その夜、しばらくぶりに子供達とも会話ができ、満足げなテンだった。 そして今日も外から声がする、きっとミー達だろう。 ゴシュジンサマから何か野良が来た時に立ち向かえるものをもらったと散歩の時に言っていた。 外で禿裸になってはいるが、家族で一緒に何かを出来るのが非常に羨ましいテン。 そんな事を考えながら… 『出来たデスゥ…』 テンがベッドの中で目を輝かす。 決行は、次にゴシュジンサマが家を空ける時。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 次の日の朝、テンとミー達親子の散歩に男も着いてきた。 『ゴシュジンサマ今日はどうしたんデスゥ…?』 『ゴシュンジンサマと一緒デスゥ!楽しいデス♪』 『タノシイテチ!皆一緒テチィ♪』 着いてきた事を問いかけるテンだったが、男はその言葉は余り聞いていないのか聞こえていないのか。 そしてミー達親子は気楽なもので楽しんでいるようだった。 男は手に緑のボロボロの布を持って何かを探しているようだ、そしてあの布はなんだか匂う…。 散歩する実装石達を尻目に、何かを見つけて草むらへと近寄る。 …ダンボールだ、ゴミ?いや野良の家だろうか… 男は閉じているダンボールを叩くと、布をそこへ近づける。 しばらくすると… 『ママテチ!ママが帰ってきたテチ!」 そんな声が聞こえて、仔実装がダンボールの玄関を開ける。 そして帰ってこなかっただろうママを期待した笑顔から一片、固まり自体を把握できずフリーズ。 段々と頭の処理が追いついてきたのか、一気に絶望したような顔になってくる。 『テギャアアアアアアア!!!!ママじゃないテチ!ニンゲンテチィ!」 『テテェ!?ママじゃないテチ!? ママは何処テチィ!』 一気にパニックになる仔実装達、その数は二匹。 男が笑い、ダンボールの奥へ逃げようとする仔実装を掴む。 『テェェェ!? 助けテチ!助けテチィ!』 『イモウトチャ!? クソニンゲン!何するテチューー!』 大声でニンゲンに威嚇し、姉であろう仔実装は男の足を泣きながら叩く。 妹であろう方は、男の手から逃れようとイゴイゴ泣きながら暴れるが全く動きもしない。 テンとミーの親子が何をするのだろうと、ハラハラしながら見ていたが…。 「何もしないよ、ママがいなくて大変だったね…これをあげるよ」 そう言うと金平糖を1粒、目の前に差し出す。 最初は嫌がっていた仔実装は急に態度を変え、金平糖に目が釘付けになった。 すぐに男から奪い取り、舐め始める。 『テェェ~~ン♪これは天上の味テチィ~♪ アマアマウマウマテチューン♪』 『テェ!?イモウトチャにずるいテチ!ワタチにもコンペイトウ寄越すテチ!!』 どうやらこの二匹は糞蟲のようだ…、親と一緒だなと思うと男がニヤっと笑う。 手の中でピコピコ耳を動かし、鼻をピスピスさせて喜ぶ仔実装。 そんな彼女を地面に下すと、もう一匹が自分にも寄越せと金平糖の奪い合いを始める。 男は喧嘩をする二匹の後ろ髪を持ち上げ、袋へとすぐさま放り込んだ。 『さぁ、散歩の続きだ』 そう言って男が暴れる袋を携え、また歩き始めた。 『お散歩デス~~ン♪』 『皆一緒に楽しいテチ~♪』 能天気なミー親子だったが、テンはあの男が何をするのか首を傾げながら後へ着いていった。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 男は家に帰ると、目無しがいる部屋へと行く。 目無しは昨日の疲れ男から何かされたのか、成体には若干狭い汚れた水槽の中で縮こまって横になっていた。 「さぁ、起きようか」 その水槽を蹴り、目無しを起こす男。 衝撃で、何が起こったのかと慌てて起き、キョロキョロするが見えてはいないだろう。 そこに男が今だ暴れる袋から、仔実装二匹を雑に水槽へと放り出す。 『デ…?この匂い…嗅いだ事あるデス…』 『テテェ!ママテチ!今度こそママテッチ!』 『ママー!やっと会えたテチィ!ママァ!』 二匹が見た目こそ違えど、匂いで本能的にママと気づいて足元へ抱きつく。 その感触と匂い、そして声で気づいたのか、目の見えない目無しがゆっくり我が仔を抱き寄せる。 『お、お前達デスゥ…?オロロ~~ンオロロ~~ン、また会えて良かったデスゥ~~!』 『ママァ!寂しかったテチィ!』 『デェェェン…デェェン…』 感動の再開…だろうか、狭い水槽の中でお互いに涙を流して再会を喜ぶ。 『…お前達どうやってここに来たデスゥ…?』 『あのドレイニンゲンに飼ってもらえたんテチ!』 『そうテチ!コンペイトウも貰ったんテチ!』 やはり糞蟲思考、すでに男を奴隷扱いにし、飼ってもらえると宣う。 仔実装二匹は奴隷だの、ステーキや寿司を寄越せだの騒ぐが。 目無しはその怖さを知っているので、仔実装達を黙らせようと慌てている。 「さぁ、感動の再開は終わりだよ」 『デ…デデェェエ!? も、もう許して欲しいデズゥ…助けデズゥ…』 『ママ!何言っテチ!こいつはドレイニンゲンテチ!』 そのお互いの認識の違いに、少しばかり面白そうに笑う男が仔実装二匹をハエ叩きで顔をはたく。 急に奴隷に叩かれて驚いたのか、若干腫れた顔でこちらを泣き顔で見てテチテチ文句を言い始める。 「おい、いい加減にしろ!」 再度水槽を蹴り、先ほどよりも力を入れて顔をはたく。 すると仔実装は、萎縮しながらテチテチまだ文句を言ってはいるが静かにはなる。 「お前達は僕の遊びに付き合ってもらうよ、丁度いい数で運が良かったよ」 『デェェ…、仔は…この仔達はやめて欲しいデスゥ…』 「君は負けたんだ、文句は言わせないよ」 そういい男は親子に手を向ける、ひと際大きい声が部屋に響き渡る。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- その頃テンは、ミー達親子にご飯を上げ、自分もご飯食べる前にフードを幾ばくか持ってテミとミン達がいるあの部屋向かう。 まだ昨日の疲れからか、二匹は寝ておりテンは一安心する。 …テミの足もすでに再生しきっている、男が何をしたかは分からないがその効果に関心した。 久々に仔の安らかな寝顔に少し笑顔になるテン。 持ってきたフードを投げ入れ、部屋を出ようとしたその時。 「…あの仔達はまだ寝てるのかい、テン」 『デ…!』 男がそこにいた、フードを投げたのが見られたか…不味かったか…。 背中に一筋冷や汗が垂れる、男の顔を見るがあのいつもと変わらない笑顔だった。 …昨日も思ったがあの顔はアクマなのか、それとも…。 そんな事を考えていると、男がテンに声を掛ける。 「フードあげたんだろ、まぁ別にいいさ、それよりしっかりテミの足は治ったようだね」 ……少し安心する、特に咎められる訳では無い様だ。 男の目線の先は二匹の寝ているケースの中。 姉妹は、久々の気持ちの良いタオルで幸せそうに寝ていた。 「いや、正直お前にもびっくりはしたんだが、あの仔達もそれに足るようだよ」 『デス…?どういう意味デス?』 そういうと男がテンに何かを吹きかける。 甘い匂いのする何か、テンはびっくりし払いのけようと手を振るわせる。 『デデェ!? な、何するんデス!ゴシュ…ジン…?』 テンの意識が一気に暗転する、そのまま倒れこんでしまう。 「…さて、中々に運がいいようだ…、上手く行けばいいんだがな…」 男はうつ伏せに倒れたテンを片手に抱き寄せ、未だ疲れ寝ている姉妹のケースを持ち部屋を出た。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 『… …デェ… …デ…スゥ…?』 視界がまだグニャリとする。 未だハッキリしないテンは、ぼうっとベットから上半身を起こし、しばし意識がハッキリするのを待っている。 … …なんだったか…何があったのか…。 『デスゥ…? そ、そうデス!』 そこから一気に意識が目覚める、そうだゴシュジンサマから何かをかけられて…それで… 『デ…? そこから何だったデスゥ…?』 取り合えずベッドから這い出す、しかし足元が安定せずふらっとそのまま床に倒れる。 頭が痛い、目の周りも何かジンジンとする…。 フラフラする体に言う事を聞かせようと力を入れ、立ち上がるテン。 部屋を出るが、何だか家が静かである。 取り合えず男がいつもいるだろう、居間へと向かった。 『ゴシュジンサマ…いるデス?』 しかし時計の音がするだけで、部屋には誰もいない。 しばし考える、…これはチャンスなのではないだろうか…! テンがポケットに手を入れる、…ちゃんとある…! 急いで部屋を出て、姉妹がいるだろうあの部屋へ。 ドアは空いている…! 部屋の中を見回す… …いた! あのケースの中では無く、いつもの水槽の中に入れられてはいるが二匹はちゃんといる。 『テミ!ミン!起きるデス!』 先程見た寝顔で寝ている仔供達を起こすと、まだ眠いのか二匹ともに目を擦り起き出した。 『…ママ…ママテチ?』 『テェェ…なんだか頭が痛いテチ…テチュゥ…』 『そんな事よりチャンスデスゥ!逃げるデス!』 『逃げる…?ここから出られるテチ!?早く助けてテチィ!!』 逃げるという言葉に一気に目が覚める姉妹。 水槽の中でジャンプをし、泣きながら騒ぎ始める。 テンがごそごそとポケットから何かを出した。 『これで逃げるデスゥ!さぁ、これを体に通すデス!』 夜なべをしてテンが作っていたのは、輪ゴムを何重にもつなげて作ったものだった。 あの最初に虐待を行われた髪につけた輪ゴム。 強く引っ張っても千切れる事の無かったものに目をつけたテンが、部屋に置いてあった箱からこっそり盗み続けて作ったのだ。 ここまで物に対し着眼点と発想、そして稚拙なものとはいえ作成するのは中々いないだろう。 テンよりやや大きい水槽から、救助する為に輪ゴムを上から垂らす。 『ミンチャ!先に行くテチ!』 『テ、テェェ…怖いテチィ…』 テミが先にミンの体を輪ゴムへと通す、脇の下へ輪ゴムを掴むように通すとテンが引っ張り大丈夫そうか軽く試す。 『…大丈夫そうデス、ミン引き上げるデス!』 輪ゴムが千切れないようゆっくりゆっくりと引き上げる。 水槽の縁が輪ゴムを擦るので滑りが悪いが、引き上げられる、仔実装の体重くらいなら大丈夫そうだ。 そうして水槽からミンの頭が出始め… 一気に体が空中へ踊り出す。 『テェェェェ!?』 『ミンチャ!』 テンがしっかりと受け止める、どうやら上手く行ったようだ。 久々の親子の再開、テンはミンの感触にやっと実感が湧き、自然に涙が零れてきた。 お互いに力強く抱き合い、お互いの体温を確かめるように…。 『ママ!まだワタチが残ってるテチィ!早く助けテチ!』 『ご、ごめんデスゥ!今助けるデスゥ!』 テミの声で気づいたテンが、慌ててミンの体から輪ゴムを外す。 そして同じように輪ゴムを水槽から垂らし…。 『テミチャ!良かったデス!よく頑張ったデスゥ…!』 『ママ!ママァ!会いたかったテチィ…!』 『テェェン…!テェェェン…!ママ…ありがとうテチュゥ…』 3匹が久々の再開に涙し、強く強く抱きしめあう。 お互いの体温がこんなに嬉しく愛しく思った事はない、そう思いながら感触を確かめあう。 『さぁ、再会を喜ぶのはここまでにするデスゥ…!』 そういうとテンは立ち上がり、辺りを見回す。 …!運よく姉妹の服を水槽の近くに、あの脱がされた時と同じようにそのままになっていた。 それを姉妹に着せる間にテンが部屋の、サッシの方へ駆け出す。 カーテンを開けたが、開かない、しかしここは想定済みである。 部屋を出て、あるものを取りに行く、それはいつも使っていた掃除道具のモップ。 それでサッシのロックを解こうと持ってきた。 『デ!デェ!デス!?デェェェ!』 しかしいくらやってもロックが下りない。 テンは気づいていなかった、その鍵にはロック機能があるという事を… 掃除でたまたま他の部屋にあるロックに気づいたのは良かったが、そこまでは気付けなかったのだ。 その後もいくらやってもロックが下りないテンが焦り始める。 『ママ…大丈夫テチ…?』 いつの間にか着替えの終わった二匹が心配そうに、後ろで手を繋いでテンを見ていた。 汗をかきながら必死に格闘していたテンがそれに気づくと心配させましとニコリと笑う。 『だ、大丈夫デスゥ! テミとミンも偉いデス~もう着替え終わったデス?』 『ワタチもう一人で着替えられるテチ!頑張ったテチュン!』 今まではテミの手やママの手を借りないと、着替えもちゃんと出来なかったミン。 いつの間にか成長したのだなと若干感動も覚えた。 ここは駄目だと決断したテンが、姉妹の手を握る。 『さぁ、そしたらここから逃げるデス!』 そうして血生臭かったこの部屋を親子は後にする。 廊下にでる、しかし当ては無い…、焦るテンは仕方なく最初に来た場所、そう、玄関へと姉妹を連れて歩く。 男がいつ帰ってくるかも分からない、しかし確実に家から出られるだろうそこへと向かう。 玄関へと着くと、…光が漏れてた。 『テミ!ミン!出れるデス!ここから出れるデスゥ!』 二匹を抱き上げ、タタキへと降りる、そして…。 『で、出れたデス…皆で出れたデスゥ…』 『お外テチィ!ママお外テチィーー!』 『出れたテチ!お外に出れたテチューー!』 親子は一歩出た外に感激する、テンは何度も出ていたがこんなに喜ばしい事は無かった。 しかし余り喜んでいる場合でもない、道路の方へと抜けだすと次にテンは何処に向かうか迷う。 公園のある方か、はたまた全く知らない方か…、少し悩むとある事を思い出す。 『そ、そうデス!ショップデス!』 テンが最初の時の事を思い出す、そうだ公園の向こう側から男と歩いてきたのだ。 直線で比較的近い…もしかすると助けてもらえるかもしれない。 そう思ってショップの方へと走ろうとする…、すると脇から誰かが出てきた。 …!ニンゲンだ! やっと逃げれると思ったのに…! テンが震える体で硬直していると同じく腕から姉妹も震えてるのが伝わってきた。 震えて恐る恐るニンゲンの顔を見上げる…。 「あれ…?お前達は…」 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- テン達はショップへと無事に戻れた。 本当なら返品扱いだ、屈辱もしくは悲しみに明け暮れるところだろう。 だが見慣れたここがこんなに嬉しい事はない。 …脇から出てきたニンゲンはあのショップの店員、いや店長だ。 一人で切り盛りしているこのショップの店長、最後に別れを告げたあの男だった。 「そうか~君達も酷い目に合ってたんだね…たまたま会えて良かったよ…」 テン達はそこで出会った店長に今まであった全てを打ち明けた。 酷い虐待をされ危険を感じ、必死な思いで逃げる計画を模索した事。 『ごめんなさいデス…戻ってきちゃったデスゥ…』 「いやいやいいんだ、気にする事は無いよ」 申し訳無さそうにするテンだったが、店長はそんな気にする風でも無く安心をした。 ショップに入ると見慣れた光景…見慣れた? …見慣れた …? テンは何かが引っかかっていた、見慣れたはずの風景のはず…。 そんな事を悩んでいると店長が奥で呼んでいる。 「まぁ取り合えずこっちへおいで」 『デ、デス!』 ショップの裏へと通じる扉、そこはテン達にとっては色んな意味で思い出深いところであった。 防音されている向こう側は倉庫もあるが、躾をされる場所でもある。 教育をする教育石、つまりテン達にとっての先生がいる場所だ。 厳しい躾をされ、合格をもらった場所だが返品されて戻ってきたような気持ちにもなっていた。 …だがテンは何か違和感に先ほどから引っかかり続けている、あれだけ見慣れた場所、そして厳しい躾の日々。 記憶が妙に断片過ぎるのだ…あれだけ男の家で衝撃的な事があったからかもしれない。 そんな事を考えながら扉を潜る、奥では教育石達が厳しく躾をしているところだった。 こちらを見る教育石、しかし何も無かったように向き直した。 …覚えていないのだろうか、まぁ間引きも含めて大勢の実装石達がいたから当たり前だろうか。 『さぁ、こっちに入りな』 店長が更に奥の部屋へと案内をする。 …?そういえばあの部屋へ入った事は無い、小さいころから店長だけ出入りしている部屋。 きっと店長専用のお部屋なのだろうと、そう思ったテン親子が更に奥へと入る。 …部屋は真っ暗だった、窓も無く何も見えない。 『ママ…?ここ何テチ…?』 『真っ暗テチィ…怖いテチュ…』 『大丈夫デス…ママがついてるデスゥ』 腕の中で震える姉妹を落ち着かせるように抱きしめる。 そうすると部屋が少し明るくなる、どうやら一部に明かりが灯ったようだ。 その方向をテンが見る…。 『デ…デデ…デデェェェエ!?』 そこには四肢が無く、体を拘束具で壁に固定され、総排泄孔をチューブで繋がれた…実装石がいた。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- テンの絶叫に怖がって目を閉じていたテミとミンも目を開ける。 そして一瞬フリーズし 『『テチャアアアアアアアアアア!!!!!テギャアアアアアアアアアアアアア!!!!!!』』 余りの光景に絶叫をする。 しかもあの実装石は呼吸をし、”生きて”いる! よくよく見るとその周辺は血や体液、糞で汚れている。 驚いて絶叫していると、部屋全体が明るくなった、そして何か音楽のようなものがなっている事にも気づく。 『~~♪~~♪』 …いやこれは…胎教だ、ママがお腹の中にいる仔達に歌う祝福の歌、実装石を実装石たるものにする歌。 『お前達は賢いデス~♪ いい子デス~♪ ニンゲンサン達に飼われてラクエンに行くです~♪』 『美味しいものいっぱい、綺麗なオベベも着れるデス~♪ 幸せいっぱいな毎日デス~♪』 『ニンゲンサンに逆らっちゃダメダメなんです~♪クソムシになったら捨てられちゃうデス~♪』 …そうだ昔聞いた歌だ、…?ん?昔聞いた歌… … …何か… その歌に合わせてその実装石が口を動かしている。 『・・・***** *・・・**** ・・・***』 何を言ってるのだろうか…耳を澄ます… 胎教の歌に混じって実装石が喋る。 『さいデズゥ… ごめんなざいデズゥ… お前達はジゴクにいっぢゃうデズゥゥ… 出てぎぢゃダメデズゥゥ…』 涙を流しながら枯れた声で部屋に流れる胎教に対抗するように声を必死に出す実装石。 『テェェェエン!テェェェエエン!怖いテチ!怖いテチィ!!お化けがいるテチュゥゥ!!』 『テチャアアア!テェェェェン!テチィィィ! コワコワテチィ…!オバケサン嫌テチュゥゥゥ!』 テンは固まりその実装石から目が離せないでいたが、テミとミンは震えあがり手で目を覆い泣き叫んでいる。 そんな親子の後ろに気配が近づいた、テンがそれに気づいて恐る恐る後ろを振り向く。 …店長だった、あのいつもニコニコしていた店長がまるであの男と一緒の笑顔でこちらを見ている。 「なんだ~?お化けってあれはお前らにとってはママのママだぞ~?」 『デ…?デス…?』 テンは耳を疑った、あれがワタシのママ…? あの酷い状態、まるで化け物のようになっているのが、ワタシのママ…? テンも震えが止まらなくなってきた、もう何が何だか分からない。 助けを求めて逃げてきたのはいいが…どうなっているのか。 そこにもう一人ドアから誰かが入ってきた テンが振り向く……あの男だ! 『デェェェェ!!!!ゴ、ゴシュジンサマ!?』 なんでゴシュジンサマ!? なんでこんなところに…。 もう頭の整理が追いつかない、元々頭がまだ混乱しているのに…まさか追いつかれたのか。 「ようトシ、や~っと来たか、ご苦労様だったな」 「アキ…今回は結構苦労したんだよ、こっちの身にもなって欲しい」 そういうとアキと呼ばれた店長が笑い出した。 …?二人は知り合い?どう言う事なんだ…? テンは頭の中がくるくるくる…本当に何がどうなっているのか。 「まぁいい、やっとここまで来たんだから一応説明してやる”テン”」 そういうとあの優しかった店長が怒ったような顔になりテンに視線を向ける。 そしてあの実装石に対して拳を一撃、腹を殴りつける。 『デゲギュア!!…ゴメンナザイデズゥ…ユルジテグダザイデジィィ…』 良く見るとあの実装石は傷や痣だらけだった、殴られ涙を流し胃液を吐くが同じ事ばかり喋っている。 『さいデズゥ… ごめんなざいデズゥ… ゴメンナザイデズゥゥ… もうユルジテデスゥ… ダズケてホシイデジィィ…』 狂ったように許しを求めてばかりいる、一撃加えた店長、いやアキがテンの方へと振り向いた。 そしてテンにも腹に蹴りを入れる。 『デギャ!』 『テェ!?』 『テチャァ!?』 衝撃で壁へと叩きつけられ、手が緩み姉妹も振り落としてしまう。 床へと落ちるテンとミン、そして壁へと叩きつけられたテンが痛がりながら姉妹をまた腕の中に抱こうとする。 『この糞蟲がよぉ~…仲良しこよしの真似事しやがって・・・!』 あからさまにこちらへ悪意を向けているアキ、テンはあんなに優しかった店長がこちらに悪意を向けるか全く分からない。 痛みを我慢し姉妹を腕に抱き寄せ、テンがアキへと口を開く。 『な、何でデスゥ…?ワタシ達何も悪い事して無いデスゥ…テンチョウサンも優しかったデス…』 「あーそんな事か、それはなぜ~んぶこの糞蟲がいけないんだよ!」 そう言ってまたアキがブツブツ呟いて涎を垂れ流している実装石を殴る。 しかしどういう事か分からないと言った顔をしているテン。 アキが少しずつ話し始めた。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 「こいつはな?生まれてすぐに俺に投糞した正真正銘、芯からの糞蟲なんだよ!」 ショップなので出産する為の出産石はもちろんいた。 しかしその出産石から生まれた1体…姉妹の1体が生まれてすぐにアキに向かって投糞をしたのだ。 胎教が悪かったのか、元々その出産石が悪かったのかは分からない。 しかしそんな事は初めての事だった、アキは良い実装石は嫌いでは無いが糞蟲は殺したい程に嫌いなのだ。 まずその糞蟲を蹴り飛ばす、壁へと叩きつけられるがまだ息があった。 それの止めを刺そうとすると、出産石が涙を流して首を振りアキヘ許しを乞う。 だがアキはその出産石が悪いと思ったのだ、こんな最初の行動が投糞をする糞蟲、遺伝子は母親にある。 つまり母親が原因なのだと… その場で出産石を虐待する。 その光景にその投糞をした糞蟲以外の姉妹も恐怖をし逃げようとしたが、アキによって一匹残らず殺される。 原因となった糞蟲は自分がやった事の愚かさにようやく気付いて、泣き叫び糞を漏らしながら逃げるが…すでに遅い。 捕まり虐待されるが、そこでアキは思ったのだ、こんな糞蟲をただ殺すだけでは面白くない…と。 『そ…そんな事で…殺したんデスゥ…?』 「ああ!?そんな事だと!?」 テンが再度アキから蹴りを入れられる。 痛みと衝撃でテンも思わず糞を漏らしパンコンしてしまう。 「はぁ…やっぱり糞蟲の仔は糞蟲だ」 そしてまたアキが話し出す。 殺さないように虐待される糞蟲、だがやはり成長するにつれ仔が欲しくなるのは本能である。 しかもいつ死ぬか分からないようなこの状況だ、人間でも同じ、死に直面すれば本能はより表立ってくる。 あろう事かアキにせめて仔が欲しいと懇願してしまった、そこで思いつく仔も殺していってやろうと…。 四肢を切断し焼いて再生しないようにする、そして壁に固定し動けないようにする。 だがそこでおかしな事が起こり出す、糞蟲は1匹しか子供を産まないのだ。 生まれた直後から虐待され続け、何か体に変化があったのかもしれない、実装石なら猶更だ。 「そして最初に生まれたのは…”ワン”だ」 『デェ…”ワン”デス…? ワタシのオネエチャン…?』 そしつも生まれた直後から経験を活かし様々な虐待をし続けた、それを糞蟲に見せ続ける。 だが自分だけではやはりアイディアは尽きてくる、そこで…。 「このトシにも頼んだって訳だ」 「ゴシュジンサマもデス…?」 生まれてきた仔を交互に虐待しモニターに写して糞蟲に見せ続ける、その内糞蟲はお腹の仔に祝福をしなくなる。 別の胎教を歌う、生まれてきても地獄、だから出てくるな…と、胎教の影響は大きい、体内の仔が絶望して本当の”糞”になってしまう。 だからこの部屋に別の胎教を流し続けているのだ。 こうして1匹ずつだが仔は生まれてくる、そうしていく内に流石に仔がやられるのは思った以上に精神に蝕むのだろう。 糞蟲の精神もおかしくなり始めた、ごめんゆるしてたすけて…とそれを繰り返すようになってくる。 だが自分の仔がやられるのは分かるのだろう、反応はあった。 『…もしかしてワタシが最初に掃除したアレは…』 「ああ、そうだ、あれはお前の姉の”エイト”とその仔だ」 エイトもこの糞蟲と同じくらいの糞蟲だった。 性格が良い実装石は好きだが、糞蟲は嫌いなトシ。 だからエイトには仔を産ませ、試したかった事を色々とやった、虐待や実験様々と…。 「そして最後に生まれた仔…それがお前だ”テン”」 『ワ、ワタシデス…?』 「そうだ、お前の名前に意味は無い、ただの番号さ、糞蟲につける名前なんて無いからな」 それを聞いたテンがショックを受ける、自分の名前は名前じゃない…? 実装石に取って名前は飼いになった”祝福”と一緒なのだ、或いは呪いと言ってもいいかもしれない。 名前が自分の、飼いとしての誇りにもなり、自信にも繋がる、つけてもらった事で人間との強い繋がりを得るのだ。 自分達で名前をつけれるような事はしないしそう教育される、そこまで賢くも無いのだ …テンを除いては。 『意味なんて無いデス…?ワタシに意味なんて無いんデス…?』 思わず涙が出てくる、テミとミンが心配そうに見上げてくるが気づかないくらいにショックを受けているテン。 そんな事はお構いなしに続けるアキ。 「お前が生まれてこの糞蟲は、それ以降子供が産めない体になっちまった」 ”テン”を生み出し、糞蟲は何をしても仔が体から出なくなってしまった。 もしかすると元々一匹しか出なかった体のエラーのせいかも知れないし、これ以上産みたくないと願った最後の足掻きかもしれない。 だが生まれないものは仕方がない、最後の一匹となった”テン”はトシとアキの両方で遊ぶという事になる。 最後の仔だ、アキが最後はやる事になった、躾で虐待していこうと。 『テェェェン!テェェェェエェン!! テチュウウウウウウ!!!」 テンの腕の中でずっと泣いている姉妹達に気づき、正気になるテン。 …しかしテンは糞蟲から生まれたにしてはトンビが鷹を生む。 教育石が驚くくらいに賢く、躾をきちんとこなしていく。 なので途中で計画を変える、そのまま売りに出した風を装い、トシが”上げ”をやり、アキが”落とす”。 そしてまたしても予定と違う事が起きてしまう。 躾が終わり、ショップに出したその日に蓋が緩んでいたのか子供の花粉がついてしまう。 きっと繁忙期の準備に向けて忙しかったのだろう、テンの目は両目が緑になっていた。 …困ったアキは自分のミスもあるので悩む、そこで思いついたのが今回の計画だ。 躾で残った仔をセットで売りに出させてるように見せかける、そして売られていると思い込んでいるテン親子をトシが買いに来る…。 『…ゴシュジンサマ… ワタシ達は少しでも気に入られて買われたんじゃ無いんデス…?』 「…ああ、そうだ」 「最初にテンだけがトシに買われたのも演技だ、そうする事で親子が後々感動の再開をする…ってな」 アキがテンに何かを見せる、それは自分の売られていたと思っていたケースに貼られていた貼り紙。 「それにはな…値段なんて書いて無いんだわ、お前は元々実装石はこういうものですっていうサンプルさ」 『ワ、ワタシ達は一生懸命頑張ってニンゲンサン達に飼ってもらおうと頑張ってたんデス…それなのに…ヒドイデス…』 親子の目からは涙が止め処なく溢れてくる、何のために躾に耐え合格し…ケースでアピールしていたのか。 テンには読めないが、値札と思っていたものには”非売品”と書かれた札だった。 そして案の定テンはトシにお願いをした、一生の一度のお願いを。 次の日にトシが残されていたテンの仔達を取りに来る…、本当に二人の計画通りに進んでいく、踊らされていく。 アキが最後に殺すのだ、だからトシが直接手を下せない特にテンは。 なのでテンが大事だろう姉妹を中心に虐待をしたのだ、死なない程度に。 「いや、しかし任せるとは言ったが…2日前の戦いは流石に肝が冷えたぞお前」 「はは、悪い悪い、でもちゃんとそこは何があってもカバーするつもりだったよ」 …?2日前? アレ?そんなに前だっけ…? テンが少し考えている内も話は進む。 「最初はうまく僕が見えないところでサポートして逃がすつもりだったんだがな…」 「デス!? …じゃあ最初からここに逃がすつもりだったデス…?」 「それはそうだよ、僕は最初に言っただろ、”テンが入っていい部屋は入れるように開けておく”ってさ…」 …最後に玄関がたまたま空いていたのは…そう言う事だったのか。 自分では上手く逃げたつもりがまさか全て操られていたなんて…またしてもショックを受けるテン。 「あと公園!散歩なんか公園でさせるな!野良がいてあぶねーだろうが!」 「いやーまぁ少しは僕にも楽しませてくれよ、でもアキが裏で見てたから良かったろ?」 「そうだよ!朝早く起きたんだぞ!おい!糞蟲!あそこで野良に食われなかったの俺のおかげだぞ!感謝しろ!」 そう言ってアキが何かを取り出し、壁に拘束されている糞蟲に向かって放つ。 『デギュアァ!?』 バチンという衝撃音、そして当たったろう場所が焦げている。 テンが目を丸くする、あの最初の日に散歩して最後に野良達が倒れたのはアキのおかげだったのだ。 流石に自分の獲物を、しかも野良に取られる訳にはいかないと言ったところだろう。 … … だが何だろう、この違和感、上手く言えないこの引っかかる感じ…。 「本当にお前はよ…、まぁいい、そういう事だ」 『デェェ…ワタシはワタシ達は何の為に生まれたんデス…こんな事の…殺される為に生まれた訳じゃないデスゥ…』 仔達を抱え込み、床に顔を向けて涙を溢すテン。 テミとミンもママが余りにもショックを受け無く姿に騒ぎ始めている。 「… …なぁアキ聞いてなかったけど、テン達は最後どうするんだ?」 「ああ? …そうだな… こいつで打ち止めだ、ストレス解消にはなる ママの2代目にでもしてやるか」 「2代目か…だけどこいつ相当頭いいと思うよ? お前の好きな金になる実装石だと僕は思うんだが… その為に実装石売ってるんじゃないのか?」 「だから最初から言ってるだろ!糞蟲の仔は糞蟲だ! 遺伝子レベルだよ!お前も見てきたろ!」 「……いやそうなんだけども… まぁそもそもアキの所有物だからいいんだけどね…」 テンが立ち上がる、そしてゆっくり顔を上げアキを睨む。 『酷いデスゥ…ワタシ達は努力したんデスゥ…それなのにそれなのに…デズゥゥゥゥ…』 『デジャアアアアアア!!!クソニンゲン!いい加減にするデス!お前達はワタシ達のドレイデズウウウウ!!!』 『テチィィ!そうテチィ!!!! クソドレイニンゲンテチャアアアアア!!!』 泣きながらついに何かが途切れたのかテン達が恐怖や極度のストレスから解放しようと、いつのまにかこんもりとしていた糞を掴みアキに投げる。 しかし体が振るえて上手く距離は出せない、コントロールもままならいい。 「ハッハハハハハハハ! ほら見ろトシ!こいつらの何処が賢いんだ!やっぱり根本は糞蟲なんだよ!アッハハハハハ!」 必死に辺りもしない投糞をする親子、もう口調も見る影も無く糞蟲のように言葉を荒げている。 トシはそれを何とも言えないような顔で見ている。 アキはやっぱりこうなったと笑いながら、棒を取り出す。 きっとあれで親子を虐待するんだろう。 部屋は幸せそうな胎教と、許しを未だに乞う出産石、まさに糞蟲といった親子、笑うアキ。 まさに地獄絵図のようだった。 「…頃合いだな…」 そう呟き、トシがドアを開けようとし後ろを振り返る。 今まさにアキが親子に襲い掛かろうとしている。 「アキ、帰るよ また何かあったら呼んでくれ」 そう言ってドアを閉じた。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 家に帰ると、トシは居間に荷物を投げ入れ目無し達がいた部屋へと向かう。 「帰ったよ、どうだい調子は」 『…もう何ともないデスゥ… 全部見させてもらったデス…』 そこにいたのはテンだった。 傍らには一緒にテミとミンもいる。 「やっぱりまだまだ調整がいるね、結局元の糞蟲になったみたいだ」 『ゴシュジンサマ…何で助けてくれたんデス…?』 「僕は糞蟲は大嫌いだが、良い実装石は好きなんだ」 …実装石には石に関してまだまだ不明な事が多い、出産も自身のコピーと言う説もある。 アキから虐待する際に、虐待だけではなく糞蟲に対しては色々は実験もした。 肉体…、或いは精神的な事…、そして最初にテン達が片付けた水槽に大量にいた実装石の死体、”エイト”達の死体。 あれは記憶に関する実験をしていたのだった。 昔何処かで読んだ、実装石の記憶に関する記述・話… 石や脳に関してだ。 脳に石を埋め込んだり、はたまた脳だけ取り出し別の石で再生させたり…様々な考察もあった。 トシはエイトでそれを試し、一部に成功をさせる。 だがまだ完全では無く先のように元のベースが混ざってくるようだ。 「まぁだけど、アキはああなると他が見えなくなるからね…」 『…テンチョウサンがそんな事考えてなんて思わなかったデス…』 『ゴシュジンサマ…優しいニンゲンサンなんテチ…?』 『…でもワタチ達イタイイタイされたテチ…怖いテチュ…』 「まぁ信じても信じなくても、恨んでもいいさ、僕は君達の性格の良さや頭の良さを気にいったんだ」 部屋のモニターにはショップのあの部屋が映っている。 アキが狂喜乱舞しながら、ミン”だった”仔実装を棒で潰している。 それを見たテンやテミ”だった”ものが叫んでいる。 カメラに写すのも今回の約束だった、まぁカメラの設置場所まではとやかく言う事も無かったが。 「アキの奴もああいうところが無ければ優しい奴なんだけどね…」 『…ところでゴシュジンサマ…』 「なんだい、テン」 『ワタシ達…どうすればいいデス…?』 不安そうに身を寄せ合いトシを見つめる親子。 向き直りテン達に話しかける。 「最初に言った通りだ、性格や頭がいいのは好きなんだ 信じられないかもしれないが今回はアキの事情があったからね」 「だからお詫びじゃないが…君達を見くびってたお詫びにこの家で良かったら住んでもらって構わない、信用してもらえるならだけども 元々家を掃除やらなにやらやってた奴も老衰で無くなってしばらく経つしね」 『…デス…助けてくれたゴシュジンサマは命の恩人デス……じゃあ信用出来るように一つお願いを聞いて欲しいデス…』 「…一生のお願いは一つだったけど…まあ今回は特別だよ、それでお願いって何だい?」 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 年が明け、春が来る。 暖かくなった陽気に人も動物も喜ぶ。 トシの家から3匹実装石が出て…いや6匹だった。 『トシサマ!桜が満開デス!』 『すごいテチー!綺麗テチュー!』 そこには髪と服を取り戻したミーの親子もいた。 テンの最期のお願いは、ミー親子達とも一緒に住む事だった。 最初は一応命の恩人だからとは言っていたが、思ったより賢く家の簡単な家事なら出来るようになった。 アキの方はテンとなったあの目無しを次の出産石にしたようだが、こちらはしばらく実験は止めておいた。 『ミーちゃんも一緒に見るデスゥ』 『今日もいっぱい遊ぶテチィ~』 随分と賑やかになってしまったと思うトシ。 しかも糞蟲のような行動をしてこない6匹に、自分の実装石の知識はまだまだ浅いのだなとも思う。 隣の公園には桜が咲いている、しばらくは和やかに過ごすのも悪くないだろう。 --------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------- 思った以上に長くなってしまったデス…。 読んで頂いたニンゲンサンには感謝するデスゥ。 最初はテン達はあのまま死んでしまう予定だったけども、長くなるにつれて愛着沸いたので生きてしまったデス。 合間合間に色々書いたけど、こちらは予想以上に空いてしまってすいませんでしたデス。
1 Re: Name:匿名石 2023/03/07-06:47:13 No:00006893[申告] |
>読んで頂いたニンゲンサンには感謝するデスゥ。 いや…とても面白かったし良かったよ、虐待ネタだけではなくてその幕間に愛護や観察・考察etc…と様々な要素が絡みあって伏線となって、矛盾もなく大団円を迎えて読後感も満足で >最初はテン達はあのまま死んでしまう予定だったけども、長くなるにつれて愛着沸いたので生きてしまったデス。 糞な個体をキッチリ〆る展開も好きなんだけどやっぱり感情が豊かでいろいろな面を見せてくれる実装には愛着が沸くよね 特にテン親仔は物語が進むうちにキャラクター自身が自分達でどんどん動き出したような生き生きした躍動を感じた トシが"実験"を再開するかわからないがこの1人と6匹には暖かい時間が流れる…と信じたい |
2 Re: Name:匿名石 2023/03/07-22:40:40 No:00006897[申告] |
度々ショップに触れてる事や公園の野良とか、あえて自由にさせたりなどフリが結構効いてて良かった。 まあ増長させずに普通に飼う事が可能なのは良識のある実験派か元観察派ぐらいかも
でもトンビが鷹を産むって事は逆もまた然り、この平穏がいつまで続くのかは仔次第 |
3 Re: Name:匿名石 2023/03/08-11:24:26 No:00006898[申告] |
最初は虐待を書くつもりでも作者さんはやっぱり実装石に愛着わいちゃうもんなんだよねえ
だからそれでも絶望エンドを描ききる切ない系の話はほんと読んでて切なくなる |
4 Re: Name:匿名石 2023/03/09-02:32:58 No:00006899[申告] |
ハッピーエンド?になったのは予想外だったです
でもこれはこれで良し |
5 Re: Name:匿名石 2023/07/08-23:08:38 No:00007477[申告] |
記憶の移植は偽石を死なない程度の量粉末にして脳に塗り込むとかかな? |
6 Re: Name:匿名石 2024/02/01-03:13:53 No:00008665[申告] |
殺さねえのかよ!? |
7 Re: Name:匿名石 2024/04/30-19:26:41 No:00009062[申告] |
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