枕実装子 平安時代から人と実装石との関わりは深く、宮中でも飼われていたという。 石少納言の随筆『枕実装子』からも当時の様子がうかがえる。 ***** 『枕実装子』 作:石少納言 春は禿裸 やうやう白くなりゆく生え際 すこし毛残りて 紫だちたる 青あざの丸く腫れたる 訳:春は禿裸(が良い)。 (日が昇る頃にだんだん明るくなる山際の様に)白んで明るくなった生え際に 少し毛が残っていて、紫がかった青あざが丸く腫れている(様子も良い)。 夏は禿裸 盛りの頃はさらなり 夜もなほ 蚊の多くたかりたる また ただ一つ二つなど 寝耳のそばを飛ぶもをかし 雨などはげしく降るもをかし 訳:夏は禿裸(が良い)。 (夏の)盛りの頃は言うまでもなく、(暑さの落ち着く)夜もまた、 (禿裸が)蚊にたくさんたかられている(様子が良い)。 また、(たくさんではなく)ほんの一匹二匹が (寝ている禿裸の)耳の近くを飛ぶのも趣がある。 雨が激しく降るのも(庭の禿裸が泣き叫ぶ様が)趣があって良い。 秋は禿裸 夕日の差して山の端いと近うなりたるに 親の託児先へ行くとて 三つ四つ 二つ三つなど辿り急ぐさへあはれなり まいて託されたる仔が いと悲しげに泣くは いとをかし 日入り果てて 泣き声 鳴き声など はた言ふべきにあらず 訳:秋は禿裸(が良い)。 夕日が差し込んで山の端にとても近くなっている時に 親実装が託児先へ行こうとして、(他の仔を連れて)三匹四匹、二匹三匹と (仔の臭いを)たどっていく様子さえ、しみじみと心を打たれる。 言うまでもなく託児された仔が(即座に禿裸にされてしまい) とても悲しげに泣くのはとても趣がある。 すっかり日が落ちてから(聞こえてくる)、(禿裸にされた仔の)泣き声や (親の仔を呼ぶ)鳴き声などは、言うまでもなく(すばらしい)。 冬は禿裸 雪の降り震えたるは言ふべきにもあらず 霜のいと白きも またさらでもいと寒きに 火など急ぎおこして くべて当たるも いとつきづきし 昼になりて ぬるくゆるびもていけば 火桶の禿裸も 黒き焦げがちになりてわろし 訳:冬は禿裸(が良い)。 雪が降って(禿裸が)震えているのは言うまでもなく(素晴らしく)、 霜が(禿裸に降りて)とても白いのも、またそうでなくても とても寒い朝に、火などを急いでおこして (禿裸を)くべて火に当たるのも、たいそう(冬の朝に)相応しい。 昼になって、寒さがだんだんと和らいでいくと、 火桶の中の禿裸が黒焦げになっているのは(見た目が)よくない。 ***** この様に飼い実装は禿裸にして虐待するのが流行りだった事が、 枕実装子の冒頭「春は禿裸」から読み取れるのである。 ~終~ ———————————————————— スレで春の部分だけ書いたものに付け足して修正しました。
1 Re: Name:匿名石 2023/06/27-15:48:22 No:00007366[申告] |
当時は鶏よりも簡単に増える上糞蟲性から加虐心を煽る実装石は狩りより手頃なブラッドスポーツとして親しまれてそう。 |
2 Re: Name:匿名石 2023/06/27-19:42:41 No:00007367[申告] |
黒き焦げがちになりてわろしでだめだった |
3 Re: Name:匿名石 2023/06/27-20:51:45 No:00007368[申告] |
もののあはれ |
4 Re: Name:匿名石 2023/06/27-21:50:09 No:00007369[申告] |
きみは死にたまへ |
5 Re: Name:匿名石 2023/06/28-00:31:01 No:00007370[申告] |
蹴鞠ならぬ蹴実石とか流行ってそう |
6 Re: Name:匿名石 2023/06/28-14:11:22 No:00007374[申告] |
なんと雅な |
7 Re: Name:匿名石 2024/10/23-00:54:31 No:00009386[申告] |
全部禿裸で駄目だった
夏くらいまではまた禿裸か、もっと強制出産とかと思ってたけど 冬まで行くと同じ禿裸でも季節感が出るのに感心する |