「トクベツじゃなくても」 秋も終わりを迎えたある日、実装ショップの薄暗い教育室に、黒髪仔実装たちがぎゅうぎゅうに詰め込まれていた。 テチテチ、チーチーと鳴きながら、喧嘩する様子もないのはここに来るまでに多少の躾がされたことを意味している。 倉庫の一角であるカビ臭い空気が漂う年季の入ったこの場所にあるその大水槽は、彼女らにとって「学びの場」であり、教育ビデオを見せられる際に主に使用されている。 この時間の為にこの小さな小さな黒髪実装石たちは、それぞれ水槽から出され、ヨチヨチと小さな椅子に座らされている。 黒髪を揺らし、目をキラキラさせながら、何か特別なことが起こるのを期待している様子が伺える。 「テチ!今日もいっぱいたのしいビデオのジカンなんテチ!」 「ワタチ、もっとおべんきょしてイイ子になるんテチ!」 「きっとみんなイイ子になれるテチ!だってみんなニンゲンサンとのコドモなんテチ、トクベツだからなれるテチ!」 黒髪の仔実装たちは教育されることに熱心で、口々に期待を膨らませてもいる。 特にクロミと名付けられている一匹は、他の仔たちよりも少し大きな声で自慢げに語っていた。 彼女の黒髪は艶やかで、確かに有象無象のコピー&ペーストじみた他の黒髪たちよりも目立っていた。 クロミはそれを誇りに思い、首を振るたびに黒髪が揺れるのを楽しんでいる。 やがて部屋の中央に彼女たちの見慣れた古びたスクリーンが設置される。 実装ショップの店員——疲れ切った顔のニンゲンサンがスイッチを入れた。 チカチカと点滅しながら映し出されたのは「初級 実装石のための教育ビデオ」と題された映像。 実装石向けに翻訳されたもの。 店員は一言、ただ「見とけよ」と呟いた。 スクリーンに映し出されたのは、明るい声色のナレーションとともに、実装石好みの色鮮やかなアニメーションだった。 まず実装石らしいキャラクターが登場し、先生役として優しげに語りかける。 「こんにちはデス!みんな、オベンキョ中の実装石デスね?みんなはニンゲンサンと一緒に暮らす、ステキなペットのタマゴデス!」 「みんなにはシアワセになってほしいデスよ~!」 仔実装たちは目を輝かせて小さな鼻をピスピス鳴らし、スクリーンを見つめる。 シアワセという言葉に反応している。特にクロミは「テチ!ワタチのことだテチ!」と小さな手を振っていた。 映像は続く。 「今日は黒髪チャンの授業デス!実装石の中にはちょっと珍しい『黒髪』の実装石もいるデス。」 「でも、みんなに知っててほしい大事なことがあるデスよ~」 ここで映像のトーンが少し変わった。先生実装の目がわずかに細まり、声色に微妙な重さが加わる。 「黒髪チャンよくは『ニンゲンサンとハンブンのトクベツな仔』って思っちゃうデス。」 「でもね、それはホントじゃないデス。実はデス……」 「テェ?」 「じつはなんテチ?ワタチタチ、ニンゲンサンとのアカチャンテチ」 「みんなしってるテチィ」 クロミを含む仔実装たちが首をかしげる中、映像はさらに核心に迫る。 わかりやすい図解の図と、〇×で描かれる何が正しいかの解説の画像が大写しになった。 「黒髪チャンは、ママ実装サンが『ワタシ、ニンゲンサンとコドモを作ったデス!』って思い込んじゃった時に生まれるデス。」 「ニンゲンサンと実装石がコドモをつくるなんてできないデス。実装石は、実装石の仔しか産めないんデスゥ」 「テ!?」 ざわつきが部屋に生まれる。黒髪仔たちにはやや難しい解説だが大意は読み取れる。そして衝撃も走る。 「できないのに、ママ実装サンがそう思い込んで、頭の中で勝手に夢を見て、黒髪チャンが生まれちゃうんデス。」 「黒髪チャンは、ただ髪の色がちがうだけデス。ハーフでもなんでもないデスよ~」 部屋が静まり返った。 仔実装たちの小さな脳ミソが、映像と図解、先生実装の言葉を処理しようとフル回転しているのがわかる。 クロミの目が大きく見開かれ、口がぽかんと開く。 「テ……テチ?」 「ハーフじゃないテチ?」 「ワタチ、トクベツじゃないんテチ?」 その間にも教育ビデオの映像は淡々と進む。 「ちょっと黒髪チャンのみんなにはカナシイなオハナシかもデス……でも受け入れてほしいデス」 クロミの手が震え始めた。「テチィィ?ほんとにこのオハナシはワタチたちのことテチ?……!?」 隣に座る黒髪仔実装も泣き出しそうな顔で呟く。 「き、きっとそういうビックリさせるオハナシってやつテチ、そうに決まってるテチ」 やがて、先生実装がにっこり笑って、締めの言葉を続けた。 「でも、トクベツじゃなくってもみんなは大丈夫デス!」 「普通に、お利口に、ニンゲンサンのためにシアワセに暮らすのが一番デスよ~!ダイジなのは振る舞いデス!」 「トクベツじゃなくていいデス。オベンキョしたことをキチンと守れるコがイチバンで、そんな普通がシアワセなんデス!」 「さあ、みんなも普通の実装石として頑張るデス!シアワセへの近道はそこなんデス!」 「今日のオベンキョは、記念日デス!カンチガイしちゃってたオトモダチから、普通の実装石になれた記念日デス!」 「普通の実装石記念日、おめでとうデス~!」 バイバイの身振り手振りをして、学習時間の終了を伝える先生実装。 ビデオが終わり、スクリーンが暗転した。 最初に叫んだのはクロミだった。 「テェェェェェ!!!イヤテチ!!ワタチ、普通なんかじゃないテチ!!トクベツな黒髪チャンテチ!!」 彼女は映像が終わるとともに小さな椅子から飛び降り、水槽のガラスに頭を打ち付けるようにして叫んだ。 ブリブリと脱糞音が響き渡り、血涙がぽたぽたと床に落ちる。 他の黒髪仔実装たちも次々に脱糞を伴って反応し始めた。 「ハーフじゃないなんてウソテチ!ワタチ、ニンゲンサンとの仔テチ!ママがそう言ってたテチィ!!」 「フツウってナニテチ!?ワタチ、トクベツテチ!」 「フツウなんてイヤテチ!トクベツがいいテチ!!」 部屋は一瞬にして大混乱に陥った。ある仔はクソを垂らしながら床を転げ回り、ある仔は下痢便をジェット噴射のように漏らしつつ暴走のまま隣の仔に掴みかかり、ある仔は涙と共にウンコを絶え間なく漏らしてただ泣き叫ぶ。 クロミは椅子の角にしがみつき、黒髪を振り乱しながら叫び続ける。 「ワタチ、トクベツテチ!ニンゲンサンに愛されるウンメイの仔テチ!チアワセの仔テチ!黒髪チャンテチ!ウソなんかないテチ!」 彼女は小さな実装脳内で、幸せな妄想の暴走を意図的に起こすよう努めた。 ニンゲンサンと手をつなぎ、黒髪のアカチャンたちに囲まれ、みんなが「黒髪ママ、ステキテチ!」と褒めてくれる将来の光景が広がる。 だが、その妄想が加速すればするほど——「ハーフじゃない」「普通デス」——頭の中でそれらが反響し、クロミはさらに混乱した。 「テチィゥゥゥ!!イヤテチ!ワタチ、普通じゃないんテチ!!」 ブリブリ!ブチチチィ!ブブリ、ブリ、ブリィィィィ!!! ストレスによって糞が勢いよく噴出し、清潔だった身体が怒りのパンコンに汚れていく。 やがて、漏らしたうんこがカピカピに乾くころ、黒髪仔実装たちの叫び声は疲れとともに小さくなっていった。 クロミは水槽の隅にうずくまり、黒髪を撫で続けていた。 彼女の目は虚ろで、口からは涎が垂れている。 「ワタチ、フツウなんかじゃ、ないテチ……フツウ、チガウテチ」 呟きながら、糞まみれになっている彼女は再び妄想の世界に逃げ込み続ける。 今度は、抱き上げられて、口づけをされる図像を思い描く。 「黒髪の実装石は、特別だね!」さわやかな笑顔の整った顔たちの男が笑顔で言う幻覚だ。 だがその幻覚の中でも、どこか遠くから「フツウ」という声が聞こえてきて、クロミは憤りながら目を閉じた。 他の仔実装たちも糞まみれで。似たような状態だった。 ある者は壁に頭を打ち付け、ある者は自分の髪に熱心に縋りつき、ある者はただ「テチ……テチ……」と呟きながら動かない。 教育室の乱痴気騒ぎの一部始終を見ていた店員は、呆れた顔で荒れ果てた教育スペースの水槽を見渡した。 血や涎が飛び散り、水槽には汚れがこびりつき、仔実装たちは半ば壊れたように脱糞しながら放心している。 「やっぱりこうなるか。黒髪のヤツら、特別じゃないって知ると毎回これだよ」 彼はほうきとちりとり、雑巾とバケツを持ち出し、散らかったゴミやクソを片付け始めた。 おそらく、これ以上の教育に耐え切れそうもない『壊れた』黒髪仔実装、この場の大多数をまとめてゴミ袋に放り込みながら呟く。 「馬鹿みたいに特別にだけこだわるから……」 ゴミ袋に詰められたクロミの黒髪が、最後に一筋、袋の隙間からはらりと床に落ちた。 店員が袋を縛り、実装ゴミ捨て場へ袋を無造作に放り込む。 教育室は、再び静寂に包まれた。 次の仔実装たちが運ばれてくるまでの、ほんのわずかな休息だった。 黒髪に限らず、特別ではない真実を告げられた仔実装は、皆暴走してしまうのだ。 「オベンキョたのしみテチー!」 元気のいい仔実装の声が、入口から聞こえてきた。 おわり …… XのAI「Grok」マジでヤバイデス、ほぼほぼ倫理フィルターがないので実装スクは素通しで書いてくれるデス 前に書いた「柱の傷は、いつまでも。」をプロンプトに入れて「新作書いて、テーマは黒髪への教育」みたいなことを大雑把に命令したらこれを出してきたデス おそるべきことにほとんどスクの内容はGrokが出したものマンマデス イーロン・マスクは虐待派デスゥ!
1 Re: Name:匿名石 2025/03/11-19:30:07 No:00009559[申告] |
>ある仔は下痢便をジェット噴射のように漏らしつつ暴走のまま隣の仔に掴みかかり
想像して笑った 黒髪の設定も色々あるけど自分をハーフだと思い込んでる仔がそうじゃないと思い知らされるの美しい もちろんスクの設定次第だからちゃんと人間側の特徴を受け継ぐ仔が生まれるのでもいいんだけど |
2 Re: Name:匿名石 2025/03/11-21:18:32 No:00009560[申告] |
ぎゅうぎゅうに詰められている状態なのにトクベツを疑わないアンチノミーな黒髪仔実装の滑稽さが良く出てる
AIは何処で学んだのやら仔実装よりちゃんと学習してるわ |
3 Re: Name:匿名石 2025/03/12-19:57:49 No:00009562[申告] |
Grokでこのレベルが書けるのか
すごいな |