タイトル:【虐】 分けるほど長くなかったか? 生き残れ!
ファイル:サバイブ!後編.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:5655 レス数:1
初投稿日時:2006/08/20-23:29:46修正日時:2006/08/20-23:29:46
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『よーし、約束の一週間だ。 約束通り、お前らを自由にしてやろう』
その日の朝、男は仔実装姉妹にそう告げた。
仔たちの隣の水槽では、母実装の亡骸が金串まみれになってまるで剣山の様になっていた。
3匹揃って遠慮なく○ッキーを貪った結果である。

「テェ・・・やっと・・・やっと自由になれるテチュ・・・」
末っ子はテェ〜っと息をついて天井を見上げた。
(ママ・・・天国のママ、見てくれてるテチュか? 私はこれからママの分まで幸せに生きるテチュ・・・どうか見守ってて欲しいテチュ・・・)
剣山と化した母の骸から目を背け、天国にいる(と信じている)ママに心の中で語りかける末っ子。
彼女は今頃映画でいうエンディングのスタッフロールが流れてるような心境だろう。 これでハッピーエンド・・・だと。

『んじゃ、お前らを拾った公園へ行こうか。 そこで開放してやるよ』
「・・・テェ!?」
その言葉に、末っ子が硬直する。 そして、自分が幸せ回路で勝手な未来予想図を組み立てていた事を悟った。

「テチュ〜? ニンゲンが私たちを飼ってくれるんじゃないんテチ?」
『悪いな、俺の財力じゃお前らみたいな「高貴な実装石」が満足できる生活をさせてやれないんだ』
「テププ、情けないニンゲンテチ! 何ならワタチが今度住むニンゲンの家でお前もペットとして飼ってやろうかテチュ?」
事態に気付いてない次女、長女が間抜けな事を言う。 長女の言う「今度住む家」も、すぐにもっといい人間に拾われると彼女が勝ってに考えた
空想の産物である。

「テ・・・テチャアアア・・・」
震える末っ子は理解していた。 親を失った仔実装が公園で生きていけない事を。
そして男はそんな事一言も言ってないのに、自由になる=家の中での自由=飼ってもらえると都合良く解釈していた自分を恨んだ。
(このまま公園に連れてかれたら、他の野良に食われちゃうテチュ! 何か・・・何かいい方法は・・・)
そこで末っ子は、思い切った行動に出た。

「ニンゲンさん! 私を・・・どうか私を飼ってほしいテチュ!!」
『は? 聞いてなかったのか? 俺じゃお前たちが満足できr』
「私気付いてるテチュ! ニンゲンさんがギャクタイハだって事!」
『・・・ほう?』
末っ子の言葉に、男が興味を示す。
「贅沢なんて言わないテチュ・・・むしろギャクタイされても構わないテチュ! だから・・・だからニンゲンさんのお傍に置いてくださいテチュ!!」

これは賭けだった。 今公園に放置されれば他の野良に殺される率が高い。 いや、男の誘導で馬鹿姉たち諸共、見せ物の様に野良の餌食にされるのは確実だ。
なら虐待で酷い目に遭ってでもココで一時的に生き残り、ほんの僅かでもチャンスを探る方が得策だと、末っ子は考えた。

『・・・まあいいだろう、お望み通り虐待してやるから覚悟しとけよ?』
「あ・・・ありがとうございますテチュ!」
何とか目前の死は回避できた末っ子。
問題は、今後待ち受ける虐待に耐え、この男の機嫌を取って飼い実装になれるか、あるいは隙を見つけて脱走出来るか・・・どれも難しいが。

「ギャクタイって何テチュ?」
「テププ・・・あいつはママみたいに虐められて死にたいらしいテチュ。 こんなに優しいニンゲンなのに、馬鹿な奴テチュ!」
「テプー! ワタチみたいに賢くなくて哀れテチ!」
自分たちに迫る死期に気付かず盛り上がる長女と次女。
そんな2匹を見て末っ子は「哀れなのはお前らテチュ」と、心の中でせせら笑った。


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『姉たちとの最後のお別れなんだから』と、男は長女と次女だけでなく末っ子も抱えて公園へ向かう。
末っ子にしてみれば『やっぱり捨てよっと』と公園に放り出されるのではないかと、不安いっぱいだ。

『さて、これは俺からの餞別だ』
公園の広場に来た男は、○ッキーの箱を改造して作った簡易リュックを2匹に背負わせる。 開封済みの○ッキーの中身入りだ。
「テチ! 気が利くテチュニンゲン♪」
「ボンビーにしておくにはもったいないテチュ! ワタチのドレイとして毎日お菓子を持ってくる事を許すテチュ〜」

やっぱりこいつらの死は確定だ・・・末っ子はそう思った。 親の居ない仔実装が甘いお菓子を背負ってウロウロするなど、まさにカモネギではないか。
『じゃあ、せいぜい頑張れよー』
男は末っ子を抱えたまま、軽く手を振ってその場を後にする。
次女はそんな男に手をふり返し、長女は早速○ッキーを夢中で食っていた。



『それじゃあ、姉の最後を見せてやろうか』
ある程度歩いた所でそう言うと、男は来た道を引き返して広場の手前で木陰に入る。

広場では、予想通りの展開が繰り広げられていた。

「デスゥ! 菓子デス! うまそうデスゥ!!」
「コンペイトウ? コンペイトウ? よこすデス! よこすデズァアア!!」
「テチャアアア!! 離せテチュ! これは高貴な私のお菓子テチュー!!」
「ボリボリ・・・うまうまデス! たまらんデッスゥー!」
「食べるなテチュ!! ワタチのお菓子に手を出すとボンビーニンゲンがただじゃおかないテチャアアア!!!」

長女と次女は、すっかり野良たちに包囲されていた。 野良の伸ばす手が、容赦無く2匹の背負った○ッキーを奪ってゆく。
無論、奪われるのは○ッキーだけではない。

「美味いデス! この菓子柔らかくてうまうまデスゥン!!」
「テギャアアアアア!? 私の手! 美しい私の手があああああああああ!!!」
「肉!肉! 美味いデス!たまらんデスゥ!!!」
「痛いテチュウウ!! ニンゲン!はやくこいつらを皆殺しに・・・ニンゲェェェェン!!!」
ボリボリゴリゴリクッチャクッチャ・・・
明らかにお菓子ではない、肉気のものの咀嚼音が辺りに響く。

「テェェアアアア!! ママ! 助けてテチュ! ママァァアア!!!」
「ママ!ママ! なんで助けてくれないテチュ! 愛するワタチのピンチテチ! ママ!マm・・・チュゲェェェ!!!?」
何が今更ママだ、この糞姉どもめ! ・・・そう心の中で呟く末っ子。
姉たちの悲劇を悲しむどころか「いい気味だ」といった顔で見つめる末っ子を見て、男は満足気に笑うと再び広場を後にする。

『さあ帰ろうか、俺たちの家に』
「テチュ・・・」
これから身に降りかかるであろう虐待に震える末っ子を抱え、男は帰路に着いた。


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「ママー! 遊んで遊んでテチュー!」
「あらあら、甘えん坊さんデスねぇ」
「ママー、ウンチ出ちゃうテチュー」
「ちゃんとトイレでするデスゥ? お漏らしは駄目デスよ!」
『よお、相変わらず忙しいなお前も』
「デスゥ・・・手間のかかる子ほど可愛いものデス、ご主人様♪」
『ははっ、一丁前に言うようになったなーお前も』

姉2匹の死後、家に帰った末っ子を待っていたのは、ごく普通の待遇だった。
我侭を言えば叩かれたが、それでも軽いデコピン程度。 虐待らしい虐待もされず末っ子は成体へと成長した。

その後、末っ子は子を産む事を強要された。
「ニンゲンは親子虐待が好き」だと聞かされていた末っ子は、子を産む事で虐待されるのではないかとオドオドした。 
しかし予想に反して子供にちょっかいは出されず、むしろ生まれて間もない仔実装たちの面倒を見てくれた事もあった。

今は部屋一つを丸々使わせてもらい、7匹もの子と幸せな毎日を過ごしている。 野良の様に外敵を恐れる事も無く、ニンゲンの加護の元でのびのび暮らせるのだ。
過剰な待遇を要求して事を荒立てなければ、この平和が崩れる事は無い・・・末っ子は、そう確信していた。



「ママーおやすみなさいテチュー♪」
「おねむテチュ・・・おやすみママ・・・」
「はい、お休みデスゥ♪」
その夜、末っ子は仔実装たちと布団に潜って横になりながら、今までの事を考えた。

ニンゲンは私にギャクタイしなかった・・・
それどころか、こうして大事に飼ってくれている・・・
私の魅力がニンゲンをメロメロにした? いやいや、そんな発想は糞虫のする事だ。
賢い私が気に入られた? それなら合点がいく。 その上私はママ想いで、今では子供想いの優しいママなのだ。
そう、私は「選ばれた」んだ・・・

今まで無能な実装が言う事だと、ママに厳しく言われていた「選ばれたと」という言葉。
しかし、今の末っ子には絶対の自信があった。 勘違いなんかじゃない、私はニンゲンに・・・ご主人様に選ばれたんだ、と。
「デプ・・・デププ・・・」
生まれてママに教育されて以来、したことの無かった含み笑いが出る。

(きっと私は世界一幸せな実装石デスゥ♪)
そんな事を思いながら、幸せいっぱいな明日を迎えるべく末っ子は眠りについた。




















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翌朝、目を覚ました末っ子は自分が丸裸にされて、板切れに固定されてる事に気付いた。

「デェェェェ!?」
しかもそこは水槽の中。 この水槽に末っ子は見覚えがあった。
これは、かつて自分の母が固定され拘束されていた水槽だ。

その外では母の声に何事かと、仔実装たちが目をこすりながら起きてくる様子が見える。 部屋自体は移動してない様だ。

『よお、お目覚めか?』
「デ!? ご主人様! これは一体何の真似デスゥ!?」
水槽の上からする男の声に、末っ子は声を荒げる。
『ん? 「上げ落とし」だけど』
「・・・デ?」
『実装石にいい目を見させた後、一気に待遇落としたり虐待する事だよ。 お前、そんな事も知らなかったのか?
 もう少し賢いかなーと思ったんだが・・・』

末っ子は愕然とした。 帰ってから既に虐待は始まっていたのだ。
一応警戒はしていたのだが、上げの期間が(実装にしてみれば)長かった事で、すっかり安心しきっていたのだ。

『お前が殺した母親と同じシチュエーションだ・・・楽しみだろ?』
「デェ!? 私がママを殺した!? 何言ってるデスゥ!!」
男の唐突な言葉に、末っ子は驚く。
その言葉を無視して、男は部屋にあるテレビとビデオデッキの電源を入れる。 再生ボタンが押され、映し出されたのは・・・

[甘いテチュ・・・チョコお菓子うまうまテチュン・・・♪]

「デェェエ!?!?」
そこには、暗闇の中で○ッキーをポリポリ齧る、幼き日の末っ子の姿があった。

『この部屋な、ビデオカメラが仕掛けてあったんだよ。 暗視仕様のがな』
「デ・・・デデ・・・」
『大した奴だよ、夜中こっそり○ッキー食っておいて、日中はママー頑張ってテチュー、だもんなぁ』
「違う! 違うんデスゥ! そう、ここに映ってるのは私じゃないデス! きっと馬鹿2匹のどっちかデスゥ!!」
『ふーん・・・でも実の親は見間違えるモンなのかねぇ?』

そう男が言った直後、テレビの画面が切り替わる。
そこに映ったのは、金串が刺さったままで眠る母実装の姿。

[デ・・・何の音デスゥ・・・?]
微かに聞こえる咀嚼音に気付いた母実装は、そっと目を開く。 そして、見てはいけない物を目にして愕然としたのだ。
[!!?!?! な・・・そんな・・・何故お前まで・・・]
母実装の目から流れ出す、赤と緑の血涙。 そしてミシミシと、何かが軋む音が僅かに聞こえる。

[そんな・・・ソンナ・・・お前だけは・・・・・・信じて・・・た・・・デ・・・・・・・・・](パキン
最後の偽石が割れる音と同時に、母実装は息絶えた。

「デ・・・ア・・・アアアア・・・」
『解ったか? ママに止めを刺したのは、お前だったって事さ ・・・さてと』
呆然とする末っ子を尻目に、男は目覚めた仔実装たちに歩み寄る。 プ○ッツと○ッキーの入った容器を手に。

「ニンゲン、おはようテチー」
「テ? ママはハダカで何やってるテチュ?」
「知ってるテチュ! あれはMSプレイって奴テチュ!」
何処かで見た様な仔実装たちの反応に苦笑しながら、男が仔実装たちに説明を始める。
『いいか? これからお前たちは・・・』


「デェェエエ・・・」
末っ子は男が自分にママと同じ事をしようとしていると気付き、恐怖した。 あの剣山の様になった母の姿が脳裏に浮かぶ。
だが、末っ子は直に冷静になり、余裕の表情すら浮かべた。

(あの子たちは私が愛情を注いで育てた子デスゥ・・・しかも賢い私から産まれた子供たちデスゥ?
 かつての馬鹿な糞姉どもと違って、あの子たちは私を苦しめる様な真似は絶対にしないデス♪)

だが、その考えは甘かった

「甘いテチュ! 甘いテチュン♪」(ポリポリポリ・・・
「チョコレート、うまうまテチュ〜♪」(ポリポリポリポリポリ
「デェェェエエエエ!!?!?」
男の合図と同時に、仔実装たちは一斉に○ッキーに飛びついたのだ。 無論、「コレを食べたらママに金串を刺す」という説明は聞いている。

『という訳で、残念だったな』(ブスブスグサグサブスリッ
「デべギャアアアアアアアアアアアアア!!!」
『自分の子だから賢いとか、愛情持って育てたとか、そういうのは関係ないんだよ
 ・・・お前さ、自分が仔実装だった頃に親に厳しく教育されてたんだろ?』
あまりの痛みに糞を漏らしながら、男の言葉にはっとなる末っ子。

そう、末っ子はかつて馬鹿姉たちと一緒にママから厳しく躾けを受けていた。
痛いのは嫌だが、ママに褒められるのは好きな末っ子は、いっぱい努力してその期待に答えた。
その一方で、怒った時のママは大嫌いだった為、その頃の記憶を都合よく隅に追いやっていたのだ。

「テププ・・・ママ、ウンチ漏らしてるテチュー♪ きちゃないテチ♪」(ポリポリポリポリポリ
「やめるデスお前たち! ママが・・・お前たちを愛してるママが死んでもいいんデスゥ!?」
「別にママがいなくてもニンゲンが餌をくれるから構わないテチュ♪」(ポリポリポリポリ
「ママはブサイクだから刺されてウンチ漏らすテチュ! 美しいワタチは永遠に可愛がられて、キャビアやフォアグラ食い放題テチュ〜♪」

所詮は実装石。 躾をせずに甘やかしっぱなしになれば、ママも単なる同居人に過ぎなくなる。
しかも男から餌を貰ったり遊んでもらう機会が多かった事もあって、仔実装たちにはニンゲン>ママの構図がしっかり出来上がっていたのだ。

3匹の仔実装の母は、全ての仔に裏切られて、絶望の中ストレスで息絶えた。
だが、この末っ子は母とは全く違った性格をしていた。

「ふざけんなデス・・・こんな糞仔どもの為に・・・デボッ! 死んでたまるか・・・デスゥ・・・」
体を次々と串刺しにされながら、末っ子は絶望どころか鬼の形相を浮かべていた。


「生きるデス・・・私は・・・デビッ! ・・・何がなんでも生き抜いt・・・・・・デゲッ!?」
末っ子の体が一際ビクンと震える。 同時に、これまでに無い勢いで総排泄口から糞が漏れ出す。

『あーあ、もう少し楽しめるかと思ったら・・・もう「当たり」引いちゃったかー』
胸の中心に刺された金串。 それが末っ子の持つ偽石にクリーンヒットしたのだ。
「ア・・・アガガ・・・デ・・・ガ・・・」
『仕方ない、ルールはルールだからな』
男が力を入れると、ずぶずぶと金串が偽石に沈んでゆく。


「イヤ・・・デズ・・・ワたジ・・・いきノビ・・・・・・ゼッタい・・・イ゛キ・・・デ・・・・・・・・・ママ゛・・・」

パキン!


末っ子の生への執着も空しく、その偽石はあっさりと貫かれ、体内で真っ二つに割れた。



− − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − −


『中々興味深い実装石だったが・・・まあこれも運だな』
男はため息をつくと、末っ子の死骸の片付けに入る。
その後ろで騒ぐ、7匹の仔実装。

「ニンゲン! そんなママはほっといて、もっとお菓子持ってくるテチュ!!」
「ステーキは? フルコースはまだテチュ?」
「もっと食わせろテチュ! 食わせろテチィー!!」

『・・・こいつらどうしよう?』
母親に比べたら、面白味も何も無い糞仔である。 男には今更どうにかする気も起きなかった。
少し考えて、男はこの先使う予定だった○ッキーを数箱抱え、仔実装たちに告げた。


『狭い家は飽きただろ? 外に・・・公園にでも遊びに行こうか』
「「「テチュ〜♪ オ・ソ・ト! コ・ウ・エン!」」」


・・・こいつらの処分のついでに新しい獲物が見つかればいいな、と男は思った。

− − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − − −

【終】

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1 Re: Name:匿名石 2019/03/25-22:52:48 No:00005817[申告]
糞虫らしい良いエピソードだった
ざまあねえぜ!
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