日中は若干まだ暑い、夏が終わり秋の気配を感じる。 夕方になると鳴き出す虫も、夏の物から秋の物へと変わる。 大学の構内や周りには、自然大いに残っている。 まあ言ってしまえば田舎って事なんだろうけども、季節の移り変わりを感じる事が出来る。 地方の三流大学だが、そんな事で俺は気に入っている。 理系の学部しかないって事でおんにゃのこが少ないのは仕方が無い。 今年も秋の虫の声が聞けるはず・・・ 「デスデスデス!!」 「デジャー!!」 「テチーーーー!!」 はず・・・だったんだけど、今年はこれだ。 緑の蟲が大量発生していやがる。 緑色のデタラメナモノ、実装石だ。 大学内のグランド、テニスコート、駐車場、その他etc・・・ 様々な場所にいやがる。 巣も大量にあり、村と呼んでも良い規模の物が複数ある。 建物内への進入も何件か有ったらしい。 こんな規模になったなら、駆除するなりしろと思うだろうが、そうもいかない。 非常に残念だが、事の始まりは半年前だ。 俺が通う双葉工科大は今年の三月に虹浦大学との合併を発表した。 今年から直ぐにと言う訳じゃないらしい。 まあ詳しい話は良く分らんが、文系の学部のある大学との合併なので、 おんにゃのこと会う機会も増えるから良いやと、ニヤケながら喜んだ。 喜んだのも1週間くらいで終った。 簡単に言うと虹浦大学の理事やら学長等のお偉いさんが、実装石が盲目的に大好きな愛護派だ。 そう愛護派だ。 虹浦大学と言うのは、実装石の社会形成やら文化のなんとやらの研究で有名な大学だそうで、 人間以外の動物で、これほどの知性と愛情に溢れ社会を形成し文化的な生活を送る生物がいるだろうか? 人間も彼女らの生活から何か学ぶ事があるだろう。 こんな事を四月くらいに、虹浦大学の理事が演説していた(寝ていたから良く分らんが)。 上がそんなのだからかは分らないが、実装石の愛護サークルが複数存在しているから性質が悪い。 そんな大学との合併。 そしてこの惨状。 ニヤついた俺バカ。 当然うちの大学のキャンパスについても色々と言ってきたらしい。 周りに自然が多く、大学構内もちょっとした公園になっている個所も多いので当然侵入してくる実装石も多い。 見つけ次第用務員のおっちゃんに駆除されたり、悪ノリした学生の玩具になる事も多かった。 中には餌をあげる学生も少なくなく、実装石が構内で繁殖する事も有った。 何回かの駆除や対策で、ゼロにする事は出来なかったが、かなり少ない量になった。 人間の都合で駆除するとは何事だ! 理事 駆除の名を借りた虐殺だ! 学長 可愛い実装ちゃんを虐待するなんて許せない! サークル代表 なんて事を虹浦大学の方から言われたらしい。 合併にいたる経緯とパワーバランスでうちの方偉い人は何も言えなかったらしい。 そんな訳で実装石の保護へと動いてしまった。 大学内実装石保護規定なるものが定められた。 1 定期的な餌の提供 2 水場の設置 3 住居の設置 4 他の地域の実装石の保護 5 実装石への虐待の禁止 ・・・その他色々、読むのもめんどくせえ。 当然今まで、悪ノリした奴は玩具にしていた訳で、 急に虐待をやめて保護して可愛がりなさいとか言われても無理である。 そんな訳で、虹浦大学の愛護サークルがパトロールする始末。 おまえ等ヒマだな。 当然、何回の様にトラブルが起こった。 愛護サークルは学内規定を盾にやりたい放題。 そんな訳で、あっという間に実装石が繁殖した。
