タイトル:【虐】 保管庫の主旨にあったものを
ファイル:踏み躙られるもの.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:24186 レス数:10
初投稿日時:2006/10/09-20:16:12修正日時:2006/10/09-20:16:12
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四方が30cm、高さが25cmの水槽の中に二匹の仔蟲が飼われている。
無論、愛でる為に飼われている訳ではない。
仔蟲達は嘆き、苦しみ、絶望の悲鳴を出す様を楽しむ為だけに飼われている。


元々こいつ等は町の隙間に隠れ住む賢い野良実装の子供だった。
人間に弾圧され、先の見えない状況の中で必死に生きていた家族。
苦しく慎ましい生活であっても優しいママと賢い姉妹(間引き済み)に囲まれた、
それなりに満ち足りた日々を過ごしていた。

でもその生活も長続きはしなかった・・・・。
親蟲が留守の時、不用意に巣から出た末っ子が俺に見つかり・・・・・・家族は蹂躙された。

末っ子が摘まみ上げられ消えた後・・・・・巣の前に沢山の金平糖が撒かれる。
巣内の仔蟲達は慄く。
妹がいなくなった!・・・・でも、そうしたら美味しそうなモノがお家の前に降って来た。

ママから人間の差し出してくるお菓子は罠だということを教えられていたが、
本能に刻まれた甘い物への渇望を押さえることは生後1週間の仔蟲は不可能な芸当。
巣の外にばら撒かれた金平糖の誘惑に勝てず、仔蟲達は我先に外に這い出して来る。
罠の金平糖に夢中でしゃぶり付き、周りの見えなくなっている仔蟲達を一匹ずつ捕獲する。

金平糖の甘みで培われつつあった忍耐も溶けてしまい・・・・・3匹の仔蟲が俺に、
もっと甘いモノを寄越せ、カワイイワタチを飼わせてやるから奴隷になれ、
などの親から禁じられていた暴言を吐いてしまう。

かつて公園を占拠していた糞蟲達が人間の不興を買う原因となった言葉を吐いた仔蟲達は相応しい結末を辿った。
一匹ずつ自慢の髪を毟り、生えたての服を剥ぎ取り、
暴れる仔蟲達に自分のかけがえのない財産だったモノを悲鳴を上げる口に捻じ込んでやると・・・
パタパタと静かに悶えるだけになる。
処置の終わった仔蟲は傍に転がっていた大振りのアルミ缶に放り込んでおく。

3匹の仔蟲に相応しい罰を与えて残りの仔蟲に手を伸ばした時、驚くべき光景が目に映る。
一番大きな仔蟲が破滅の原因を作った末っ子を俺の手から守ろうと前に立ちはだかっているではないか!!

素晴らしい家族愛だな。
野良実装紅がマラ実装などの外敵から家族を守ろうとするときに行う習性を仔蟲がやるとは。
・・・・溢れる家族愛に免じて今しばらく、この仔蟲2匹の処分を保留する。



・・・・・・・しばらくすると大きなビニール袋を背負った親蟲が意気揚々と巣に帰ってくる。

「お前たち!!ママのご帰宅デスよ!!!
 今日も大漁だったデスゥ!!!」

いつもより質に良い餌を仕入れられた喜びでテンションの高い親蟲は誰もいない巣に入ってゆく・・・。
・・・・・・・少しの沈黙の後。

「デァァァァッ!!!!!!子供達がいないデスゥ!!!!!
 お前たちィ!!!何処に行ったんデスゥ!!!!!」

親蟲が巣から飛び出してきて、辺りを駈けずり回る。
デスデス鳴きながら見当違いな所を探す親蟲の背中を加減して蹴り飛ばし、ビルの壁に叩き付ける。

「おはよう親蟲ちゃん。
 良い天気だねぇ・・・・・。」

「で・・・デェ!!!!
 ニンゲンが何でここにいるデスゥ!!!」

うろたえ、後ずさりながら逃げる準備をしている親蟲。
少しの睨み合いの後・・・・・。

「逃げるデスゥ!!!!!」

ご丁寧に宣言をして逃走を図る親蟲。

「ここにいる子供達はどうなってもいいのかい?」

と声を掛けてやると・・・・親蟲は急停止が効かずに地面にずっこける。
・・・・・転んで顔をすりむいた親蟲は痛みに震えながら此方を向く。

「「「・・・・・・・・・・・・!!!!!!」」」

「ママ・・・・・・・。」

「テェェェ・・・・・。」

「デェェェェェ!!!!!!!!!!」

愛しい子供達の無残な姿を見た親蟲は信号機の様に顔色を変え、パンコンしながら怪しい踊りを舞う。
言いたいことは沢山有るのだろうが、梅干大の脳みその処理能力では賄いきれないのだろう。
考えが纏まるまで待ってやるかな・・・・。


3分ほどして親蟲の踊りが終わり、何か喋りだそうとした刹那・・・親蟲の顎を蹴り飛ばす。
不意を衝かれた親蟲は派手に吹っ飛び、壁に赤緑の染みをつける。
俺が自分の抗議を静聴してくれるでも思っていたようだな。

「ヘフゥ!!!へヘフゥフェファゥウウゥウ!!!!」

顎が失われて何を行ってるのか分からない親蟲を嘲笑いながら暴行を加える。
今日は手頃な棒が近くに転がっていなかったので蹴りを主体にしたもてなしを馳走する。
体のいたる所を踏み潰し、つま先で醜い顔を蹴り飛ばし、反撃しようと足掻く親蟲を壁に押し付け踏みにじる。

「どうした親蟲?
 頑張らないとお前も仔蟲ちゃん達も皆死んじゃうゾ♪」

「ヘヒィ!!!!ヘフゥゥゥゥ!!!フゥゥゥウゥゥ!!!」

「そうそう、頑張って足掻けよ♪」


・・・・・・・やはり素手は加減が難しいな。
5分も戯れていると、親蟲が虫の息になってしまった。

「やれやれ・・・・頑張りの足りない糞蟲ちゃんだな。
 もういいや家族揃って死ね。」

そう言ってピクピク痙攣している親蟲を掴んでクズ仔蟲達を先に投入しておいたアルミ缶に放り込もうとすると、

「もうやめてテチュゥ!!!!これいじょうママをいじめないでェ!!!!」

無事な仔蟲の大きい方が叫ぶ。
親蟲を地面に投げ捨てて、叫んだ仔蟲を摘まみ上げる。

「勇敢だねぇ・・・・・仔蟲ちゃん。
 ・・・・・キミはママをどうしたいのかな?」

「おねがいテチュゥ!!ママをころさないでテチュ!!」

「じゃあ、ママを助ける為なら何でもするかい?」
 
「テェ!!!・・・・・・・・ワタチは何をすれば・・・・いいんテチュ・・・。」

へえ、実装石の癖に中々献身的な奴だな。
黙っていれば楽に死ねたかも知れないのに、ワザワザ苦難の道を選ぶとは。

「そうだな、お前の髪と服を貰おうか。
 自分で毟って俺に差し出すといい、そうしたらママを殺さないでやる。」

「かみとふくをっ!!!ダメテチュ!
 それじゃワタチはもういきていけないテチュゥ・・・。」

「それではママが死んじゃうぞ♪
 バカな姉妹と一緒にアルミ缶の中でコンガリと焼けてあの世逝きだな。
 むろん偽善的な言動を吐いたお前にも相応しい結末を用意してやる。」

「テェ!!!!!」

粗末な顔が歪んでいるぞ仔蟲ちゃん。
出来ないとは口に出さない事だ。
さもないと・・・・・愉快なことが訪れることになる。

「どうする?
 お前はこのままママを見捨てるか?
 それとも・・・・自分の全てを捧げてママを助けるかな。」




・・・・・・5分ほど悩んだ後、仔蟲は瀕死の親蟲を救うために自らの髪と服を毟って俺に差し出してきた。
家族に対して非常に深い愛情を持つ個体か・・・・。
まあいい、コイツが対価を支払ったのだから俺も約束を守ろう。
足元で転がる親蟲を路地裏の隅に蹴り飛ばして片付ける。

「ま、ママァ!!!どうちてテチュ!!!
 これいじょうママにひどいことをちないっていったのに!!!」

「そう、これ以上お前のママは傷つけない。
 でもなぁ・・・生ゴミを道のど真ん中に放置しておくのはどうかと思ったんで隅に移動させただけだ。
 手で掴むと臭い体液が着くから足でどかしたんだよ。」

「そ・・・そんなぁ・・・。」

「はははっ・・・お前たち実装石がアレぐらいで死ぬかよ。
 どれ、ママが約束通り生きているか確かめさせてやる。」

仔蟲を摘まんで隅の方でデェデェ喘いでいる親蟲の傍に連れてゆく。

「ママ・・・・大丈夫テチュか・・・・。」

「デェェェェ・・・・・・・・・・。」

「な、生きているだろ?
 あとはコイツの運次第だな。」

仔蟲は親蟲に触れて介抱したかった様だが、そんなことはさせない。
他人の心配よりも先ず自分の心配をしたほうがいい。



親蟲は生かしてやるが、仔蟲は駆除しなくてはな。
持ち歩いている簡易虐待セットの中から固形燃料を出して、毟り取った仔蟲の服を巻きつける。
・・・・・・少々足りないな・・・。

「ジィィィィ!!!ジュゥゥゥゥゥーーーー!!!やめるテチュゥーーー!!!!!」

無傷で残っていた末っ子の髪と服を毟り、足りない部分に粗末な布切れを巻きつける。

「ひ、ひどいテチュゥ!!!どうちていもうとをきずつけるんテチュ!!!」

「何が?
 親蟲は生かしておくと約束したが、お前たちを生かしておくとは一言も言ってない。
 それにお前たちが今の惨状に置かれているのは全てこの思慮の足りない仔蟲ちゃんのせいだぞ♪」

「そ・・・・それは・・・。」

「まあ済んだことをとやかく言っても仕方が無い。
 これからお前たちの処刑を始めるぞ。」

「「て、テェ!!!」」

アルミ缶内に丸めたチラシと仔蟲2匹分の髪を入れる。
・・・・中の仔蟲達は自分のことに手一杯で上から降ってきたモノにまで興味がいかない様子。
そして、仔蟲の服を巻きつけた固形燃料に火を点けて仔蟲入りのアルミ缶の中に投入する。

「「「チギャァァァァァァァァァァァアアアァァァァァァァァーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!」」」

火に巻かれたショックで口に詰められていた髪と服の成れの果てを吐き出した仔蟲達は盛大な悲鳴を上げて悶絶する。

二匹同時にブシャァッと糞を洩らした外の仔蟲2匹を吊るし上げてアルミ缶の中を見学させてやる。

「どうだい?
 お前の姉妹は油気が多いからよく燃えてるだろう。
 お前たちももう直ぐ素敵な火達磨になって、姉妹仲良く激しいジルバを踊ることになる。
 嬉しいかい?」

「チィィィィィィーーーーー!!!!!!!たちゅけてぇママァーーーーーー!!!!!」

「やめてやめてやめてやめてぇぇぇ・・・・どうちてこんなひどことをするんテチュ・・。
 ワタチたちは・・・・ただ・・・しあわせにいきたいだけなのに・・・・。」

泣き言を垂れ流し始めた仔蟲どもを燃え盛るアルミ缶の中に入れようか。
先ずは元凶の末っ子から・・・・姉蟲はどんな反応をするのか楽しみだな。

「じゃあね末っ子ちゃん、あの世にいったら皆にちゃんと謝っておくんだゾ♪」

「チィィィィィィィィィーーーーーー!!!!!!!!ゆるちてェェェェェェーーーーーーー!!!!」

「ダメだよ。ちゃんと死のうね♪」

「ママァ!!ママァ!!!ママァァ!!!!!!!!!」

末っ子を燃え盛るアルミ缶の真上に持って来る。
何処に収納されているのか知らないが、絶えず脱糞している末っ子は熱烈に瀕死の役立たずに救いを求める。
何事も諦めが肝心だ・・・・・・特に実装石はな。

「に、ニンゲンさん!!!」

突然姉蟲が大声を上げて俺を呼ぶ。

「何だ?
 今度は末っ子の命を助けて欲しいのか?」

「・・・・・そうテチュ・・・。」

「でも、もう取引に使えるモノは何も残っていない。
 そんなお前と取引することは出来ないな。」

「・・・・・わ、ワタチの・・・・いのちを・・・。」

「何?よく聞こえないなぁ。」

「ワタチの・・・・いのちとひきかえに・・・そのこをみのがちてほちいテチュ・・・・。」

へぇ・・・・・実装石が他人の為に命を投げ出す・・・・。
なかなか愉快な仔蟲ちゃんじゃありませんか!!!

「本当にかい?
 この取引が成立したら、お前は死ななくちゃならないんだぞ。 
 そうしたらこの先どんなに楽しいことが待っていてもお前はそれに触れることが出来なくなる。
 そのことをちゃんと理解しているのかい。
 俺の興味を引こうと過激な媚のつもりで妹の命乞いをしているのなら止めるといい。」

「わ・・・・わかってるテチュ・・・・、でも・・・かぞくがきずつくのをみるのはたえられないテチュ・・・。」

コイツは成体まで生き延びられたしたとしても大して長生きしないタイプの実装石だな。
他の実装種なら群の調停役ぐらいになれるかもしてないが、
実装石じゃ他の個体の食いものにされて実装生を早々にリタイアするのが落ちだろう。 

実装石が生きてゆく過程で友愛や慈悲の心は役に立たない所か己が身を破滅させる害悪にしかならない。

「じゃあ試して見るか?
 本当に愚かな妹蟲の為に死ねるかどうかをな。」

姉蟲を吊るし、燃え盛るアルミ缶の上に持って来て少しずつ火に近づけてゆく。
クズ仔蟲三匹は既に焼死して静かになっている。

「テェェェェ・・・・・・。
 みんな・・・・・・、いまそっちにいくテチュ・・・・・。」

熱気で仔蟲が悶え始める。

「ほら、暴れると落っこちちゃうゾ。」

「あちゅいテチュゥ!!!あちゅい、あちゅいぃ!!!!!」

「ほら頑張らないと妹蟲が焼き仔蟲に進化しちゃうぞ。
 さーて、心優しい姉蟲ちゃんのもっと良いとこ見てみたい、それ♪それ♪それっ♪」

「ジィィィィィ!!!!!!ジュゥゥゥゥゥゥゥ!!!!!!!ジュィィィィィィィ!!!!!!!」

炎にチロチロと舐められて悶絶する姉蟲。
覚悟を決めたと抜かしていたが、実装石が嫌いな火の前では立派な志も霧散しちゃうのかな?

「さて、最終確認だ。
 お前が炎の中に自分から飛び込めば・・・・末っ子を見逃してやる。」

「テェェェェ・・・・・・・・・。
 に・・・ニンゲンさん・・・・どうか・・・いもうとを・・・・いもうとをゆるちて・・・テチュゥ・・・。」

ほう、意思を曲げる気はないようだな。
素晴らしい仔蟲ちゃんだ・・・・・久々に満足のいく虐待が楽しめそうだ。



目を瞑り、手を合わせて何かに祈っている姉蟲ちゃんを糞を洩らしながら泣いている末っ子の所に戻して話しかける。

「姉蟲ちゃんの度胸に免じてお前たち2匹の処刑は取り消して上げよう。」

「て・・・・テェ!!!・・・・ほ・・・ほんと・・・テチュ?
 ワタチたちは・・・・いもうとたちみたいに・・・しななくて・・・いい・・テチュ?」

「そうだ。
 そして・・・・俺はお前たち2匹を飼ってやろうかと思うんだがどうする?」

「テェ!!!・・・・・・・・・かってくれるんテチュ・・・?」

「チュゥゥーーン♪ニンゲンさんがカワイイワタチをかってくれるテチュゥ♪」

不信がる姉蟲と飼い実装になれることを無邪気に喜ぶ末っ子。

実装石にとって・・・人間に飼われるということは特別な存在に格上げされること。
惨めな野良生活を脱却し、豪華な衣食住と人間の奴隷を手にした実装石は同族内で特別視される。
(選ばれなかった糞蟲どもの羨望と嫉妬と憎悪を一身に受けることになるだけだが・・・。)
そのため人間に飼われるためなら実装石はどんなことでもする。

「おねえちゃん!!ワタチたちセレブになれるんテチュゥ♪」

「で・・・でも・・・ママは・・・・どうなるんテチュ・・?」

「ママはだいじょうぶテチュゥ♪きっとすぐによくなってワタチたちをおいかけてくるテチュ♪
 そうちたらニンゲンさんがかぞくいっしょにかってくれるんテチュ♪」

末っ子の頭の中では幸せ回路がフル稼働して下らない妄想が展開しているご様子。
コイツは本当に模範的な糞蟲だな・・・・・。
よくもまあ、自分たちを蹂躙した人間が愛護派のようなお姫様扱いで飼育してくれると考え付くものだよ。

「テェェェ・・・・、に・・・ニンゲンさん・・・ほんとうにワタチたちをかってくれるんテチュ・・・?」

「ああ、飼うさ。
 お前たち専用の住処と栄養満点な食事を提供しよう。」

「・・・・・・・・・・わかりまちたテチュ・・・・。
 それじゃあ・・・ママがげんきになるまでおせわになりまちゅテチュ。」

少しは警戒する知恵のある姉蟲も専用の住処と栄養満点な食事という特典に惹かれて俺の申し出を呑んだ。
さて・・・・・家に電話してこいつ等の住処を用意しておいて貰うか。




20分後、家に辿り着く。

「ニンゲンさんのおうちはひろいテチュ♪
 ワタチたちのすんでいたおうちなんかいぬごやテチュ♪」

「・・・・ママはだいじょうぶ・・・テチュ・・?」

面白いぐらい格差のある姉妹蟲だ。
こいつ等の親蟲は飼い実装崩れから生まれたのかもしれない。
飼い実装の産む仔蟲は安楽な環境で生まれる所為もあってどうしょうも無いクズになる可能性が非常に高いが、
ごく稀にこの姉蟲の様な賢く家族愛に溢れた仔蟲が生まれることがある。
この姉蟲もこうした遺伝が生み出した変異体の一匹なのだろう・・・たぶん。

「お帰りなさい、旦那さん。
 例のモノは縁側の所に用意しておきましたよ。」

「ご苦労様。
 とりあえずこいつ等を放り込んだら昼飯にしようか?」

家庭菜園で野菜を収穫していた星華を見た末っ子の仔蟲が梅干みたいな顔になって小声で何か毒づいている。

「・・・・・なんだかいやなにおいのするおんなテチュ・・。 
 ワタチたちがすむいえにふわさしくないテチュ。
 ニンゲンさんにいっておいだちてもらうテチュ!」

「テェ!!なにいってるテチュ!!
 なまいきなことをいったらあのこたちみたいにころされちゃうテチュよ!!!
 ごはんとおうちがもらえるだけありがたいとおもうテチュ!!」

「テェ・・・。おねえちゃんはしんぱいしょうテチュ。
 ニンゲンさんはワタチのかわいさにメロメロになってかうっていってきたんテチュ♪
 だからかわいいワタチのいうことはなんでもきいてくれるはずテチュ♪」

真性のアホだなこの仔蟲は・・・・・・・。
俺が何の為にお前たちを家に招待したのか、まだ分かっていない様子。
説明したって分からないのだから、推理して答えを出せといっても無理な話か。

しかしこいつ等の様な生まれたての仔蟲でも人間と実蒼さんの区別がつくものなのかね?
鋏を出していなければ並みの実装石には・・・・・うっ・・・。

星華が怖い笑顔で袋の仔蟲どもを見ている・・・・。
やばいな・・・・さっさと場を変えよう。
凶悪な天敵に罵声を吐きかけた仔蟲の無謀さも天井知らずというか、
このまま放置しておくと碌なことにならないだろうからな。



「「テェ!!!」」

二匹の仔蟲を特製の水槽に放り込んで家の中に戻る。

「に、ニンゲンさん!!!はなしがちがうテチュゥ!!! 
 ワタチをもてなちてくれるのはどうなったんテチュゥ!!!」

「・・・・・・・・・・・・・・・やっぱり・・・・・・こうなる・・・テチュか・・?」

対照的な二匹を尻目にガラス戸を閉める。
昼飯が出来るまで居間のテレビを点けてワイドショーでも鑑賞しようか。

ガラス戸越しにテチュテチュと末っ子の低脳蟲の抗議の鳴き声が聞こえてくる。
文句を言うのはタダだから今のうちに好きなだけ垂れ流すといい。
じきに文句を垂れる気力も失われるだろうから・・・・。



一時間後・・・・・・・。
食休みも終えたことだし、そろそろ仔蟲ちゃん達のおもてなしをしようか。

水槽の隅に固まって不貞寝をしていた仔蟲どもを叩き起こし、これから始めるゲームの説明をする。

「おまたせ仔蟲ちゃん達。
 これからお前たちにはゲームをしてもらおうと思う。
 ちなみに拒否権はないからそのつもりでな。」

「「テェェ!!!」」

「に、ニンゲンさんはなちがちがうテチュゥ!!!!
 おいちいごはんときれいなふくはどうなったんテチュゥ!!!」

「わ・・ワタチたちを・・・やっぱり・・・ころちゅんテチュか・・・・・・。」

「俺の言うことをちゃんと聞いていれば今は殺さない。
 だが・・・・これから説明することを理解できずに駄々をこねた場合は・・・・・・。」

少々脅しを掛けてやると姉蟲は騒ぎ立てる仔蟲の口を塞いで黙るように言い聞かせ始めた。
しかし仔蟲は正当な抗議しているつもりだから姉蟲の言うことなど聞く気はなく、
口を塞ぐ手に噛み付いて拘束を解こうと躍起に暴れる。

「テェ!!!あんまりわがままだとあのこたちみたいにニンゲンさんにもやされちゃうテチュよ!!!
 とってもこわいひにまかれてしぬのはどんなにくるしいのか・・・・おまえだってみたはずテチュ!!!」

仔蟲はビクッと跳ねると口を塞ぐ姉蟲の目を見た。
糞蟲でも火の恐ろしさぐらいは理解できるのかな?
さっきまでの傍若無人振りが嘘の様に静かになった。

「じゃあこれからお前たちの行うゲームについて説明しよう。
 俺の攻撃をひたすら避けろ、ただそれだけだ。」

「テェ!!!なんなんテチュ!!!
 そんなのわかんないテチュ!!!!」

「理解できなければ痛い思いをするのはお前たちだからな。
 それと公平を期すためにお前たちにもボーナスをやろう。
 これからお前たちの住処になる水槽内にスイッチがあるだろう?
 お前たちはそれを朝起きてからすぐに押してその日の運勢を決める。」

「う・・・うんせい・・?」

「そうだ、変化のない生活もつまらないだろうから娯楽を提供してやろうと思うんだ。
 どれもこれもきっと満足する代物だぞ。」

「て・・・テェ・・・。」

姉蟲はそれなりに知恵があるようだから俺の言わんとしている事を漠然と理解してくれたようだな。
このニンゲンはワタチ達を手慰みにいじめ殺すつもりだということを・・・・。
そう、末っ子のクズ仔蟲がこのことを理解する必要はない。
主賓である姉蟲ちゃんが理解してくれさえすれば良いことなのだから。

「でな、ゲームというからにはお前たちに有利になる展開も用意されてなければならない。
 アミダの○の所に入ったら点数と豪華な餌を与えよう。
 もし点数が3点溜まったら・・・大好きなママの所に返してやる。」

「ほんとうに・・・・ほんとうに・・ママのところにかえちてくれるんテチュか・・・?」

「ああ、返してあげるよ。
 それとゲームの途中にママがここまでお前たちを迎えにきたら・・・・その時もお前たちを解放してやろう。」

「テェ!!ほ・・・ほんとうテチュか・・。」

「ああ、俺は嘘は吐かない主義だからな。」

姉蟲ちゃんの中に希望の火が灯った様子。
これでよろしい・・・・これで姉蟲は自分の命が尽きるその時まで届かない自由に向かって足掻き続けることだろう。



「とりあえず、お前と妹蟲の区別を付ける為に印を付けようと思う。
 おーーーい、星華ぁ!」

星華に頼んでおいたモノを持って来てもらう。
仔蟲達は不安そうな眼差しを星華とソレに向けている。

縁側の床に置いた物は七輪。
チリチリと焼けている赤く焼けた石炭が山盛りに入っている危険な代物だ。

下準備をするために水槽内から末っ子を攫い、解剖用のナイフで胸部を切り開いて偽石を取り出す。
緑色に光る歪な小石を実装活性剤の原液が入った小瓶の中に落とし込んで蓋を閉める。
次に水場でたらふく水を飲ませて糞抜きを施す。
そして、いきなりの苦行に悶絶した仔蟲を左手で吊るして縁側に戻り本題に移る。

耐熱ミトンを付け、焼けた石炭に突っ込んである焼き鏝を引き抜く。
小一時間ほど加熱された焼き鏝は赤々と燃えるマグマの様だ。

「チィィィィィィィィィィィィィーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!
 いやテチュゥーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!どうちてかわいいワタチがァ!!!!!
 いっぱいたのちいことをちテェ、いっぱいあまやかしてくれるっていったテチュゥゥゥゥゥ!!!!!!
 なのにぃ!!!どうちテェ!!!!!!

「ハハハハハハハッ!!!
 俺は一言もお前を可愛がって甘やかしてやるなんていってないゾ♪
 俺はなぁ・・・ただ「飼ってやる」とだけ言ったんだ。
 なあ、姉蟲ちゃん。」

「・・・・テェ・・・・そうテチュ・・・・。
 ニンゲンさんは・・・・ただ・・・かうっていっただけテチュ・・・・。
 だから・・・ワタチはしんぱいだったんテチュ・・・・・。」

「チィィィィィィィーーーーーーー!!!!!!
 やめてェ!!!!ゆるちてェ!!!!!おねがいテチュゥ!!!!!!」

左手の仔蟲を仰向けで地面に置き、潰れない程度の力で踏んで固定する。
仕上げにもがく仔蟲に100倍に薄めた実装活性剤を注射しておく。

「さあ、始めようか♪
 ・・・・・・星華・・・代わりにやるかい?」

「え・・・・い、ぃいいえ!!
 ボクはいいですよ!」

「そうかい?
 さっきこの仔蟲がお前の悪口を吐いていたからなぁ・・・。
 まあいい、じゃあ始めるよ糞仔蟲ちゃん♪」

仔蟲が哀れっぽく許しを請い始める前に、熱々の焼き鏝を額に当ててやる。

「ジュビィィィィィィィィィイイイイイィィイィィィイィпЭGッE#*イィィイィィィイィッ&ィ!@Ъ★юッ
 *ッ#*Eイィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」

世界中に聞こえそうな大音量の絶叫を上げて悶絶する仔蟲ちゃん。
絶対死なないように偽石は実装活性剤の原液で保護してあるから大丈夫。
この状態なら首を切り落とさない限り、このまま踏み潰そうが頭を丸焼きにしようが死ぬことはない。

「アアアアアアアアアアアッーーーーーー!!!!!!!!!!!
 やっめてぇぇぇぇええぇーーーーーーー!!!!!!!!
 いもうとをきずつけないでぇテチュゥーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」

「アハハハハハハッ♪
 姉妹揃っていい悲鳴で啼くね。
 そうこなくっちゃ♪」

大切な妹を傷つけられて絶叫する姉蟲。
当の妹蟲は・・・・・・苦痛が臨界点を超えてもう声すら上げられない様だ。
実装活性剤の原液に浸けられた仔蟲の偽石が物凄い勢いで反応している。
普通ならもう20回は偽石を砕いて死んでいるな・・・。

でたらめな生態、思想のせいで苦痛を大した事と思っていない実装石にとっても、
火に因る苦痛は耐え難いものであることはよく知られている。
それは、実装石のでたらめな再生能力で唯一癒せないモノだから。
美しいと勘違いしているブサイクな体に治ることのない醜い傷と耐え難い苦痛を刻む。
火傷を負った実装石にもはや安らぎは訪れない。


妹蟲は数え切れないぐらいの仮死と蘇生を繰り返し、活性剤に浸けられた偽石の反応がなくなってきた頃・・・。
額に押し付けられた焼き鏝がようやく冷めて黒い本来の色に戻り始めた。

もう子供の可愛いらしさとは無縁になった仔蟲の顔から冷めた焼き鏝を退かすと・・・・。
額の真ん中に「生ゴミ」という焼印が黒々と刻まれていた。
焼き鏝の乗っていた部分は黒く炭化してもう二度と再生することはない。

「どうちて・・・・どうちて・・・ニンゲンさんは・・・こんなひどいことを・・・するの・・?」

姉蟲は妹の惨状に血涙を流して我が事の様に嘆いている。

何故、自分たち家族がこんな酷い目に遭わなければならないのか?
何故、人間は実装石を目の仇にして苛め殺すのか?
何故、妹がこんな酷い仕打ちを受けなければならないのか?

そんな思いが姉蟲の頭の中を駆け巡っている様だ。
印を刻んだ妹蟲を水槽に放り込んでやると姉蟲は急いで駆け寄り、瀕死の重傷を負わされた妹蟲を介抱する。

「だいじょうぶテチュか!!よくがんばったテチュ・・・・・。
 こんどこそ・・・おねえちゃんが・・・おまえをまもってあげるテチュ・・・・。」

ビクビクと痙攣し、意識の無い妹蟲を膝枕で介抱している姉蟲に話しかける。

「これからお前たちは点数が溜まるか、ママの迎えが来るまでコイツで遊んであげる。
 ちなみにな、タイムリミットを付けようと思うんだ。」

「テ、テェ!!!これいじょうワタチたちをくるちめてなにがたのちいんテチュゥ!!!!」

「水槽の真ん中より上にある赤い線が見えるかい?
 お前さんの身長がその線を越えるまでに・・・点数も溜まらず、ママの迎えも来なかった場合は
 死んだ妹たちと同じ・・・いやそれ以上に苦しい火刑をご馳走してあげるからね♪」

「テェ!!!・・・・・どうちて・・・ひとおもいにころさないテチュゥ!!!
 ママがいってた、まちをうろついているころしやみたいにさっさところすがいいテチュ!!
 でもワタチはおまえなんかにぜったいにまけないテチュ!!!
 いもうとだって・・・・ママがむかえにくるまで・・・まもってみせるテチュ!!!」

「それは見上げた心意気だね。
 でも出来ないことを口にすることはとても重い罪なんだよ。
 今から、お前の覚悟と言うものを見せてもらおうか?
 安心しろ、お前の身長が赤い線を超えるまではどんな事があっても死なせないから。」

姉蟲をつまみ出し、妹蟲と同じように偽石を摘出して実装活性剤の原液が入った小瓶に放り込む。
精一杯暴れて俺の手から逃れようと試みる姉蟲を水槽の底に叩き付けて、
石炭の山に刺さっている焼けた鉄串を抜いて妹蟲に近づける。

「さあ、お前の覚悟を見せてみろ。」

「テェェェェーーーーー!!!!!」

姉蟲は根性で四肢の千切れかけた体を動かし、匍匐前進で妹に近づく。
2分ほどかかってようやく意識の無い妹蟲の傍に辿り着くと・・・・自分の体を盾にするように妹蟲の覆いかぶさった。

「へえ、考えたものだね。
 あとはどれぐらいその意思を保てるかだな。」

少々冷めた鉄串を姉蟲の体に打ち込む。

「ジュウウウウウウウウウゥゥゥゥゥゥゥゥーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

「まだまだ沢山おかわりがあるよ♪」

熱々の鉄串をまだ妹蟲の上からどこうとしない姉蟲に馳走する。

「ジィィィィィイィィィィイィィィィィィイィィィーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」

「ほら、まだまだこんなもんじゃすまないゾ♪」

今度は2本同時にぶち込む。

「ギビィィィィィィィイイイイイイイィィィィイィィィィィィィーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!」

糞と血涙を惜しみなく垂れ流し、姉蟲は抵抗を続ける。
自らの信念を貫く為、愛する家族を守る為、邪悪な人間を見返す為に、
姉蟲はありったけの勇気と意思を動員して、俺の責め苦に耐えようとしていた。

すばらしい心意気だ。
並の虐待派なら姉蟲の献身振りに心動かされて放免してやるのだろうが、
俺にとっては嬲る楽しみが増すだけ。

結局・・・姉蟲は15本の鉄串を受け止めて仮死した。
普通なら4本で完全死を迎えるのだから、実装活性剤の恩恵を受けているおかげにしてもたいした根性だ。
明日からのおもてなしが楽しみになってきたゾ♪
喰う気力が残っているのか知らないが、とりあえず約束の栄養満点だが味の無い餌を2匹分放り込んで蓋を閉めた。



次の日から本格的な虐待に入る。
俺が姿を見せると姉蟲は妹蟲を背後に隠して威嚇を始めた。

「おはよう仔蟲ちゃん達。
 昨日言った通り、お前たちの運試しをしよう。」

姉蟲に水槽内のボタンを押すように促す。
俺のことを警戒しながらボタンに向かう姉蟲。
どんな嫌がらせをしてこようと全て阻止してやるとでも意気込んでいるのかな?

ボタンの前に辿りつくと姉蟲は急いでボタンを押すと一目散に妹蟲の所に戻る。
唯一残った家族である妹蟲からほんの少しの間でも離れるのが嫌のようだ。
何もされない時から気張っていたら、本番で弛んでしまうぞ姉蟲ちゃん。

今日の運勢を司るビー球が転がり、五つある出口のどれかに向かって落ちてゆく。
・・・・・・そして、仔蟲ちゃん達の運勢は×。

「テェ!!!」

「テェ・・?」

対照的な反応を示す仔蟲達に話しかける。

「おめでとう、今日はとても運が悪いようだね。
 きっと神様が姉蟲ちゃんの偽善的な言動を嗜める為にこの結果を下されたんだと思うぞ。」

「・・・・・テェ・・・に・・ニンゲン・・さん・・。
 ワタチたちをどうちゅるんテチュ・・・・。」

「今日も目一杯楽しい事をして遊ぶとしよう。
 大好きだろ?楽しい遊び。」

俺の殺気に反応して妹蟲を庇う姉蟲。
いいねぇ・・・。
でも、今日の責めは昨日の比じゃないから心して掛かるといい。

赤熱するほど加熱された鉄串を耐熱ミトンを着けた右手で引き抜き、問答無用で姉蟲に打ち込む。

「ギッギィイイイイイィィィイィィイイイイイイイイイィィィィッーーーーーーーーーーーーー!!!!!!」

仔蟲とは思えないような悲鳴を上げて悶絶する姉蟲。
後ろの妹蟲は糞と血涙をブシャァと噴出して姉蟲の影に隠れる。

「ほらほら、筋肉を締めて焼き串を押さえ込まないと妹蟲に串が刺さっちゃうゾ♪」

ジワジワと力を込めて姉蟲の体に刺さった串を押し込む。

「カハァ!!!!ギギギギギィ・・・・・・・!!まけないテチュゥ!!!!」

必死に串を押しと留めようとするが・・・仔蟲程度の力で人間の腕力に勝てるはずも無い。
懸命な努力をするも・・・結果が伴わず、姉蟲の背中から突き出した串が妹蟲の腹に突き刺さる。

「ジュィィィィイイイイイイィィィィィイーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!
 あちゅいテチュゥーーーーーーーーー!!!!!」

「テェェェ!!!!!!!」

「また約束が守れなかったねぇ・・・・姉蟲ちゃん♪
 ほら、次はちゃんと受け止めて妹を守ってやるんだゾ♪」

二本目を姉蟲ちゃんにご馳走する。



・・・・・・・・10本打ち込んだ時点で5本が妹蟲に被弾。
外れは皆、手足に打ち込んだモノだ。

「さて・・・・そろそろ大玉を出そうかな?」

七輪から持ち手がついた焼き鏝を取り出し、姉蟲の目の前に持って来る。

「すげぇだろ?
 これが×印の特典だ。」

「テェェェェェ・・・・・・・・・・。」

額に深い皺が寄り、濃い色の血涙を流し始める姉蟲。
今までの焼き串が微笑ましく見えるぐらい凶悪な形をした焼き鏝を眼前でちらつかされて絶望に駆られている様子。
鋭い返しの付いた鏃形の焼き鏝の先端を姉蟲の腹に宛がうと・・・・一気に押し込んでやる。

「ッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

神経が断絶するほどの激痛で言葉の出ない姉蟲を焼き鏝に刺したまま持ち上げ、上向きに直してやる。

「ハビィッ!!!!!!!!!!」

奇天烈な悲鳴を上げると姉蟲は自重で下にズリ落ちて串刺しになる。

「ヘフゥッ・・・!!ヘフゥッ・・・!!ヘフゥッ・・・!!!」

モズのはやにえみたいなザマで悶えている姉蟲が刺さっている焼き鏝を勢い良く振って、
貫通している姉蟲を開放してやる。

「チャベ!!!!!」

べチャッ!!という音と共に水槽に帰還した満身創痍の姉蟲を見た妹蟲は・・・・・・・、
全てを拒絶するかのように水槽の片隅で丸まり、この地獄が早く終わることを願っている様だ。

どうしょうもないクズだね。
お前を守る為に大嫌いな火に果敢に挑みかかっていった姉蟲ちゃんに労いの言葉も掛けず、
自分だけ助かろうと隅っこに隠れて難を逃れようとする卑しい性根・・・・。

「さあ、本命のお前さんの番だよ妹蟲ちゃん。
 もうお姉ちゃんは守ってくれないから自分ことは自分で何とかしないとな。」

「チィィィィィィイィィィィイィーーーーーーー!!!!!!!!
 いやテチュ!いやテチュ!いやテチュ!いやテチュ!いやテチュ!いやテチュ!いやテチュゥ!!!!
 あちゅいの嫌いテチュゥ!!!!ママァァァッ!!!!おねえちゃぁーーーーーん!!!!!!!
 ワタチをたちゅけテェ!!!!!!!!!」

「・・・・・・や・・・め・・・・る・・・・テ・・・・チュ・・・。
 わ・・・た・・ち・・・が・・・・いも・・・・・・」

赤緑の泡を吹きながら姉蟲が仮死と蘇生を繰り返して悶える。
急所を避けているとはいえ、致命傷に限りなく近いものを受けてなお自分のことより妹蟲の心配をするとは・・・。
愛護派連中が見たら脱糞して喜びそうな仔蟲ちゃんだ。
いいねぇ、お前の頑張りに賞賛を与えたいな。
だから・・・今からお前の大切な妹を少しづつ壊してあげる。

妹蟲用のもてなしは姉蟲の受けた責め苦など撫でるぐらいに思える素敵な奴だ。
先ず赤熱した焼き鏝を震える背中に押し付けて贖う気力を削ぎ落とす。

「ギギギギギッィィィィィィィィィィィイイィィィィィーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」

ビチビチビチッと肉が焼けて爆ぜる音と仔蟲の魂千切る悲鳴が水槽内に木霊す。
痛みでパタパタ暴れる仔蟲をトングで摘まみ出して地面に丁寧に置く。
腰の部分を踏みつけて動けないようにしてから施術に入る。

「今日は利き腕の右手を壊そうか・・・・。」

焼き串を腕の先端に突き立てて動きを封じ、伸ばされた腕を切り開いて骨と筋肉を露出させる。

「いたいィ!!いたいィ!!いたいィ!!どうちてカワイイワタチにこんなひどいことをちゅるんテチュゥ!!!」

「お前さんの生きていれられる理由はな、
 お前が傷つけられた時に見せる姉蟲の苦悶がこの上なく微笑ましいからだよ。
 クズ仔蟲のお前は本来ならとっくに家族の待っている地獄に送ってやるところだが、
 心優しい姉蟲に免じて生かされているだけ。
 無論、姉蟲がお前を見捨てたらその場で七輪の中に放り込んでやるからそのつもりでな。」

「テェェェ!!!!!!どうちておねえちゃんのせいでワタチがこんなひどいめにあうんテチュゥ!!!!」

所詮は低脳仔蟲、今の説明を理解出来なかったようだ。
まあいい、実地で学べば・・・・・それ以前に理解なんかしなくても良い悲鳴を上げて姉蟲を煽ってくれればいい。

さっきの鏃型の焼き鏝を妹蟲の腕の骨に打ち込む。
そして、こじって腕の骨を竹の様に割る。

「ハビィィィッーーーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」

中から髄液と赤緑の体液が滲み出してくるが赤熱した焼き鏝に触れるとシューシューと嫌な臭いを出しながら蒸発する。

水槽内の消耗しきった姉蟲は声すら上げられず、火傷の激痛に悶えながらハラハラと血涙を流す。
どうしてワタチは妹を守れないの・・・・・・。
そんな悲痛な表情を浮かべてこちらを睨みつけている。

そうそう、その顔だ。
俺はいい仔ぶるお前のその顔が見たいから生かしているんだよ。
さあ、もっといい貌を見せてね♪

骨を焼いて粉々に破壊し、関節も焼き潰されて既に腕の機能を失った妹蟲の利き手。
でもこれはまだ前座だ。
七輪の上で高温に熱せられた油を妹蟲の壊れた手に注いでやる。

バチバチバチバチッ!!!!!

「ッッッッッッッッ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

高温の油が妹蟲の腕を蹂躙し、どんなに足掻こうと二度と元に戻らない様になる。
ここまでに40回強の仮死と蘇生を繰り返した妹蟲の偽石もそろそろ休ませないと壊れる可能性が出てくるかな。
流石に実装活性剤の原液に漬けてあってもこのレベルの責めを延々と続けると稀に砕けることがある。
現に深い翡翠色をしていた実装活性剤の色が少々薄くなり始めている。
・・・・・まあ、頃合かな。

ボロボロの仔蟲を家族思いの無能なお姉ちゃんのいる水槽に戻して休ませる。
今日のところはこれで勘弁してあげよう。

実装石の食欲を誘う臭いがする妹蟲をガブリと喰うかと思いきや、重症の体を引きずって姉蟲は妹蟲の介抱をする。
妹蟲のボロボロの腕を舐めて介抱する姉蟲・・・・・何の役にも立たない無意味な行為。
まだ、自分たちの体の特性を理解していないのか、
役に立たなくなった部分を食いちぎって新しい腕が生えるように促すことはしない。
火傷がそのままでは死ぬまで耐え難い激痛に苛まれて眠ることすら侭ならなくなる。

気絶している妹蟲は幸せだ。
今だけは火傷のもたらす激痛を忘れていられるのだから。
・・・・・明日はもっと楽しいことをしようね。





それから3日間は妹蟲の体を破壊することに専念した。
右足、左手、左足を念入りに破壊し、
何も出来なくなった妹蟲を姉蟲は甲斐甲斐しく世話をする。
だが、献身的な介護の報酬は妹蟲の恨み言。

報われない3日間の中でもいいことはあった。
二回連続で○を引き当てて、あと一つでここから開放される可能性が出てきたからだ。
その所為もあってか、姉蟲は俄然やる気をだして妹蟲を守るようになった。

あと一日・・・あと一日だけ耐えれば・・・・朝のくじ引きで○を引き当ててここから逃げられる。
この地獄から開放されさえすれば・・・・何もかもが上手くいくはず・・・・。

妹蟲を抱きこんで庇う姉蟲の後頭部をバーナーで炙っても仮死することはなく、
毅然と妹蟲の盾となって俺を睨みつける。
自分の手にした希望が蜃気楼の様に儚いものだと知った時コイツはどんな顔をするのか。

姉蟲は辛うじて正気を保っている様だが妹蟲の方は・・・・・・。
楽園に駆け込む一歩手前という様相。

焼き鏝の熱さとそれのもたらす苦痛だけが妹蟲の精神を厳しい現実世界に繋ぎとめている。
楽園に逃げ込もうと、焼き鏝の一撃が淡い幻想を打ち砕き現実世界に引き戻される。
ここまでの苦痛を与え続ければ発狂するのではと思う諸兄も多いだろうが、
過剰な苦痛を与え続ければ狂うことも出来なくなる。


今日は午後から実装コロシアムの仕事がある為、そんなにかまってやることが出来ない。
少々キツ目の焼き鏝を見舞って早々にもてなしを終えるとしようか。

妹蟲の四肢を破壊して不具の体にしてやったのが余程堪えたのか姉蟲は今まで以上に妹を守ろうと躍起になっている。
自らの体が焼けて無残な姿になるのも省みず、差し出す焼き鏝に掴みかかり妹に近づけまいと頑張っている。

妹蟲の様に機能を破壊する攻撃を受けていない姉蟲は元気に俺に立ち向かってくる。
・・・・・・体中のあらゆる場所に妹の代わりに受けた焼き鏝の痕が残り、
既に仔実装とはいいがたい容姿になっている姉蟲。

姿が変容することを嫌い、他者が自分に奉仕するのが当たり前と思っている実装石がここまで頑張るとは正直驚いた。
ものの1〜2日で演技が剥げてどんなことでもするから自分の命を助けて欲しいと懇願してくるかと思っていたが、
自分の姿が焼きナス風になっても懸命に妹蟲を守ろうと躍起になっている。

時間が無いからそろそろカタを着けようか。
焼き鏝を二本同時に使い、姉蟲の足を焼いてやる。

「ギビィィィィィィィイィィイィィィイイイイイィィィイーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」

火傷の傷だけはどんな実装石でも慣れる事は出来ないらしい。
毎回心地よい悲鳴を提供してくれるのは良い事だ。

キツ目の攻撃を受けて転げまわる姉蟲を尻目に、妹蟲に更なる損壊を与える一撃を馳走する。
今日は両目を焼き潰そう。
焼き鏝を横たわる妹蟲の眼前に持って来て、

「お前みたいなクズが子供を産む必要は無いよな?
 だから要らない出産機能を去勢するよ。」

「チィィィィィィィィィィィィィ!!!!!!!!!!!!
 いやテチュゥ!!!!!ワタチはかわいいあかちゃんをたくさんうんでしあわせになるんテチュゥ!!!!」

「お前みたいな害蟲が増えたら困るだろ?
 だから去勢して役立たずにしてあげる。」

ジワジワと焼き鏝を右目に近づける。
姉蟲も俺の意図気付いて身代わりになるべく駆けつけようとするが、如何せん速度が足りんな。

「や、やめてぇぇぇぇぇぇーーーーーーーーー!!!!!!!!!!」

「だーめ♪」

ジュウッ、と肉の焼ける音がして妹蟲の眼窩に焼き鏝が吸い込まれる。

「ッッッ!!!!!!!!!!!!!!」

耐え難い苦痛と子供を産めなくなったショックで陸に上げられた魚の様に口をパクパクしている妹蟲。
更にもう一発。
ようやく姉蟲が駆けつけ、妹蟲に迫る焼き鏝に抱きついて妹を守ろうと必死に踏ん張る。

「ジィィィィイィィィイィィィイィィィイィィィイィィィイイイイィィッーーーーーー!!!!!!!!!!」

凄まじい高温で肉が焼け、生きながらにして体の一部が炭化してゆく。
大したもんだよ、糞蟲を守る為にここまでするとは。

「お姉ちゃんは頑張り屋さんだねぇ。
 ご褒美にもう一本あげよう。」

そう言って、無防備な姉蟲の頭頂部に赤熱した焼き鏝を押し当てる。

「ビビビビビィィィイィィィィィイィィィィィイィイイイィィィィィッーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!」

ピンクローター並みに激しく痙攣して、横から殴ったみたいに吹っ飛ぶ姉蟲。
流石にこれはきつかったかな?
水槽の端まで吹っ飛んだ姉蟲は異界の言語で絶叫しながらバタバタと悶絶している。

「お待たせ、じゃあ続きをやろうね。」

「チィィィィィィィ!!!!!!!!!お、おねえちゃぁぁーーーーーーーん!!!!!!!!!」

耐え難い苦痛と仔を産めなくなる恐怖に悶える妹蟲に引導を渡す。

「!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」

高熱の焼き鏝を押し込まれた眼窩の中では、体液が沸騰して物凄いことになっている。
噴水並みの勢いで糞を洩らし、手足がまったく動かない体をくねらせて悶絶する妹蟲。


眼窩に焼き鏝を突き立てたまま持ち上げ、ビクンビクンと痙攣する妹蟲を無様に転がる姉蟲の上に落とす。

「「チャガァ!!!」」

姉蟲も妹蟲も互いに受身が取れずに激しく悶絶している。

「今日は仕事があるからこのくらいで勘弁してあげる。
 精々、英気を養って明日に備えてくれたまえ。」

二食分の餌を放り込んで水槽の蓋を閉め、支度をしに家に上がる。




俺の都合で平穏な午後を手に入れた仔蟲達だが、体中の火傷が安息を許さない。
常に激痛が走り、体を動かそうが寝転がっていようが関係無く仔蟲達を苛む。

体の表面の7割がたを焼かれて焼きナスみたいになってる姉蟲は、
もはや自力で餌を喰えない妹蟲の口に餌を運んで甲斐甲斐しく介抱している。

「あのニンゲンはあくまテチュ・・・・・。
 どうちてかわいいワタチたちを・・・こんなひどいめにあわせてわらってるんテチュ・・・。」

「おねえちゃ・・・ん、このごはんマズイテチュ・・・。
 ママのごはんが食べたいテチュ・・・・。」

「もうすぐテチュ。
 あしたになれば・・・ワタチたちはじゆうになれるテチュ。
 そうちたら・・・・またみんなでたのちくくらせるテチュ。」

「ほんと・・・テチュ?
 もう、あちゅいこともいたいこともされないんテチュ・・・?」

「ほんとテチュ。
 だから、ママのところにかえるまでがんばるテチュ・・・。」

姉蟲は妹を元気付けるためというより、自分を奮い立たせる為に楽観的な未来を語る。


もうママは死んでいて、ここには迎えに来ない。
上手く○を引き当てられなければこの責め苦が続く。
自分の身長が今までの数倍の速度で伸びていて、後2〜3日もしたら赤い線を越えてしまう。


嫌な現実から目を背ける為に、火傷に苛まれる体を押して妹蟲に幸せ回路全開な妄想話を聞かせる。
火傷の痛みが眠ることを邪魔するので仔蟲達は家に招待されてからまともに眠っていない。
姉蟲は気を紛らわす為に親蟲の教えてくれた幸せの歌(胎教で歌う下らない内容の歌)を歌ったり、
粗末な頭で思いつく限りの楽しいことを妹蟲に聞かせて、
妹が狂ってしまわないようにこちらに繋ぎとめようと頑張っている。

その足掻きが自らをより深い地獄に誘う愚行と知らない姉蟲は幸せだ。
何事も最後まで諦めないことが活路を見出す鍵になるという金言があるが、実装石には当てはまらないな。
実装石が何かを求めて足掻けば足掻くほど、その死がより苦いモノになるのだから。




三日後。
姉蟲は過剰な栄養のお陰で通常の倍の速さで成長してもう耳の先端が赤い線からはみ出してしまっている。
赤い線を越えて大きくなりつつある体を隠す為に腰を落として歩き回る姉蟲は中々珍妙な様だ。

「ほら、歩く時はちゃんと背筋を伸ばして歩け。」

焼き鏝を弛んだ尻に押し付けて無能な親蟲が教えそこなった躾を施してやる。

「ジビィィィィィィィィィィッーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!」

右尻を炭化させられて、糞を洩らしながら飛び上がって水槽内を走り回る姉蟲。
良く見ればもう頭の3分の1程度が赤い線から上にはみ出している。
・・・・・名残惜しいがそろそろお別れの時が迫ってきた様だ。
こんなに大きくはみ出してはこちらも見逃しようが無い♪

元気一杯の姉蟲とは対照的に8割方の器官を破壊された妹蟲はただ力なく呻くだけ肉塊に進化している。

手足(骨格を粉砕して、筋組織ごと高温の油で焼き潰す)を筆頭に、
視覚(眼窩に焼き鏝)、聴覚(溶けた鉛を耳に注入)、嗅覚(高温の油を鼻に注入)、味覚(焼き鏝で舌を炭化させる)
等の破壊処置のお陰で姉蟲の足手まといを見事演じている。

「ママは遅いねぇ。
 もうお前たちのことなんか見捨てて、新しい仔蟲をひり出して家族ごっこを始めたのかもな。」

「そ、そんなことないテチュ!!!!
 ママはワタチたちのことがせかいでいちばんだいじだっていってたテチュ!!!」

「お前は馬鹿そのものだな。
 実装石にとって子供なんてモノはな、非常食程度の価値しか無いんだよ。
 髪と服を毟られて、体中を破壊されてもあの程度の傷なら一週間ほどで普通に動ける程度まで回復しているはず。
 なのに、お前たちを迎えに来ない。
 何故?」

「テェェ・・・・そ、それは・・・。」

「答えは簡単。
 自分を半殺しにして子供を攫った人間に関わり続ければ死ぬということを親蟲が理解したから。
 すぐに代わりが生み出せる子供2匹の為に大事な命は張れないということだ。
 つまり、お前たちは見捨てられたということ。」

「ママはきっとワタチたちをたすけにくるテチュ!!!
 いいかげんなことをいってワタチをだますなテチュ!!!」

「威勢がいいのは結構だが、もうタイムリミットだ。
 お前さんの身長が赤い線を超えてしまいましたから。」

姉蟲はビクッと跳ねて後ろを振り向く。
何でばれたの?なんて愉快なツラをしながら懸命に中腰になって誤魔化そうと試みている。

「まあいい、お前さんにはまだ時間があるからゆっくりママが迎えに来るのを待つがいい。」

そう言って呻く肉塊と成り果てた妹蟲をトングで摘まみだして台の上に置く。

「いい、いもうとをかえせテチュ!!!」

「本当にキミは実装石かい?
 自己中心的で我欲の塊の糞蟲がそんなザマになるまでよく我慢して演技をするものだ。
 もう少し要領が良ければ楽に死ねたのに、残念だね。」

水槽の中でテチュテチュ騒ぐ姉蟲を無視して妹蟲の体を細工する。
実装活性剤を100倍に薄めたものを1ccほど注射して、少し待つ。
妹蟲の体がビクッビクッと跳ね上がり始めて、体中の傷口から肉が盛りあがってくる。

「て、テェ!!!」

「ビビギャバゥゥゥゥゥウゥウゥウゥウゥゥーーーーーーーーー!!!!!!!!!!! 
 ヒベベベべェッベベベエエエエエッーーーーーーーーーーーーー!!!!!!!!!!!!!」

未知の苦痛に不自由な体を捻って悶える妹蟲。
姉蟲は水槽にへばり付いて血涙を流しながら絶叫する。

「やめるテチュゥーーーーーーーー!!!!!!
 ニンゲン、いもうとをいじめるなテチュ!!!!
 おまえはどうちてかわいいワタチたちをいじめるテチュ!!!!」

「糞蟲の癖に家族愛に溢れているのは感心すべき点だが、もう少し知恵のある話し方は出来ないのかな?
 文句も命乞いも毎回同じ台詞では面白みが無いぞ。」

「う、うるちゃいテチュ!!!
 おまえがワタチたちをいじめなければいくらでもかしこいところをみせてやるテチュ!!!」

「達者な口を利く仔蟲ちゃんだね。
 自分の立場というものについて考えたことがあるかな?
 俺の気が変わればこのままお前たちの取るに足らない命を断ち切って楽にしてやるという温情を取り消して、
 これから先何年も掛けて嬲り者にしてからもっとも苦い死を与えてやることも出来るんだぞ?
 口を利くときにはよく物を考えてから発言することをお勧めするよ。」
 
今すぐ死なない程度のもてなしを施したくなるほどの反抗的な態度だが、まだ殺さない。
お前には素敵な死に方が待っているんだから、情に流されて縊り殺してしまっては面白みが無い。


反抗的な姉蟲を水槽から摘まみだして、緑のインクを右目に点眼してやる。

「チィィィィィイィィィイイイイィィイィィーーーーーーーーー!!!!!!!!」

姉蟲の腹が袋に詰めた大蛇が暴れるみたいに不気味に蠢き、それがもたらす苦悶に姉蟲は盛大に血涙や糞を垂れ流す。
・・・・・2分ほどすると腹の動きが止まり、姉蟲の腹が不自然に膨らむ。

「おめでとう、まだ子供なのにお母さんになっちゃたね♪」

「テェ!!!あ・・・あかちゃんができた・・・・テチュ・・・・?」

自分の膨らんだ腹を恐る恐る摩りながら呟く姉蟲。
コイツは野良にしては賢いからこの状況下での妊娠が何を意味するのか漠然とした物でも分かるのだろう。


生意気を言ってニンゲンの不興を買った自分にまともな運命が待っているわけ無い。
生まれた子供もワタチへの見せしめとして酷い方法で殺されるはず。
それだけで済む筈が無くかわいそうなことになっている妹も・・・そしてニンゲンに楯突いたワタチも、
ニンゲンの邪悪な知恵のかぎりをつくした残忍な殺し方で惨たらしく殺されるのだろう・・・。


破滅しかない未来を悟り粗末な顔が一層歪んでいる姉蟲を無言で水槽に戻し、妹蟲の処置に移る。


内側から盛り上がってくる肉で弾けそうな妹蟲を掴み、
唯一原型を留める口に人差し指を突っ込み総排泄口まで一文字に引き裂く。
妹蟲の内臓が覆いを失ってボトボトと地面に流れ落ち、仔実装の開きになった妹蟲の皮を丁寧に捲って剥く。
声帯も肺も無いからどんなに苦しくても鳴いて痛みを表すことが出来ない妹蟲は力なく震えて為すがまま蹂躙される。

「ヤメテェェェ!!!!!!!!どうちてぇ!!!いもうとをいじめるテチュゥ!!!
 ワタチがきにいらないならワタチをいじめればいいテチュゥ!!!!」

「それでは面白くないだろ?」

「テェ!!!!」

姉蟲をあしらっている内に、妹蟲の全身の皮を剥き終わる。
次に剥き身仔蟲になった妹蟲の鉛で塞がれた耳の穴にアイスピックを捻じ込んで鉛の塊を引きずり出す。
・・・・・なんか余分なモノが付いてきたが、まあいい。

その後・・・破壊した器官を順々に毟り取って、
脳と脊椎と骨格の砕かれた体の残骸のみになった妹蟲を作業台の紙箱に入れる。
ピクピクと力なく痙攣する妹蟲に実装活性剤を100倍に薄めたものを1ccほど注射して放置する。

「妹蟲はこれでよし。
 次はお姉ちゃんの番だよ。」

「テェェェ!!!!!やめるテチュゥ!!!」

水槽の隅に逃げ込んで丸くなっている姉蟲をひっくり返し、両目に赤インクを点眼して強制出産モードにしてやる。
姉蟲の腹が蠢き、総排泄口から仔蟲がひり出される。

「レリューン♪」
「レッチー♪」
「レリュー♪」
「レッレーン♪」
「レリュー♪」

丸々とした親指実装が次々と生み出される。
姉蟲は早すぎる初産をなんとか成功させた・・・・・だがまだ終わりではない。

「チャァァァァーーーーーーー!!!!」

「レリュー♪」
「レリューン♪」
「レリュー♪」

総排泄口から蛆実装がひり出される。
粘着性の高いインクを点眼された為、血涙程度では流れ落ちることは無く未だに強制出産モードの姉蟲ちゃん。
腹がモコモコと蠢いて次に生み出す蛆ちゃんを製作している。
30秒もしないで開きっぱなしになっている総排泄口から蛆ちゃんが顔を出してくる。

「レリューン♪」
「レッチー♪」
「レリュー♪」

こいつ等の体は本当にデタラメだな。
仔蟲を形作る栄養さえ供給されていれば、自身の限界を迎えるまで子供(未熟な親指や蛆ちゃん)を生産し続ける。

「レッチー♪」
「レリュー♪」
「レリュー♪」
「レッチー♪」

楽しげな鳴き声を上げながら地獄に生れ落ちる蛆ちゃん。
親実装の言うことすら理解できない蛆ちゃんはある意味・・・・実装石の中でもっとも幸せな存在かもしれない。
降りかかる絶望も理解することなく簡単にコロリと死んで楽になれるのだから。


10分もすると水槽内が蛆ちゃんで溢れ、足の踏み場もない状況になる。
これ以上は要らないな。
姉蟲の左目に焼き鏝を突っ込んで強制出産モードを終了させる。

「テギャアアアアアアアアァァァーーーーーー!!!!!!!!」

「レビャ!」
「レジュゥ」
「レジィ!」
「レビャ!」
「レビィ!」
「レビャ!」
「レジュゥ!」
「レビャ!」
「レジィ!」

ゴロゴロと水槽内を転げ周り、自身がひり出した蛆ちゃんの10匹ほどを潰してしまう。

「う、蛆ちゃん!!!
 テェェ・・・・ワタチのあかちゃん・・・、
 つぶしちゃった・・・ころしちゃった・・テチュ・・。
 蛆ちゃぁぁぁーーーーーーーーん!!!!!!!!!」
 
火傷の激痛と仔殺しをした苦悶にむせび泣く姉蟲。
・・・・・まだ40匹以上いるんだからいいだろうに。


むせび泣く姉蟲にご祝儀の餌をぶっ掛けて、俺は家の中に戻る。
最後の大仕掛けをするにも、妹蟲が復元しないことには話にならないからな。
精々最後の安らぎの時を自身がひり出して、数時間後に縊り殺すことになる子供と楽しく戯れるといい。





・・・・・・・・この仔たちはどうなるのか・・・?

ニンゲンに無理矢理生まされた沢山の子供達が狭い箱の中にひしめいている。
形は小さいがワタチと同じをしているネバネバに包まれた子供が5匹。
そして蛆ちゃんが数え切れないぐらい沢山。

この最悪な場所に生まれてしまった不幸な子供達を見てワタチは悲嘆にくれた。
この仔達は生意気な口を利いたワタチへの見せしめに殺されるのだろう・・・。
本当なら・・・ワタチが賢く美しい大人に育ってから生むはずだった子供達。
ワタチが立派な大人だったら・・・・皆幸せに、楽しく暮らせることが約束されていたのに・・。

意味の無い鳴き声を上げながら徘徊し、床にぶちまけられたご飯に群がる蛆ちゃんたち。
この仔達は何も感じないのか・・・・?
今、自分がどんな立場で・・・この先どうなるのかを・・・。

何匹かの蛆ちゃんがワタチの方にやって来て、

「「「「「「「プニプニシテレフー♪」」」」」」」

と能天気な催促をしてくる。
沢山の子供を一度に出産してまともに動くことのできないワタチに蛆ちゃんたちはレフレフと意味も無く鳴きかける。


・・・・・・・しばらくして体が動かせる様になると、
ワタチは小さい子供たちの体に付いたネバネバを舐めてあげる。
よくわからないが、こうしないとこの仔達に良くないことが起こるような気がするから。

痛む体を押して子供達のネバネバをとってあげると、
今まで死んだように動かなかった子供達が立ち上がってワタチに甘えてくる。

「ママァ、ゴハンホシイレリュ♪」
「ママ、ゴハンレリュ♪」
「ゴハンゴハンレリュ♪」
「オナカチュイタレリュ♪」
「・・・・・レリュ?」

・・・・・・・・・・・みんな賢く無さそうだ・・・。
本当にこの仔達はワタチの子供なのか?

ママがお腹にいたワタチに歌ってくれた幸せの歌をこの仔達に歌ってあげなかったのが良くなかったのか・・・。
子供のワタチが産んだ仔だからみんな出来損ないなのか・・・。

とりあえず、ご飯の催促ばかりしてくる子供達にお望みのご飯を与える為に蛆ちゃんが集っているご飯の山に向かう。
床の上を好き勝手に動き回る蛆ちゃんを踏まないように移動して、腕に抱えきれないぐらいのご飯を取って戻る。

・・・・今まで見たことのないぐらい、沢山のご飯を手にして小さい子供の所に戻ると小さい順にご飯を手渡す。
だが、それをみた一番大きな仔がご飯を貰って喜ぶ末っ子から横取りして食べようとした。

「何してるテチュ!!いじきたなこはワタチのこじゃないテチュ!!!」

横取りした一番大きな仔を叩いて小さい仔から奪いとっていたご飯を取り上げる

「イタイレリュゥーーー!!!!!」

水のようなウンチを洩らしながらビンタの痛みに泣く一番大きな仔をもう一発叩いてから
ご飯を奪い取られた末っ子にもう一度ご飯を与える。

「ママァ♪ゴハンタベルレリュ♪」

・・・・・何を言いたいのか分からないが、とりあえず感謝しているらしい。
子供と始めての意思の疎通が出来たワタチは何だか嬉しくて涙が出てきた・・・。

小さい仔と意思の疎通が出来たことに気を良くしたワタチは残りの仔とも意思の疎通を図る為に
ご飯配りを再開しようとした。
が、ワタチが目を逸らした隙に残りの仔たちは・・・意地汚くご飯に群がりガツガツと貪っていた。

「このばかむしめ!!!ママのいうことをきけないこはいらないこテチュ!!!
 このばかむし!このばかむし!このばかむし!このばかむし!このばかむし!このばかむしテチュ!!」

頭が悪くてご飯の事しか考えられない馬鹿どもを激しく罵り、叩く。
ママは言ってた。
馬鹿な仔を躾ける時にはママが強いことを見せてやるのが一番だと。
だから、この馬鹿どもにワタチの強さを見せてやる。
ご飯を無断で食べた馬鹿どもをいっぱい叩いてやると、
みんな調子が悪そうに呻きピクピクと震えて立ち上がろうとしない。

「ママのつよさがわかったテチュか?
 これからはいいこになってママのいうことをちゃんときくテチュ。
 分かったテチュか?」

いっぱい叩かれた子供達は床にへばったまま動かない・・・・・・・・。

「・・・・・・どうちたんテチュ・・・?
 もうゆるちてあげるからはやくたってごはんをうけとるテチュ・・・。」

へばったまま動かない子供を揺すってみても・・・・何も反応しない。
・・・・・・死んだの?・・・・・・また・・・ワタチは・・・子供を・・・殺した・・?
目玉が飛び出し、頭が陥没して動かない仔を抱き上げてご飯を口まで持って行き、食べるように促す。

「ほら、おいちいごはんテチュ。
 おなかいっぱいたべていいからへんじするテチュ・・・。」

どんなに揺すっても、顔をペチペチ叩いても何の反応もしない子供達。

「・・・・・・・・・・・どうちて・・・・どうちてなんテチュ・・・。
 ワタチはただ・・・・ママのいうとおりにしただけなんのに・・・・なんでテチュ・・・。」

子供達が死んだのは・・・・ニンゲンの所為だ・・・・・・。
違う・・・・ワタチが・・・・殺したからだ・・・・自らの手で。
なんで?どうして?・・・・ワタチはただ・・・・・・・・・。

動かない子供を床に降ろすとワタチは手で顔を覆い、声を殺して泣いた。



ワタチが悲しみに暮れていると、残った2匹の子供達が傍に寄ってくる。
さっき叩いた一番大きな仔と末っ子だ。

「「ママァー♪アソンデレリュー♪」」

子供達のお腹ははちきれんばかりに膨らみ、軽く叩いただけで破裂しそう。
ワタチに無断で皆のご飯を食べた上に、ニンゲンが無造作に投げ入れたご飯の山から満足するまで貪ったのだろう。

「ダッコレリュー♪」

「レフレフー♪」

二匹の子供は悲しみにくれるワタチに遊んでくれとせがむ。
賢いワタチの子供なら、ワタチの気持ちを察して慰めてくれたっていいのに・・・・・。
この仔達は悲しいことをしなければならない馬鹿そのものだ。

ワタチに抱きつき遊べ遊べとせがむ子供達を尻目にあたりを見渡す。
さっき手違いで殺してしまった3匹の仔が無造作に転がり、
床いっぱいの蛆ちゃん達がレフレフ鳴きながら徘徊している。
この仔達がやってきた方向を見ると何匹かの蛆ちゃんが潰れて死んでいた・・・・・。

・・・・・・・・・・・・・・・・・・ワタチはどうしたらいいの・・・・ママ・・・・。





5時間後、妹蟲の復元が完了する
丸っこい仔実装特有のボディを取り戻した妹蟲は荒い息を付きながら作業台の上に仰向けで悶えている。
視覚以外の全ての機能を取り戻した妹蟲だが急速再生の副産物である激痛に苛まれておちおちと眠って入れれない様子。
まだ実装石特有の再生能力を完全に発現していない仔蟲だからこの位かかるのも仕方ない。

目が無くなり顔に二つの大きな穴が開いている様に見える妹蟲は不安げに頭を動かし、辺りの様子を窺う。
そんな行動をしても何の意味も無いのだがな・・・・。

実装石は情報収集の98%を視覚に頼っているので他の機能が無事でも何の役にも立たない。
物事を理解する能力が著しく低い為、視覚という最も簡単に情報収集が出来る器官が失われれば
他の器官からもたらされる情報を整理することすら侭ならなくなる。
嗅覚のもたらす臭いも不愉快な異臭に、聴覚のもたらす音も不安を煽る雑音になり
永遠の暗闇の中で実装石は怯えながら生きることを強制されることになる。


既に日が暮れて、あたりは暗闇に包まれている。
庭の照明を点灯させ、最後の仕上げに掛かるとしよう。

姉蟲一家を放り込んである水槽を持ち上げ、中身を水を張った金タライの中に放り込む。

「チャギャーーーーーーー!!!!!」

「「レリィィィィーーーーーー!!!!!!」」

「「「「「「「「「「レリュゥゥゥーーーーーーーーー!!!!!!」」」」」」」」」」

「「「「「「「「「「レリャァァーーーーーーー!!!!!」」」」」」」」」」

「「「「「「「「「「レッフゥーーーーーーーーー!!!!!!!」」」」」」」」」」

「「「「「「「「「「レヒィィィィイ-----------!!!!!!!!!」」」」」」」」」」

初めての水泳にパニック状態に陥る一家。
4センチほどに張った水の中で器用に溺れる姉蟲の横で、ママよりも不味い状態の親指どもが必死にもがく。
姉蟲と親指どもは立ち上がれば何の問題も無いのだが・・・律儀に溺れている。
問題があるとすれば蛆ちゃん達か・・・。
体の造りのお陰で水に浮くことは出来るが、
パニック状態でクルクル体が回る為に口と鼻から絶えず水を飲んでしまいどの蛆ちゃんも窒息寸前だ。

これから大事な用がある蛆ちゃん達を網で掬い、キッチンペーパーを敷いたトレイの上に死なないように乗せておく。
次に親指どもをトングで摘まみ出し、別のトレイに乗せる。

「ハバァ!!!ヒベェェ!!!!ニンゲン!!ワタチもたちゅけるテチュゥ!!!!」

生意気な姉蟲ちゃんはもう少し水泳を楽しんでもらおうかねぇ。


「妹蟲、俺の声が聞こえるか?」

「テッ、テェ!!!ごめんなちゃい、ごめんなちゃいテチュゥ!!!
 もうわがままもなまいきもいわないからいじめないでテチュゥ!!!!」

復元した妹蟲はその場で丸まり、命乞いを始める。

「それはお姉ちゃん次第だな。
 それよりも・・・・これからお前に旨いものを食べさせてあげよう。」

「・・・・・・おいちいもの?
 ママのごはんよりもおいちいんテチュか・・・?」

「比べ物にならないぐらいぞ。
 これを喰ったらママのご飯なんて実装糞以下になること間違いなしだ。」

「テェェェ・・・そんなごはんがあるんテチュか・・・・。」

未知なる美味に心躍る妹蟲を尻目に調理の支度に入る。
カセットコンロの上に中華なべを置き、油を入れて揚げ物の準備をする。


「ヘベェェ!!!フブゥ!!!フアバァ!!!!」

忘れてた・・・・そろそろ上げてやるか。
器用に溺れる姉蟲をトングで拾い上げ、地面に叩きつける。

「ヘガァ!!!!!」

ピクピクと痙攣して悶える姉蟲に実装活性剤の10000倍希釈液を注射して放置しておく。
意識が戻れば良いだけだからこの濃度で十分。


「じゃあ妹蟲、これから美味しいものをご馳走するよ。」

「たのしみテチュ♪」

暢気な妹蟲の前に置かれたトレイから蛆ちゃんを一匹取り出し、天ぷらの衣に潜らせてから熱々の油の中に投入する。

「レビ!!!!」

短い悲鳴を上げて即死する蛆ちゃん。
モノの20秒ほどでカラリと揚がった蛆ちゃんを間抜け面で座っている妹蟲の口に押し込む。

「ヒャバ!!!あちゅいテチュゥ!!!」

「ほら、我慢して咬むんだ。
 そうすると美味しい汁が出てくるぞ。」

ハフハフ悶えながら口の中の蛆ちゃんを咬む妹蟲。
そして・・・・、

「チュゥゥゥゥゥーーーーン♪」

お決まりの喜びの声を上げる。

「どうだい?」

「おおおお、おいちいテチュ♪
 こんなにおいちいものはじめてテチュゥ♪」

「それは上々。
 もっと食べたい?」

「たべたいテチュ♪」

リクエストにお答えして、姪(蛆ちゃん)の天ぷらを腹いっぱい食べさせてあげよう。



妹蟲の嬌声で冥府から帰還する姉蟲。
パニック状態の頭を振り回して状況を窺い、楽しげな声で鳴きながら何かを貪っている妹蟲を見つける。

「テ、テェ!!!いもうとがぁ!!!いまたちゅけるテチュゥ!!!」

姉蟲はふらつく体を押して妹蟲のいる作業台に駆け寄ろうとする。
本当に家族愛に満ち溢れた仔蟲ちゃんだね。

天ぷらも揚げ終わり、手が開いたので走り寄ってくる姉蟲をトングで摘まみ上げて妹蟲と再会させてるかな。

「はなせテチュ!!!もうこれいじょういもうともこどもたちもいじめさせないテチュ!!!」

「ご立派だねぇ、でもお前の思いは決して妹蟲やクズ餓鬼どもには届かないと思うぞ。」

「そんなことないテチュ!!!ワタチたちはかぞくテチュ!!!
 どんなにあのこたちがバカでもわかりあってるテチュゥ!!!!」

・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。
もう、本当に何も分かってないのだからなぁ。
愉快な仔蟲ちゃん・・・お前の最大の不幸は実装石に生まれついたことだな。

論より証拠だ。
吊るし上げた姉蟲に作業台の上でディナーを楽しむ妹蟲とご自慢のバカ餓鬼どもの様子を見せてやる。

・・・・暫しの沈黙。
糞蟲どもの咀嚼音だけが聞こえる。



姉蟲は我が目を疑う。
たった今、自分が家族といった連中が自分の産み落とした子供たちを旨そうに貪っているのだから。

天ぷらにされて動かない子供、子供、子供、子供、子供、子供、子供、子供、子供、子供、子供、子供。
それをさも旨そうに貪る妹蟲と親指二匹。
その様を見た姉蟲は死んだように固まり、瞬きすらもしない。
賢いがゆえに全てを悟ってしまったのだろう。

「家族って素晴らしいね。」

姉蟲は俺の言葉に反応してこちらを向く。
その顔は俺の愛して止まない表情が刻まれている。
実装石が何もかもを奪われ、全ての望みが踏み躙られた果てに見せるもっともお似合いの貌。

絶望の貌。

パシャッパシャッと記念写真を撮り、弛緩している姉蟲に愛しい家族の醜態を拝ませる。


ガツガツと姪の成れの果てを喰い散らかす妹蟲。
目がまるで見えないはずだが、器用に床を探り置かれた蛆天ぷらを次々と拾い上げて腹に収める。
人間なら糞の詰まった蛆実装など喰えたモノではないが、コイツは旨い旨いと貪り喰う。

コイツにとって姉蟲はカワイイ自分に服従している奴隷程度の認識と価値しかない。
実装石は自分の世話をしてくれる存在を「奴隷」として認識する。
自分のことを世界の至宝と勘違いしている実装石にしてみれば、
この世の全てがカワイイ自分に服従し奉仕するのは当然ということなのだろう。

親蟲や人間の飼い主(愛護派を除く)を奴隷と面向かって呼ばないのは圧倒的な力の差を明示されているから。
圧倒的な力の差が明示されなければ、
実装石は自分の取るに足らない認識が誤りであることを理解できない。
どう足掻いても勝つ見込みのない存在に対しては渋々ながら服従する。
そのことを理解できなかった糞蟲は身をもって自らの過ちを悟る破目になる。
(運がよければ飼い主や親蟲の逆鱗に触れて殺される。
 運が悪ければ自らの財産(髪や服、偽石等)を奪われ、自身のプライドを粉々に破壊された上に隷属を強いられる。)

姉蟲の様に真っ当な心を持ってしまった実装石は不幸極まりない。
清らかな家族愛の代償は糞蟲らの嘲笑と便利な奴隷扱いだけなのだから。


親指2匹も自分の姉妹を旨そう喰っている。
こいつ等を元々全てが出来損ないだから今食っているものが何のかすらも理解できていない様子。
・・・・・・・それ以前に姉蟲のことも何なのか判らない可能性が高いな。
ママと呼んだのも自分の世話をしてくれる大きなモノのことをそう呼ぶように本能に刻まれているからであって、
ちゃんと姉蟲のことを親と認識して呼んだわけではない。

たった1匹だけが絆でつながれた家族だと思い込んでいただけ。
本当にみじめなものだ。

「どうする?これでもまだあいつらの為に自分の命を賭けるのかな?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・。」

もう喋る気力すら失われた様だ。
綿の抜けた人形の様に弛緩して動かない姉蟲。



もうこれ以上の成果は出せないだろうからこれで幕引きだ。
心が砕けた実装石を嬲っても何の面白みもない。
本当はもっと素敵な仕掛けがお前を待っていたのに惜しいことをする。

机の上で蛆天ぷらに舌鼓を打つ糞蟲どもを回収して水槽に放り込む。
むろん生きる屍に成り果てた姉蟲も同衾させる。

何といっても絆でつながった家族らしいからな。
死ぬときも一緒なら寂しくないだろう。

テチテチ、レリュレリュ文句を垂れる仔蟲どもの入った水槽の蓋を締めて、縁側の下の目に付きにくい所に置く。
もう虐待も嫌がらせもしない、する必要もない。
後は時間が解決してくれるだろう。





プリントアウトした写真を眺めながら、縁側で月見酒と洒落込む。
稀に仔蟲どもの棺桶となる予定の水槽から微かに助けを求める鳴き声がもれて来るが、
そんな無粋な雑音は鈴虫の大合唱にかき消されてしまう。

もう少し姉蟲ちゃんが粘ると思ったが、チリい仔蟲だったからしょうがないか。
でも良く頑張ったよ。
楽しませてくれた礼にもうこれ以上は虐待しない。
悪戯に生き長らえさせることも止めよう。
何もかもに絶望して無気力に朽ちてゆく死に方も許可してあげよう。

姉蟲と妹蟲のいびつに歪みどす黒く変色した偽石を実装活性剤の小瓶から取り出し、
拾ってきた小皿の上に置いて水槽の前に放置する。

これでお前は自由だ。
腹を空かせたバカ3匹に喰われて死ぬもよし、自殺するのもよし、糞蟲らしく無駄な命乞いを始めるのもよしだ。
大好きな家族と一緒に実装生最後の時を過ごすといい。




・・・・・・水槽内の仔蟲どもは力の限り騒ぎ続けて俺に助けを求めていた。
姉蟲へのあてつけの為に振舞った蛆天ぷらを食ったクズ仔蟲どもはどうやら勘違いを起こした様だ。
あの3匹のバカどもは模範的な糞蟲だから旨い餌を宛がわれたことで幸せ回路がフル稼働して、
美味しいご飯の次は綺麗な服、そして暖かい寝床、尽きることのない楽しいことなどの
粗末な妄想が脳内を駆け巡って気分はお姫様になってしまった様だな。


どうしてカワイイワタチを助けてくれないの!?
こんなに狭くて臭くて汚い箱に閉じ込めて無視するの!?
お腹が空いて死んでしまいそうだ!?


お前はカワイイワタチに酷いことをしたんだから償う責任があるはずだ!!
奴隷の分際でカワイイワタチをないがしろにしてタダで済むと思っていいるのか!!!
はやくここから出さないとウンチ食わせて、服を剥き、丸禿にしてやる!!
どうした早くご主人様の命令を聞け!!!
このバカニンゲン!、クソニンゲン!、低脳蟲!、ウンコ蟲!、はやく出せ!!!


おねがいです!!どうか許してください!!!
さっきのは気の迷いです!!!本当はあなたのことが大好きですニンゲンさん!!!
どうか惨めなワタチのお願いを聞いてください!!ここは嫌なんです!!!
臭いし、狭いし、ヌルヌルベトベトして気持ち悪いんです!!!
お願いです!!ここから出してくれたらなんでもします!!
本当です!!もしここから出してくれたらワタチを飼わせてあげます!!!
だからお願い!!!ここから出して!!!!!!


決して差し出されることのない救いの手を求めて、懇願し、憤怒し、哀願する。
しかし誰も相手にしてくれない。
水槽の外で何かの気配がする度に手が砕けんばかりの勢いで水槽を叩く三匹。
血涙で濡らした粗末な顔をこれ以上無いぐらい歪め、力の限りに助けてここから出してと懇願する。



そんな糞蟲どもを姉蟲は虚ろな目で見つめる。
誓いも誇りも全てを踏み躙られた姉蟲は安らかな死の訪れる瞬間を静かに待つ。

実装石が生きるということは無意味で無価値なこと。
何をしても実装石は救われない。
足掻けば足掻くほど苦痛と絶望が真綿で首を絞めるように自分を苛む。

賢い実装石が実装生の最後に辿り着く答えを得た姉蟲。
生きることに何の未練もない、一分一秒でも早く安らかな死が訪れることを願うだけ。
それだけが自分に許された唯一無二の救い。

「ニンゲン!!はやくだすテチュ!!!
 おねがい、おねがい、おねがいテチュ!!!!」

「「ダチテ、ダチテ、ダチテレチュゥーーーー!!!!!」」

相変わらず無駄な努力を続ける糞蟲ども。
ニンゲンはお前らの無様な姿を見て楽しんでいるだけだ。
ワタチの努力も献身も何もかもが無駄なことだった。

やっぱりママの言うとおり自分のことだけを考えて生きろと言う教えは正しかったんだ・・・。
ワタチたち実装石が生きるということは苦しくて悲しいことだらけだからせめて自由気ままに生きろと・・・・。
・・・せめて苦しい死に方をしないで済むように生きろと言われたのに・・・ワタチは・・。

どうして神様はワタチに家族を大切に思う心を与えたの?

どうしてこんな役に立たないモノを・・・。

どうしてニンゲンをやっけられる力じゃないの?

どうしてニンゲンはワタチ達を苛めるの?

どうして仲良くいっしょに暮らせないの?

どうしてワタチたちは愚かなの?

どうして神様は・・・・ワタチたちをくるしめるの・・・・・。

愚かな妹蟲と生まれるべきではなかった親指達の後ろで哀れな姉蟲は目を瞑り、
全てを拒むかのように丸まり動かなくなった。



















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1 Re: Name:匿名石 2017/01/22-13:03:23 No:00003972[申告]
容赦ない虐待描写に、救いようのない実装石の宿命。
これぞまさに実装スクですな。
2 Re: Name:匿名石 2017/01/22-18:31:11 No:00003975[申告]
残虐だなあ
屑は助けてはならぬ
3 Re: Name:匿名石 2017/01/23-12:56:49 No:00003982[申告]
過去の名作虐待スクはやっぱ違うな
実装石の反応といい読者の想像を超えた残虐さといい
あらゆる意味で心に響く
4 Re: Name:匿名石 2017/01/23-18:06:38 No:00003984[申告]
殺せ実装石‼️
5 Re: Name:匿名石 2017/01/24-12:38:21 No:00003987[申告]
小手先のネタで誤魔化したりせず
単なる作者の自己満足でもなく
たしかな技量でささえられた圧倒的な「狂気」
こういった作品は今じゃもう現れないのだろうな
6 Re: Name:匿名石 2017/01/24-12:47:24 No:00003988[申告]
そんな素晴らしい作者達を潰したのが読者とは皮肉なもんだな
7 Re: Name:匿名石 2017/01/24-21:06:39 No:00003996[申告]
姉蟲も家族愛はアホほどあるんだろうけど結局これなのがなあ
>おまえはどうちてかわいいワタチたちをいじめるテチュ!!!!」
自分たちはかわいいだなんて思っている
幸せに生きられる世界であるべきだと思っている
家族以外がどう思うかなんて考えちゃいない
この話の男は単なる偏執狂なまでの虐待派なだけだけど
人間にとっては実装石の存在自体が迷惑でこんなに酷いのかもとは思わない
自分たちが住み着いてる路地裏の持ち主ニンゲンはよく思っていないかもとは考えない
自分たちはかわいくて幸せになって当然、幸せになれるべきという自分と家族のこと以外考えない実装石の本性は変わらない
家族愛ばっかり強いからむしろ醜悪ですらある

だから大事な家族、家族愛をぶっ壊したラストには本当にすっとする
8 Re: Name:匿名石 2023/05/18-08:06:56 No:00007182[申告]
人間を殺したくなるな。
人間を絶滅させなければならない。
自らの理想とそれに全く届かない自分の無力さと
愚かさに涙を流す姉実装はまさに俺自身。それを満悦顔で見下してやがるインテリや
富裕層たち。

もう収まらん。
このまま死ねるか。
殺されてたまるか。
やつらを殺すための「しくみ」は進行中だ。

そして二度ぐぎぃ
9 Re: Name:転生実装人 2023/05/18-09:02:53 No:00007184[申告]
そうなんだよな。
物語の悲惨は物語で払えば良い。
葡萄酒を救世主の流した血と称する物語が我々の文明の基盤となる
全ての法や数式のもといとなったように。
神である予があたらしい世界を物語で切り拓く。
10 Re: Name:匿名石 2024/10/23-04:19:04 No:00009387[申告]
家にもって帰るまでは面白いんだけどねぇ…
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