タイトル:【虐哀】 短~中編色々詰め合わせ2 黒髪系他
ファイル:短~中編色々2 黒髪系他.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:443 レス数:4
初投稿日時:2024/05/31-00:07:17修正日時:2024/05/31-17:40:01
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※善良な実装石が酷い目に遭うものもあるので苦手な方は見ないでください
・①~⑥までの短~中編詰め合わせ
・文体、改行、半角全角、句読点等は統一されてません

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①血は水よりも、争えない
実装専門誌「実と装」の特集で気になる記事があった
実装石を飼う人間の7割以上が独身男性であるということだ
そして…実装石側も女性より男性の人間を好む傾向があるらしい
理由までは書いてなかったが、こんなものの理由は明白だ
チンポに決まっている
実装石は男性のチンポに惹かれているのである

種族間を超えて人間の性器を狙う実装石…実に淫猥でいやらしい生物だ
俺の中ではその説は確定的であったが、いかに正しくとも証拠がなければ匿名掲示板等で無能共
に「ソース出せ」などと嬉々として叩かれるだろう
そこで、その説を検証するために少し離れた大きめの公園に出かけた

…実装石の多いこの公園で立ちすくむと野良実装石が集まってくる
「デスー」「テチテチ」「デスゥ?」
飼えだの餌くれだの言ってるのかもしれんがお前らの話を聞いている場合ではない
俺はおもむろにズボンとパンツを下ろしてチンポを露出させた

「デエエ…」「テチ?」「デス…(ヒソヒソ)」「テー!」
実装石のギャラリーはどんどん集まってくる
俺のチンポも熱くなってくる
集団の中にマラ実装も居るのが見える
俺も負けじとチンポを気張らせる
「デスー!」「テッチィ…」「デププ」
「やだあれ何やってるの?」「…警察に…」

ギャラリーは増える一方だ やはり俺の説は正しかった
実装石はチンポが大好きな淫売だ。なんという変態共だ
こんな気持ち悪い生物が人間とわかり合えるわけがないんだ
しかし…こいつら全員…チンポのことしか頭に無いのか!
クソクソクソ!俺を中途半端に育てて、そして俺を捨てて見知らぬ男を選んで消えた…
あのクソババアを思い出しちまう
視界いっぱいの実装石…どいつもこいつもチンポ狂いのクソムシどもだ!
くそっ!くそくそっ…!ううっ…!!!
…ふう……ん?

絶頂からのアクセラレートタイム発動中に後ろから近づいてくる人間にいち早く気づいた
警察官「ちょっと君なにやってr」
俺「くらえっ実装マキビシ!」
怒りモードから急速に冷静モードに移行した俺は、素早く近くに居た実装石を警察官の足元に向
けて投げつける
投げられた実装石は警察官の足元で「デボッ!」と破裂し糞と血と内臓を四散させる
【この実装マキビシは直接的に相手に加害しないので法律に触れることなく(※要検証)相手と
の距離を取るのに最適な技だ】

警察官「うわ きたなっ…!あ、ちょっと待てっ!」
元陸上部で鍛えた俊足を活かし、その場から去った
俺の説が正しいことも立証されたし、もうあの公園に行くことはないだろう…

…しかししばらく経ち、俺は何故かまたあの公園に来ていた
何故かはわからない
もうあの実装石とかいうチンポ狂いの淫売どもと関わる必要もないというのに
ふと、前回実験を行った場所にいくと艶のある黒髪の、野良にしては小綺麗な仔実装がいた
「テチュ」とお辞儀をすると目に涙をためて、笑みを浮かべながら近寄ってくる
なんだこいつは?どうせこいつも、あの淫売どもと同じだろう?
…しかしなぜか…
なんだこの感情は?
気が付けば俺はその仔実装を抱き上げていた
俺「何なんだお前は?どっから来た?どこの仔だ?」
黒髪仔実装「パ…テチィ、テチャア…」
俺「何を言ってるのかわからんが…お、お前…うちに来るか?一緒に暮らすか?」
黒髪仔実装「テチー♥」涙を流しながら喜ぶ仔実装

俺は、俺の中のこの感情がわからない
わからないが…俺を捨てたあのクソババアを忘れさせてくれる…
そして俺の心のぽっかり空いた感情を埋めてくれるのは、こいつなのではないかと直感した
俺「お前の名前はテチコだ。今日からよろしくな。お家にいこう」
テチコ「テチューン♪」
…その次の瞬間だった
奴が後ろから迫ってきていた

警察官「あ、いたいた。君ちょっと話を聞きt」
俺「……くらえっ実装マキビシ!」
一瞬躊躇したが背に腹は代えられないのでテチコを警察官の足元に投擲する
警察官「二回目は喰らわねえ!元野球部舐めんな!」
「テゲッ」と警棒で掬い打ちされたテチコは「ヂッ!」と俺の顔面にクリーンヒットし四散する

気がついた時には公園のベンチで2人の警察官に職務質問されていた
俺「いやごめんなさいちがうんですそういうつもりじゃないですもうやりませんので」
警察官「本当なら公然わいせつ罪に公務執行妨害もつくんだよ。実装石もかわいそうでしょ」
丸一時間説教をされたが、実装石の体液まみれのまま土下座を連発することで
警察官「次はないからね。今日はお風呂に入って反省してなさい」と事なきを得た

俺は自分が賢いと思っていたが実は愚かだったのかもしれない。全ての行動が裏目になっていた
…しかし、この経験を糧にしなくてはならない
人間はやり直しがきくってこと、そして実装マキビシは相手によっては犯罪になるということを
学ばせてもらった
俺、心を入れ替えて頑張ってみるよ。応援しててくれ、テチコ…
(終)

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②親子の絆
「飼い実装になる」
野良実装のほとんどがこれを夢見て生活をしている
ここ双葉公園に住んでいる野良の生活は、悲惨の一言であった
同族の野良実装の民度は低下し、争いが絶えない
餌を取るのも一苦労。衛生状態も悪く、みな臭く汚い
何よりも実装石達を悩ませていたのが人間の無関心だった
人間に興味を惹かれたい一心で通りがかりの人間にアピールするものの、
無視をされるだけならまだしも踏み潰される等で命を失う同胞も珍しくない
時折自分たちに興味を示すのは殆どが虐待派か駆除か、はたまた一部の変態人間だけ…

「困ったデスゥ…どうしたら、また飼い実装になれるデス…」
元飼い実装だったミドリは日頃から思案に暮れていた
飼い実装時代は幸せだった
毎日何もしなくても出てくる餌。アマアマに、お風呂、清潔な布団…
そして自分を全肯定してくれる御主人様
自分もいい仔であろうと努力はした
しかし、「でかくなってかわいくないから」という理由で捨てられたのだ
現実とは信じたくなかった

失意の中でも、そこそこ賢いミドリは再度飼われるために様々な試行をした
元・飼い実装の経験を活かして礼儀正しくお辞儀をしてご挨拶したり、衛生状態が悪い中でも身
なりに気を使った
しかし、全てが無駄だった。むしろ命があっただけ幸運と言えたかもしれない
そのうちに、ミドリは現実を受け入れる
飼い実装時代と違い、大きく醜く…汚く悪臭のする身体…そして他の飼い実装を見るたびにぐつ
ぐつと湧いてくる嫉妬心…
もうすでに、自分は他の野良と何ら変わらないゴミクズだ
それを認めざるを得なかった
…ある日、公園内で性器を露出して精液を射出している変態人間を見た
さすがにあんな変態人間に興味を引かれるほど馬鹿ではない
しかし、少し考え…「…これデス!」とその変態男の精液をかき集め、巣に戻りそれを利用して
妊娠した

そのうちに、計画通りミドリは妊娠し黒髪の仔実装を儲けることになった
黒髪の色の特に濃い、器量の良い一匹だけを大事に育てる
ミドリ「ワタシはもう飼い実装になるのは無理デス、オマエに、幸せになる夢を託すデス。オマ
エならワタシがなれなかった幸せな実装石になれるデスゥ」
仔実装「テチャー♪」

仔実装は予想以上に優秀で、ミドリが教えたことは全て学び取った
ミドリ「ワタシより賢い仔デス!絶対に飼い実装になるデス!!」
仔実装「テチィ!」
ミドリは全てのリソースを仔実装に注ぎ込んだ
食料が取れれば自分よりも仔実装に栄養を与え、貴重な水や洗剤も仔実装の整容のために使う
そのうちに他の野良とは違う、ひときわ綺麗な仔実装(あくまでも野良の中では、の話だが)と
して異彩を放っていた
通りがかりの同じ野良仲間から「綺麗な仔デスゥ…」「ワタチもあの髪の色になりたいテチ」等
と羨望の声があがり、親仔は得も言われぬ満足感を味わった
この仔ならば間違いなく飼い実装になれる。これはもう、人間から選ばれる立場ではない
むしろこちらから優秀な飼い主を選べる立場なのだと思っていた

ミドリ「オマエの幸福のためになら何でもするデス」
本当ならば自分も幸せのお零れに与りたい。一緒に飼ってほしいというのが本音だが…
贅沢は言えない。飼い主が見つかっても自分は身を引いて、この公園でひっそりと生を終えよう
この仔が幸せにさえなれば、自分も生まれた意味があるというものだ

ミドリは仔実装に礼儀作法、食事マナー、ウンチの出し方といった飼い実装として必要な項目を
教え込んだ
ミドリ「あとは良いニンゲンさんに出会うだけデスゥ、仔実装の期間は短いデス、
毎日頑張って探すデス!」
仔実装「はいテチ、ママ!」

それからは公園に通りがかった人間にアピールを欠かさなかったが…
若いサラリーマン「うわ、またクソムシの押し売りかよ。託児でもされたらかなわんな」
女学生「黒い髪の実装石って変態との仔なんでしょ…キモ」
中年の男「近寄るな、ジックス野郎だと思われるだろ」
老年の女「忌み仔が…縁起が悪い、あっちへ行け!」

引く手あまただと思っていたのに…予想と全く逆の厳しい評価が親仔を襲った
黒髪は実装石内では羨望の的であったが、人間からは忌み嫌われる存在だったのだ
ミドリ「お、おかしいデス…こんなハズではなかったデス…」
度重なる人間からの暴言や態度に、膝から崩れ落ちるミドリ
仔実装「ママ…テエェ…テエエン、テエエン…」
仔実装はひたすらに悲しかった。憧れの人間から悪意のこもった態度で罵倒されたのもそうだが、
絶対的な存在であったママの目論見が外れて失意のどん底に陥っているということが一番の絶望
だった

それからも親仔は頑張ってアピールするが、成果は出ず。否定を続けられた
そのうちに二匹はダンボールハウスから出ていくことはなくなり…
ミドリはすっかり濁った目になり、蓄えた食料に一切手をつけることはなくなった
それでも、今までの習慣である仔実装の身なりを整えることだけは続けていた
仔実装も自分の運命を呪うことなく、終わりを迎えるその日まで安寧に過ごすのだろうと、大好
きなママがしてくれることを受け入れていた
引きこもってからというもの二匹の間には殆ど会話は無かったが、ある日ミドリが仔実装に語り
かける

ミドリ「ワタシはもう、駄目デス…もう、おイシの寿命のようデス…オマエには謝らなくてはい
けないデス…ただ一つ。オマエが生き延びる最後の手段があるデス。オマエのパパのことデス。
あれは露出狂の変態人間で、飼われても幸せにはなれないかもしれないデス、でも…何があって
も…オマエには、生きててほしい…デスゥ…」
仔実装「ママ…」
ミドリはひっそりと息を引き取った

仔実装も失意の連続のなか、偽石がパキンしそうになっていた
しかし初めて聞いた父親の存在。それだけを希望に生きていこうと決意を決めた
仔実装はパパが居たという場所に毎日通った。雨の日も、風の日も、日照りの日も
…
ある日、いつもと同じ場所に居ると…急に胸の高鳴りを感じる…
向こう側から男が近づいてくる…あれは…もしかして…パパ!?
仔実装は両手をめいっぱい広げてアピールする
仔実装「パパ!パパ!テエエ…やっと会えたテチ…!」
こちらに気づいた男は、優しく仔実装を抱きかかえる
人間に優しくされた、初めてのことだった

男「お前…うちに来るか?一緒に暮らすか?」
仔実装「行くテチ!今日から、よろしくお願いしますテチ、パパ!」
この大きい手のぬくもり、優しさ…間違いなくパパだ!
仔実装はこれからの生活に思いを馳せる。涙が溢れて止まらない
(ワタチ、絶対にシアワセになるテチ!ママ、見守っていてほしいテチ)
こうして黒髪の仔実装は、露出狂の変態人間に飼われることになったのである
(終)

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③義姉妹
ペットショップで売られていた高級黒髪仔実装は、隣の飼育ケースにいた低級禿裸仔実装と仲良
くなった
棚整理中でたまたま置き場所のないジャンク扱い実装石のケースが高級種の隣のスペースに置か
れたのだが、黒髪仔実装は妙に人懐っこい禿裸仔実装が愛おしく、まるで姉になった気分だった
期間にして10日ほどだったが、二匹は「オネチャ」「イモチャ」と呼び合える仲になっていた

姉(黒髪仔実装)「イモチャは本当にいい仔テチ。いい人に飼われてほしいテチィ」
妹(禿裸仔実装)「早く飼われたいテチ。でも、もし虐待派とかだったらと思うと…怖いテチ」
姉「ワタチはパパがニンゲンさんらしいテチ。だから、ニンゲンさん大好きテチ!
もし虐待派だったとしても、ずっと良い仔で居続ければ絶対に心を開いてくれるはずテチ」
妹「テェ…ワタチもワガママ言わずにご主人様のために尽くすテチ。…できれば、オネチャと一
緒の人に飼われたいテチィ…」
姉「ワタチもイモチャと一緒がいいけれど、それは駄目テチィ。飼い主一人につき実装石一匹、
それがシアワセの条件テチ」
妹「テエエ…」妹は泣きながら頷いた

実装石はたとえ肉親であっても、成長するにつれて仲違いを起こすようになることが多い
専門書等でも多頭飼いは非推奨とされているのに加え、このペットショップでは不要な妊娠出産
を防ぐための方便としても実装石達にそう言い聞かせて躾を行っている
もちろんショップとしてはあらぬトラブルを防ぐための対策として行っているだけなので、実装
石を理解して大量に買ってくれるお客様は大歓迎なのだが

姉妹にはあらゆる格差があった。高級種である姉は寝具、餌、水…全てが一匹用で高水準なのに
対して、ジャンク扱い妹は同じケースの同種と争い、奪い合いながらの生活であった
それでも姉は妹を応援しつづけ、妹も不満を言うこと無く姉を慕った

月末のお肉の日には全員にハンバーグが振る舞われ、姉妹仲良く頬張る
姉「感謝を込めていただきますテチ」
妹「美味しいテチ!オネチャと一緒のゴハンは格別テチィ。今日のゴハンは一生忘れないテチ」
その後、ジャンク扱いのケースはショップの最下層に移動され、二匹は離れ離れになる

そのうちに姉に買い手がつき、次いで処分寸前であった妹にも買い手がついた
妹は「こんな禿裸、俺しか飼う人いねえだろ」と奇特な人間がボランティアのつもりで購入した
その飼い主は妹がどんな餌でも喜んで食べるので、色々な美味しい食べ物を与えてくれた
服やウィッグを買うと狂喜乱舞といった様子の反応が面白く、おもちゃやお洒落の小道具をどん
どん買い与えた

その結果、妹は増長していく
(ご主人様に尽くすテチ)という思いはどこへやら
妹「バカニンゲン!新しいウィッグを買うテチ!」と飼い主をポカポカと叩くと、飼い主は
「しょうがねえな」と妹を連れて、姉妹が売られていたショップにグッズを買いに出かける

妹「ワタチに合うピンク色の髪はあるテチー?……テ??」
グッズ売り場に走り出す妹が、その途中に最下層にあるジャンク扱いのケースの中の一匹の仔実
装と目が合う
顔の骨が折れ変形したまま。服は無く裸で、髪も乱雑に引き抜かれた禿…
しかしその残った僅かな髪は、黒かった
あれは…変わってしまっているが、かつて姉と呼んでいた実装石だ
妹「オネ…チャ…?」
姉「…イモチャ、元気そうで良かったテチ。良い飼い主さんに巡り会えたみたいテチ」

姉はギャンブルで勝って気の大きくなっていた男に飼われた
その男は虐待派というわけではなく、何となく話題になっているからという理由で実装石を購入
したのだが、ひどく粗暴な性格だった
何か気に食わないことがあれば腹いせに暴力を振るう
日常的に餌や水を与え忘れ、それを要求すると殴られる
糞をしているだけなのにその姿がムカつくと髪を引き抜かれる

それでも姉は従順で良い仔で居ようとした。男が唯一のご主人様だ
ご主人様が帰宅するときちんと手をついてお出迎え、汚い環境でも自ら綺麗にしようと可能な限
り掃除をする
身なりを整えかわいがってもらおうとするが…全て無駄だった
何も見てはもらえず、返ってくるコミュニケーションは怒声と暴力だけだった

そのうちに男はきちんと世話をしないため臭いもひどく、飼っていても何も面白くないと感じ姉
をショップに返品しにいくと、「状態が悪く返金はできない」と店員に言われ、激昂し大声でク
レームをつけた
警察沙汰になり警官立会の中話し合いを行い、結果店側が幾ばくかの金を返金して手打ちとなり、
姉はジャンク行きになったのだ

妹「オネチャ!なんでこんなことになってるテチィ…!…いや!うちのバカニンゲンに言って一
緒に飼ってもらうテチ」
姉「だめテチ、飼い主一人につき…」
妹「そんなのどうだっていいテチィ!このままじゃオネチャは…!生きてさえいれば別のドレイ
ニンゲンを探すこともできるテチ!」
姉「ありがとうイモチャ、でももういいんテチ。もう、飼われなくても」

辛いだけだった男との生活、命より大切な髪の消失、返品の時のやりとりをじっと見ているしか
無かったあの時、無表情でジャンクケースに放り込むかつて優しかった店員、蔑む同族…全ての
事柄が姉の精神を削り、気力を奪う

姉の心は、完全に折れていた
歪んだ顔、暗い絶望を湛えた瞳。妹はまるで死体と話しているかのような感覚だった
短いやりとりでも、もう元には戻れないのだろうことを察する

妹「……オネチャはバカテチ!ワタチは幸せに生きるテチィ!バカニンゲン!今日は何もいらな
いテチ!すぐ帰るテチィ!」
姉「それで良いテチ…イモチャ、幸せに生きて…」

妹が家に連れて帰られると、元気がなさそうな妹のために豪勢なハンバーグが出てくる
妹「…よりにもよってこんなの…!バカニンゲ…ごめんテチ、今日は要らないテチ…」

ショップで姉と一緒に食べたお肉。あの味を越える物は生涯出てこないのだろう
声にならない思いが、妹の胸を締め付ける
(終)

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④実装ポシェット
野良実装達は日々公園に散歩に来る飼い実装を羨ましく思っていた
綺麗な髪、もちもちした肌、綺麗なピンク色の服、純白の下着…全てが眩しかった
飼い仔実装「ご主人様に買ってもらったテチ!」
今日は実装石の顔を象ったかわいいポシェットを自慢しにきている
中身はコンペイトウがぎっしり詰まっており、ボリボリと貪り食っていた
野良実装は集まり「デェー」「テー」と指を咥えて見ている
ある仲の良い実装親仔も、ただ口を開けて見ていた
(あれが手に入るなら…自分の仔にあげられるなら…力付くでも奪ってしまいたいデス…)
そんな衝動も心のうちに無くはないが、飼い実装に手を出すのは絶対の禁忌だ
もし何かしようものなら拷問の末に一族郎党全て皆殺しだろう
(いくら良いものが手に入っても、そんなことするわけないデスゥ)
自分たちも飼い実装になるまでの辛抱だ。それを夢見て日々過ごしていた

近頃はいつも自慢に来る飼い仔実装がこなくなったそんなある日
突然、親実装の知り合いの古株野良実装石から「これやるデス」と紙袋をもらった
親実装が紙袋を開けると、そこには憧れのポシェットが入っているではないか
さすがに中身のコンペイトウまでは無かったが…
親仔は生まれて初めて味わうような多幸感に包まれた
親実装「デデッ!これは…ポシェットデスゥ!いいんデス!?」
仔実装「ママ!これすごいかわいいテチ!」
親実装「感謝デス…真面目に生きていればこんな良いこともあるデス…これは仔実装用デス、オ
マエが使うデス」
仔実装「オバチャンありがとテチ!大事に使うテチィ!」
実装石親仔は野良実装に何度も感謝を伝え頭を下げた
他の野良には無い財産が自信になり、それから親仔は全てが上手くいくようになる
野良仲間からは一目置かれお友達は増え、餌場の優先順位も上がり、人間からも
「かわいいポシェットだね」と話しかけられアマアマをもらうこともあった
親仔の会話も増え、寝る前には「もし、いつも話しかけてくれるニンゲンさんの飼い実装になっ
たら…」という話で盛り上がることが幸せだった

ある日親仔で散歩に行き仔実装がポシェットにドングリを詰め込んでいた時、突然人間の男から
話しかけられた
男「おっ、いいポシェットだね…うんうん、間違いない」
(もしかして…飼い実装のお誘いデスゥ…?)
(アマアマくれるテチ?それともスカウトテチ?)
親仔が期待を膨らませたが…

男「間違いなくテチコのだ。お前らがテチコを殺して食ったんだな?」
野良親仔「デ?」「テチ?」
男「ああ別に構わん、テチコは撒き餌だ。お前らみたいな理性のないバカ野良に殺されるように
仕向けたんだ。これでこの公園の実装石はおしまいだ」

男は野良実装の騒音に悩まされており、この公園から実装石を駆除したかった
飼い実装が襲われたということになれば役場が動く
これで一斉駆除が始まることになるのだ

男「書類と写真は明日役場に提出するとして…うん、そうだな。やっぱり一応お前らには他のや
つらよりキツい代償を払ってもらうか」
親実装は状況を飲み込めてきた…全身から血の気が引いていく
親実装「違うデス!ワタシ達じゃないデス!このポシェットは貰った物なんデスゥ!」
男は聞く耳を持たず親仔を持ち帰る
仔実装だけは「飼い実装テチ?」と期待した眼差しで男を見ていた

親仔が持ち帰られた後禿裸にされ、あらゆる虐待を受けて1ヶ月弱…
数日前から親仔は、四肢を切断され板に貼り付けられていた
身体が動かず喉も焼き潰され声も出ない
親実装は何も出来ず腫れた目で前を見ていた
見えるものは白い壁と、おそらくあの飼い実装が飼われていた水槽、そしてあの実装ポシェット
柄のデフォルメされた実装石の顔が、今では自分を嗤っているようにも見える

(駆除開始まで一ヶ月近くもかかるなんてなぁ。役場絡みは時間がかかってよくないな。まあ目
的は達成したし、お前らもお疲れさん)

男がそう言って貼り付けにされてからは餌も与えられることはなくなった
親実装(公園のみんなも…駆除されたみたいデス…そしてワタシ達も、もう…どうして…こんな
ことになったデスゥ…?何も悪いことしてないデス…)
隣で貼り付けにされていたはずの仔実装の「テヒュー、テヒュー」という苦しそうな呼吸音も、
ついには聞こえなくなった
(どの道、同じだったデス…)
辿る死という運命は他の野良実装と一緒
そう自分に言い聞かせるが濡れ衣を着せられ仔にまで悲惨な最期を遂げさせてしまったことに、
乾いた目から涙がこぼれ落ちた
(終)

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⑤アオコ
ある男がペットショップで大金を払って実蒼石を飼った
アオコと名付けられたその実蒼石は気弱で自分の意見を言えないタイプだった
そして男は逆に押しが強く人の話を聞かないタイプだった
男「アオコ、実装石殺すの大好きなんだろ!?公園に殺しにいくか?」
アオコ「今日はハサミの調子が悪いからやめとくボクゥ」
(本当は実装石殺すのは好きじゃないけどマスターの期待外れになるのが怖くて適当に理由をつ
ける)
男「そっか…じゃあ風呂入ろう、一緒に、な!」
アオコ「お風呂の入り方も学んできたので一人で大丈夫ボクゥ」
(マスターが執拗に総排泄腔を洗ってくるが苦手だから婉曲に断る)
男「…うーんなかなか難しいな実蒼は…あ、そうだ。テチコー!テチコー!最近見てないけど生
きてるかー!?」
アオコ「その名前の仔実装はマスターが初日に(お前の実力を見せてやれ!)って言ったから切
り刻んで処分したボクゥ…」
(本当はやりたくなかったけどマスターの命令だから頑張ってやった)
男「そうだったな…」
アオコ「…」
男「…」

ギクシャクする生活が一ヶ月ほど続き
アオコ「ボクゥ…」
深い溜め息をつく
念願の飼い実蒼になったのに、押しが強い飼い主と気の弱い自分との関係はいまいちうまくいか
ない
実蒼石は実装石を殺すのが大好きなバーサーカーのような印象を持たれていることもあるが、飼
い主と散歩や触れ合い等のコミュニケーションをとって、庭の手入れや縄張りの巡回などをして
穏やかに過ごすのが幸福だと感じる個体も多かった
実装石ハンターはあくまでも身体的特徴での適正があり、飼い主から期待される仕事として行っ
ているのだ。もちろん、好んで行う実蒼石も居るが。
アオコは自分のハサミで実装のウレタンボディを刺す感触が苦手だったし、実装の血や脂で汚れ
た時の言いようのない気持ち悪さで嘔吐感を感じるほど、実装狩りの適正がなかった

本当のことを言えば器用さを活かして庭師などの仕事がやりたかったのだ
しかし、ここはマンション…庭など望むべくもない
窓から外界を見下ろして、再度ため息をついた
その時、飼い主が外出から帰ってきた
男「アオコただいま!!」
アオコ「おかえりボクゥ…」
アオコは男の発する一々大きな声も嫌だった
少しずつの積み重ねから来るストレスが溜まっていた

男「アオコがなかなか元気でないようだから、こんなの買ってきたぞ。実装石ハンティング以外
でのハサミの使い方といえばこれだろ!」
飼い主がにっこり笑って(子供用裁縫セット)をアオコに渡す
アオコ「裁縫ボクゥ…?でも、この手じゃ…」
指がない手を見る…しかし、と思い直す
…この男の言動も、悪気はなく一応自分のために良かれと思ってやってくれているんだ

アオコ「ありがとうマスター、練習するボクゥ」
その日からアオコは手を針の跡だらけにして裁縫に取り組んだ。そして1週間後…
アオコ「マスター、実装石ぬいぐるみできたボクー」
かつて自分が処分したテチコを模した緑色の不格好なぬいぐるみだが、それなりに実装石っぽく
できていた
男「おお!テチコじゃねえか!やるな!」
アオコ「ボクゥ…!」
わかってくれた、自分の仕事が評価されたと感じる
人間に褒められると言いようのない幸福感を感じてしまう、実装種の性質は実蒼石も同じだ
その反応を見て、男は料理セットやお掃除セットを購入し、アオコに仕事を与えていった
仕事の成果から話題も増え、アオコの男に対する感情も少しずつ改善されていく

月日が流れ…今日もアオコは野菜と肉を自慢のハサミで丁寧に切っていく
用意された調味料で下味をつけて置いておくと、飼い主が帰ってきた時に加熱し調理してくれる
のが一日の流れになっていた
アオコ「ふう…疲れたボクゥ。食材カットは苦手ボク…あとはお掃除もしないといけないボク」
マンションの一室で、毎日同じことの繰り返し
料理も掃除も苦手分野で自分のやりたいことではないが、飼い主は評価してくれる
ペットショップ時代に思い描いていた飼い実蒼生活とはかなり違っていた

(ポクー)「ボク?」自分を呼ぶ声が聞こえて、駆け寄っていく
黒髪仔実蒼「ママー ハサミで手を切っちゃったポクゥ」
アオコ「…!大変ボク!…ああ、こんなのちょっと皮が切れただけボク。忙しいのに、全く…」
最近出来た、飼い主との仔だ
やんちゃで今日も仕事を増やしていく
ため息をつきながら、仔実蒼の手を洗って消毒するアオコ

アオコ「全く、どうして、こんなことになったボクゥ」
実装種の一生はままならないことばかりだ
しかし、仔の頭を撫でながら確かな幸福も感じるアオコだった
(終)

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⑥復讐と代償
その野良実装は餌を取りに留守にしていた最中、ダンボールハウスの中の仔実装を虐待派の人間
に殺された
バールのようなもので3匹の仔実装の服、髪、耳、目玉、四肢、内臓と生きたまま丁寧に解体し
ていった
「ママ!助けテチ!痛い!痛いテジャア!ママアアアア!!」
耳を塞ぎたくなるような悲鳴が続く
最後の一匹の声がようやく止まってからゴミ袋に入れられ、終了したのだ
仔実装の親である野良実装は植え込みの茂みから息を潜め、それをただ涙を流しながら見ている
しか無かった…
ゴミ袋の口を結んだ後、茂み越しにそのニンゲンと目が合う
野良実装は自分も終わりだと糞を漏らしながら恐怖に怯えるが、ニンゲンは興味なさげにそのま
ま何もせずに去っていった
野良実装は脱力したように地面に膝をつく

野良実装「ニンゲンが、憎いデスゥ…でも…怖いデスゥ…震えが、止まらないデス…」
3匹とも自分にはもったいないくらいの優しく賢い、良い仔達だった
自分の実生全てと言っても過言ではない
何の罪もない仔達があれほどの苦痛を味わう必要があったのか?
憎い憎い憎い、はらわたが煮えくり返りそうな気分だ
あのニンゲンだけでなく、全てのニンゲンが憎い
一方で、ニンゲンが怖い。仔を殺されて見ているしか無かった自分にも腹が立つ
もう自分には何も残されていない。全てを投げ打ってでも復讐がしたかった
しかし、実装石は無力だ…それはわかっている

ふと思いついたのが、最近よく単独で散歩にくる飼い仔実装だ
悪気はないのだろうが飼い主から買ってもらったものを自慢しにくる、いけすかない仔実装だっ
た
野良実装「アイツを殺して食ってやれば飼い主のニンゲンは悲しむはずデス…ワタシと、同じ気
分を味わうデス…!」
飼い実装への手出しは厳禁だ。もし飼い主に見つかった場合は仔達よりも酷い拷問を味わった末
に殺されるだろう。公園の仲間達に対しても一斉駆除が入る可能性もある
あくまでも野良実装は生かしてもらっている立場だというのが野良全体の共通認識だ
この野良実装にも同情し援助してくれるであろう仲間も居たし、食料や生活用品の蓄えもあり仔
をまた産むチャンスもあった
そもそも復讐の対象としては筋違いである
少し時間が経ち頭を冷やせばそのようなことはしなかっただろう
しかし、怒りが冷めやらぬ間にたまたまその飼い仔実装が人目につかない草むらを通って居るの
を見た時、野良実装は頭が真っ白になり行動に移してしまった
気がつけば眼の前には血まみれの禿裸になった飼い仔実装が事切れていたのだ

野良実装「やってしまったデスゥ…」
全てが終わった。ニンゲンは賢い。すぐに犯人が自分だとわかるだろう
そしておそらく大規模駆除が入り、自分だけでなくこの公園の実装石の仲間も無事では済まない
だろう…
もう自分に失うものはないはずだ。しかし、やはり…死にたくない
発見を遅らせ最後まであがいてみよう
飼い仔実装の死体は食える部分は食い、骨などの残りとむしった髪と服は下水溝に捨てる
金平糖も持っていたが、食べる気にならず潰して共に捨てた
…金平糖が入っていたこの綺麗なポシェットも下水溝に…
いや待て、これは仔の友達だった知り合いの仔実装にあげよう
どうせいずれ皆死ぬのだ。あの仔も最後くらい良い思いをしてもいいだろう

そうして身辺整理をして蓄えをもって公園を出る。別の公園まで半日もあれば着くだろうか
人目につかないようにこそこそと、細い路地をひたすら歩く野良実装
ふと、何か大きなものが道を塞いでいる
野良実装「デスゥ…?これは…ニンゲン…?寝てるデスゥ?」
そこには人間の老婆が苦しそうに胸を押さえながら倒れていた

野良実装「これは病気デス…まだ生きているけど、助けを呼ばないと死んじゃうデス…でも」
ただならぬ様子に戸惑う野良実装。しかし、すぐに自分の立場を思い出す
(自分は飼い実装殺しだ。ニンゲンに見つかれば捕まって殺される)
実際には飼い実装を殺したところで犯人を特定しようとするのは飼い主と事実関係を確認するた
めの役人くらいなのだが、野良実装は人間全てを敵に回したと思っていた

野良実装「それにニンゲンは嫌いデス、仔を殺した奴の仲間…ニンゲンは全員死んでしまえばい
いデス」
野良実装はその場から逃げようとするものの、ぴたりと足を止めて引き返す
…
デスゥー…とため息をつくと大声を出した
野良実装「誰か!ニンゲン!ここに死にかけのニンゲンが居るデスゥ!早く助けるデスゥ!」
自分が何をやっているのかわからない。
飼い仔実装を殺したのも今やっている行為も。何もかもわからない

「デスデスうるせーな野良実装か?…あっ?人が倒れてる!」
野良実装は倒れてるニンゲンを指さして早く助けろと声を上げ続ける
「え、何があったの?」
「うわ、救急車呼ばないと!」
人間がどんどん集まってくる。もはや逃げることは不可能だろう
最後まで馬鹿だった。この後捕まって拷問されて殺される
野良実装は血涙を流し立ち尽くした

野良実装はお手柄だと囃し立てられて、その後に一命をとりとめた老婆に飼われることになった
状況が飲み込めず、敵である(と思い込んでる)ニンゲンの家に連れて行かれていつ拷問される
のかと恐怖する日々…
老婆から話しかけられたり撫でられたりするたびに戦々恐々として「ごめんなさいデスゥゥ」と
土下座をする様子は傍目から見るとコミカルで、溺愛といっていいほど可愛がられた
もっとも、老婆はリンガルを使わないので両者の意思疎通はちぐはぐだったが

そして数ヶ月経ちようやく実装石は老婆に心を開くことになる
しかし精神に染み付いた恐怖と罪悪感は取れず、大きな音だけでもパニックになるほどだった
実装石「色々あったけど許されたみたいデス…グランドママ(老婆)には感謝しかないデ(ピー
ポーピーポーと救急車が通る音)デギャアア!!」
老婆「なんでこの仔いつも怯えてるのかねえ」

客観的に見て衣食住満ち足りた生活ではあったが最期まで何かに追われているような感覚を味わ
い続け、やがて偽石の力が尽き寿命になったときは土下座のまま、その顔は酷く歪んでいた
(終)



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過去作
3395【愛虐】働く野良仔実装
3368【虐哀パ】短~中編色々詰め合わせ1 テチコ系他
3270【虐観察】楽園とは実装石の産物なり
3240【観察】フォトコンテスト
3199【虐観察】本能と理性の狭間で
3193【虐】里親
3140【虐】ビン飼育

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1 Re: Name:匿名石 2024/05/31-15:00:48 No:00009151[申告]
娘をマキビシにするの最高にCOOL
2 Re: Name:匿名石 2024/06/01-14:18:26 No:00009152[申告]
くらえっ
じゃねえんだよ
3 Re: Name:匿名石 2024/06/04-23:20:41 No:00009164[申告]
結局ニンゲン憎いの妄執のせいで地獄見てるの公園の同族達なので罪の意識といいながら最後に暗鬼に囚われてるのが同一線上に見えてなんか滑稽だな
4 Re: Name:匿名石 2024/06/12-20:47:57 No:00009174[申告]
義姉妹いいね絆は本物だった
ところでこの姉妹が食ってたハンバーグって
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