人類が宇宙へ旅立った地球で、光合成を行うようになった実装石。
普段は菌類として光合成と地中からの栄養摂取で生活している。
だが、他の植物や動物に寄生して宿主の身体を乗っ取ることもある。
その時は、光合成に適した葉を広げたり、果実を実らせたりする。
植物実装の果実は、実装石の特徴を色濃く残している。
丸い果実にはオッドアイと口がついており、「デスデス」と鳴く。枝からもぎ取られる時は「ヂゲェーー」「デギャー」と断末魔の叫びを上げ、目から涙(果汁?)をしたたらせる。この果実は腐るか食べられるまで「デスデス」鳴き続ける。命ごいをすることもあるのかもしれない。
植物とはいえ、他の生物(特に人間)をとことん利用しようとする実装石の性質を忠実に受け継いでいるといえよう。だが実装人の前では、植物実装も単なる「食料」に過ぎない。苗床を用意され、甲斐甲斐しく世話をされ、そして果実をもぎ取られて食べられてしまう。収穫期に植物実装畑に響き渡る彼らの絶叫が、実装人との関係を物語っているといえよう。
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