだ。最後の一匹を産み落とすまでは絶対にな」

年配の作業員は何やら複雑な面持ちで床に専用クリーナーを撒いていく。

「成体の首を一撃で落としているのと周囲に飛び散っている体液から、襲ったのはこの辺りで目撃報告のあったマラ獣装石に間違いないな。
おそらく最初にでてきた仔を食べて腹ごしらえをした後で、次々に生まれてきた仔を犯していったのだろう」

年配の作業員は、若い作業員にそう説明した。

その若い男の足元には上半身を食いちぎられた仔実装の残骸が一つと、ズタズタになったオナホ状の残骸が三つ転がっていた。

「こうなってしまうと何か切ないよな・・・
こいつらだって産まれていきなり喰われたり犯される為に生を受けたわけでもないのだからな」

そう言いながら仔実装の死体をつまみ上げて処理袋に入れていく。

こういった現場は慣れているはずなのに時々とてもやりきれない思いがこみ上げる。

すると若い作業員が死体の撤去を完了したことを報告してきた。

「それじぁ後は僕が処理しておきます」

「おう、そうかいそれじゃあ俺は報告書をまとめて事務所に提出してくるわ。終わったらいつもの居酒屋で一杯やるか」

「はい、わかりました!」

そう返事をすると若い作業員はホースで水を撒きだした。

後は床を洗い流せば作業は完了である。

気がつけば日はどっぷりと暮れ、辺りにじんわりと寒さが染み渡っていった。



                                                   END

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1 Re: Name:匿名石 2014/10/10-02:08:48 No:00001452[申告]
生まれる時から上げ落とし
まさに実装クォリティ
2 Re: Name:匿名石 2014/10/11-00:33:50 No:00001455[申告]
すごく読みやすい
こういうのいいね
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