実装石保護センター3 仔実装セレクションの結果がでた。 5つの餌に毒を入れ、毒が入った餌を選別して生き残れるかどうかという設問だった。 5つ中、個々には致死量の毒を入れていない。 だが5匹中、Aは毒の入った餌を食べ、目が飛びてて腹が破れて苦しんで死んだ。 さもしく、無警戒で、運のない、そんな実装石は生き残るのが難しい。 B、C、D、Eはセレクションを通過した。 今回のセレクションの寸評だがBは社交性があり、Cは頭がよく、Eは運がいいというところか。 Dは寝ていただけではあるが残った食事を周りに毒見させていた可能性もあるな。 実はこのセレクション、保護センター内の職員でトトカルチョも行われている。 一番人気はEだった。 Eは怒っているものの身なりは綺麗で怪我やなんらかの欠損もなく、見た目もよかった。 次に人気だったのがCで太っているが警戒心も強く、Cもまた身なりが綺麗。 そして一番人気のない個体がAだった。 欲深いと協調性もなく罠にかかりやすい。こういう個体は引きも強くない。 トトカルチョは勝ち抜いた者の昼食が少し豪華になる程度のものだったがAに賭けた同僚は悔しそうだった。 「Aは折檻の跡があったし、聞き分けがないから捨てられたとかそういうやつなんだろうな」 同僚は敗因を述べて千円札を一枚置いていった。 死んだAの処理がてらと汚れた水槽を洗うのと同じく、残った4匹も洗ってやることにする。 勝者への褒賞というわけだ。 お湯を張った洗面器を用意し、衣類を脱がし、仔実装達にお風呂を取らせる。 D以外は綺麗好きだったようでお風呂に入れることに喜びを示していた。 Dは何だか眠そうで湯船でうとうとしていた。 BとCは仲良くなったようでお互いの体を洗いあったり一緒に歌を歌ったりしていた。 Eは綺麗好きであるが浮いた汚れを器用に掬い取ってお湯から取り除いたりしていた。 4匹がお風呂を満喫したところで次の設問。 すっかり食べ物に警戒するようになったであろう4匹。 次のセレクション、出し物は食べ物じゃない。 お風呂から上がった仔実装達には4つの着替えを用意した。 一つはピンクの可愛い服一式、もう一つは紫色の可愛い服一式、もう一つはいつも通りの緑の服一式、最後にパンツ一枚だけ。 もちろんこの4つは試されているものだ。 さあ4匹はこの4つから何を選ぶのか? 2つ目のセレクションが始まった。