タイトル:【虐】 苦痛の結晶
ファイル:苦痛の結晶.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:1526 レス数:7
初投稿日時:2022/05/16-01:46:57修正日時:2022/05/16-01:46:57
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「いやテヂィィッ!!もう食べたくないテチィ!」「ママーッ!ママァァアアアッッ!!」

透明な樹脂製のケースの扉を開けると、中に並べて吊り下げた裸の仔実装たちが一斉に甲高い悲鳴を上げる。
どうせ親に助けを求めるか、俺を罵倒してるかだろう。
かまわず俺は持っていた缶詰の桃を、泣き叫ぶ仔実装の口に無理やり押し入れる。

「テ、テブェ!?……ッ!ヂュヴォェェェェ…ッ」

仔実装の顔が青ざめ、胃に押し込まれたものを吐き出しそうになるが
逆流しないように、首につけたベルトを締め上げる。

「ぐるし…ぃテヂ……」

今度は顔が紅潮し、口から伸びた舌がブルブルと痙攣したかと思うと
次の瞬間には仔実装の体は全身から骨が無くなったように、力無くぶら下がった。
こいつらはすぐ蘇生するので窒息死したところでどうということはない。

「ほら、あま〜いフルーツだ。お前らなら死ぬほど喰っても後悔しないだろ?」

と少し意地の悪いことを言いながら、次々に仔実装たちに桃を喰わせていく。
どうせなら死んでくれた方が蘇生のために消化も早まって助かるので
吐くのを我慢していたやつも含め、結局全部の首を絞めて窒息死させる。
俺は静かになった仔実装たちの普通ならありえないほど膨らんだ腹を確認して、静かにケースの扉を閉めた。



ケースの中のやつらは常に感じる激痛と度重なる窒息死のストレスで、そろそろ偽石が自壊するだろう

「次のを用意しておく必要があるな」

作業を終え足元の安物の南京錠付きケージの中の成体の実装石に目をやる。

「デッ!?デェェ…」

俺の視線に気づいた実装石が怯えた表情を見せる。
こいつはあの仔実装たちの親で、俺が飼っている飼い実装だ。
割りと高級な躾済み実装石のはずだが、成体に育つまで売れ残っていたせいで安く手に入った。
その役割は愛玩用ではなく、健康で丈夫な仔実装を産ませるためだけに買ったもので名前すら付けていない。
さきほどまでは涙を流しながら、視界に入らない位置にいる仔実装たちを励まそうと声をかけていたが
今は俺が何を考えているのかがわからないといった表情で震えながらこちらを見つめている。

「そんな怖がるなよ。別にお前には何も酷いことはしてないだろ?」

健康な仔実装を産ませるには、人の手で目の色を染めるような強制的なものはよくない。

「お前は健康でいてくれないとな。ただ丈夫な仔実装を産んでくれさえすればいいんだ」

自然に近いプロセスを踏むため、俺は春のうちに採取しておいた花粉の入ったピルケースを棚から取り出した。



それから十日もすると何匹かの仔実装が偽石の自壊で絶命していた。
まだ息も絶え絶えに生き延びている奴もいたが、もう必要十分な期間は超えただろう。
こいつらは収穫するついでに偽石を砕いておくことにする。
干物のように吊り下がる仔実装の一匹をケースから取り出し、解剖用トレイの上で膨れ上がった腹を安物のカッターナイフで切開。
限界を超えて中身の詰まった胃袋は皮膚のすぐ下にあり、普通の実装石なら無駄にあるはずの腹の贅肉が挟まる隙も無い。
胃袋を丁寧に切開すると、中には当然ながら緑色の糞の塊が見えた。
この塊をゴム手袋をした手で胃袋から取り出し、別のトレイに載せシンクへと持っていき水で分を洗い流す。

「前のやつらよりも匂いがキツくない…。フルーツ多めに食べさせたのは正解だったかな」

糞がボロボロと剥がれ落ち、塊の中心に近くなるにつれ硬く凝縮された層が現れてくる。
その層を器具を使って慎重に剥がしていくと、まるで宝石の原石のようなものが姿を見せる。
これがこの作業のお目当ての品だ。
俺はこびりついた糞をきれいに洗い落として、その原石をライトにかざしてみる。
深緑に輝く原石は大きさも色も申し分なく、内包物も特には見受けられない。
満足のいく代物だったことに俺は思わず笑みが零れた。



糞が出ないよう総排泄口を塞いだり焼き潰したりして、実装石の胃の中で排泄物を凝縮させる。
そして出来上がるのがこの“糞結晶”と呼ばれるエメラルドに似た石だ。
普通の生き物ならただの固い宿便ができるだけだが、このデタラメ生物だと話が違ってくる。
こいつら実装石は胃袋に何かしら消化できるものがあれば、延々と胃液を出し消化し続ける。
悪食であるため何でも消化しようとする性質と、不死とも言える再生力で強靭な胃壁を持つからこそできる芸当だ。
そうやって十分な期間ただ食わせ続け、胃の中で何度も何度も消化された内容物が凝縮されて
次第に不純物が取り除かれ綺麗な結晶が形作られていく。
これは実装石の命を代償に作られるものであり、好事家や虐待好きな人間が欲しがる代物だ。
結構な手間と実装石自体を消費するためか、人間だけでなく裕福さを示したい飼い実装も
この結晶をアクセサリーに使うことを求めることがある。
今、俺が手にしているこの結晶は手間隙をかけた分、今までのものよりも高く売値を付けられるだろう。

「これなら他の仔実装も期待できるな」

実装虐待というただの趣味がまったくいい副業になったものだ。
俺は少し浮き足立って二匹目の仔実装をシンクへと運んだ。



全ての仔実装から原石を収穫して作業を終えた俺は、親実装の様子を見る。

「…ッ!?デジャァァアッ!!」

俺の視線に気づくなり四つん這いになって威嚇を始める。
この狭いマンションの部屋とはいえ、できるだけ仔実装の無残な姿は見せないようにしたつもりだが
賢いだけあって自分の仔がどうなったかの想像は大まかにつくようだ。
前に使っていた親実装はおやつさえ与えていればすぐに大人しくなったが
売れ残りとはいえ元は高級躾済み。
仔に対する愛情はそこいらの安物実装石よりも深いものがあるのだろう。
しかし緊張と怒りで力が入ったせいか、緑に染まっていた親実装の両目が急速に赤く染まっていった。

「デ…?デデェ…ッ!?」

「…ちょうどいいタイミングだ。産むのを手伝ってやるよ」

俺はシンクへと引き返し、次の苗床を得るためにぬるま湯をタライに溜め始めた。



「デッデロゲ〜…♪デッデロデッデロゲ〜……♪」

高級躾済みでも所詮は実装石。
決して綺麗とは言えない歌声がケージから絶えず流れてくる。
今回産まれた仔実装は全部で5匹。
取り上げる際にはかなりの抵抗をされたが、翻訳アプリを使って交渉した結果
1匹だけは親実装の手元に残してやることにした。
せっかく手に入れた高級飼い実装なのだ。
仔を失うストレスで自壊されるのは長い目で見れば損をすると考えたからだ。
それに前の親実装と違い、こちらが何かをするたびに泣き喚くので近隣からクレームも入っていた。
騒げば残った1匹も取り上げると脅すことで、大声で泣き喚くことも無くなった。
この耳障りな歌声は…まぁケージにダンボールでも被せて対処するとしよう。



俺の副業は順調に成果を上げていた。
今ケースに吊り下げられている仔実装たちの収穫が終われば、次でもう6回目の出産になる。
親実装はもう中実装になろうかというまで育った仔実装を両手で抱き
ケージの中でこちらに背を向け子守り歌を続けている。

(あいつに仔をしっかり躾させれば、またいい親実装に育つだろうか?)

そうなれば高級飼い実装を買うのに高い金を出す必要も無くなる。
今育てているあの中実装は健康で知能も高いのだろうか。
次に産ませた中から良さそうなのを見繕って育てさせてもいいかもしれない。
親実装の血統はいいのだから厳選してみる価値はある。
まだまだこの副業を拡大できると考えた俺は、その準備をしておこうと実装ショップに足を運ぶことにした。



ちょっと調子に乗って買い過ぎたかもしれない。
ちょうど実装フードなども切らしていたこともあり、実装ショップでいろいろと買い込んでしまった。
両手に抱えた荷物の重さに辟易しながら、息を切らして家にたどり着く。
疲れはしたがこれからのことを考えると自然と顔が綻んでしまう。
そんな俺を出迎えたのは、出かける前とは一変した部屋であった。

「ん?なんで鍵が開いて…。……はぁ??」

玄関のドアを開けるなり目に入ったのは
倒れた椅子に、テーブルから落ちたケース
開いたままの冷蔵庫、南京錠が外され無人となったケージ、あちこちに巻き散らかされた糞。

「まさかおい…っ」

両手に持っていた荷物を放り投げ、ケースに駆け寄る。
収穫間近だった仔実装たちは、側面の割られたケースの中から跡形も無く消え去っていた。
自然にテーブルから落ちるはずがない。
いったい誰がここから仔実装を持ち去ったというのか。
考えられるのはただ1匹だが、どうやってこんな事ができたというのか。
俺は血の気の引くのを感じながら親実装のいたケージの中を覗き込んだ。
ケージは床が大量の糞で汚れていた。
出かける前にはこんな糞は無かったはずだ。
せいぜいトイレにしてるくらいの——。
そこまで考えたとき、大量の糞の中に何か光を放つものがあることに気が付いた。
いつも作業に使うゴム手袋を装着し、汚臭を漂わせる糞の中からそれを摘み上げる。

「これは…。おいおいおいおい、嘘だろぉ?」

それは紛れも無く“糞結晶”であった。
そしてその糞結晶は不出来で歪はあるが、鍵の形をしていた。

——————————


「ここまでくれば大丈夫デスゥ…。さぁ出してあげるデス」

そう言って両手で大事そうに抱えていたビニール袋を地面に下ろすと
親実装は中から仔実装たちを取り出していった。
腹の膨らんだ仔実装たちはどれも青ざめた顔で苦しそうにしている。

「マ、マァ…、くるし…テチ」「おなかいたいいたいテチ…」

「すぐ楽にしてあげるデス。痛いけど我慢するデス…」

親実装の傍らにいた中実装が鋭利に尖った糞結晶を下着から取り出す。
親実装はそれを受け取ると切っ先を横たわる仔実装の股にあてがった。

「こ、わい…テチィ!なにするテヂィィ!?」

「大丈夫デス!ママを信じるデス…!」

決意を込めた親実装の手が、一気に仔実装の焼き潰された総排泄口を切り開いた。

「ヂュアアアアアーーーッ!!」

仔実装の悲鳴とともに総排泄口から大量の糞が噴き出す。
糞の勢いが衰えてもまだ固まった糞の塊が傷口を塞ぐように詰まっている。
脂汗を垂れ流す我が仔の悲鳴に耐えながら親実装が仔実装の腹を押し込むと、総排泄口をさらに引き裂いて
大きな塊がゴロンと転がり出てきた。

「テ…テヒィ…テェ……」

「よく我慢したデス…。さぁ、今はゆっくり休むデス…」

産まれてからずっと苦しめられてきた痛みから解放されたことに安堵したのか。
汗と血に塗れながらも、やがて仔実装は寝息を立て始めた。
親実装と中実装はそのあとも、残りの全ての仔実装を同じやり方で痛みから救い出していった。


静かな夜が訪れた。
体力の消耗の激しかった仔実装たちはまだ寝続けている。

「みんな助かったデス…。これもオマエが耐え続けてくれたからデスゥ」

親実装はあの家の冷蔵庫から盗み出したハムを食べながら
傍らで仔実装を見守る中実装に感謝を述べた。

「……テ…。…ス」

中実装の口からは空気の抜けるような声しか返ってこない。
苦痛による呻きも悲鳴も誰にも聞かれないよう、その喉は潰されていた。

「その喉が治るように、一度切らないとダメデス。我慢できるデス?」」

中実装はガムテープで雑に塞がれた自分の腹の傷を見せて、屁でもないと言うように力強く頷いた。
よく出来た仔を持ったことを噛み締めるように親実装も頷いて見せる。
親実装はこの中実装が産まれる前から練っていた作戦が上手くいったことに満足していた。

あのニンゲンが仔実装ばかり気にして、こちらに気を付けていないことはわかっていた。
1匹だけでも手元に残させて、その仔実装にあのニンゲンがやっていたように結晶を宿してもらう。
自分がやっては糞が出ないことに流石に気が付かれてしまうだろう。
だから1匹だけでも協力者が必要だったのだ。
死んでいった仔実装たちと同じ目にあわせることになるが、苦渋の決断だった。
いつもケージを開ける際に少しの間だけ見ることのできた南京錠の鍵の形を目に焼き付けて
生成した糞結晶を歯で削ることで複製した。
錠は安物とはいえ流石に記憶だけでは完全なものはなかなか作れず
微妙な違いを人間の目を盗んでは結晶を少しずつ削っていく、気の遠くなるような作業だった。
風呂や洗濯は自分たちの手でやらされていたので、鍵を隠し通すことは出来た。
脱出するまでの間、作った鍵は失敗作も含めて3本。
そんな地獄を我が仔は耐え切ってくれた。
常時襲いくる激痛に耐え、喉を潰し、何度も腹を切り開き
何度も仮死を味わい、それでも家族のために生き続けた。

「ほんとうに感謝しているデスゥ。オマエは…自慢の愛娘デス…ッ」

これまでしてきた仕打ち、そして今また娘を切り付けねばならないことを思うと
親実装が我が仔を抱きしめずにはいられなかった。


すっかり日が昇る頃には、中実装の喉も少し声が出せるまでに回復していた。
外で初めて浴びる朝日に、仔実装たちも自由になった喜びを顕にする。
体力もすっかり回復し、小躍りする仔実装たちの横で中実装は手に持った小さな糞結晶を静かに見つめていた。

「こんなモノのせいでいっぱい妹たちが死んだテス…」

自分たちを助けた、けれど家族を不幸な目に会わせた忌まわしいもの。
苦しむ妹たちの悲鳴がフラッシュバックし、投げ捨てようと思わず振りかぶる。

「待つデス!」

震える中実装の手に親実装がやさしく手を添える。

「捨ててはダメデス。これは他の実装石の持っている物とは違うデス」

「どういうことテス?」

「他の実装石は自慢するために仔を殺してこの糞結晶を作るデス。でもこれは家族を救うために作ったものデス。
 言ってみればオマエ自身の家族への想いの証しデスゥ…」

中実装は黙って親実装の言葉に頷いた。

「オマエもいつかは親になるデス。子育てに自信が持てなかったりワタシみたいに不幸に出会うこともあるデスゥ…。
 でもその時はこの糞結晶を見て、ジブンがどれだけ家族を想っているかを思い出すデス」

中実装は少し考えた後、糞結晶を下着の中に入れなおした。

「それでいいデス。今度ちゃんとしたお守り袋を作ってあげるデスー!」

二匹のやり取りをが一段落付くと、小躍りしていた仔実装たちが矢庭にへたりこんだ

「ママー、おなかすいたテチ!」「いたいのなおっておなかペコペコテチュ!」

「あらあら元気な仔たちデスー。ニンゲンの家からいっぱい持ってきたからお腹いっぱい食べるデス!」

「テチャァアーー!?」「お、おなかいっぱいはもうカンベンテチィー!」

大げさに驚く仔実装たちの姿に笑い声が上がり、家族の新しい門出を祝う宴が始まる。
しかし持ってきた食べ物の中にわさびやカラシまでも含まれており
それがどういうものか知らないせいで、少しばかり苦しい目にあう思い出になった。

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1 Re: Name:匿名石 2022/05/17-01:56:50 No:00006499[申告]
このあと主に見つかって、死んだほうかマシと思われる程の虐待を受ける続編が読みたいです。
実装とは常に不幸を呼び寄せるww
2 Re: Name:匿名石 2022/05/17-03:16:32 No:00006500[申告]
実装が幸せになれるはずはないのでこの後酷い目にあうんだろうなあ
3 Re: Name:匿名医師 2022/05/17-14:50:38 No:00006501[申告]
ハッピーエンドじゃ終われないよね?
4 Re: Name:匿名石 2022/06/25-14:26:35 No:00006509[申告]
実装にしちゃあ根性があるし、わさびや辛子で許してやるよって気分半分
でも、やっぱり、捕まったり野良生活がきつかったりでこの日の出来事が最後の思い出になってほしいって気分半分
いいバランスだなあ
5 Re: Name:匿名石 2022/08/10-15:10:16 No:00006531[申告]
おもしろかった!
6 Re: Name:匿名石 2022/11/14-05:24:24 No:00006593[申告]
率直に言ってこの実装ども地獄のどん底に突き落としてあげたい
徹底的に肉体的な痛み重視で
7 Re: Name:匿名石 2023/03/12-19:12:13 No:00006909[申告]
何だろう物凄く惜しい感。
糞の結晶が出来るってアイディアと元高級飼い実装崩れが虎視眈々と隙を窺ってる感じはもの凄く好き
ファンタジーにしてもピッタリの鍵が生成されたり騒音や逃走に何も対策していない虐待派にピンと来ないというか…
糞結晶に水槽や窓の強化ガラスを割る秘めた力が実はあったとか、
虐待派の知人に投資話として勧められてまるでモノの様に自分達を扱ってる今の主人と
投資に失敗し無責任にショップに出戻りさせて今の環境に身落とさせた元主人に発奮し茨の道になるのは分かってても野良として苦境に旅立つみたいのでもよかったかも
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