「頼んでおいたものは、あるか?」 土埃に汚れた露店街の路地にある店に入ると、レゲエ風の格好をした黒人の店主がショットガンを構えながら出迎えてくれる 「おお、アンタか、例のブツは入荷済みだぜ」 男はほっと安堵のため息をつく、ここまできて入荷を引き伸ばされたらいままでの苦労が水の泡だ 「えーと、じっそ・・・ほうせき?の髪の毛だったな」 「実装石だ」 「そうそう、実装石、今は絶滅したペットミュータントの髪の毛だ、仕入れるのかなり苦労したんだぜ」 店主は小さな木製の箱を差し出した、中には動物の毛の束らしきものが入っている 男はもっていたリンガルモバイルを取り出すと、毛に近づけて操作をした 「間違いない、ヒャッハー線が検出されている、本物の実装石の毛だ、いくらだ?」 「キャッシュで払えるのかい?これを買える大金持って歩いてたら、お前さん、通りで野党に身ぐるみ剥がされちまうぜ」 「カードで払う、これを」 「うひょ、プレミアムカードか、お前さんボロは着てるが本当はとんでもない金持ちなんだろ?」 「さあな」 「ざっと8000万ゼニーいただきますぜ」 店主は受け取ったカードをリーダーに通すと気前良く領収書をくれた 「なあ、あんた、こんな髪の毛だけ手にいれてどうするつもりだい?」 「動物の標本を集めるのが趣味なんだ」 「へぇ、まぁどうでもいいが、今後とも御贔屓にな、ダンナ」 西暦は3000年に達する所だった、科学はそれなり進歩したが、それ以上に貧富の格差は絶望的に開き、人民は上流階級、中流階級 下層階級にわかれて別々に暮らしていた、この赤茶けた土埃の舞う火星の貧民街には、多くの下層階級と少数の中流階級 の人間が暮らしている 男は実装石の髪の毛を手に入れるために、上流階級の人間たちが住む宇宙コロニーから火星の貧民街へ降りてきたのだ それから男は静かにタクシーに乗り、郊外のホテルに着いた 「ご主人様、街を散策されるのはやめてくださいと言ったボク!」 実装人の付き人『蒼詩音(アシオン)』は急にいなくなった主人を心配し、ホテルの前まで出ていた 「アシオン、外は危険だから出るなと言ったはずだが」 「でも、ご主人様がとっても心配でしょうがなかったボクゥ・・・」 アシオンは今にも泣きそうな顔をしている 「アシオン、俺のような落ちぶれた貴族にも守りたい財産はたくさんある、その一つがお前だ」 「ボクゥ・・・」 「お前には傷一つ付けたくない、わかったな?これは命令だ、部屋に戻るぞ、外は空気が悪い」 「わかりましたボク」 部屋に戻ると、男はホテルの部屋を改造した簡易的な実験室に入った、さっそく手に入れた実装石の髪の毛を手に取る 「あとは混ぜるだけだな」 実験室の机にはいろいろな実験機材があって、その中に適度に温められた緑色の培養液の入ったビーカーがある 中には『人工偽石』という偽石の機能だけを機械的に行なう、人の手で作られた石が沈んでいる 「この人工偽石を作るのも苦労したが、これだけで実装石は復活しない、実装石の細胞がなくてはな」 男は実装石の髪の毛を2〜3本つまんでビーカーの中に入れる、するとブクブクと水がゼリー状になり、人工偽石を中心に 実装石の核が作られ始めた 「なんていう再生の早さだ、さすがはゴキブリ並の生命力と言われた実装石だな」 だがそんな実装石もこの時代、相次ぐ虐待派の増大と虐待嗜好の凶悪化で2500年頃には既に絶滅していたのだ 実装石は絶滅し、残った少数の他実装も天然記念物に指定され、亜種である実装人の値段も高騰してきている 500年も前に絶滅した実装石の毛を手に入れられた事は奇跡でしかない 「核が人の形をしてきた、もうすぐ実装石が復活するぞ・・・」 細胞の塊りは親指ほどの大きさの人型になった、緑色の服も再生されている 「すごい」 完全に実装石が再生するとぴくぴくと動き出した 「レェェェ、レチィィィ!溺れちゃうレチィィィ!」 復活一番実装石は情けない叫び声をあげた、鳴き声と大きさからいって立派な親指実装の誕生である 培養液の入ったビーカーから飛び出してきた 「データで見たとおりだ、本当に人型をして喋っている、かわいい・・・」 「レチィ?ニンゲンサンレチ?ワタシはお腹がすいたレチ、ゴハンを食べさせるレチ」 「おおお、この反応、まさに実装石・・・」 「何をぼけっとしてるレチ?早くゴハンをもってくるレチ」 「まあまあ、始めましての挨拶をしようね、実装石ちゃん、こんにちは」 「レチュ?ニンゲンサン、ワタシが可愛くて好きになってしまったレチ? フン、まあいいレチ、特別に私を飼わせてやってもいいレチ」 「ふふふ、筋金いりの糞蟲なんだね、君は」 「くそむし?そんな言葉を昔聞いたことがあるレチ、ニンゲンサンが言ってた言葉レチ」 「髪の毛を毟られる前の記憶があったのかい?それとも遺伝子的なものかな?まあいいやエサをあげよう」 「ゴハンレチュー!!!」 そう言うと親指は飛び上がって嬉しがった 「ふふふ、かわいいね、アシオン、キッチンからご飯をもってきてくれ」 そう実験室の外に向かって言うとアシオンの返事が聞こえた、パタパタとこっちにやってくる 「ご主人様、これでいいボク?」 アシオンがご飯の入った茶碗をもってくると男は親指を背で隠した 「ああ、ありがとうアシオン」 「もっとちゃんとしたものをボクが作るボク、ちょっとまっててボク」 「いや、いいんだ、これだけでいいんだよアシオン」 「ボクゥ? 変なご主人様ボクゥ・・・」 レチレチと親指が騒ぎはじめると男はいそいでアシオンを部屋から追い出した 「さぁゴハンだよ親指ちゃん」 「レチュ、おいしそうレチュ、これは何レチュ?」 そう言って親指は返事も聞かずにご飯粒を一粒ほおばるとモチュモチュ食べ始めた 「おいしいモチュー!」 「そうかー、良かったねー、かわいいねー、親指ちゃんは」 男も嬉々としながら見守る、そしてこんな事をさらっと口にした 「こんなかわいい親指実装を虐待できるんだから、俺も幸せ者だよ」 「レチュッ!?」 親指がピタリと食べるのをやめた 「今なんて言ったレチュ?」 「んー?だから、こんなにかわいい糞蟲ちゃんを虐待できる俺は、なんて幸せ者なんだろうって・・・」 「ぎゃ・・・ぎゃくたいレチュ?」 親指が何かに気付き始めたことを知ると、いままでニコニコとしていた男の目つきも邪悪に変わった 「そうだよ、虐待だよ、俺は虐待派だからねェー・・・」 「ぎゃくたい・・・ぎゃくたいは・・・知ってるテチュ・・・ワタシ達の仲間も、ワタシのオネーチャンも、ワタシのママも そのママも、そのママのママのママも、みんな虐待派に殺されたテチュ・・・知ってるテチュ・・・」 「そぉかー、ようやく全ての実装石が虐待派によって絶滅させられた事を思い出したんだね、遺伝子に刻みこまれた虐待の記憶が 役に立ったワケだ」 「レェェ、嫌レチュ・・・虐待は嫌レチュ、痛いのは嫌レチュ、レチャァァァァァァァ!」 親指は子鼠のように机の端まで走ったが、高い机の上から降りることができなくて、すぐに男に捕まり、手で握られてしまった 「はなしてレチュー・・・・」 逃げるのがダメとわかると、親指は泣き落としにかかった 「ゆるしてレチュ、これからはいい子にするレチュ、ワタシは何も悪い事してないレチュゥゥゥ・・・」 「ダメだよ、実装蟲は虐待されて死ぬのが運命なのさ、それに何も悪い事をしていないわけじゃない、お前が実装石に生まれたのが 悪かったんだよ」 「そんな事ありえないレチィィィ!」 「ふふ、もがけもがけ、お前は一目見て気に入ったんだ、絶対に俺が虐待して殺してやろうと思った、お前はせっかく 復活させた大事な実装石だが、材料はまだまだあるんでね、復活した事を最高に後悔する虐待をプレゼントするよ」 「いやレチャァァァァ」 親指は駄々っ子のように泣き喚く プリプリプリプリ 恐怖で小さなパンツにパンコンをしてしまった 「ふふふ、これがパンコンというものかw」 男は親指のパンコンしたパンツを脱がせると、糞がたっぷりたまった部分を親指実装の口に無理矢理押し付けた 「データによると実装石は糞を喜んで食うらしい、ほら食え」 「レブッ、レブブッ(息ができないレチ・・・)」 「ほら食えよ、食わないと窒息して死ぬぞ」 「モグモグ、モッチュモッチュ、ンチュ・・・レェェェェェェェン・・・ウンチ食べちゃったレチィィィィ・・・・」 「ハハハハハハハw、糞を食わされてやがる、本当の馬鹿だなお前は」 「レェェェェェェェェェン!レェェェェェェェェェン!・・・・・・」 せきを切ったように大泣きを始める親指 「まだまだこんなものじゃないぞ糞蟲」 次に男は親指の服を剥ぎ取り、髪の毛も毟り取った 「これが禿裸か、なさけない姿だな、ほれ逃げろ」 親指を禿裸にすると男は無造作にそれを机の上に落とした ベチャッ ほんの数十センチの落下だが、親指実装の手足の骨やあばら骨は折れてしまった 「ほら、逃げろ逃げろ」 ダメージで親指は全く動けない 「ほれ逃げろ」 横から手の平でひっぱたく、それだけでも親指実装の体はゴロゴロっとすっ飛ばされる、右に左に何発もひっぱたいて、親指は 自分の漏らした糞と吐いた血でベトベトになった 「レェェ、チ・・・・」 「もう喋れないのか?、よし、大声を出させてやるからな」 ブチッ 親指の右手を引きちぎる 「レヂィィィィィィィィィィィィ!な、なんでワタヂのお手手ちぎるレヂィィィィィィィィ!!!」 「フハハ、でっかい声でたな、次は左腕だよ」 ブチッ 葡萄の粒を取るように簡単に親指の手はもぎれてしまう 「レヂッ、レッヒャァァァァァァ!レピュゥゥゥゥ?・・・・」 あまりの痛さに素っ頓狂な声をあげる親指 ブチッ ブチッ そして両足までもぎられてしまった、もう親指は叫ぶ力さえない 「レ、レヘェェェ・・・殺して・・・もう殺してくださいレチ・・・・」 うわ言のようにそんな事をいう 「あれぇ、もうギブアップかい、幸せ回路はどうしたの?」 仕上げにメスを取り出し、ダルマになった親指の両耳を削ぐ、ついでに両目も穿り出す 「・・・・・・・・」 親指は何もいわない 次に親指の腹にメスを立てて腹を裂く、赤緑色の糞袋が見えた、指の先でつまんでズルっと引きずり出してみる 「ヂッ!・・・・・・・・」 「今ので絶命したか?」 よーくズタボロになった親指の体を見ると、微かに動いている、呼吸をしているのだ 「さすが糞蟲だ、では最高の苦痛を与えてやるとするか」 四肢をもぎとられ、腹を裂かれてぐちゃぐちゃになった親指の体を灰皿の上に移すと、上からアルコールをたっぷりとかけた 「さようなら糞蟲」 ライターで火をつける、アルコールに引火して親指の体は燃え上がった、すぐに火の付いた新聞紙のように 黒く皺くちゃになっていく・・・ 炎の前で男はこんな事を語りだした 「俺の祖先ははね、実装石虐待の一族なんだ、一族の始祖は2000年頃に実装石虐待事業を立ち上げ、財を築いた だが1000年間の相次ぐ遺産相続の争いに負け続けた兄弟の家系が俺の直系の祖先なんだよ、実装石を復活させた事でようやく俺も 虐待家業の本筋に戻れる、俺の代でもう一度、実装石虐待産業をとり戻すんだ」 炎の中で親指の最後の鳴き声が聞こえたような気がした 炎が親指の体を全て焼き尽くすと中から機械仕掛けの人工偽石が出てきた、どんなに精神的苦痛を与えられてもこれでは パキンすることはない 「はー、おもしろかった、こんなにおもしろい事は久しく無かったな・・・」 男は肩を降ろす、エキサイトした虐待の中で少し疲れてしまった 「ボクゥ・・・ボクゥ・・・・」 「ん?」 後ろを振り返ると実験室のドアが数cm開いている、その向こうには実装人のアシオンが泣き崩れていた 「お前、ずっと覗いていたのか?」 「怖いボクゥ・・・ご主人様怖いボクゥ・・・」 床がびっしょりと濡れている、アシオンが恐怖で失禁してしまったのだ、アシオンは今の虐待の全てを見ていたのだ 「怖いボクゥ・・・怖いボクゥ・・・」 「大丈夫だアシオン、お前には何もしないよ」 そう言って、男は床に広がったアシオンの小便を指ですくってペロっと舐めると これから始まる野望の実現に胸を高鳴らせた といってもアシオンの機嫌を治すには、まだまだ時間がかかりそうだけど・・・ 鉄
