「小さな世界の争い2」
「———チコ・・マラ付きがいるデス」
木の陰に隠れ気配を隠していたチコにナナが心配そうに聞いた。
チコは後ろを振り返り、ナナ達を一人一人確認するように見る。
一列で後ろに続く他の実装石も、ナナと一緒で心配そうな顔をしている。
「あいつをおびき出して殺すデス」
チコの言葉にナナ達5人はゴクリと生唾を飲み込んだ。
そうは言ったがチコも不安でしょうが無かった、6対1ですらまともに戦っては勝算は少ない。
ましてやチコは体も小さく、およそ戦闘向きではない。
しかも戦闘と言った類の経験すらなかった。
だがチコはこのグループのリーダーである、自分が先頭に立たなければ行けない。
勇気を振り絞ると、震える声を隠すように指示を出した。
「みんなワタシの指示どうりに動くデス」
「これはチコの尊敬するアリクの作戦デス・・・きっと上手く行くに決まってるデス」
目の前をうろつくマラ付きはまだ若く、偵察要員として辺りを捜索している。
単独で行動するのはマラ付きにとっては普通の事だ、それだけ強さに対する自信と驕りを持っていた。
そのマラ付きの前にチコがひょっこりと、何の警戒も無く現れた。
そう見えるだけでチコが演技をしていたのだ。
チコはわざとらしくマラ付きに驚くと、尻餅を付いてへたり込んだ。
「デシャァァ!!」と声を上げ、腰を抜かしたかのように後ろへ這いずっていく。
マラ付きはバグからメス実装を発見したらすぐ報告する様に言われていたが、
へたり込んで脅える小型実装のチコを見て、そんな記憶などはどこかへ消えた。
ここ数日、食料元となる林中のメス実装が一斉に消えてしまった為、マラ付きは食欲性欲共に餓えていた。
「グフフ、まずは美味しく頂く前にこのマラを静めて貰うデス」
マラ付きは自分のマラを両手で握り締めると、隆々とおっ立った自分のマラをチコに見せつける。
先端からは既に先走りのカウパー汁が溢れていた。
「おとなしくしろデス!!」
マラ付きはチコの上に飛び乗ると、荒々しくパンツを剥ぎ取る。
そしてそのパンツを自分の顔に擦りつけ匂いを嗅ぎ、心ゆくまで匂いを楽しんだ。
キンキンにはちきれそうなマラを、チコの総排泄腔にスブリと押し入れた。
久しく味わっていない感触を楽しむ様に、マラ付きはゆっくり腰を動かす。
マラ付きはチコの表情を見たが特に脅える様子はない、おかしいと思った時チコがニヤリと笑った。
「今デス!ナナァ!!」
ガブリという感触が脇腹に感じると、激痛となってマラ付きを襲った。
マラ付きは振り返ると、そこにはナナが自分の脇腹に齧りついていた。
実装石にとって唯一の武器と言える物は自分の歯だ。
賢い個体なら割れた竹を武器に使う事も考えられたが、チコやナナはそれ程まで頭は良くない。
それに竹林だからと言って、都合よく竹槍が落ちている訳でもない。
唯一リーダーのアリクはその事は分かっていたので拾い集めて使い方を教えた。
だが他の者がそれらを理解する事も無く、計画はそれっきりだった。。
「デガァァァ!!」
慌ててマラ付きは身を起こそうと思ったが、チコが両足でマラ付きの腰をガッチリと締め上げていた。
「こ、この!離せデス!」
マラ付きはチコの顔を一発殴った。
チコは鼻血を出して地面に後頭部を叩きつけられたが、両足は離す事は無い。
ナナを振り返り見ると、他の実装石も今まさに自分へカブリつこうとする寸前だった。
ゾブ!ブシュ!ブチチィ!
動けないマラ付きは、背中から何度も何度も鈍く酷い痛みを感じるがどうする事も出来ない。
そしてバグが言った「マラ付きと言えども集団を相手にしては行けないデス」と言う言葉を思い出していた。
下半身に自分の血が垂れて、それが血溜まりへと変わっていく。
その血はやけに暖かいと感じた。
何度も齧りつき肉片を吐き出す実装石達は、口々にマラ付きへ呪いの言葉を吐き続ける。
「オマエのせいで仔が死んだデス」
「マラ付きなんか生きている価値も無いデス」
「早く死ねデス」
「オマエらさえいなければ!」
最後にナナが大きな声で叫んだ。
「全てのマラ付きを殺してやるデス!!」
ブュシュゥゥ!!
「デジャジャァァァーー!!」
ドピュッ!ドブゥゥビュゥゥ・・
その一撃は首根っこを後ろから齧りつくと、血を噴出しマラ付きは絶叫をした後に射精をして果てた。
ガクリと電池が切れるようにチコに倒れこむと、マラ付きは完全に死んだ。
「汚いマラを抜けデス」
チコに持たれかかる様に死んだマラ付きを足で蹴飛ばすと、
ニュポンと音がして死後硬直したマラが抜けた。
マラ付きはマラをピンっと空に向け、仰向けで両手を広げるように倒れている。
その表情は痛みから来る激痛と、死への恐怖と、快楽の表情が織り交ざって何とも複雑な表情だった。
ナナ達はチコに駆け寄り抱き起こすと「大丈夫デス?」と心配そうに聞いた。
「この程度平気デス」とチコは鼻血を自分の服で拭き取ると、気丈に立ち上がった。
良く見ると足がガクガクと震え、その股間から果てたマラ付きの精液が垂れていた。
チコはマラ付きの握っていたパンツ奪い返すと、それを履いてマラ付きを見下ろす。
そして自分の排泄腔へ嵌っていたマラを凝視した。
こんな長い物が自分の排泄腔にと思ったが、すぐにアリクの指令を思い出した。
チコはマラの根元に齧りつき、ブチブチとマラを噛み千切った。
千切れた部分から赤い血に白い精液が混じり溢れている。
ギュッとマラを握り締めると、マーブルの液体が搾り出されポタポタと滴り落ちた。
ナナはその行為を不思議そうに見つめると「それをどうするデス?」と問いかけた。
「これをバグに投げつけてやるデス」とチコは答えた。
他の実装石がざわついて不安な顔を見せると、チコが言った。
「ワタシ達の目的は、バグ達マラ付きの本隊をおびき寄せる事デス」
「それにはバグを怒らせる事が、一番手っ取り早いデス」
不安そうな実装石達を静める様に、ナナが仲間に声を掛けた。
「みんな聞くデス、ワタシ達の巣はもう無くなったデス」
「その敵討ちにアリクの巣が、目的が重なったとは言え手伝ってくれるデス」
「だから・・・・ワタシ達も自分の身を犠牲にしてでもお役に立つデス」
ナナの言葉を聞いた実装石達は、うな垂れた顔を上げ頷いた。
「そうデス、良く考えたらチコが一番体を張ってるデス」
「食い殺された仲間の恨みを晴らすデス」
6匹の実装石はお互いを見詰め合うと、目的であるバグの巣へと向かった。
その頃アリクの要塞化した巣では、各部隊の配置や罠が完全に出来上がっていた。
アリクは要塞の一番上に立つと、幾重にも重ねた防御陣地を点検する。
既に戦力にならない仔実装は巣の中へ隠してある。
半円型に展開した陣地は中央に主力である自分達の2部隊を置き。
その脇には他の巣からなる一番数の多い半主力を置き、一番両外は生き残りの混成独立部隊を置いた。
そして最後に予備兵力として各巣からなる年老いた混成1部隊を、何かあった時の備えに温存してある。
合計7部隊からなる陣容は見た目にも壮観に見える。
アリクは連携の取れそうも無い混成独立部隊は捨石と考えていた。
だから突破されてもすぐにカバーできる一番端に置いたが、不安の要素でもある。
予備部隊はその為の備えでもあった。
腕を組んで考えてみたが、これ以上の策はもう浮かばなかった。
「いざという時は巣の中で篭城するデス」
「何匹でも良いデス、とにかく生き残りさえすれば、こっちの勝ちデス」
△
「点呼を始めるデス!ザムザ」
マラ付きを一列に並ばせ、ザムザと言われたバグの片腕であろうやや大型のマラ付きが号令をかける。
「バグ様、前衛マラ部隊の若い一匹が帰って来てないデス」
バグは鼻をフンと鳴らすと、その言葉に気にも掛けず叫んだ。
「偵察で帰って来ない奴は置いていくデス!」
「前衛のマラは発見した実装石の方向へ進めデス」
マラ部隊は前衛と後衛に別れて中央にはバグが陣取っていた。
前衛はまだ小型の若いマラ付きが占め、後衛は年を取った中型から大型の者で占められている。
完璧とは行かないが、ある程度の統率は取れている。
「オマエらメスを見つけたら犯し殺す事は許すデス、存分に楽しめデス!」
バグの言葉にマラ付きは歓声を上げた。
「全く・・このバカ共はニンジンの一本でもぶら下げないと全然動きゃしないデス」
バグはぶつぶつといつもの様に文句を言うと目の前を見据え、
とにかく進むようにザムザに顎で合図をした。
と、いきなり目の前の草陰が動くと、チコがバグの目の前に現れた。
そして手に持っている千切れたマラをバグの方へ投げつける。
そのマラはバグまで届かずに、目の前の地面にベチャリと落ちた。
「マラ付きなんかこの程度デス!」
チコはバグにそう告げると慌てて逃げ出す。
バグはおっという顔をすると、一匹のマラ付きに千切れたマラを持って来るように命令した。
命令されたマラ付きは、何で俺が?という顔をしてマラを摘み上げるとバグまで持って来る。
「バグ様・・持って来たデス、これをどうするデス?」
バグはマラを素早く掴むと、まるでソーセージでも食べるようにかぶり付いた。
クチャクチャと音をたてて咀嚼をすると、いきなりブッと食べた物を吐き出した。
「上手そうに見えたデスが・・・不味いデス」
バグは食べるならメス実装に限るなと思い、チコの逃げ出した場所を見た。
「あの実装石を追うデス」
手に持ったマラを後ろに投げ捨て、やっとバグはチコを追い始めた。
チコはナナ達と合流すると、アリクから教えられたポイントへひたすら走った。
暫く走るとすぐにマラ付きが目視できる近さまで追いかけて来る。
基本能力の違いかそのスピードはメス実装よりも早く、追いつくのは時間の問題だった。
チコのグループの一匹ハナはメス実装にしては大きな個体だったが、その分スピードが無い。
次第にハナは集団から遅れ始め、チコは何度も後ろを振り返りながら心配した。
ナナはチコを見ると「みんな自分の事だけで精一杯デス、チコも気にせず前だけを見るデス」
と、元からの仲間であるハナをあきらめる様にチコを諭す。
チコは「せっかく生き残ったのに・・」と悲しそうに呟いた。
ハナは次第に遅れて行く自分が、このままでは最初の犠牲になると考えている。
「ま、待ってデス!!」
大きな声でかつての巣の仲間を呼んだが、誰一人振り向かない。
「やっぱりこうなる運命だったデス・・」
と、うつむいた時「望みは捨てちゃ駄目デス」と声が聞こえた。
顔を上げて見るとチコがハナに伴走して、盛んに声を掛けている。
必死に声を掛ける姿にハナはある決心した。
チコの肩をドンっと押すと「オマエはリーダー失格デス」とハナは毒吐いた。
ハナはその場で走るのをやめてマラ付きの方を振り返り、先鋒部隊のマラ付きを迎え撃つ決心をした。
チコは暫く後ろを振り返っていたが、次第にハナが見えなくなるとすぐにナナ達に合流した。
「なんデスゥ?こいつぅ!!」
一匹で立ち尽くすハナに若いマラ付き達は立ち止まり、警戒するように回りを取り囲んだ。
いつもは狩る側の立場のマラ付きは、ハナの様に自分達を見て堂々としている姿が奇異に映った。
何のことは無い、ハナはもう走る所か歩く事も困難なほど疲れきっていた。
「さぁ何処からでも来るがいいデス」と唯一の武器である歯を立てて、ハナはうそぶく。
そしてじりじりと距離を詰めるマラ付きに、せめて一匹でも地獄へ道連れにと考えていた。
「かかれデス!!」
マラ付きは一斉にハナに襲い掛かる、ハナは一匹のマラ付きに狙いを付けると押さえ込んで噛み付いた。
だが一箇所の噛み傷程度で実装石が死ぬ事はまず無い。
ハナに飛び付くマラ付きはハナを押し倒すと、すぐに自分の空腹を満たす為ハナの体中に齧りついた。
食われる度に激痛が走り、これが死ぬという事なのかとハナは思った。
手足を動かして抵抗したが、多数のマラ付きの前では無駄な事だった。
次第に痛みも麻痺したのか感じなくなると、ハナはピクリとも動かなくなる。
ハナに群がり貪りつくす先鋒の若い実装石に、バグ達本隊もやっと追いついてきた。
餌に集まる群れを見るなり、頭に来たバグが一喝をする。
「何やってるデスお前たち!メス実装を追いかけろって聞こえなかったデスカァァ」
マラ付き達は動きを止めてバグの方を見たが、一瞥するとまたハナの屍骸を食べ始めた。
それ所か一匹のマラ付きがバグに対し不満をぶつけた。
「餌の一つも探せ無いくせに偉そうにするなデス、この餌はワタシ達の物デス」
「オマエなんかには、少しも分けてやらんデス」
バグは側近の者を呼ぶと、ぼそぼそと耳打ちをした。
合図を送ると中型から大型のマラ付きが、若いマラ付きへ一斉に襲い掛かる。
デギャデギャと言いながら抵抗したが、力の差は歴然としてたちまち押さえつけられる。
若いマラ付き達は押さえ付けられるとその中から、さっき文句を言ったマラ付きがバグの前に引き出される。
バグは両脇を押さえつけられた若いマラ付きを見下ろすと、冷酷にこう告げた。
「オマエは生贄にするデス」
言われたマラ付きは威圧して睨みつける眼光にさっきの威勢もどこかへ行くと、縮こまり命乞いを始めた。
「ワタシだけじゃないデスゥ、みんなも言ってたデスー」
バグは手頃な棒を拾い上げると、嬉しそうにそれを眺めた。
「もう遅いですフフフ−ン♪・・これ位で良いデスかね〜」
また若いマラ付きに目をやると両脇を押さえている二匹に「後ろを向かせろデス」と命令する。
スカートをたくし上げられ、糞で滲んだパンツを剥ぎ取られると何が起こるのか分からず脅えた。
「な、何する気デス〜?・・」
バグはニヤリと笑うと「グフフ、今わかるデス・・」と棒を構えた。
若いマラ付きは顔を青くするとボタボタ糞をひり出し地面に落とした。
「汚い奴デス」グリッと棒を排泄腔に当てると、そのまま力任せにねじ込んだ。
ズボ!!ズボボボボ!!
排泄腔は糞がぬめって潤滑剤となり、硬く所々ささくれ立った棒も簡単にめり込んでいく。
「デギャァァア!!やめろデスッ」
「痛いデスー!!ゲポッ」
棒が若いマラ付きの体を貫き、口から糞と一緒に出て来ると、体をビクビクと硬直させている。
「カ・・カ・カハッ・・」
串刺しにされたマラ付きは、苦しそうに口の脇からゲロと糞と血を吐き出し、
今から自分がどうなるのか不安げに目をキョロキョロとさせる。
バグは押さえ付けられている若いマラ付き達に、串刺したマラ付きを担ぎ上げ見せると。
「腹が減ってるなら、それを食えばいいデス」と串刺しマラを差し出した。
ドサリと投げつけらた串刺しのマラ付きは、ついさっきまで仲間であったろうマラ付きに哀願の目を向けた。
食べろと言われたマラ付き達も、次は自分がその立場になるのだと認識をする。
串刺しの回りでおずおずとしていると、バグが叫んだ。
「食わないデスか?・・次は誰が良いデスカァッ!!」
バグの脅しにマラ付き達は、ビクリと体を震わせ串刺したマラ付きに齧りつく。
「ごめんデスゥー」
「オマエの事は忘れないデス」
「コイツ旨くないデスッ」
「こっち見るなデス、早く死ねデス」
涙を流す者や文句を言う者様々だが、食われる方は堪った物ではない。
「ムームー」と血涙を流し抗議をしたが、やがて骨も残さず食われてしまう。
バグはザムザに目をやると「さてとザムザ・・オマエの教育がなって無いからこうなるデス」
とザムザを睨みつける。
ザムザの顔には汗が伝うと「も、申し訳ないデス!バグ様」と直ぐに頭を下げた。
片腕に抜擢されたは良いが、その分ザムザにはバグからの無理難題も多い。
マラ付き実装を教育する自体が、所詮は無理な話である。
しかも若い固体は世間を知らず、自分勝手の塊だ。
ザムザはバグに会うまで自分より強い固体に接触した事が無かった。
自分こそが実装石の頂点であると、勝手に妄想していた。
そんな時バグに会って完膚無きまで叩きのめされる。
しかも瀕死になるまで徹底的にだ、それ以来バグに全く逆らう事は出来なくなっていた。
その時の恐ろしい記憶が甦ると、無意識に若いマラ付きの一匹に馬乗りになっていた。
「いい加減にしろデスッ!」
「オマエらの替わりは幾らでもいるデス」
ザムザは半狂乱になって何度も顔を殴りつけていた。
やがて若いマラ付きは「デシャッァァッ!」と大声をあげると動かなくなる。
見ると殴られた顔が完全に潰れ、挽肉の様になっていた。
中核をなす中型以降のマラ付き達は、それをニヤニヤとしながら眺めるだけで動こうともしない。
勿論バグもそれを止める事は無い、小型マラ付きは所詮使い捨てのコマでしかないのだ。
体中を血まみれにするとザムザは若いマラ付き達に命令する。
「逃げた奴らを追いかけろデスッ!」
「グズグズしてるとワタシが先に殺してやるデスッ!」
若いマラ付き達は一箇所に体を寄せ合い脅えるていたが、ザムザに命令され直ぐにチコ達を追いかけた。
バグの部隊はアリクの巣に到着するまでに、この時点で既に3匹も数を減らしてしまう。
△
「この地点がアリクの言っていた場所デス」
チコは息を切らしながらナナへ声を掛けた。
ナナは「ワタシ達のやることは終わったと言う事デスね?」とチコを見た。
6人で出た誘導隊はもうチコとナナだけになっていた。
今まで一緒だった巣の仲間は、とうとうナナだけになった。
途中捕まってしまい他の者は殺されたか、犯されてしまったか。
ナナは後ろを振り返ると「フゥ」と一度溜息を付いた。
「まだ終わりじゃ無いデス」チコがナナの肩を後ろから掴む。
ナナは「そうでデス・・」とチコに振り返った。
「もぬけの空になったバグの巣へ戻って、仔マラを根絶やしにする仕事があるデス」
不意に「いたっ!あそこにいるデスゥ!」とマラ付きの声が聞こえる。
チコ達はマラ付きを見ると、付いて来いという仕草を見せる。
草むらを抜けマラ付きが見た物は、大勢の実装石がひしめきあって整然と並んでいる姿だった。
若いマラ付きはその数に圧倒され腰を抜かす。
「な、な、なんデスゥ!!こいつら」
「と、とにかくバグ様に報告デス」
言うや否や集団が動き始め、若いマラ付きを襲い始めた。
幾らマラ付きと言っても多勢に無勢である、数匹のマラ付きが飲まれるようにメス実装に埋め尽くされる。
逃げ後れたマラ付きは5匹、各個懸命に威嚇をしていたがやがて体中を噛み付かれ悲鳴を上げた。
マラ付きは数十箇所を一辺に噛まれ、肉や骨を引き千切られ単なる肉片へと形を変えて行った。
その動きを指揮していたのは勿論アリクである。
アリクは逃げ遅れたマラ付きが死んだのを確認すると、
小高い所から手を戻す仕草をして、全部隊を元の位置に戻した。
「見ろデス!マラ付きと言ってもこの程度デス」
「数には勝てないデス」
メス実装達は口々にマラ付きを罵倒すると、自分達は勝てると確信する。
そんなメス実装を見てアリクはバグ達本隊を叩かない限り、勝利は程遠いと感じていた。
血相を変えて若いマラ付きが戻って来ると、バグに事の全てを告げる。
「こしゃくな事をするデス・・」
その時バグは全てのメス実装が集結した事を知り、一番恐れていた事が起きてしまった事を認識する。
「全面戦争デス、どっちが生き残るかデス」
「ザムザ!隊列を組めデス!」
そう命令するとザムザは大きさ別に5匹づつの隊列を組み始める。
「バグ様、8隊列くみ終わったデス」
バグは整列したマラ付きを見やると「まずは先鋒隊が突進デス」と叫んだ。
続く
