三代記 〜女一代 波乱の実装生 前編〜 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− ワタシが生まれたのは、薄暗い公園のトイレの中だった。 もちろん、その時にはそんなことは判っていなかったし、わかる必要も無かった。 ただ、この世界に生まれ出ることを望んだ。 ずっと、ママと一緒にいることを願った。 ただ、ただ、幸せな時間が待っていると信じていた。 ママがとても大変な思いをしてワタシをお腹の中で守ってくれた。 ワタシは…ワタシは…ママと同じ世界に生まれるのだと思った。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 暗い暗い世界でワタチは生まれる時を待ち続けた。 それは、とてもとても長いまどろみの時間… ママの優しい歌が、言葉がイッパイ聞こえた。 「早く生まれてくるデス♪元気に生まれてくるデス♪」 「カワイく生まれた仔は、ニンゲンに物を貰えて幸せになれるデス… 賢く生まれた仔も、ニンゲンに飼われて幸せになれるデス… 元気に生まれた仔も、ニンゲンに遊んでもらえて幸せになれるデス…」 外の世界はどんなのだろう?ニンゲンって何だろう? ママは、それをイッパイイッパイ聞かせてくれた。 そして、イッパイイッパイ夢を見た。 ママと一緒に明るいお外で遊ぶ夢… ママと一緒にお腹イッパイにお菓子を食べる夢… ママと一緒にフカフカお布団で眠る夢… そして、ワタシは生まれた。 ポチャン… 「レチィィィィィレッチィィィィィ♪」 外に出たと思った瞬間、ワタシは喜びを表現した。 (ママー!ワタチ生まれたよ♪)って… でも、最初は怖かった。 暗い世界から明るい世界に飛び出した瞬間、お水の中に落ちたから… とっても冷たくてヌルヌルして、周りがよく見えないお水の中。 (おぼれるおぼれるレチ) ワタチは懸命に体を動かした。 一生懸命に体を動かした。 でも、ぜんぜん思うように動けない。 プハァ… 自然と頭がお水から出ていた。 まだ、よく見えない…息もできない…ネバネバした物が邪魔してるんだと思った。 ワタチは、一生懸命に手足を動かしたけど、ぜんぜんネバネバが取れなくて、 ワタチは、息がしたくて、一生懸命に舌を突き出した。 すると息ができるようになった。 イッパイイッパイ息を吸う。 思ってたのよりクチャイニオイのする空気だった。 レロレロレロ… 舌でイッパイハッパイ、ネバネバを舐める。 オイチイ…ネバネバ、オイチイ… 夢中でネバネバを食べていると、お外がよく見えるようになった。 お外は、思っていたよりぜんぜん暗かった。 目線の先にはママの足が見え、ポチャポチャと何かが落ちている。 コレが妹達だってすぐにわかった。 わかったワタチはきっと賢いんだと思った。 「レチュ〜ン♪」 水面に、妹達も浮かんでくる。 一生懸命に舌を伸ばしてネバネバを取っている。 頭の下はプクッとした体で、手足が無い様に見えた。 ワタチも同じ格好なのかな? そうしていると、ママの大きなお顔が見えて手が伸びてきた。 ワタチが一番にママの手に抱かれた。 ワタチはとってもうれしくて、ママの手の上で体をイッパイ動かした。 「ママー、うれちいテチュ♪」 ママは、大きな舌でワタチの体をコチョコチョしてくれた。 ワタチはイッパイイッパイうれしくて、イッパイイッパイ「ママー♪」って呼んだ。 でも、ママはすぐにワタチを冷たい床に降ろして、下を向いて妹を引き上げちゃった。 ワタチはママに構って欲しくてイッパイ泣いて、イッパイ体を動かした。 でも、とっても疲れたので休んでいたら、体がピクピクしておっきくなってくるのがわかった。 ドキドキしてくる。 ママが妹を隣に降ろすのがわかる。 「テチュ〜♪」 ワタチと同じく、喜んで転がっている。 手を伸ばしてナデナデしてあげようとするけど、ぜんぜん手が見えない。 「テチュー…」 ワタチのドキドキは止まらなくて、少し妹が小さく見える。 「レチュレッチィー♪」 また、妹が降りてくる。 だんだん、頭がはっきりしてきた。 ママがとっても忙しそうなのが見える。判る。 「レチレチ…テチテチュ…」 妹達がとってもかわいく見える。 当たり前だ、ママの仔で、ワタチの妹なんだからきっと可愛いに違いない。 もう一度手を伸ばすと、今度は目の前に手が見える。 ワタチの手だ! ワタチの手が伸びた。 きっとワタチが可愛いから伸びたんだ。 かわいい妹をナデナデ出来る。 ママを呼んで泣いていた妹が、ワタチの手に体を擦り寄せて喜んでいる。 ワタチも「カワイイ、カワイイ」と声をかけながら持ち上げたりする。 抱いていると妹の体が重くなってくる。 手足がムクムク伸びて気持ち悪いのでほうり捨てて、ちっちゃい妹を抱っこする。 イッパイ、イッパイ、妹がいる。 どんどん妹たちは大きくなる。 ワタチときっと同じに違いない。 さかんにワタチにしがみついてきたりして甘えてくる。 ワタチがお姉ちゃんなんだ。 一番最初に生まれて、一番最初にママに選んでもらって、 きっと一番可愛くて、一番賢いからお姉ちゃんなんだ。 ワタチはイッパイ妹達を可愛がった。 いつまでたっても大きくならない妹や、変な形のまま体が膨らんだ妹もいる。 ワタチは賢いから判る… オヤユビチャンにウジチャン…形は違うけどみんなカワイイ妹達だ。 ワタチが頭を撫でると、どの妹もワタチに抱きついて可愛く答える。 ママに次いでワタチに甘えてくる。 ワタチが面倒を見ていると、ママはワタチの頭を撫でて「賢い仔デスゥ、ワタシに似たんデス」 ママは、そういって優しくワタチを抱き上げて、レロレロと身体を舐めてくれる。 ベタベタする感触が取れて気持ちよかった。 とてもうれしかった。 ママは、ワタチがモットモットとねだったのにすぐにワタチを降ろして、妹を持ち上げてしまう。 ワタチはイッパイイッパイ、妹達の世話をした。 そうすると、また、抱っこしてくれると思った。 妹達も盛んに誰かを世話しようと必死だ。 手足の使える妹達が、盛んに寄ってきてワタチを世話しようとする。 「世話するのはワタチテチュ!ワタチがお姉ちゃんテチュ!ワタチがするテチュ!」 しつこいので1匹を突き飛ばし、1匹を殴りつけた。 「テペ!テチァァァァ!テェ〜ン…」 殴りつけたヤツは、頭が変な形になって、首をカクカク変な動きをさせて泣いている。 こんなヤツは、ワタチの妹じゃない! なれなれしくワタチの体に触るのが悪いんだ。 ワタチの力を見せるんだ。 ワタチはママの仔だ…こんなヤツぐらいやっつけてやる。 ポコ、ペチ、パチ… 「テェェェェェン、テチィ!テァ!テェ〜ン」 何か臭いニオイがする。 コイツ、キタナイ!クサイ!キモチワルイ! 叩く、殴る、蹴る… どんどん臭くなる。 何か、足から緑色のものを出している。 クサイ!クサイ!クサイ! 腹を蹴る、踏み潰す、足でねじる。 どんどん緑のものが出てくる。 変な形の頭がピクピク動く。 キモチワルイ! 殴る、殴る。 ソイツは動かなくなった。 緑色のキモチワルイのをワタチはやっつけたのだ。 ワタチはママの仔!賢くて可愛いから、テキをやっつけたのだ! また、ママにほめられる♪きっとほめられる。 突き飛ばされた妹は、ワタチをみて、失礼にも泣いて後ずさりする。 ワタチは軽く押しただけ…勝手に尻餅をついたのに何を怖がっているの? 妹はとうとうワタチから逃げようとする。 ベチァ!「レヒィィィィィィ」 妹がウジチャンを踏み潰して転んでしまったのだ。 「ウジチャン!」 ワタチは急いでウジチャンに駆け寄った。 ウジチャンは頭だけで、身体がペチャンコになって緑色の液体を出していた。 ワカイソウに、ウジチャンは舌を出して苦しそうに泣いている。 ワタチは泣いている妹に駆け寄った。 痛そうに泣いているけど、ウジチャンに酷い事をしたのはコイツなのだ。 コイツは妹じゃない! さっきのヤツとおんなじ、緑色の臭いのを出している。 パンチュも緑色で臭い! ワタチは、ソイツを思いっきり殴る。 もう、手が痛い… でも、ワタチはママの仔!絶対に妹達を守る。 すると、ママが「どうしたデス!?」とワタチを止める。 「こいつがウジチャンを酷い事にしたテチュ!”チぬ”ような事をしたテチュ!」 するとソイツが、キモチワルイ顔で、 「ワタチは何もしてないテチュ!お姉チャンのせいテチュ…テェ〜〜〜〜〜ン」 「ママ!ワタチは妹達を守っているテチュ!コイツがひどいテチュ!ワタチを信じるテチュ!」 ワタチは嘘なんか言っていない!コイツがウジチャンを殺した…ひどいヤツだ! ママは「デ、デ、デ…」とワタチ達を指差して、さかんに首を傾げている。 ママがそいつを掴みあげる。 ソイツは醜く「テチュ〜ン♪」と嬉しそうに声を上げる。 ママ!ワタチを信じないの!?どうして? 「お前は誰デス?こんな醜い顔の仔はワタシの仔じゃないデス…ワタシの仔をいじめたデス!!」 ママは、ソイツをパクリと口に入れる。 「テピァァァァァ!テヂァァァァァ!テ!テ!テチッ…」ゴリゴリゴリ…ゴクリ ママはソイツを噛み砕いて飲み込んだ。 さすがママ!ワタチがあんなに痛い思いをしたのを一撃だ! 感心していたワタチはイッパイイッパイ褒められた。 そして、順番にママのおっぱいを飲ませてもらった。 もちろん、ワタチが一番だ。 きっと、勇敢に妹達を守ったからだ。 一番沢山飲ませてもらえたハズだ。 「最初のオチチは、丈夫になるデスゥ〜♪病気も無くなるデスゥ〜♪ゴハンもいっぱい食べられるデスゥ〜♪」 飲んでいる間、ママはイッパイイッパイ歌ってくれる。 「もうそろそろ外に出るデス…外は危険デス、ママについてくるデス お前は蛆を、お前は親指を抱っこして付いて来るデス」 ワタチ達は、ママとワタチと妹チャンと、オヤユビチャンとウジチャンの4人姉妹だ。 ママを見て数の数え方も習った。 コッチの手がイチ、コッチの手がニ、コッチの足がサン、コッチの足がヨンだ! それがわかれば、もう手だけで数えられる。 「テ、テ、テ、テ!」 イチがママ!ニが妹チャン!サンが親指チャン!ヨンが蛆チャン! ちゃんと4人いる! 最初はもっとイッパイイッパイいた気もするけど、 数が数えられるようになってわかった。 きっと最初から4人で全部だって。 数がわかるワタチはきっと賢いんだ。絶対賢いんだ。 ワタチは、ママの言ったとおりに親指チャンを抱っこする。 親指チャンは、ちっとも大人しくしない。 でも、「オネイチャン、オネイチャン」と甘えているのでカワイイ妹だ。 ママは盛んに警戒しながら扉を出る。 すぐさま、おっきいママに似たのが、ドタドタと駆け込んでくる。 ちゃんとママの後ろにいないとひかれちゃうところだった。 ママに似たのがたくさんいる暗い部屋を抜けると、一気に別の世界が広がった。 ワタチの生まれた場所なんか、ぜんぜん暗く感じる光の世界。 これが、ママの教えてくれたお外の世界なんだ。 緑や青いのや白いのもイッパイある。 ママはお外に出ると、またキョロキョロして 「マラは居ないデス…安心デス」といった。 ワタチはちゃんと知ってる…マラと聞いてピンと来た。 姿は似ているけど、とっても怖くてワタチ達を犯して食う怖いヤツ… ”マラ”が付いているヤツには気をつける… ママに聞かずにわかってるワタチはやっぱり天才なんだ。 (注意:本能的、または胎教で身に着けている常識です…ただしその常識が欠けている者も多い) 危険が無いので、ワタチ達は一列になって歩き出す。 ママが上手に歌を歌って歩いて、ワタチ達はママの歌に合わせて歌いながら歩く。 とってもとってもタノチイ! ママはお歌で、見えるものを教えてくれる。 とってもとってもタノチイ! あれは芝生…あれはお花…あれはお池… とってもタノチイ♪ あれはナカマ…でも、きっとバカ…ワタチ達より頭悪そう… とってもミニクイ♪ あれはマラ…とってもキケン…でも近づかなければ大丈夫… とってもバーカ♪ あれはニンゲン…コンペイトウくれる…奴隷にできる… 魅力にイチコロ♪ 「テチ?ニンゲン?ママー!ニンゲン居るテチ!コンペイトウ貰いにいかないテチ?」 「ワザワザもらいにいくのはバカのする事デスゥ。 ニンゲンには、ワタシ達には及ばないけど、奴隷にできるだけの知能があるのと、 奴隷にならないほどバカなのが居るデスゥ。 同じバカでも奴隷にならないほどのクズは、 奴隷のクセにワタシ達に酷いことをするデス! バカでクズなクセに、力だけはあるデス…ワタシ達では勝てないデス。 ワタシ達は賢いから、見分けてバカとバカでクズなのを見分けるデス」 「見分けるテチ?」 「ワタシ達ほど美しければ、バカは放って置かないデス! ワタシの魅力にひれ伏して貢物を勝手に差し出すニンゲンは奴隷にできるデス。 わざわざ貰いに行くと、バカのクズにあたるかもしれないデス! そもそも、どうして賢く美しいワタシが、わざわざ貰いに行く必要があるデス?」 「さすがママテチ!!やっぱりママは賢いテチ!」 ワタチも妹チャンも感心する。 ワタチ達もママの仔だ…きっとニンゲンをメロメロにするんだ… ワタチ達が見ていたニンゲンが何かを撒き始める。 すると、ママは「デデ!」とそっちを向いた。 「ワ・ワタシの魅力でニンゲンに貢物をさせるデス!付いてくるデス! いいデス!これは貰いにいくのじゃないデス! 下賎のニンゲンに高貴なワタシ達を拝ませてやるだけデス!」 とニンゲンに向かって走り出す。 ママはとっても足が速い…ついていくのがやっとだ。 座っているニンゲンが撒くものにナカマが群がっている。 どいつもこいつも、ママに似ているけど、ぜんぜん違う… ママと何かが違う… ニンゲンはとっても大きい…ママが言ったとおり、酷いことをされそうで怖い。 でも、ママがいる…きっと大丈夫だ。 追いついたワタチをママが突然抱っこする。 ワタチは抱っこされたまま、人間の前に歩いていく。 とっても怖い… ママは、突然、ワタチを人間に向けたまま高い高いする。 ニンゲンがワタチを見る…とっても怖い… ニンゲンはワタチ達と同じ長い髪をしている。 「ニンゲン見るデス!カワイイ仔デス♪ワタシの仔デス♪カワイイから食べ物よこすデス♪」 ワタチはママに合わせる。 「ニ・ニ・ニンゲン…コンペイトウ出すテチィ…」 ワタチはママの真似をして、抱いている親指チャンを高い高いする。 一生懸命、高い高いする。 「タカイタカイレチィ♪モットヤレレチィ〜ン♪」 『あら、生まれたばかり?ちっちゃ〜い…カワイイ〜』 ニンゲンは耳に付くうるさい声で喚いている。 『この子もなの?あら、もっとちっちゃいの抱えてる〜かわいい〜』 ニンゲンは、ママの隣でワタチの真似して蛆チャンを掲げる妹チャンのほうに向かう。 ワタチの方がカワイイのに…ワタチの方がお姉ちゃんなのに… 『お腹がすいているのね…金平糖は全部あげちゃったし… あっ、お昼のパンの残りあげるね』 ニンゲンは、何かを差し出す。 ”パン”というものらしい。 ママはワタチを降ろすと、そのパンを手に取る。 「さっさと寄越すデス!ワタシの貢物には少ないデスが許してやるデス!」 『ふふふ、お礼を言ってるのかしら?』 ニンゲンが歩いて何処かへ行くと、ナカマたちがそれを追いかけていく。 ワタチにもわかる…ニンゲンはバカだ。 ワタチ達の言葉が理解できないんだ…なんてバカなのだろう。 「今のうちに隠れるデス!あいつらはワタシ達より遥かにレベルが低いデス きっとニンゲンにイイ物は貰えないデス。 貰えないとわかると、ワタシ達のところに戻ってきて、奪おうとするクズどもデス」 ママは何でも知ってる…。 ワタチ達は、走るママに何とか付いていって木の陰に隠れた。 イッパイイッパイ走ってとても疲れた。 走ってない親指チャンと蛆チャンは、一緒に元気に遊んでいる。 そんなワタチ達に、ママは、パンという物を手で千切って分けてくれた。 本当はコンペイトウを食べてみたかったけど、とてもコンペイトウより大きいので、 ワタチは嬉しかった。 口に含むとすぐにちっちゃくなるけど、とてもおいしい。 みんなで食べてもまだまだある。 全部食べると、お腹かイッパイになった。 ワタチも妹チャンも親指チャンも蛆チャンも、とても満足だ。 妹チャンが突然慌て出す。 「お腹イッパイテチ!ウンチテチィ!ウンチ出ちゃうテチィ!」 ワタチもお腹がモコモコ、グルグルしている。 「お腹グルグルテチィ!ウンチ出ちゃうテチィ!もれちゃうテチー」 ワタチはその場にしゃがみこむ。 「待つデスゥ!落ち着いてパンツを降ろしてしゃがんで力むデスゥ!汚れるデス」 パンチュ!? ムリムリムリ… お腹のグルグルがすっきりしてキモチイイ! ブピー… 妹チャンが走り回りながら「ウンチィ!テテテテ…ウンチ出てるテッチ♪」と動くのを止める。 パンチュが膨らんでスカートから見えると、緑色になってズルズル下がってる。 プリプリプスッ… 親指チャンは両手を振って「ウンチタノチィ♪ウンチプリレッチュ♪」と、 仰向けのままパンツを緑色に染めて転がっている。 ピチャー… 蛆チャンは「レヒ〜♪」と気持ちよさそうに緑の筋を描いて動いている。 ウンチってキモチイイ♪ これがウンチ… パンチュから漏れたのを手にすくうととってもクサイ!クサイ! これがウンチ!? ウンチはキモチイイけど、とてもクサイ!こんなのイヤ!! でも取れない… どうするの? ワタチはとても怖い…怖くて泣いてしまう。 ウンチをした妹チャンも泣き出す。 親指チャンも泣いて走り出す。 蛆チャンは「レフー」と緑の筋を見て、向きを変えると、それをレロレロ舐めている。 「パンツを降ろすと言ったデス…」 ママはワタチの下着を脱がせると、葉っぱでごしごしと擦り出す。 「後で水で洗うデス…ウンチは取れたから履くデス」 ワタチは、緑になったパンチュを履く。 ママは、妹チャンや親指チャンの下着も脱がせて、同じように洗う。 「ママのを良く見るデス…これがウンチの仕方デス」 ママは、スルスルと膝までパンチュを降ろしてしゃがむ。 「スカートは少し巻くって片手に持つと汚れないデス」 ブリブリブリブリ… ママもクサイウンチをする…でもぜんぜん汚れない。 ママはやっぱり凄い! 早速、ワタチ達も真似をする。 ブリブリブリ… 本当だ!汚れない! ウンチはクサイけど、とってもキモチイイ…汚れないならいくらでもしたい! ウンチが終わると、ワタチ達はその場を離れて休憩する。 仰向けでお空を見るととても心地が良い。 やっぱりお外はキモチイイ…ママの言葉どおりだ。 そうして、ワタチ達はママのお家に着いた。 とっても長かった。 イッパイ歩いた。 お腹がすいた。 ママの家は、ワタチの知らない沢山のモノで作られていた。 泥だらけで、ナカマも「テ、テ、テ、テ…」沢山居る。 ママは「ア・アレは貧しいヤツらデス…ワタシが可哀相だから住まわせてやっているデス」 とワタチ達の耳元で小さくささやいた。 「バカで可哀相だから、口にしちゃダメデス…ニコニコしてるデス」 ワタチ達は言いつけを守った。 夜になると、そのバカなオバチャンが、家の奥からゴソゴソと食べ物を出してくる。 ワタチ達の家なのに、勝手にいじるのは許せない… 「さぁ、出産で疲れたデス?アナタの分も拾ってきたデス…」 オバチャンが何かを差し出してくる。 何かクサイ… でも食べ物だ… ワタチ達はそれを食べる。 クサイ…カタイ…マズイ… パンとは比べ物にならない…。 「おいしいデス…何から何までお世話になるデス…」 ママはそう言って、イッパイ食べる。 やっぱり食べ物なんだ…。 「あの一家は、白痴デス…自分がこの家の主だと思っているデス ”お世話になってる”と言えば、あの立場をわきまえないバカはホイホイ家の世話をするデス お前たちもバカをおだてるデス」 ママが小声で言う。 そうなんだ…ママはこんなのを住まわせるなんて優しくて賢いんだ。 そうして食事が終わって、ワタチ達は、ハクチの仔達と遊んでやる。 ソイツらは、まるで我が家のようにワタチ達を案内する。 むかつくが、ソイツらの方が大きいし、ママの言ったことを守って口を合わせる。 ご飯を食べたのでまたウンチが漏れそうになる。 アイツらが言った”トイレ”に一斉に走る。 「うんしょ…うんしょ…」 ママの手本どおりやってみるけど、お腹がグルグルしてくると思うように脱げない。 「デチャウ!!!!プリプリテチィ〜♪」 ウンチはキモチイイ…でも、足やお尻がヌルヌルする…ウンチがパンチュに出てる… でも、とってもキモチイイ… 「あら、あら…間に合わなかったデスゥ?最初は仕方ないデス… ウンチの感触が気持ち悪くて、決まった場所で脱いでしようとする気があるうちは、いつか上達するデス。 怒らずに、すぐにキレイにして、根気良く教えるデス」 オバチャンはママに偉そうに言うと、ワタチ達を連れて”お風呂”という所に連れて行く。 地面に穴が掘ってあって、何か幕が敷いてあり、そこにお水が沢山ある。 ママが「服を脱いで体を洗うデス」と言う。 ワタチと妹チャンはちゃんと意味がわかる。 ワタチは判っていない親指チャンと蛆チャンの服を脱がせて、一緒にお風呂に入る。 お風呂は、とてもキモチガイイ! キタナイ、クサイのが取れてきれいになる。 ハクチのオバチャンがワタチ達の服をお水でゴシゴシ洗っている。 ママはそれをちゃんと見ている。 きっと服を持ち逃げしないか、ちゃんと洗っているか見てくれているんだ。 そうだ、洗うのは奴隷の仕事なんだ。 大切な服を他人に触られるのはキモチヨクナイけど、ママが見ているので安心♪ コマヅカイに洗わせると思ったらとてもキモチイイ。 体がキレイになったら、後はママとイッパイイッパイお話した。 ママがニンゲンに飼わせてやっていた事。 ニンゲンの家での贅沢な暮らし。 ニンゲンがバカ過ぎて見捨ててやった話。 ニンゲンがマヌケに泣いて探しにきた姿。 ”お外”での暮らし…。 ママの上手な子守唄をイッパイイッパイ聞きながらワタチ達は深い眠りに落ちた…。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 親実装が飼われていたのは真実であった。 しかし、記憶は美化と装飾に彩られた。 彼女は仔実装の頃、偶然、テキ屋の人間に一家ごと捕まってしまう。 親は殺されたが、彼女たちは沢山の別の家族の仔とともに洗われて露天に並ぶ。 PTAの抗議で今はなくなったが、一時期流行った『仔実装釣り』である。 彼女はこれで、人間に釣り上げられた。 それが幸せであるかは判らない。 仔実装は、細い竿の先に吊り下げられたテグスの輪っかに引っ掛けられて釣られる。 テグスの輪と竿をつなぐテグスの途中は紙縒りでつながれていて、それが切れれば終わりだ。 輪を掛けるのは容易だが持ち上げるのは大変だ。 紙縒りは計算された強度で、重みだけなら簡単には切れないが、子供は無茶をして力任せに引く、 あるいは仔実装の方が、首が締まるので暴れだす。 弱い仔実装は、衝撃で首が千切れる。 首が絞まって窒息死する。 首に食い込んだテグスの傷を抱えて逃げ回って衰弱死する。 ひたすら続く恐怖とパニック状態で逃げ疲れてストレス死する。 上から落ちた同族の体で潰される。 いずれかの死しかない。 生きて釣られる確率はかなり低い。 子供達もほとんど、パニック状態の仔実装の動きを楽しむためだけにお金を出している様なものだ。 彼女は、その少ない確率で生きて釣られ景品となった。 それが飼い主…。 彼女が運が良かったのは、飼い主の家が割りと理解のある家だったことだ。 でなければ、野良の仔実装を景品で渡されて、育てられる…育てる人間など居ないからだ。 大抵は、境内の裏で毛や服をむしって放されるか、ゴミとともに捨てられる。 飼われても1週間持たずに、その糞の量や不潔さに処分される。 屋台の金魚はすぐに死ぬといわれるが、実装石は金魚並みの扱いもされない運命なのだ。 生きて釣られる確率も低ければ、その後の扱いが良い確率は、まさに奇跡だ。 そんな中で、ペットとしてある程度の待遇を得られた彼女は幸せなはずであった。 しかし、そんな奇跡の背景を理解できない彼女は、それを幸せとは感じなかった。 彼女は、親に似てごく一般的な実装石としての能力と知能は持っていた。 むしろ僅かだが機転が利く。 しかし、対して性格はそれ程良くは無かった。 それが作用して、機転が利くことが彼女の環境を良くする事は少ない。 それに、一般的な知能は有していても、ペットとなるような知能には遥かに及ばない。 それでも、彼女は小さなガラス水槽を与えられ、 犬と同じえさを与えられ、水槽はこまめに掃除された。 飼い主の両親は、子供の頃に生き物と触れ、世話をするのは教育の一環としてよいことだと思っていた。 同時に、それだけに、実装石の生態もある程度は知っていた。 厳しいトイレの躾、食事の仕方の躾、主従関係を理解させる躾…。 飼い主の要求自体は、一般のペットに求められる要求より、遥かに低いものだった。 反抗しない、普段大人しくしている、過大なおねだりをしない、 餌をいたずらに食い散らかさない、糞を必要以上にしない、体を不潔なままにしない… それを、人間が手を加えなくてもある程度できれば、それで、この家で飼い続けられたのだ。 しかし、彼女は、その躾という事項だけで自分の幸運を全て不幸だとしか感じなかった。 粘り強く躾けられたが、結局、彼女は不満を口にすることしかしなかった。 不満を態度にすることしかしなかった。 ”リンガル”でコミュニケーションが取れないだけに、躾けは難航した。 いや、リンガルを使わなかったために、彼女は長く飼われていたのかも知れない。 1年が過ぎ、結局、飼い主は降参した。 飼い主の両親も「これはもうだめだ」と判断した。 そして、彼女は捨てられた。 両親の計らいで、彼女は飼われていた事を示す痕跡をつけた。 両親は、実装石が普通の生き物とは別であることを理解していた。 彼女の頭の両耳は、その時に切り取られ焼かれた。 また、舞い戻ってこないように、痛みと恐怖を与える刻印…。 人間に対しての恐怖心を与えるための刻印…。 飼われていたが”人間になつかない”と言う事を示す刻印…。 耳は頭巾に隠れているので見えないが、中身が無いので彼女の頭巾の耳は垂れた状態になっている。 露出している外見にハッキリ表れる虐待痕を残すと、即、同族に陰惨に苛められる。 飼い主の両親に、僅かでも”いっそ、同族の手で殺されたほうが自分たちも楽だし、こいつ自身のためだ” という気持ちが無かったといえば嘘になる。 だが、これは飼い主達の最後の独善・偽善的ではあるが”優しさ”であった。 お陰で彼女は、野に放たれても同族苛めの対象となることは無かった。 しかし、彼女は飼われていた時間のほうが長かったので、 知識はあっても、現実が彼女に擦り寄ってくることはなく、 生活するのには大変な苦労があった。 餌をとれずに飢え死にしかけた。 妊娠したためだ。 普段の餌取りも上手ではなかったが、 花粉による妊娠が進み、膨大な栄養を体が要求するのに、 うまく体が動かないので餌場や愛護派の餌撒きでの奪い合いに負けることが多くなった。 普段は何日か餌が無くてもなんでもないのに、1日空腹だと動きがさらに鈍くなる。 その積み重ねで、餌が取れなくなっていた。 そんな時に、一匹のお人好しな賢い野良実装一家に助けられた。 それが、あの家の家主であった。 彼女は持ち前の機転を利かせて、彼女の同情を誘い利用した。 賢い家主は、彼女の餌を取れない様子を見て、飼われていた事を察知して一度、餌を恵んだ。 それを理解した彼女は、それを最大限に利用して、 さも、何もできない捨てられた飼い実装を演じ、 自分の体の刻印を活用して、更なる同情を引き出した。 「ニンゲンにこんなに酷い目に合わされて捨てられたデス…一生懸命にニンゲンに奉仕したデス。 私はどうやって生きていけばいいデスゥ?」 「それは、大変な目に遭ったデスゥ…私たちの家に来るデス…ここでの生活を教えるデス 慣れるまで、ゆっくり身重の体を休めるデス」 そして、彼女の家に寄生する事に成功したのである。 彼女は、そうして、餌から何から何まで至れり尽くせりの生活に乗っかったのである。 お人好しという以外は、家主たち一家は、とても賢くバイタリティのある実装石であり、 彼女が寄生してもほとんど負担にはならなかった。 餌が分けてもらえない日など無い。 彼女が、人間に飼われ続けて生活力が無いと信じているだけに、 家主たちも、彼女の世話をすることを負担に感じなかった。 彼女は持てる知能と機転を利かせ、最大限の演技でだまし続けた。 機転の速さが、同族を騙す演技力を支えていたのだ。 そして、こうして無事に我が仔を出産することができた。 彼女は、8匹の仔を産み落とし、6匹の仔を救い上げ、 自分が理解できる数である4匹を仔として認識した。 彼女は我が仔と共に、このままの順風満帆な実装生を謳歌できると信じて疑わなかった…。 彼女が生まれて、1年半もの月日が過ぎていた。 −−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−− 後編につづく。
1 Re: Name:匿名石 2014/10/30-20:40:17 No:00001526[申告] |
どこかの国と在留外国人みたいだな
お人よし親子と主役親子 |
2 Re: Name:匿名石 2016/12/04-14:46:56 No:00003035[申告] |
>ママはやっぱり凄い!
週刊少年ジャン○に載ってそうな脳内台詞だ 昔の作品を掘り返すと実装以外の情勢変化でこういうものが見つかることもあるから面白い |
3 Re: Name:匿名石 2016/12/06-00:56:32 No:00003070[申告] |
あっちはやっぱりママは凄い!の順番だな |
4 Re: Name:匿名石 2016/12/07-02:25:20 No:00003079[申告] |
ジャンプのママ凄は孤児院という名の鬼に支配された世界の食用人間牧場からの脱出だっけ
実装でパロるならニンゲンに飼われていると思っていた仔実装がそこは食用実装牧場だと気づいて脱出する話にでもなるかな ニンゲンの牧場だと実装が逃げ出すなんて無理でとっ捕まるか幸運にも脱出できたけど道路で車に轢かれて外に出て1分で死亡オチ 生き延びるオチにするならニンゲンじゃなくてある程度社会性がある野良実装コミュニティで食用仔実装生産所から逃げ出す話に |
5 Re: Name:匿名石 2024/09/15-16:39:25 No:00009338[申告] |
溺れる!溺れる!!テチッ |