路肩に禿裸の実装石が転がっていた。 「もうダメデス、子供も服も髪もお家も失ったデス、このままここで朽ち果てていくデス」 ぶつぶつと何かつぶやいている。 その光景がちょっと面白かったので、持ち帰ることにした。 「おい、そこのお前、飼ってやるからありがたく思えよ」 そう声をかけても、実装石は反応しない。 「聞いてんのか、おい」 少し腹が立ったので、うつ伏せになった実装石のわき腹をつま先で小突いた。 ピクンと、その身体が震えて、生気のない虚ろな瞳がこちらを見上げる。 「デスー、禿裸に落ちぶれたワタシを飼うなんてきっと虐待派デスー これからめくるめく虐待の日々がはじまるデスー きっと最初はアゲアゲで美味しいゴハンをくれるデスー テンションがあがって調子こいてると落としがはじまるデスー 手や足や耳を千切られるデスー 毒を食わされてのたうちまわるデスー 強制妊娠させられて仔を虐殺されるデスー 最期はワタシの偽石がパキンしちゃうデスー 生き残った賢い仔がまた虐待されたりするデスー 歴史は繰り返すデスー」 ぶつぶつと際限なく独語を繰り返す実装石の首根っこを掴む。 持ち上げると、ダラリと四肢が力なく垂れ下がる。 「デスー、つれてかれちゃうデスー ママと子供たちの思い出の詰まった公園が遠ざかっていくデスー これからは虐待派の家で冷たいゴハンと寝床の日々デスー ひとりは寂しくてワタシは悲しくてシクシクするデスー せめて仔がほしいとゴシュジンサマに訴えるデスー だけどもゴシュジンサマはそんなワタシをあざわらうデスー 次の日になると両目がまっかかになってるデスー すぐに産気づいてテッテレーと仔たちが産まれるデスー ワタシはぺろぺろと仔たちの粘液を舐めとるデスー 仔たちはママーと可愛くワタシを呼ぶデスー 幸せ一杯のワタシにゴシュジンサマは今日から仔がお前の餌だと宣言するデスー 悲痛に満ち満ちた日々のはじまりデスー」 家にもって帰ると、庭先に放り出した。 使い古しの欠けた深皿に賞味期限切れの菓子を入れ、シャベルでトイレの穴を掘る。 畳んだダンボールを組み立て、軒下に置いて底に古新聞を敷く。 「今日からここがお前の住処だ トイレはあそこの穴だ、寝床はココ、餌はコレ、水はあそこの蛇口をひねれば出てくる、好きに使え」 実装石はキョロキョロと庭を見回し、プルプルと震えだした。 「デェェェ、生きていくのに十分な、過不足のない環境デスー ここでワタシはニンゲンサンのお庭でゴハンの苦労も仲間からの差別もない平和な日々を生きるデスー 禿裸の身の上ではほぼ天国デスー 公園では悲しいことばかりだったけど、ここには何にも代えがたい平穏があるばかりデスー 時々死んだママや仔たちのことを思い出すけど、新しい家族をここで産めよ増やせよ地に満たすデスー そんな平穏はあっさりとゴシュジンサマの気まぐれによって終止符を打たれるデスー ある日気がつくと子供たちが一匹もいなくなってるデスー ワタシがワタシのかわいいかわいい子供たちはどこに行ったとゴシュジンサマに尋ねるデスー すると家の中からキャッキャと騒ぐ子供たちの声が聞こえるデスー ゴシュジンサマは寒さも厳しくなったからしばらく仔たちはお家の中で育てるというデスー ワタシは仔たちがちょっとうらやましかったけど、健気にゴシュジンサマの好意にお礼を言うデスー ボソボソと味気のないゴハンを食べていると、仔たちはあたたかなお家の中でコンペイトウを振舞われているデスー それをガラス越しに目の当たりにして、ワタシはギュルギュルとお腹を鳴らしながらヨダレを垂れ流すデスー それを見て仔たちはテププとワタシをあざ笑うデスー ワタチたちは高貴で美しいから、クソママと違って可愛がってもらえるテチーと仔たちは糞蟲丸出しデスー ワタシはあんなにも可愛らしかった仔たちが自分を見下しているのを見て、思わずデジャアアアア! デスー 仔たちはびっくりしてパンコンするけど、ゴシュジンサマは仔の肩をもってワタシをたしなめるデスー 仔たちはゴシュジンサマの後ろでデププとワタシをバカにするデスー ワタシは逆上して悲しいのか怒っているかわけがわからなくなるデスー 賢い三女だけはそんな姉や妹たちから離れて、ママの元に戻りたいというデスー そんな三女を見てワタシは我にかえるデスー ひ弱な仔たちの身体では寒い冬の夜を越えるのは厳しいデスー ゴシュジンサマとお家の中で暮らすのが一番デスー 仔たちの幸せを願って三女の願いを断るようにゴシュジンサマに言うデスー するとゴシュジンサマはにっこりと笑って、やさしいママだとワタシを褒めてくれるデスー ワタシは思わず真っ赤になって、恥ずかしそうに俯くデスー 厳しい冬だったけど、仔たちは家の中でぬくぬくと育つデスー ワタシはガチガチと震えながら、窓からそんな仔たちを見守ったデスー 三女だけが時々ワタシを心配して、声をかけてくれたり、コンペイトウをこっそりと分けてくれたりするデスー 他の仔たちは近づこうともしないデスー 春になって、仔たちはすっかり大きくなったデスー そしてついに家の外に出されたデスー 甘やかされた仔たちはワタシを禿裸だとののしるデスー 家に入れろとゴシュジンサマに生意気に訴えるデスー ゴシュジンサマは無視するデスー コンペイトウもあたたかい寝床も楽しいボール遊びもないデスー 仔たちはストレスでどんどんおかしくなっていくデスー ワタシは無力デスー、三女だけが支えデスー ある日、三女が他の姉妹にイジメられている姿を目にするデスー ワタシはがんばって姉妹から三女を助けるデスが、三女のきれいな髪の毛はすっかり抜き取られ、服はビリビリデスー 三女は自慢の髪の毛を奪われて、壊れてしまうデスー ウンチを垂れ流すだけの壊れたお人形デスー ワタシは三女の口にゴハンを運び、漏らしたウンチを洗ってやる日々を送るデスー 姉妹たちは互いに争って、五体や髪や服はみんななくなってしまうデスー すっかり禿裸になった家族を目の当たりにして、ワタシはここは公園よりも地獄みたいだと呟くデスー ゴシュジンサマは縁側でそれを聞き、満足そうに笑みを浮かべるデスー」 実装石はぶつぶつ呟きながら、頭を抱えてのたうちまわっていた。 「じゃ、俺は家の中にいるから、何かあったら呼んでくれ」 実装石はガバッと立ち上がり、こちらを見上げる。 「デェェェ!? ワタシは呼ぶデスゥ! いつまでもゴシュジンサマの名前を呼ぶデスゥ!!! ワタシはゴシュジンサマの留守についつい好奇心で庭から外に出てしまうデスー 懐かしくて、元々暮らしていた公園に入るデスー ワタシは飼い実装としてのぬるま湯に浸かったような日々の中で、すっかり野良実装としての野生を失っていたデスー 気がつくと、公園の野良実装たちに囲まれていたデスー ワタシたちお友達デスゥと、ワタシは野良実装の飢えた眼差しにも気付かず、能天気にのたまうデスー ゴシュジンサマに買ってもらった、ピンクのきれいなドレスを見せびらかすようにヒラヒラさせるデスー フリルでオシャレにキめた実装バッグの中から、鮮やかなコンペイトウを取り出すデスー オトモダチの印デスゥ♪ と目の前の野良実装に差しだすデスー 野良実装はパクンと食いつくデスー ワタシは腕の先っぽがコンペイトウと一緒に消えているのにワンテンポ遅れて気付くデスー 公園にデギャアアアアアアアアアア!! というワタシの悲鳴が響くデスー 沢山の野良実装たちの手がワタシの身体に襲いかかるデスー ゴシュジンサマから貰った素敵なドレスは引き裂かれるデスー せっかく植毛してもらった亜麻栗色の髪の毛は引き毟られるデスー 公園を出たときと同じように禿裸に戻ったワタシは野良実装たちに足蹴にされるデスー 服と髪を取り返そうと精いっぱい伸ばした腕の先で、服と髪とは仲間の糞の色に染め上げられて行くデスー それからはワタシは公園の最下層の糞便器としての悲惨な日々を過ごすデスー 公園の繁みの奥に掘られた深い穴の底で、仲間のウンチを糧に惨めな日々を過ごすデスー 数週間後、ゴシュジンサマは公園のベンチでワタシを失った悲しみから立ち直れないままうなだれているデスー ふとその耳に、懐かしいワタシに似た声が聞こえるデスー ゴシュジンサマはがばっと立ち上がって、声のした公園の繁みをかき分け、その奥にある穴までやってくるデスー そこには穴に向かって裸の尻を突き出して糞をする野良実装たちの姿があるばかりだったデスー ゴシュジンサマはがっかりして、家に戻ろうと踵を返そうとするデスー その時、厚く積もった糞の底から、声が聞こえるデスー ゴシュジンサマを呼ぶ、ワタシの叫びが聞こえるデスー ゴシュジンサマは立ち止まり、糞壺の中を覗き込むデスー 全身を糞まみれにして、穴という穴から糞汁を噴き出しながら、ゴシュジンサマの名を呼ぶワタシの姿が現れるデスー 糞の中心で、やっと会えたゴシュジンサマを前に、ワタシは穴という穴から液という液を噴き出して全身全霊で叫ぶデスー ゴシュジンサマはそんなワタシを目の当たりにして、後ずさりをすると駆け足で去っていくデスー そこには糞に埋もれたワタシと、仲間たちのデププという声だけが残ったデスー」 家事を済ませてネットとテレビで時間を潰していると、あっという間に夕方になった。 そろそろ自分と実装石の餌を買い出しに行かなくては。 庭石に腰掛けてぼんやりとしている実装石に声をかける。 「おい、夕飯何か食いたいもんでもあるか」 「デッスゥーン、もちろんスシとコンペイトウとステーキデスゥ♪ ワタシはゴシュジンサマにとっておきの媚のポーズでお願いするデスー するとゴシュジンサマは調子に乗るなよ糞蟲がとワタシの頭が陥没するまで踏みつけるデスー お前の餌はこれだと、いつものように味気のない実装フードがお皿に盛られていくデスー ワタシは嫌デスー、もうこのゴハンには飽きたデスー、と地団太を踏むデスー だけども、お腹がクーっと鳴って仕方なくフードを食べてやるデスー お腹に溜まるばっかりでちっともおいしくないデスー ある日、あんまりワガママばかり言うワタシにゴシュジンサマは提案するデスー 仔と引き換えにゴチソウを食べさせてやると言うデスー ワタシはもちろん、何よりも大切な仔たちを引き換えにするなんて問題外だと断るデスー そうして、いつもの味気ないゴハンをもらうデスー いつものようにボソボソとした乾いた冷たいゴハンを食べながら仔たちを見るデスー その姿に、数えるほどしか食べたことのない、ゴチソウを重ねるデスー 長女のプリプリとした肉付きは、ジューシーなホカホカステーキデス— 次女のキラキラしたお目目は、カリカリアマアマコンペイトウデスー 三女のふくよかな顔と、ぴっちりと頭を包んだ姿はウマミたっぷりオスシデス— わたしの足元でゴチソウたちが踊っているデスー 思わず、ワタシは手にしたフードを放り投げて、ゴチソウを手にとるデスー ゴチソウははやく食べてーとワタシを誘うデスー ワタシは涎をとめられないデスー ゴチソウは不思議そうに頭をかしげて、ワタシを覗うデスー 気がついたら、ワタシは頭からゴチソウに食いついていたデスー たっぷりジューシーな肉汁が口の中一杯にひろがるデスー あまりの美味しさに、思わずパンコンしちゃうデスー ゴチソウを食べる手が止まらないデスー 逃げ回るコンペイトウとオスシを捕まえると、クチャクチャパクパク食べるデスー そんなワタシを見て、ゴシュジンサマは手にしたコンペイトウの袋を落とすデスー ワタシはコンペイトウの袋の中に、仔たちの生首が詰まっているように見えたデスー 仔たちのキラキラした瞳が、無言でワタシを見上げるデスー」 ペットショップに入り、実装コーナーに寄った。 ステーキ味やスシ味のフードが入った『実装ちゃんバラエティパック』という商品があった。 ステーキはともかく、スシ味ってどんなだろう。 物珍しさから、それをカゴに放りこむ。 そういえば、あいつは禿げ裸だったから夜の寒さはこたえるだろう。 パーカーとちゃんちゃんこの相の子のような、唐草模様の実装服をカゴに入れる。 ノーパンというのも何となく具合がわるいので、ブリーフ型のパンツも入れる。 思わぬ出費だ、俺の餌は今日はノリ弁でいいかな・・・。 家に帰ると、実装石は庭木の幹に背を預けてぼんやり俯いている。 密封パックを開いて、空の餌入れにステーキ味を入れる、デザートにコンペイトウを三つ添える。 「おーい、ステーキ味らしいぞ、味わって食えよ」 実装石は立ち上がり、トコトコとこちらに寄ってくる。 山盛りの餌をしばらくじっと見つめていたが、腰が砕けたようにその場に崩れ落ちて悲鳴をあげる。 「デギャアアアアアアアア!!! やめるデス!!! それはワタシのかわいい子供デズゥゥゥゥ!!!! 食べちゃ駄目デズゥ!! まだ生きてるデスゥ!!!! こんなにも可愛いデズゥ!!! お腹はプニプニデスゥ!!! ほっぺはやわやわデスゥ!! おしりはプリプリデスゥ!!!! 違うデズゥ、そうじゃないデスゥ!!!!! かわいいデスゥ!!! かわいい仔を食べちゃ駄目デズゥゥゥゥ!!! いくら叫んでも、いくら泣いても、ニンゲンサンは仔たちを食べるのを止めてくれないデスー ここは割烹『じそいち』のカウンターデスー ワタシは仔実装の活け食いのためにこの店で働いているデスー 注文があると、ワタシは清潔だけど狭いケージの中から取り出されるデスー あらかじめお花で妊娠させられて、お腹はぽっこりしてるデスー まだおくるみも髪の毛も生えていない、未熟な仔たちがお腹のでイゴイゴしてるデスー ワタシはつい口ずさみそうになる、デッデロゲーの胎教のお歌をぐっと飲み込むデスー 声に出さずに願うデスゥ、産まれてきてはいけないと祈るデスゥ だけども、カウンターの上で大股開きに拘束されたワタシは、ニンゲンサンの目の前で成すすべもないデスー ニンゲンサンはわたしの目にお薬を垂らして、両目を真っ赤にしてしまうデスー ワタシの意思とは関係なしに、いくらおまたを締め付けても次々と仔たちが産まれ落ちてしまうデスー 落ちた先には一度煮沸してアルコールを飛ばしたぬるめのお酒のお鍋の中デスー 仔たちはテッテレーと産まれては、ポチャンポチャンとあたたかなお湯をくぐっていくデスー ニンゲンサンはお箸で仔を摘むと、しゃぶしゃぶとお湯の中で産まれたての仔たちを覆う粘液を洗うデスー そして小皿のポン酢を絡めるデスー 仔たちはチベタイテチー、オメメニシミルテチーと小さな悲鳴をあげるデスー ニンゲンサンは産まれたてのプリプリの仔を口に含むデスー 仔はママがそうするように、産まれたての身体をペロペロしてもらえるのかと勘違いするデスー だけども、仔たちが次の瞬間にその身に感じるのは温かな舌ではなくて、固くて鋭いニンゲンサンの前歯デスー プニプニとしたお腹に、前歯が食い込むデスー 仔実装はそこで、大きく悲鳴をあげるデスー タイショーサンはどうです、新鮮でしょうと自慢げにオキャクサマに話しかけるデスー いやー、いい歯ごたえだ、やっぱり『じそいち』の仔実装は活きが違うねーとオキャクサマは褒めるデスー クチャクチャと口の中で仔を味わいながら、オキャクサマは舌鼓を打つデスー そんなニンゲンサンたちの声を聞き、ワタシは血涙を流しながら次から次に仔を産むデスー はやく鍋から仔を取り出してほしいデスー このままだと火が通りすぎてお肉がぼそぼそになってしまうデスー せめて美味しくいただいてほしいデスー ワタシの自慢の子供デスー、よく味わってほしいデスー」 実装石はがつがつと餌を頬張る。 たちまち餌皿が空になると、デーと鳴きながらその場に座る。 満腹になった腹をさする実装石に、パッケージから取り出した実装服とパンツを差しだす。 「禿裸じゃ涼しいだろ、くれてやるから着てみろよ」 しばらく服とパンツを胸に抱きしめていた実装石だが、急にブツブツ言いながら着替えをはじめた。 「デスデスーお洗濯するデスー、お着替えするデスー オマエタチ、はやく服を脱ぐデスー 今日はお日様ニッコリ良い天気デスー♪ 洗って干したおくるみはお日様の良い匂いデスー♪ ついでに身体も洗うデスー お水はちょっぴり冷たいデスが、陽射しはポカポカあったかデスー♪ すぐに乾いて、お肌はツルツル、髪はツヤツヤデスー♪ ニンゲンサンもキレイキレイなワタシタチにメロメロキュンデス—♪ みんなオマタの奥までキチンと洗ったデスか? ダメデスゥ、オマタをお手手でいじるのはオマエにはまだ早いデスゥ まったく、オマセな四女ちゃんデスゥ、みんなに笑われちゃうデスゥ さあ、身体を葉っぱで拭くデスゥ 冷えないうちにおくるみを着るデスゥ デスゥ? おくるみどこいったデスって?? ちゃんとそこに並べて干して・・・デズゥアァアアアアアア!!!!! ダメデス、ダメデス、風よ止まれデス、仔たちのおくるみもってっちゃダメデス!!!! まつデス、まつデス、ヒラヒラお空に飛んでっいっちゃ駄目デス、おくるみは仔たちものなんデス!! 仔たちはまだちっちゃいデス、おくるみがないとすぐに冷たくなっちゃうデス! いかないデーーーーーーーーース! もどってくるデーーーーーーーーーーース! おくるみヒラヒラいっちゃったデス、仔たちはプルプル震えてるデス ニンゲンサン、ニンゲンサン、見てほしいテチ。 ワタシの自慢の仔たちデス とっても綺麗好きなんデス お服をヒラヒラなくしてしまったんデス お肉もカラカラ落ちてしまったんデス おぐしもハラハラ散ってしまったんデス ニンゲンサン、ニンゲンサン、とっても香ばしい香りがするんデス ニンゲンサン、ニンゲンサン、とっても軽くてかわいいワタシの子供デス きっとそのうち、天使になってお空高くに飛んでくデス」 「ほら、パンツもちゃんと穿けよ」 「デス—ン、染みひとつない白いパンツは心の錦デスー いつか愛しのゴシュジンサマしかめくることを許されない秘密のベールデスー はやくこの花園にたくましいゴシュジンサマのゴシュジンサマをお迎えしたいデスー 想像するだけでオマタがキュンキュンしちゃうデスー ラブリーなベトベトさんがオマタからコンニチワしちゃうデスー ダメデスー、パンツに染みがついちゃうデスー いけないデスー、パンツ越しにおまたイジイジしちゃダメデスー 悪い手デスー、いけないお手手デスー でもお手手キモチイイデスー、おまたキモチイイデスー キモチよすぎてウンチでちゃうデスー ウンチキモチイイデスー パンツが汚れちゃうデスー いけないウンチデスー でもきっとゴシュジンサマはワタシのウンチまで愛してくれるデスー ワタシもゴシュジンサマのウンチなら受け入れるデスー 互いのウンチにまみれて愛し合うデスー そしてワタシのお腹に愛の結晶が宿るデスー ゴシュジンサマのために操を守ったワタシに宿る天使デスー デスゥ? この仔たちのことデスゥ—? この仔たちはなんか勝手に産まれたデスー お花畑でオナってたら両目が緑になったデスー そしたらお腹が膨らんだデスー 両目が真っ赤になったら、テッテレーと産まれてきたデスー ワタシの身体は清いデスー、この子たちはウンチと同じで勝手にお腹に入って、出ていくデスー ゴシュジンサマとの子供に比べると、ウンチみたいなもんデスー デ、デジャ、要らないのかデスか? デスゥ、ニンゲンサンがワタシのゴシュジンサマになってくれるなら要らないデス! この仔たちの代わりにいっぱい子作りするデスゥ♪ でも、それでも、この仔たちも一応ワタシの子供デスゥ ゴシュジンサマはワタシのウンチでも愛してくれる筈デスゥ だから、この仔たちも愛して、愛して、愛して、デズゥ、殺さないで、殺さないで欲しいデズゥ!!!」 パーカーにブリーフ剥き出しという珍妙な実装石はその愉快な外観とは裏腹に沈痛な面持ちだった。 禿裸から脱して服を着ても、嬉しそうな様子は微塵も見せない。 一体何を考えているのだろう、実装リンガルなんて便利道具はここにはないので、実装石の呟きの意味などわからない。 翌朝、餌をやろうとスシ味のフードの袋を片手に庭に出ると、そこには実装石の姿はなかった。 実装服とパンツが庭石の上に置いてあった。 テチューテチューと甲高い声が聞こえる。 見回しても声の主の姿は見えない。 実装服の下で何かがモゾモゾと動いている。 めくってみると、そこには禿裸の仔実装がいた。 「テチューン、テッチュルーン♪」 仔実装は両手をあげてピョンピョン跳ねる。 「なんだお前、どっから入ってきたんだ?」 仔実装はテチュテチュと嬉しそうに飛びはねるばかりで、そのうち足元に無造作にひろげられた実装服の襞に足をとられる。 転げて庭石から地面へと頭から落ちる、救ってやろうと手を差し出す暇さえなかった。 仔実装の頭は熟れた果実が落ちたようにベシャっと湿った音を立てて潰れていた。 弾けた頭皮を中心に、ゼリー状の体液の飛沫が飛び散っている。 手足はヒクヒクと痙攣しているが、それが生命の兆候を示してはいないことは明らかだった。 家に一旦戻って、ビニール袋をもって仔実装の死骸を回収した。 室内で飼っている実装石のチイコの餌皿に、まだ温かなビニール袋の中身を空けた。 チイコはノソノソと寝床であるダンボールから這い出してきて、ペチャペチャと仔実装の肉片を啜った。 「折角お前のお友達を迎えたのに、いなくなっちゃったよ」 チイコは手足もなく歯もない。 犬のように餌皿に顔を突っ込んで、舌で舐め掬っては呑み込む。 「まだ何もしてなかったのにな、とても残念だ」 チイコは片目の潰れた顔をあげ、残った緑色の瞳でぼくの背後の庭を見ながらデスーと鳴いた。
1 Re: Name:匿名石 2015/02/27-00:13:47 No:00001657[申告] |
意味がわからないんだがどーいうこと? |
2 Re: Name:匿名石 2015/02/27-17:22:02 No:00001661[申告] |
今までの実装石スクを茶化したかっただけ? |
3 Re: Name:匿名石 2015/02/28-13:41:16 No:00001665[申告] |
途中で出てくる実装の独り言はよくある展開をテンプレ的に
まとめたものとして面白いけど、最後の場面で禿裸に 何が起こったのかがよくわからなかった。 結局、主人公は虐待目的で拾ったということかな? |
4 Re: Name:匿名石 2015/03/16-21:01:07 No:00001677[申告] |
オチがなぞだよなあ |
5 Re: Name:匿名石 2015/03/31-07:27:10 No:00001695[申告] |
被害妄想の激しい実装石と模範的な優しい飼い主の温度差コメディ
…に見せかけた虐待オチでしたって話を書こうとしたのは分かったけど 説明不足な上にどんでん返しを狙いすぎて、意味不明なオチになっちゃってる 最後に死んだ子実装は思い込みの力で幼児退行してしまった、被害妄想の激しい禿裸だと思うけど 被害実装実装なのか、成り代わりを狙った実装なのか、もう少し説明を入れて欲しかった 虐待物あるあるネタとかプロット自体は面白かったし、楽しみにしてるからまた投下しに来てね |
6 Re: Name:匿名石 2015/05/30-08:33:37 No:00001761[申告] |
とりとめない自己憐憫妄想で自分を追い込んでさらに狂って行く過程と個々の妄想のたくましく造りが細かい所の組み合わせが可笑しくて楽しめました
語尾がほぼ全部デスーでもキャラに合ってて胃もたれしませんね |
7 Re: Name:匿名石 2015/06/27-21:53:32 No:00001797[申告] |
ようするにチイコが食っちまったんだろ? |
8 Re: Name:匿名石 2023/06/23-20:18:19 No:00007340[申告] |
くどい |
9 Re: Name:匿名石 2024/10/14-04:35:08 No:00009373[申告] |
無駄によくしゃべるだけでしょうもなかったな |