タイトル:古典
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作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:10608 レス数:0
初投稿日時:2007/09/01-02:48:02修正日時:2007/09/01-02:48:02
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その日男は荒れていた。

ここはとある公園。そこには一組の母仔実装の姿があった。
楽しげに遊びまわる仔実装を母実装が見つめる。
傍から見れば微笑ましい光景だろう。
「テッチュー♪」
砂場で遊んでいた仔実装が綺麗な山を作り喜びの声を上げる。
振り向いて母実装を見ると、母実装も頷きながらデースとそれに答える。
「テッチュ、テチュゥーー♪」
仔実装が甘えるような嬉しそうな声を上げて母実装の元へと走り出す。
母実装も我が子を迎えようと両手を広げる。

「テチュゥーン♪ テチュゥーー チベェッ」

その次の瞬間、公園の微笑ましい光景は打ち崩された。
公園に現れた男が母実装の元に向かう仔実装目掛けて走り、
勢いそのままに仔実装を蹴り飛ばしたのだ。
脆い仔実装は体液と体の一部をばら撒きながら宙を舞い、
むこうの公園の入り口の車両進入禁止柵にぶつかって落下した。
何が起こったのか理解できないのだろう。母実装は突然の惨劇に凍りつき、
唖然とした表情で仔実装が飛んでいったほうに顔を向ける。
「デェ」
一言間抜けな声を漏らすと、今度はこの事態を起こした本人であろう男のほうに顔を向ける。
男はその顔を思い切り蹴りつけた。
「デスッ!」
蹴りつけられた顔を抑える母実装。
この男が何をしたのか理解したのだろう。押さえた手の間から怯えと微かな怒りを浮かべた目で
男の顔を見上げる。
その顔を見下ろして、男は今度は腹を蹴り上げる。
「デズアッ!!」
体がわずかに宙に浮き、母実装は突き刺さるような痛みに悶絶する。
「テ、テチュー!」「テチィッ!」「テチュテチュゥッ!」 「テチューーゥ!」
母親の体を心配してか、それともこの男の振る舞いに恐怖してか
周囲でこの事態を見ていた仔実装たちが母実装の元に駆け寄る。
「デ、デスッ!デスー!デスーー!!」
母実装が懸命に来るな来るなと手を振るが、混乱した仔実装たちには伝わらない。
一心不乱に母実装の元に走っていく。
その仔実装たちに男の影が差した。
男は仔実装たちの上から足を振り下ろす。
大地を踏みつけるようにダンッ、ダンッ、と。
「テチィッ!」「チベッ!」「テチュァッ!」「チビャァッ!」
仔実装たちはわけもわからず、なす術もないまま次々と踏み潰され、地面の染みになっていく。
その中で、踏みつけの嵐を免れた仔実装が足を止め、引き返していく。
男はその仔実装をつま先で足を払って転ばせた。
うつ伏せの形になった仔実装の背中に足を乗せて動きを封じる。
母実装もようやく痛みが引き、動けるようになったのか、大慌てで倒れた仔実装の元に向かう。
男は踵に体重を乗せ、仔実装をうっかり潰さないようにしながら母実装のほうを向き、
突っ込んでくる母実装の額を軽くつま先で小突くと同様に上から踏みつけた。
「テチュー!テチュー!」
「デスー!デスゥー!
仔実装が母に助けを求めて、母実装が子供を助けようと、互いに呼び合う。
母実装は踏みつけられながらも踏ん張り、ジリジリと仔実装の元に這いよる。
仔実装もまた母の姿を視界に捉えて手を伸ばす。
あと少しで仔実装に届く、そのところで男は母実装へさらに強く体重をかけた。
「デスウーーーー!!」
「テチュゥーーー!?」
プルプルと震わせて、しかしそれでも互いの手は届かない、結びつかない。
そこで男は仔実装のほうにも少しずつ体重をかけ始めた。
「テチュゥッ!!」
「デスッ!?」
双方が驚きの声を上げるが男はかまわず圧力をかけ続けていく。
「テチュァァァァァァ!」
体が圧迫されていく痛みに仔実装が叫び声を上げる。
「デスッ!デスー!デスーウ!!」
それに対し母実装が抗議するが男は気にした様子もない。
「テチィ!チュウ!!チュァチュァァッ!!」
叫び声を上げながら、激痛から逃れるように、仔実装がいやいやと首を振る。
母親に助けを求めて必死に手を伸ばす。
しかしそれは届くはずもなく、さらに圧力は強まっていく。
厚みのあった仔実装の体が次第に薄くなっていく。
体のあちこちからは微かにペキパキという音がし始める。
「チベェェェェェェ・・・」
仔実装は肺の奥から息を搾り出すようにして苦しみの声を上げる。
目を見開いて、口からは舌を突き出し、それでも助かろうと母実装に手を伸ばす。
「デスゥー!デスウゥーーー!!」
母実装は懸命に仔実装を励ますが、やがてその声も聞こえなくなって。
グジュリ、と湿った音を立てて仔実装の首がガクリと力なく横に倒れた。
伸ばしていた手もパタリと落ちる。
「デズーー、デズゥゥーー!」
それを見て母実装も悟ったのだろう。涙を流して悲しみの声を上げる。
それを見届けると男は両足をどけた。
母実装はのろのろと立ち上がると仔実装の亡骸へ歩き、恐怖と苦しみの表情を
その顔に貼り付けたままの仔実装の首を抱き上げた。
しばらく抱きしめて、そっと地面に置く。
そして男のほうにキッと向き直る。
「デズァアッ!デスウゥゥ!!」
激しい怒りの雄叫びを上げて母実装が飛び掛る。
男はその顔を思い切り殴り飛ばした。
そして飛んでいった母実装につかつかと歩み寄る。
母実装は痛みに顔を歪ませながらもすぐに立ち上がろうとするが
それよりも早く男がしゃがみこんで母実装の右肩を左手で押さえつけ、殴りつけた。
殴る。
殴る。
殴る殴る殴る。
顔を、胸を、腹を力いっぱい、容赦なく、殴りつけていく。
母実装ははじめ逃れようともがき、また殴り返そうと腕を振っていたが
次第に腕で頭を守る防戦一方になっていった。
それでもかまわず握り固めた拳を何度も何度も振り下ろしていく。
やがて母実装の体は変形し、殴る音にも湿った音が入り始める。

「テチィィーー!!」「テチュゥッ!テチュテチュウ!!」
そうして男が殴り続けていくと、足元から小さな声がした。
仔実装の中にまだ生き残りがいたのだろう。
小さい手足で男の足を、おそらくは全力で、殴ったり蹴ったり噛み付いたりしている。
男は母実装を殴るのを止め、仔実装たちのほうに眼を向けた。
「デズゥッ! デアッ!」
子供の危機を察した母実装が痛む体を起こして守ろうとするが、
それより早く男が母実装を開いた足で踏みつけ起き上がれなくした。
男は二匹の仔実装のうち片方を服の首の部分を右手で摘んで持ち上げる。
「テチィッ!テチュゥッ!!」
仔実装はそれでも強気に男の顔を睨みつけ、離せと言わんばかりに手足をバタバタさせて暴れる。
男は次に左手で後ろから仔実装の体を摘んで固定すると右手で頭を摘んで押さえた。
「テ、テチュ!?テチュアッ!!」
急に首が動かなくなって驚く仔実装。なんとか頭を押さえる男の指を外そうとするが
仔実装の力が人間にかなうはずもない。
男はゆっくりと仔実装の首を捻り始めた。
「テチィッ!テチュ、テチューーゥ!!」
我が身に起こる異常事態に仔実装が慌てた声を上げる。
ペシペシと男の指を叩き、前にも増して激しく足をばたつかせる。
それでも指は止まらない。仔実装の首はゆっくりと右に回されていく。
「デズァッ!デズァッ!デジャァアア!!」
下から見上げる母実装が止めろ止めろと声を上げる。
「テチューァ!テチューー!!」
残った仔実装も姉妹を見上げて抗議する。
男はそれらを意に介さずに指に力を込める。
「テ・・・チュァ・・・ チュベ・・・」
仔実装は涙を流してそれでもペシン、ペシンと断続的に男の指を叩き抵抗を続ける。
だがそれもわずかな時間だった。
「・・・チュウ」
小さな声が上がると同時にペキと儚い音がして、仔実装の首は120゜以上右に回った。
元気に指を叩いていた腕が弛緩し、力んで突っ張っていた足もだらりと力なく垂れ下がる。
「デッス・・・」「チュァ・・・」
その様子に下の二匹も声を失う。
男はその死体を残った仔実装の前に放り投げた。
「テ、チュァ・・・」
さっきまで声を張り上げて抵抗していた姿もどこへやら。
仔実装は黙ったまま姉妹を見下ろし、そして男を見上げる。
体を震わせてジリッと一歩あとずさる。
その瞬間男の右手が素早く動いた。
「テチュウッ!」
仔実装は悲鳴を上げて逃げ出そうとした。
だが男の指のほうが早い。
「チィッ!」
即東部に強烈なデコピンを受けて仔実装はごろごろと転がった。
転がった先で頭を押さえ蹲る。
男は仔実装の足を摘んで宙釣りにした。続いて母実装から足をどけて開放してやる。
「デスウ!デス!デスウーー!!」
解放された母実装は子供を助けようとピョンピョン飛び跳ねるがてんで届かない。
「テチューー!テチュウーーー!!」
仔実装は逆さまのブラブラと揺れる視界に怯え悲鳴を上げる。
そして男は仔実装をつかんだ腕をグルグルと回し始めた。
「テーーーチューーーーー!!!」
「デスーーー!!デスーーーー!!!デェッ!!」
最初から全力で、力いっぱい回す。
何が起こったのかわからない仔実装は完全にパニック状態になって泣き叫ぶ。
母実装は男の足に体当たりし、止めようとするが男は動じない。
逆に軽く蹴って跳ね飛ばす。男の腕はさらに勢いを増していく。
母実装は尻餅をついたまま、ますます回転していく仔実装を見上げるしかない。
「テーーチューーー!!テーーーチューーーーー!!! チベェッ!!」
高速で回転させた勢いそのままに、男は仔実装を母実装近くの地面に叩きつけた。
ピシャと水風船が破裂するのにも似た音が響く。
その衝撃に仔実装が耐えられるはずもなく、小さなうめき声を漏らして一瞬で絶命する。
跳ねた仔実装の体液が母実装の腫れた頬を濡らした。

「デッ・・・デッ・・・デスゥ〜〜デジャァァアアアア!!!」
ついに全ての子供を殺された母実装は、恨みと怒りと憎しみを込めて男を見上げ
歯をむき出しにして襲い掛かる。
だが男はそれを嘲笑うかのようにその顔面にカウンターで蹴りを入れる。
母実装はあえなく吹っ飛ぶ。
しかし不屈の闘志で立ち上がり、なおも向かっていく。
歩いて近づきながら蹴る。
母実装は止まらない。再び立ち上がり、奇声を上げて立ち向かう。
蹴る。母実装が転がっていく。
母実装が立ち上がる。それと同時に蹴る。
男は追う。
蹴る。母実装が立ちあがろうとした瞬間に蹴る。
蹴る。体を起こした時点で蹴る。
蹴る。顔を上げた時点で蹴る。
蹴る。ぐったりと地面に横たわったままでも蹴る。
蹴る、吹っ飛ぶ、追う、蹴るの繰り返し。
母実装がぐったりとして、もう動かなくなったのを確認するとその耳を引っ張って
男は公園の隅へと母実装を引きずっていった。

公園の木陰に母実装を放ると、男は近くで何かを探し出し、両手に抱えた。
それは石だった。人の頭よりも大きい石。
おそらくは子供が怪我をしないように公園から取り除かれたものだろう。
それを男は高々と頭上に持ち上げる。
母実装は荒い息で、ボロボロの体を動かすことも出来ず、
それでも恐怖と怒りで体を震わせながら、憎しみに滲んだ目で男を睨み上げる。
その上に男は、背を弓なりにそらせて、全身の力を使って、石を投げつけた。

ドグチャ

肉をひき潰したような湿っぽい音がした。
母実装だったものはピクピクとわずかに体を痙攣させると、もう動くことはなかった。

一仕事を終えた男は軽く伸びをすると公園を後にした。

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