タイトル:【虐観察】 実装ちゃんに追放系なろう小説の主人公を演じさせてみた結果3
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初投稿日時:2023/02/06-01:45:33修正日時:2023/02/06-03:24:26
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実装ちゃんに追放系なろう小説の主人公を演じさせてみた結果3

前回までのあらすじ

ボロボロになって公園からの脱出を図る仔実装の前に
としあきが再び現れ
中二病全開のリアクションとセリフで仔実装を言いくるめ
アパートの自室に連れ込む

一通りの事を躾て早速トレーニングを開始するも思いのほかうまくゆかず
そこで実家で飼われている実蒼石のサイを借りて
トレーニングのコーチをさせることを思いつく

一週間後トレーニングの効果もあって仔実装の身体力は向上し
この機会にとロクという名前を貰った

一緒に付き合っていたサイも運動が楽しくなってきて
自主トレーニングや食事制限をするようになりメタボ体質が改善されつつあった

何か一人だけ取り残されている感じがして焦ったとしあきもまた
屋外のジョギングに付き合うようになり

そしてさらに一週間が経過していよいよ計画の実行開始寸前となった

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最初に拾った時から早二週間が経過した

栄養満点の実装フードを食べ続けたこともあってか
ロクは二回りほど大きくなっていた
毎日絶やさずに続けたトレーニングもあって
実装石にしては引き締まった筋肉質の体つきをしている

サイの指南もあって武器を使った戦い方も様になって
おそらくその辺の野良実装となら負ける事はないと思っている

だがここで予想外の事が起きていた
それは二週間という短い間ながら
寝食を共にし一緒に体を動かしてきたロクに対して
俺の心に情が芽生えた事であった

本来ならプランBの最終段階に移行という事で
速やかに最後のシナリオを実行すべきなのだが
今の俺にはそれに躊躇していた

悩んだあげくサイも交えてロクの最終的な意思の確認と
可能なら復讐を止めてくれるように説得を試みる事にした

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その日はロクのトレーニング完了を祝う祝賀会として
特別という事でロクを水槽から出して念のため専用のオムツを付け
ダイニングに連れ出した

ダイニングテーブルの椅子に専用の座席をセットして
ロクを座らせる

俺はロクと対面する位置に座りサイは横に座った
テーブルの上には何時ものより少しお高い実装フードを皿に盛り
ロクには金平糖をサイには駅前の店で買ったプリンを出した
飲み物はお酒は出せないから冷たい麦茶をそれぞれのコップに注いだ

俺的には結構大盤振る舞いである
もっとも俺はと言うと何時ものコンビニ弁当なんだけどな

サイは上機嫌でプリンを口に運んでいる
その一方でロクは金平糖を一粒も手を付けてなかった

「どうした駅前のお茶屋さんで買ってきたお茶うけ用の上等な金平糖だぞ」

そう言ってもずっと下を向いたままである

『ご主人様はなにか隠しているテチ…ワタチの目は誤魔化せないテチ』

「そうか…何もかもお見通しという事か」

俺は深いため息を吐いた

「ロクよ…お前はこの二週間厳しいトレーニングに耐え
誰にも負けない力を得た…そしてサイから仕込まれた剣技で更に強くなっている
最早公園でお前と一対一で戦って勝てる同属はいないだろう
それを踏まえたうえで改めて聞くがお前は復讐を続けるつもりなのか?
俺としてはもう復讐なんか忘れて今の生活を続けて欲しいと思う
これは俺の我儘だ!勝手に連れ出して散々振り回しておいて言うのも何だがな…
どうだろうか」

テチャァァァァァァァ

突然ロクが叫び出し顔を真っ赤にしてテーブルを叩く

『今更…今更だテチ!この日のためにワタチは地獄のような日々に耐えてきたテチ
それを今になってなかったことにしろというのは幾らご主人様の提案だとしても
受け入れられないテチ』

どうやらロクの決心は揺るがない様子だった
残念ではあるがロクがそれを望むなら仕方がない
俺はテーブルに包装紙に包んだ物を置いた

「ロクの気持ちが変わらない事が良く分かったよ…これは選別だ受け取って欲しい」

ロクは早速包みを開けた
そこには一本の長い釘があった

『ご主人様これは?』

「見ての通り釘だよお前が扱いよい長さと太さの奴を厳選して買ってきた
オマエの復讐の助けになるだろう」

ロクは暫くの間釘を眺めてから手に取って振り下ろしたり
突きの構えをしたりしていた

『ご主人様ありがとうテチこれは良い得物だテチ』

そう言って嬉しそうに何度も構えたり振り下ろしたりしていた

「では今夜に復讐を決行するけどいいな?」

俺の問にロクは小さくうなずいた

そして時間が経ち無慈悲な月の夜が訪れた

深夜に差し掛かる頃ロクをレジ袋に入れて徒歩で公園に向かった
背中のリュックには集音機材とリンガルそして双眼鏡が収められていた
そして昼間の質問の答えによっては渡そうと思っていた物も一応持って来た

公園に着くとロクをレジ袋から出して降ろしてやった
お互いに顔を見合わすも特に何も言わず
それぞれの目的地へと移動していった

ロクは復讐のターゲットである家族の元へ

俺はその様子を観察できるポイントへと急いだ

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夜の公園を禿裸の仔実装がフラフラと歩いている
その手には一本の釘が握られていて
あたかも幽鬼のようなオーラを纏っていた

一歩踏み出すごとにあの日の夜の情景があの時の嘲笑う声が
ロクの頭に蘇ってくる

『どうしてワタチを捨てたのだママ…禿裸になったと言うだけで
酷い仕打ちをしたママ…その後ろで笑ってた妹…
許さないテチ…アイツらは全員クソムシだテチ
殺すテチ…みんなみんな殺してやるテチ…』

ブツブツと恨み言を呟きながら
かつての家族が住んでいるダンボールハウスが近づいて来る度に
ロクの頭の中は憎しみの闇に浸食されていった

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ロクと分かれた俺はひたすら予定していた観察スポットへと急いだ
到着してすぐに前回同様に集音機材を組み立てリンガルと接続して
準備を整える

そしてこの前の折り畳み式よりも本格的な双眼鏡を取り出し
三脚を展開してセットして固定
元親達がいるダンボールハウスにピントを合わせておく

機材を起動させちゃんと音が拾えているかチェックする
あれから二週間が経過しているのに
セットした盗聴マイクのバッテリーはまだ健在のようだ
パッケージに描かれていた長時間作動という謳い文句は嘘ではなかったようだ

あとはロクがやって来るのを待つばかりだ
待っている間どこからか野良実装の野太い悲鳴が聞こえたが
この公園では特に珍しい事でもないので無視して待機する事にした

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一歩一歩と元家族の元へと近づいていたロクであったが
ふとわき道に一つのダンボールハウスがある事に気が付いた
とたんに記憶がフラッシュバックする

『そうだ…アイツも禿裸になったワタチをみて笑っていたテチ…
丁度いいテチ…アイツでこの得物の威力を確かめてみるテチ』

そう呟くとフラフラとダンボールハウスに吸い寄せられるように進んだ

近寄ったロクはダンボールハウスの出入り口に向かって立て続けに小石をぶつけた

バン バン バン

あたかもノックをしているような音が辺りに響く
暫くすると中から野良実装が出てきた

『こんな夜中に誰デス?寝不足はお肌の敵デス』

眠い目をこすりながら辺りを見回すと正面にロクが立っている事に気が付いた

『オマエは誰デス…』

言い終わるより先にロクの得物の釘が胸に深々と突き刺さった
貫通した先端は的確に偽石を砕き野良実装は断末魔の叫びを上げて絶命した

『オマエは禿裸になったワタチを見て嘲笑ったテチ…絶対許さない…死ねっ死ねっ死ねテチ』

絶命した野良実装の胸に刺さった釘を執拗にグリグリとこね回して抜く
その顔は怒りと狂気で歪んでいた

野良実装の死にざまに満足したロクは再び元家族が住んでいる
ダンボールハウスを目指して動き出した

元家族たちへの恨み言を呟きながらゆらゆらとした足取りで歩いていく

『ママは酷いテチ…禿裸になったワタチは家族じゃないって…どこへなりと行けとか…
ママはきっと糞蟲だテチ…その後ろでワタチを笑っていた妹も同じ糞蟲テチ…
糞蟲は一匹残らず殺すテチ…絶対許さないテチ…ワタチはこの復讐のためだけに戻ってきたテチ…』

しばらく歩き続けていると目の前に懐かしくもある
憎い元家族が住んでいるダンボールハウスに到着した

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今度はさっきのような小細工はしなかった得物を腰だめに抱えて一気に突貫する
出入口の衝立があっけなく吹き飛び衝撃でダンボールハウスがガタガタと揺れ
中に置いてあったものが全て倒れて転がり出す

寝込みを襲われ元家族たちはパニックに陥った
うろたえて子供の安否を確認しようと声を出していた元親の足元を
ロクは得物で薙ぎ払った

不自然なポーズのまま転倒した元親は左腕を骨折したのかあらぬ方向に曲がっていた
痛さの余り悶絶していたがすかさずロクは頭に近づき
その顔に得物の鋭い先端を何度も突き立てる

あっという間に元親の顔面はハチの巣のように穴だらけになり眼球は飛び出て
右目は破裂してしまい左目は視神経が繋がったままデロンとぶら下がっていた
元親は偽石が頭にあったのか既に絶命していた

『やったテチ…糞蟲を…元ママを殺したテチ…ワタチを捨てた報いテチ…
あれ?どうしてテチ…胸がスッとしないテチ…逆に胸が痛むテチ…
そうだまだ妹が残っているテチ…アイツも殺さないと…』

辺りを見回すと隅の方で蛆実装を抱えて震えている元妹が居た
見つけると得物の先端を胸に突き立てそのまま壁ごと串刺しにする
どうだ思い知ったかと元妹を睨みつけると小さな声で何かを訴えてきた

『お願いテチ…どうか蛆ちゃんだけは助けてやって欲しい…
ワタチはどうなってもいいから…お願いテチ』

元妹の懇願はロクの心に届かないばかりかさらに怒りの炎を燃え上がらせた

『何をい言い出すかと聞いてみればこれだテチ!オマエは禿裸になったワタチを嘲笑ったくせに
あんな蛆の為に身代わりになると言うテチ…なぜその優しさがワタチには向かなかったのか
ああっ…ムカムカするテチこんな蛆なんかこうしてやる』

総吐き捨てるように言うと事態をなにも把握してなくて暢気に這いまわっている
蛆実装の頭を掴んで持ち上げた

そして蛆実装の頭をそのまま齧り咀嚼して見せた

一部始終を見ていた元妹の顔が絶望で曇っていく

『蛆ちゃん…蛆ちゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁん!』

元妹の悲痛な悲鳴が辺りに響くがロクはなにも動じなかった
そして蛆実装の死体を叩きつけて元妹に近づいだ

元妹は串刺しになったままロクの暴力にさらされた
そして服と頭巾を破り捨てられ髪の毛もむしり取られた
それでもなお怒りが収まらず手足を全て食いちぎり
やっと気が済んだのか得物を引き抜き足元に転がした

『…家族…キズ…ナ…』

放心状態になった元妹がひたすら同じ言葉を繰り返し呟いている
それがウザくなったロクは元妹の頭を踏みつぶした

これでロクの復讐は完了した
だがロクの心は一向に満たされず虚しさだけが残った


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1 Re: Name:匿名石 2023/02/06-18:06:53 No:00006755[申告]
八つ墓村めいた惨劇の様子がイメージされたデス
2 Re: Name:匿名石 2023/02/07-03:49:04 No:00006761[申告]
復讐は過去との決別のためにやる!
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