実装石は人間を愛護派と虐待派の二種類だと考えがちだが、実際はそれほど単純ではない。
人間には愛護派でも虐待派でもない者が確実に存在するからだ。
ゴミ捨て場に生ゴミを捨てる主婦を愛護派とはしないし、実装石の要求を無視する通行人を虐待派とは呼ばない。
実装石駆除を行う保健所の職員も虐待派の人間とは限らないのである。
愛護も虐待もしないのは普通のことであり、何ら特別な振る舞いでも無い。
実装作品の世界においても多くの人間は無関心派に属するのだろう。
実装石という不思議ナマモノを特別扱いしたり、わざわざ構ってやろうとする奇特な者ばかりではないのだ。
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