タイトル:【虐】 痔っ装石
ファイル:【虐】痔っ装石.txt
作者:ジグソウ石 総投稿数:41 総ダウンロード数:2026 レス数:5
初投稿日時:2017/06/24-21:43:53修正日時:2017/06/24-21:46:47
←戻る↓レスへ飛ぶ

 ※実装石の台詞は全てリンガルを通して翻訳済みとしてお読みください。

 俺は実装石専門の闇医者である。

 “闇”といっても別に非合法な治療行為をしているわけではなく、ましてや中二病的な意味でもない。(そもそも虐待行為が法に触れない実装石への非合法な行為など存在しないのだが)

 事故などで潰された飼い実装の偽石と脳だけを抜き取り、公園の元気な野良実装の体と入れ替えて復活させたり、虐待派の依頼でムカデ人間ならぬムカデ実装を作ってみたり、
表立って経営している病院のような一般的な治療行為は行わず、実装石への非実道的な医療行為というか、多少背徳的な医療行為を行っているのだ。

 そして医者とはいえ、非実道的な行為を行っているあたり、愛護派では決してない。むしろ虐待派であり、実装石の肉体を切り刻んだり縫い合わせたりするのが大好きで、
その趣味が高じて闇医者じみたこともするようになっただけだ。

 今まで様々な実験を行い、様々な“作品”を作ってきたが、その中にはもちろん数多くの駄作や失敗作もあった。
今日はそのうちの一つをご紹介しよう。


-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 痔っ装石


 実装石という生物は肉体の脆弱さを補って余りあるほど再生能力が高く、虐待で精神を削りでもしない限り、滅多なことで死ぬことはない。
にもかかわらず、ペットとして飼育するにはハードルが高いとされているのはなぜか。
それは少しでも甘やかせば糞蟲化する腐った性根のせいもあるのだが、それと同時にトイレの躾《しつけ》が非常に難しいからである。

 野良実装においては基本的に糞を手に取ることに嫌悪感はなく、ゴリラなど一部の類人猿に見られるのと同じように、威嚇《いかく》のために自らの糞を敵に投げつけるという習性がある。
飢えに苦しんだときには食糞行動に及ぶことも珍しくないし、ショップで売られている飼い実装ですら、トイレシートの上に座り込んで糞をぶちまけつつフードを食うような個体も多い。
つまり、およそ衛生観念などとは程遠い不潔な生き物なのだ。

 もちろん『糞は汚いもの』と認識するよう、産まれたときから刷り込みを受けた個体についてはその限りではない。
野良実装を拾ってきて飼い実装にする場合であっても、『高貴な飼い実装は糞など触らない』というふうに、実装石特有の傲慢さや自尊心を巧みに利用しての刷り込みは効果的だ。
だがそれゆえに、機嫌をとりすぎて糞蟲化させることなく、かといって虐待じみた躾も行わずに、『トイレ以外の場所で糞を漏らすのは汚いこと』と教え込むのは実に骨が折れるのである。

 さらに糞を汚いものと認識するようになった飼い実装であっても、そもそも実装石という生物は毎日自分の体積を超えるほどの糞をひり出すデタラメ生物である。
それゆえトイレの躾が上手くいったとしても、大量の糞の処理に辟易《へきえき》して実装石を捨てる飼い主も多くいる。
他にも、簡素なダンボール箱で作ったハウスに自作のトイレを設置したものの、飼い主が仕事から戻ってみたら仔実装が糞の海で溺れ死んでいたなどという悲劇も珍しくはない。

 実装石の糞が不快なのは臭《にお》いだけでなく、音も非常に不愉快だ。
ある愛護派はワンルームマンションで十石近い実装石を多頭飼いしたところ、一日中ブリブリビチビチという汚い音に悩まされる羽目になった。
そして飯が喉を通らなくなった挙句にノイローゼを発症して、飼っていた実装石を全て叩き潰したという。

 そこで俺が考えたのは、『糞をする』という行為そのものを嫌がる実装石を作り出せないかということだった。
糞をすること自体を嫌がるようにすれば、必然的に食べる量も出す量も少なくなり、飼い実装の健康のためにも(飼い主の懐のためにも)いいのではないかと思ったのである。

 虐待派の俺が愛護派のための商品を作るなど意外に思われるかもしれないが、そう思った人はまだまだ俺という人間を分かっていない。
俺は基本的に虐待派を喜ばせるための商品を開発することが多いが、愛護派のための商品も今までいくつか世に送り出しているのだ。
ただし……その手の商品は消費者の使用時に虐待を伴うのではなく、開発・量産時に虐待じみた行為を伴うことが多く、俺が楽しめるというメリットがある。

 ここまで言えばもう予想がついた人も多いだろう。
俺が考えた『糞をするのを嫌がる実装石』を作る方法というのは、つまり実装石を『痔』にすることである。
人間でも痔を患《わずら》っていると、排泄行為そのものが嫌になる。
それと同じように、いくら食い意地の汚い実装石であっても、排泄時に激しい痛みを伴うようになれば嫌でも食事を控えるようになるのではないかと考えたのだ。

 とはいえ、これはなかなか簡単なことではない。
人間にも幼児の頃には肛門期と呼ばれる期間があり、排泄によって快楽を得ることでストレスを軽減したり、食べたら出さなければいけないという生物としてのルールを覚える時期がある。
実装石もそれと同じように、排泄に伴う快楽によっていわゆる“パキン死”から命を守っているのだ。(それこそが、実装石が事あるごとに糞を漏らす理由でもある)
脱糞による快楽を奪うこと自体は簡単だが、あまりやりすぎても偽石が崩壊して死んでしまう。

 まずは糞をすると激痛が走るようなダメージを総排泄孔に与えつつも、そのときのショックでパキン死しないギリギリの境を見極めないといけない。
とりあえず、俺は実験用に飼っている実装石を使って実験してみることにした。



 ラボ(といっても壁一面に実装石の入ったケージや水槽が並べられただけの部屋なのだが)に入ると、赤と緑の無数の目が俺に向けられた。
どの目も恐怖に満ち、ガタガタと震えながらパンコンしている者がほとんどだ。
今までさんざん目の前で同属が惨たらしく切り刻まれるのを見てきたせいで、俺という人間に対してもはや怯えの感情しか湧いてこないのだろう。
皆、一様にケージの一番奥で縮こまり、自分が次の犠牲者に選ばれないよう精一杯存在感を消そうとしていた。

「ふん……どいつもこいつも、すっかり大人しくなったもんだな。公園から攫《さら》ってきたばかりの頃はデギャアデシャアと威嚇《いかく》の声がうるさかったもんだが」

 反抗的な個体は糞を投げつけてくる可能性があるため、アクリル張りの水槽に入れなければならないが、どの個体も俺にビビりまくっている今ではほとんどがウサギ用のケージにいる。
逆にそういうのは痛めつけてもあまり面白くないので、俺はなるべくここに来て日の浅い、まだ反抗心を失っていない者が入った水槽のほうから一匹の仔実装をつまみ出した。
この実験に仔実装を使うのは、ペット用の実装石もまた仔実装であることが多いからだ。

「ヂィィィィィ!」

「お? なかなか元気がいいな」

「ヂシャァァァァ! ヂシャァァァァ!」

 仔実装は涙目のくせに、なんとか俺から逃れようと必死の形相で牙を剥いている。
だが全長20cmにも満たない仔実装など、頭を両側からつまんで持ち上げてしまえば何もできない。

 俺は机の引き出しを開けると、中から棒ヤスリを取り出した。
かなり目が粗く、まるで魚の鱗のようにささくれ立ったものだ。

「テェェッ! な、ナニをするテチィ!」

 仔実装の体を机に置かれたまな板の上に押さえつけ、パンツを脱がせて総排泄孔に棒ヤスリをゆっくりと挿入していく。

「テヒィッ!? テ……テテ…………テッチュゥ〜ン♪」

 仔実装が気色の悪いよがり声を上げる。
この棒ヤスリは通常のものと違い、押すのではなく引くことで削れる特注品なので、挿《い》れていく分には抵抗がないのだ。
ゆっくり挿入したのは糞が溢れるように噴き出すのを嫌ったからなのだが、たった一瞬でも実装石に快楽を与えてしまったことにヘドが出そうだ。

 一刻も早くこいつに地獄の苦しみを味わわせてやりたい。
そう思った俺は仔実装の下半身を少し強めに握って左右から圧迫すると、棒ヤスリにひねりを加えながら思い切り引き抜いた。

 ———— ごりぃっ! ————

「ヂュギェアァァッ!?!?!?」

 総排泄孔の内壁、人間でいう膣の肉をこそぎ取られ、途端に仔実装が激痛の悲鳴を上げる。
まだ腰を圧迫しているので血がわずかに滲み出しているだけだが、この手を緩めればどうなるか。
総排泄孔から糞が漏れ出し————

 ———— ブビビッ! ブバッ! ぶりぶりぶりぃっ! ————

 ああ、何度聞いても不快な音だ。
すでに頭を持っているので手が汚れることはないが、これが嫌なんだよ実装石ってやつは……。

「チュグワァァッ! テチャッ!? テヂャァァァァッ!」

 ズタズタになった傷口に発酵した糞が沁みるのだろう、仔実装はまるで水揚げされた魚のようにビチビチと跳ねながら机の上を転げまわっていた。
こいつは元・野良実装だから当然だが、自分の手が糞で汚れるのも構わずに必死で総排泄孔を押さえている。
それでも糞を漏らす=『快楽』に結びついた身体はそう簡単に条件反射を止めてはくれない。
糞を漏らせば漏らすほど痛いのに、自分の意思でそれを止めることができないのだ。

 仔実装はこれだけでも発狂せんばかりに悶え苦しんでいるが、まだまだここで終わりではない。
いや、むしろここからが始まりといってもいい。
この実験にはもう一つ、大事なプロセスがあるのだ。
それは、傷ついた総排泄孔の内壁が再生しないようにすることである。

 実装石のダメージを回復させない方法として、一番簡単なのは火傷を負わせることだ。
総排泄孔に半田ごてでも突っ込んで熱してやれば、一瞬にして内部の肉壁が焼け爛《ただ》れて再生しなくなるだろう。
だが、今回の実験に限ってこの方法は使えない。
なぜならその方法を用いると総排泄孔が溶接したかのようにぴっちり閉じられてしまい、糞が出せなくなってそのうちパンクしてしまうからだ。
この実験はあくまで『自らの意思で脱糞を嫌がる実装石』を作るのが目的であって、糞を出せないようにするだけならその辺のにわか虐待派でもやっている。

 半田ごてなどで火傷を負わせられない理由はもう一つある。
仮に総排泄孔がくっ付かないようにクスコか何かで開いて焼いたとしても、焼かれた部分は神経が潰れて感覚を失い、糞をするたびに激痛が走るようにするという今回の目的からは外れてしまうのだ。
粘膜は爛《ただ》れて神経がむき出しになったまま、なおかつ傷がいつまでも再生しないようにする必要がある。

 その方法として一番いいのは、やはり人間の痔を悪化させるのと同じく『刺激物』————すなわち辛いものを用いることだろう。
そのために、俺はこの実験を始める前に様々な香辛料や刺激物を用意しておいた。

 数本の注射器の中に定番のワザビやカラシ、ラー油はもちろん有名なデスソース、さらに最近発見されたという“ドラゴンの息”と呼ばれる究極の辛さを持つ植物をすり潰したものが入っている。
これを総排泄孔から注入し、傷口を爛《ただ》れさせてやろう。

「さて……どれから試そうかな? 強力なやつから順番にいくか、それとも刺激の弱いやつからいくか……」

 うーん、ここはやはり強力なほうからいくかな。
下からいってボーダーラインが分かってしまったら、最強のほうを試さずに終わってしまう。
ならば強力なほうから試して、下のラインを探したほうが面白いだろう。

 俺は“ドラゴンの息”の入った注射器を手に取ると、まだ悶絶している仔実装の総排泄孔に先端を挿入し、中身を一気に注入した。

「テッ………………テギャァァァーーーーーーーッ!!!!!!!!!!」(バギャン!!!)

「うおっ!?」

 仔実装はもの凄い悲鳴を上げると、一瞬で偽石を崩壊させて絶命した。

 それにしても今の音は凄かったな……。
パキン死するときに偽石が砕ける勢いは苦痛の大きさに比例するというが、こいつの体内で一体何が起こったんだ?
気になった俺は、死んだ仔実装を解剖してみることにした。

「うおぉ……熱いな」

 死んだ仔実装の腹を裂いて内臓を見てみると、糞袋の中身がカイロのように熱を放っていた。
おそらく“ドラゴンの息”の刺激が、発酵した糞をさらに暖めたことによるものだろう。
それにしても凄いなこれ……人間でも食べたら死ぬというだけのことはある。

 砕けた偽石の欠片を探してみると、相当の勢いで砕け散ったのだろう、破片があちこちの臓器や筋肉に突き刺さっていた。
一部は脚や頭部のほうにまで食い込んでいたばかりか、脇腹の皮膚を突き破って外に出ていたものまである。
うーん、最初から予想していたとはいえ、やはり“ドラゴンの息”はオーバーキルだったか。

 とはいえ、一度や二度の失敗で懲《こ》りる俺ではない。
というよりも、これが一番楽しい時間なのだから失敗とすら言えない、むしろウェルカムな結果だ。
俺は気を取り直すと、別の個体を水槽から引っ張り出して同じ処置に入った。

「テヂャァァァァァァッ!!!!!!!!」(パギィン!)

「ヂギィィィィィィッ!!!!!!」(パキャン!)

 “ドラゴンの息”に始まり、次にデスソース、唐辛子と、刺激物を辛さの指数順に次々と試していく。
そしてようやく仔実装がパキン死しないギリギリの食材、ラー油を突き止めたところで実験の第一段階は終了した。

「テヒィィ……テヒィィィ……」

 発狂死する一歩手前で寸止めされた仔実装は、身体をビクンビクンと痙攣させながら荒い息を吐いている。
ズタズタにされた総排泄孔はラー油の刺激で腫れ上がり、いかにも痛々しい状態だった。



 食べた餌のカロリーで総排泄孔が治癒しようとするたびに再びヤスリで傷を開かせ、ラー油を注入する。
そんなことを数日繰り返すと、仔実装の総排泄孔は腫れ上がったままりになり、雌チンパンジーの性器のようにビラビラが外にはみ出してしまっていた。
そして————

「ヂィィーッ! ヂギャァァァァッ!」

 仔実装が股間を押さえながらエビ反りになって悶絶している。
今日もまたモリモリと大量の糞を排泄し、それが腫れ上がった粘膜を刺激して激痛に苛《さいな》まれているのだ。

 一週間近くも経てば、知能の未発達な仔実装でもさすがに食うこと=排泄=激痛という図式は頭の中で理解できている。
実際に仔実装の食は細くなる一方で、見た目にも分かるほどげっそりと痩せてきた。
それなのにどうしてここまでたくさんの糞が出るのか、その秘密はこれだ。

「かなり参ってるみたいだな。傷を回復させるためにもしっかり糖分摂っとけー」

 そう言いながら、俺は一粒のコンペイトウを水槽の中に落としてやる。

「チィィ……いらないテチ……ゴハン食べたらまたウンチがイッパイ出てイタイイタイテチィ……」

「そうは言うがな、食べないといつまで経ってもその傷は治らんぞ? なるべく少ない量でたくさん栄養が摂れるようにコンペイトウにしてやってるんだ。ありがたく食え」

「テェェ……」

 仔実装はなかなかコンペイトウに手をつけようとしない。
頭の悪い仔実装が甘味の誘惑に耐えているというだけでも、こいつがどれほど食餌に懲《こ》りているかがよく分かる。
しかしやはり空腹には勝てないのか、二時間もすると遠慮がちにコンペイトウを舐めはじめた。

「テスー…………テスゥ…………」

 半分ほど残してはいるが、コンペイトウを食べて少し空腹が紛れたのだろう、仔実装はようやく落ち着いたのか、すやすやと寝息を立てて眠ってしまった。
だが次の瞬間、仔実装の腹がまるで妊娠したかのように盛り上がり————

 ———— モリッ……モリモリッ…………ぶりっ……ぶびびぃっ ————

「テギャァァーーーッ!?!?!?」

 きばりもしないのに総排泄孔から大量の糞がひり出され、仔実装が悲鳴を上げて飛び起きる。
これは俺が食べさせたコンペイトウ型の薬剤————実装ドサリの効果によるものだ。
実装石にはめったにないことだが、便秘になった飼い実装のために開発された……要は下剤である。

 いやぁ……本当に仔実装の悲鳴というものはいい。
特にさほど糞蟲でもない善良な仔実装の、『どうして私がこんな目に?』という悲哀を帯びた表情は、ロリコンやショタコンが見出す『穢《けが》れなきものを汚す快感』にも通じるものを感じさせてくれる。



 こうして半月ほどにわたって仔実装の苦しむ様を堪能したところで、いよいよ実験の最終段階に入る。
傷ついた総排泄孔を再生させ、通常通りの実装石に戻す作業だ、

 俺は眠っている仔実装の身体を持ち上げると、パンツを下ろして総排泄孔を剥き出しにした。
すっかり肥大化したビラビラは醜いことこの上ないので、まずはこれを切除することにする。

 俺が机の引き出しから取り出したのは、医療器具ではなくプラモデル用のニッパーだった。
それを使って胴体のラインからはみ出したビラビラを挟み————

 ———— ぶちっ ぶちっ ぶぢんっ ————

 プラモのゲート(ランナーとパーツを繋いでいた部分の残り)を処理するのと同じように切り取った。

「ヂギャァァァッ!?」

 眠っていた仔実装が激痛で目を覚まし、手の中でジタバタと暴れる。
だが、今までのように糞を漏らしたりはしない。
糞を漏らせばさらなる激痛に見舞われるのが身に沁みて分かっているので、括約筋を極限まで緊張させて耐えているのだ。
うん、訓練の成果が出ているな。

 すぐに糞を漏らす癖が矯正されているのを確認したところで、次は傷の治療に入ろう。
まずは注射器で総排泄孔の内部に蜂蜜と実装活性剤を混ぜたものを注入する。

 ———— ジュゥゥゥゥゥゥゥ…… ————

「テェェェェ…………」

 人間ならば軟膏などの薬を使っても完治まで数ヶ月はかかるところだが、実装石はエネルギーになる糖分と偽石の力を引き出す活性剤があれば全てが解決する。
あとはタッパーに栄養剤を注いで下半身を浸しておけば、丸一日もあれば傷が完治するだろう。

 そして、次の日には仔実装はすっかり元気になっていた。
痩せ細っていた体は蜂蜜の栄養分を吸収したおかげで元に戻り、醜く爛《ただ》れていた総排泄孔も綺麗に治っている。
同じ処置をしていた数匹の仔実装と一匹の成体実装も治療は終わり、実験は成功したかに思われた。
だが…………



 先に言っておくと、処置そのものは完璧だった。
総排泄孔に傷を負わせ、脱糞という行為に対して恐怖心を植え付け、最後に傷を治療する。
その過程で仔実装たちの苦しむ姿を存分に楽しむところまで含めて、全ては俺の意図したとおりに進んだのだ。
ただ一つだけ予想外のことがあったとすれば、それは被検体の実装石たちに植え付けられたトラウマの大きさが、俺の想像をはるかに超えていたことである。

「ほら、早く出せって。もう糞をしても痛みはないんだって」

「デェェ……イヤデスゥ。ウンチしたらまたオマタがイタイイタイデスゥ」

 青白い顔をした成体実装が、俺の前でガタガタと震えていた。
まるでカエルのように腹を膨らませ、歯をガチガチと鳴らしながら必死で便意に耐えている。

「だから大丈夫だって言ってんだろ! お前もあいつらみたいになりたいのか?」

 俺が指差した方向には、上半身だけになった数匹の仔実装がぴくぴくと痙攣《けいれん》していた。
排泄を我慢しすぎた挙句に糞とガスの圧力で腹が裂け、破裂すると同時に下半身が吹き飛んだのだ。
中にはそのときの痛みとショックで偽石が崩壊し、死んでしまった者もいる。

「ああなったら股が痛いどころじゃ済まないんだぞ。下手をすれば死ぬ」

「イヤデスゥ……またあんなイタイ思いをするぐらいなら死んだほうがマシデスゥ……」

「だからなぁ…………」

 先ほどから俺と成体実装の会話は完全に堂々巡りしていた。
成体実装は傷が治っても糞をすればまた激痛に襲われると思い込んでいるし、身体が破裂する痛みはそれに数倍するということも想像できないのだ。

「ああもう、こうなったら力づくで押し出してやる!」

 俺は成体実装を押し倒し、腹を圧迫して無理やり糞を押し出そうとした。

「デヒィィーッ! や、やめてデスゥーーッ!」(パキン!)

「あ」

 身体が破裂するよりも前に、成体実装は恐怖で偽石を崩壊させて絶命してしまった。
それと同時に総排泄孔が弛緩《しかん》し、大量の糞が床にぶちまけられる。
本当に参った……まさか痔でここまで深い恐怖が刻まれてしまうとは。



 その後、何匹かの実装石に同じ処置を施してみたものの、その全てが先ほどの連中と同じ末路を辿った。
糞を我慢しすぎたあまりに破裂して死亡する者、我慢できなくなって糞を漏らした瞬間にパキン死する者、ことごとく飼い実装としては失格レベルの障害持ちだ。
食餌の量も糞の量も控えめにするのが目的だったのに、これでは総排泄孔を接着剤で塞いだのと何ら変わりない。

 つまるところ、俺が作り上げた『痔っ装石』は完全な失敗作だったのである。
下半身が吹き飛んで生き延びた者も何匹かはいたが、回復してもまた同じことを繰り返すのだからどうしようもない。
餌をやり、糞が溜まるたびに破裂して糞と内臓をぶちまける飼い実装など、トイレの躾《しつけ》ができていない者よりもなおタチが悪いではないか。
どんなスプラッター爆弾だ。

 そんなわけで、今回の実験は失敗に終わった。
だが、こんなことで俺は挫けたりはしない。
実装石という生物にはまだまだ無限の可能性が秘められているのだ。
その鉱脈を掘り尽くすまで……否、掘りつくした穴が地球を貫通して新たな鉱脈に達するまで、俺は実装石という生物を研究し続けるだろう。


-END-


-------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------------
 あとがき


 久しぶりの投稿でございます。

 前回の作品からすっかり間が開いてしまいました。
予告していたはずの未公開作品も投稿せず、お待たせして申し訳ありません。
この作品の最後でも書いたように、実装石への情熱が冷めてしまったというわけではないのです。
ただ実装スクが“裏”の活動とするなら、今年に入って始めた“表”の活動が忙しかったため、なかなか書く暇がとれなかっただけで……。



 とはいえ、書きたいと思いつつも書くネタがもうないというのも事実でした。
そんなとき、最近jqjsさんが製作してくださったゲームがまた新たなインスピレーションを与えてくれたのです。
もうね、多頭飼いしたときのブリブリブビブビという音の不快なこと不快なことwww

 名前が緑にならない(トイレシート以外の場所でも糞をする)やつを、「てめぇそこで糞すんなっつってんだろうがぁ!」と叫びつつキックする爽快感、
何度デコピンで躾けてもパンツ穿いたままモリモリ糞を漏らすやつを首コキャして叩きつける開放感、全てがたまりません。

 逆に、いつ餌をやってもちゃんとフードを食べる(普通お腹がいっぱいのときはコンペイトウしか食べない)優秀なやつは
虐待派のはずの私がなぜか可愛がってしまったり……実に遊び応えのあるゲームです。

 さらに画像板のほうでも素晴らしい作品がいくつも投稿され、今回のラー油をはじめとした刺激物×糞=痔という作品を思いつくきっかけになりました。
こうやって様々な分野の作者様方が影響を与え合うって、本当にいいものですね。

 次回作の構想はまだありませんが、まだまだ頑張りたいと思います。

■感想(またはスクの続き)を投稿する
名前:
コメント:
画像ファイル:
削除キー:スクの続きを追加
スパムチェック:スパム防止のため8967を入力してください
1 Re: Name:匿名石 2017/06/25-00:08:32 No:00004756[申告]
凝った技術で毎回唸らされる
失敗オチもワロタ
2 Re: Name:匿名石 2017/06/25-04:37:38 No:00004757[申告]
実装石ってやつには適切、バランスというものを学ぶ機能がないらしい
3 Re: Name:匿名石 2017/06/25-15:26:58 No:00004758[申告]
ウンコの神様のオマージュか
4 Re: Name:匿名石 2018/07/18-08:45:25 No:00005508[申告]
2回目感想書くけど痛そうで良いw
5 Re: Name:匿名石 2018/07/18-18:59:03 No:00005509[申告]
これ処置を終えた糞蟲の偽石を活性剤に漬けた状態で
ドドンパ与えて強制排泄させたらどうなるかなw
戻る