隣町、海沿いの一軒家。別荘かペンションのような造りの 家の前に車が数台止まっている。周りに民家などがなく、静かな ひなびたところだ。 「こっちよ」 Sの後について玄関に向かい、Sが呼び鈴を押すと暫しの間の後に ガチャリとドアが開く。 「いらっしゃい!久しぶりねー。1年半ぶりぐらいじゃない?…ねぇS、 ちょっと太った?」 「久々に会ったのに失礼ねー!」 親しげにSと話す女性。Sよりはふくよかだが、ボディラインは 崩れてはおらずメリハリのある身体と言った感じの、多分実年齢よりは 若く見えそうな女性。この人の方が倶楽部のママだと言った方が 似合っているかもしれない。「」は第一印象でそう思った。 女性が「」に目をやると、視線が合った。 「は、初めまして。あ、僕「」と言います。今日は よろしくお願いします」 「」が慌てて挨拶をすると、女性はニコリと微笑む。 「初めまして、私はW。お話はSから伺ってるわ。…そんなに 緊張しなくても大丈夫よ」 Wが笑いながら「」を宥める。それほど「」の緊張は 誰の目からも明らかだった。 「さ、もう皆集まってるわ。入って入って」 中に入ると、倶楽部と同じような造りの部屋が広がる。 1軒屋なので他の部屋もあるのだろうが、メインはこの部屋らしい。 キッチンとバーカウンター、ソファとモニター。 そして、水槽とケージと実装石。デスデスと喚き散らすのはどこでも一緒だ。 成体子供、合わせて全部で10匹ぐらいはいるだろうか。 (デーーッス!!馬鹿ニンゲン!!ここから出すデーーッス!!) (お腹空いたデス!!食べ物よこすデス!!可愛い私の言う事を 聞くデーース!!) (ママァァァ!!お腹空いたテチュゥゥゥ!!) (五月蝿いデス!!私も腹ペコデス!!) (そこの馬鹿ニンゲン!私にそこのお菓子をよこすデス!! そうしたら私を撫でさせてやるデス!!) ブクブクと太った、それでいて綺麗な服や 髪飾りを身に付け、きっと我侭放題に育てられたであろう 実装石達は、倶楽部の実装石達よりも殺気立っている。 水槽を叩く音も心なしか強めな気がした。 お客らしき人達は、ソファでくつろぎ談笑をする。その部屋に Sが入と、お客の視線がSに集まり声が上がる。 「久しぶり!」「元気だった!?」 Sがここの常連だったのは、「」も聞いていた。 自分の勤める倶楽部でもありそうな風景。 ただ違うのは、周りの人達の格好だった。 バスタオル一枚で各自がシャワーを浴びた後らしく 髪が濡れている。そして床は布団が敷き詰められていて、 その上にビニールシーツが掛けられていた。 「」は取りあえずカウンターに腰を下ろす。 Sは久しぶりの再開で、昔話に花を咲かせている。 会話の内容から、お客達は皆夫婦らしい。 年齢層はバラバラ。見たところ30台後半から40代後半といった ところか。4組の夫婦とSと「」、そしてW。 Sが「」の方をチラリと見て、皆に説明をする。 自分に視線が集まるのを感じた「」は椅子から降りて 2号達の様に深く頭を下げる。それを見たWがカウンターの中で笑い出す。 「クスクス…貴方真面目ねー」 「は、はぁ…」 「」は顔を真っ赤にしながらそう答えるのが精一杯だ。 「あ、そうそう。手を出しちゃいけない子は、このケージの方の子達ね?」 Wが冷蔵庫からウーロン茶を取り出しグラスに注ぎながら「」に 尋ねた。 「そうです」 「それじゃ、こっちの子達は後で水槽に入れてからシャワーに行ってね。 間違っちゃうといけないから」 「分かりました」 「」は名札の付いた親子実装石達を水槽に入れる。 親子は水槽に落とされると目を覚ました 「…ンデ…デ、デェェェ?」「テチュゥゥゥ?」 寝惚け眼を擦る親子の首に掛かる札の番号は 116と117番。その親子を残し、「」は風呂場に向かった。 シャワーの音が止む。戸の開く音と共にSが 風呂場から出てきた。先にシャワーを浴びた「」は Sが出てくるのを脱衣場で待っていた。 「あら?待っててくれたの?」 「ええ、あの、やっぱり緊張して…」 緊張して落ち着かない「」を見て、Sは身体を拭きながら諭す。 「ンフフ、大丈夫よ。事情は皆に説明したから。 『初めてだから優しくしてあげて』って♪」 その言葉を聞いた「」は更に身体を強張らせ緊張する。 「あらあら、堅くするのはアソコだけでいいのよぉ」 身体を拭き終えたSが、傍に置いてある自分のバッグからピルケースを 取り出し、薬を一粒口に含むと「」にキスをする。 「ン!?」 Sの舌が、薬を「」の奥へ、奥へと運ぶ。 「ング!?…ン!ン〜〜!!(ゴクン)」 薬を飲み込んだ事を確認して、Sは「」の唇を解放する。 「うぇぇ…な、なんです?この妙な味の物は?」 「本当はあまり使わない方が良いんだけど、 たまには…ね♪」 Sはバッグをロッカーに入れると「」の手を取り部屋に戻る。 自分達と入れ替わりでWが風呂場に入っていく。 Wは「」を見て軽く微笑んだ。 部屋ではS達の帰りを待っていたお客達が迎えてくれた。 Sと同じぐらいの年恰好の男が近づいて来る。 「Sさん、久しぶりにどう?「」君…だっけ。 もし良かったら妻を頼むよ」 「ええ、お願いします♪」 Sは笑顔で答えると、男がSの腰に手を回し寄り添う。 Sは「」を見て目で尋ねる。 「あ、そ、その…ボ、僕は、また後でお願いします、はい」 「」の対応を見て他の人達から笑い声が上がる。 「初々しい」、「若い」、「羨ましい」 そんな声が聞こえた。 「それじゃ、後でね」 軽くウインクをして、Sと男は実装石達のいる水槽に向かった。 他の夫婦も一応「」を誘ったが無理強いはせず、 各自がパートナーを変えてたり、2対1といった 構成になって水槽に向かう。「」はカウンターに腰を下ろし 見学をすることにした。 Sと男は実装石を選んでいた。水槽の中でデスデスと 五月蝿い成体を抱き上げる。 (お菓子!!触らしてやったから食べ物をよこせデーーース!!) 実装石は大声で叫ぶ。その声は少し離れていた 「」のリンガルでも表示されるくらい大きな声だった。 Sと男は布団に寝そべる。その脇に実装石が置かれ、 お互いのタオルを取り合うと、唇を重ねた。 「」は胸の鼓動が高鳴るのが分かった。今、Sは他の男と 全裸でキスをしている…まるでAVでも見ているかのような 錯覚を憶える。しかし、それは数メートル先にある現実。 男はキスをしながらSを愛撫する。胸をゆっくりと揉み上げると Sの甘い声が漏れる。 「んぁ…あぁ…い、いぃ…」 Sの左手は男の股間へと伸び、細長い指が男の物に絡みつくのが 見えた。 「」の喉がゴクリと鳴り、男の姿にSと交わる自分の姿を思い出す。 『…僕も…ああやってSさんを…あれは……自分…自身…』 「」はSから目が放せなくなっていた。 (!?デーッス!!馬鹿ニンゲン!!無視するなデエエエェェェェス!!) 実装石は大声を上げて地団駄を踏む。 ポスポスとシートの上で跳ねる姿が可笑しい。ただでさえお腹が減って 機嫌が悪いのに無視されたとあって、怒りのレベルは既にメーターを 振り切っていることだろう。鼻水と涎がシートに飛び散るが、 Sと男は構わず続ける。 「!!??…デ…デエエエェェェェェェエ!!!!」 ポフポフポフポフポフ! 怒り狂った実装石は男の背中を叩き出す。もっとも実装石などに 叩かれたところで痛くもないだろう。玉付き孫の手で肩を叩く方が 痛いかもしれない。 男は実装石をチラリと見て愛撫を止め、駄々っ子パンチを 繰り返す実装石の手を掴む。 (デエェェェ!!放せ馬鹿ニンゲーーン!!私を無視するとは 何様デーー!?エエエエェェェェェエエ!!!!!!) 実装石の声が甲高くなる。男はその腕を曲がりはしない方向に 捻っていたのだ。 「デエエエェェェェ!!!グェェェェエエエエ!!!」 涙、鼻水、涎が顔面から溢れ出し、自分の服に染みを作る。 足をバタつかせて身を捻ろうとするが、あまりにも非力過ぎた。 …ゴキリ 何かが砕ける音が微かに聞こえた。しかし、その音はすぐに絶叫に 掻き消される。 「ジェエエエエェェェエェェェ!!!」 肩の骨が砕けたショックで舌を出し、焦点の合わない目を ギョロギョロ動かす。血の気の引いた顔からは、止めどなく 涙と鼻水を垂れ流す。それらの体液がSと男の身体に飛び散るが、 2人は気にする素振りも見せない。今度はSが実装石の髪の毛を掴むと、 自分の手元に引き寄せる。 「デベ!!デベベベベベベ!!?」 顔面をシーツに擦りつけ、引きづられる実装石。 バタバタと暴れるまだ無事な手足と、全く動かずダラリとした腕が 対象的だ。 妖しい笑みを浮かべるS。その表情を見て「」はゾクリと 背筋が痺れる。それはベッドで「」を責める時の顔にも似ていた。 Sは実装石を仰向けにし、右足を掴むと、ストレッチの要領で 横に足を上げていく。 「…デ、デデデ……デ!?ンデ!デデデデデ!!!」 チアガールみたいな格好で、足はジワジワと上げられる。 「デデ!!デッス!!?デェェッス!!デヒ!デビィィィィ!!!」 Sは寝返りを打ってうつ伏せになり、両手で実装石の足を掴み左右に広げ始める。 「デーーーー!!!??」 実装石は首を左右に振り叫ぶ。「これ以上は無理」とでも言っているのか。 Sは白い歯をみせて笑う。足が広がる速度は少しずつ早くなり、 それは遂に限界を超える。 ボキ、ゴリ! 「エ!…ギャァァアァァァァァ!!!」 実装石の上半身がビクビクと激しく痙攣し跳ねる。下半身の両足は 広がったまま閉じる事はおろか、動く事もない。仰向けで 両足股裂け状態の実装石は、自由の利く頭だけを左右に激しく振り 悶え苦しみ絶叫する。 Sはうっとりとした顔で実装石を眺める。それは色気や妖しさ、 というより、慈悲に満ちた表情と言った方が 良いかも知れない。「」が初めて見る表情。自分の知らないS… 『僕と知り合う前のあの人は…一体どんな人だったんだろう…』 「」は気になり出す。今までは過去は関係ない、拘らないと思った、 思っていた。だが、自分の知らないSを見るにつけて、その疑問が頭から 離れなくなっている。 Sは再び仰向けになって男の方を向き直すと、また 口付けを交わす。男は再び愛撫を始め、Sを快楽の淵へと誘った。 「どう?驚いちゃった?」 シャワーを浴び終えたWが隣に腰掛けてきた。 「あ、は、はい…その…話には聞いてましたけど… スワッピングパーティーなんて…初めてですから…」 少し震えた小声で「」は正直に答えた。童貞を失って間もない 「」にとっては、まさに未知の世界そのものだった。 Wはカウンターに置いてあるウーロン茶を口にして頷く。 「そうね。それにここはただのパーティーじゃないもの。 スワッピングしながら糞蟲を弄り倒すパーティー… こんなパーティー、きっとここだけでしょうね」 「」も話には聞いたことがあった。お互いのパートナーを 交換しあう交際。つまりは公認の浮気みたいなもの。 しかし、それは自分には一生関係のない特別な世界で、 小説やゲームの中での話しだと思っていた。 当時女性を知らない「」にとっては当たり前過ぎること。 それが倶楽部に来て、Sと知り合い付き合うようになり、 Sから彼女自身の性癖を告白された時、 突然入り口の扉が目の前に現れたのだ。Sの痴態を目の当たりにし、 頭では理解し認めたつもりでも、心は着いて来れないでいた。 「ね、他の人達を見て御覧なさい」 「」が回りに目を向けると、そこには乱れる男女の姿があった。 S達と同じく実装石を手にし、責めながら感触を楽しみ交わる者。 つり天井の水槽に入れて、実装石の苦渋の叫び声と表情を眺め ながらお互いを高める者。様々な形で快楽を求め合っていた。 「…私達はね、普通の夫婦交際じゃ物足りなくなった人達の 集まり…そう、言わば変態。そこに居る糞蟲達みたいに見えるかも 知れないわね」 Wはそう言い切った。 「そ、そんな…」 なんと答えて良いか戸惑う「」を他所にWは続ける。 「だってそうでしょう?スワッピングでさえ世間一般じゃ 特殊な世界なのに、糞蟲を虐め、その声や仕草に興奮を 覚えるんだもの」 Wは「」を見つめる。Wの視線に気付いたはいいが、 その場をどうして良いのか分からない「」は俯き、身を 屈める。まるで自分が実装石になってしまった気分だ。 「でもね、世の中には色々な人がいるのを理解して欲しいの。 あの子と付き合うのなら…ね。愛した人が他の人を抱いて、そして 抱かれ、それを見て興奮を覚える人達もいる。糞蟲を責め、 それに興奮する人達もいる……人間は実装石みたいに 振る舞い、快楽を貪ることも出来るけど、あくまでも人間。 実装石はどんなに賢くても所詮実装石……コソコソ不倫をするより スワッピングの方が夫婦で楽しめる。他の動物を虐待したり 何かに八つ当たりするより、人に迷惑しか掛けない糞蟲を 弄った方が余程健全じゃないかしら」 Wの言葉に聞き入る。十人十色、そんな言葉が頭を過ぎった。 「…はい」 「」は一言だけ返事をする。自分の意思表示だけは キチンとしておきたかったからだ。 「ごめんなさい、面白くない話だったわね。あ、ほらほらあの子達」 Wが「」の肩を叩く。気が付けば部屋の中は人間達の喘ぎ声と、 実装石達の叫び声、呻き声が響いていた。 「」が振り返ると、男のそれに避妊具を着け終わり、 Sが騎乗位で挿入するところだった。右手で男の物を掴み、 秘部の真下で前後に滑らしゆっくりと腰を落とすと、 Sが仰け反り身体を震わせる。Sの声は周りの音で聞こえなかったが、 それがかえってSの表情を引き立たせ「」の心の奥の眼に飛び込んできた。 『…シット…ヨロコビ…カイラク…』 そんな言葉が、頭の中で飛び交う。「」は複雑な興奮を感じていた。 今すぐあの場に入って止めたいのに、それをずっと見ていたい、 眺めていたい妙な感覚… Sは傍でデーデーと喚く実装石の頭を掴むと持上げる。 頭巾と服を乱暴に引き千切り下着姿にさせダラリと垂れる足を叩く。 「デギィィィィィィィ!!!」 実装石の叫び声が聞こえ、実装石は口をパクパクと開くと、 Sは傍に置いてあるリンガルを覗き満足そうに微笑み、 今度は前髪に手を掛ける。と、その時、下からは男の攻めが 始まった。Sの悦びの顔。攻められながら、喚き散らす 実装石の前髪を引き千切る。 「デヒィ!?デ!デェエェ!!?ヂヤァァァァァァァ!!」 鼻水や涎が男の身体にポタポタと落ちるが、慣れているのか男は構わず 攻め上げる。 Sが不意に顔を上げた時、その様子をまじまじと見つめる 「」と目が合った。 「…」 気の抜けた笑顔で、快楽に酔いしれるSの口が動き何か言った気がした。 Sは身体をくねらせ全身で愉悦感に浸ると、 実装石をシーツに乱暴に叩きつけ、自らの腰を使い出し、 昇りつめて行った。 「」は自身がこわばり、硬直していたことに気付いた。 Sのあられもない姿に興奮した自分に、罪悪感を憶えたのも事実だが、 今まで味わった事のない興奮があったのを知ったのもまた事実だ。 「あーら、興奮しちゃった?」 Wがバスタオルの盛り上がりに気付いて「」を茶化すと、 顔を赤らめて両手でそれを隠そうと慌てる。 「いい、いえ!その、これは…」 「フフフ、良いのよそれで♪ここはそういった場所なんだから。 さ、私達も行きましょう」 Wは席を立つと「」の手を取った。 「それにしても初めてで立つなんて意外ねー。 普通男の人ってやる気ばかり先走って、いざとなったら 雰囲気に飲まれてちゃって立たないものよ?」 「そうなんですか…あ、そういえばさっき」 「」はSとのキスを思い出した。 「?…あ、あの子アレを使ったわね〜」 Wがニヤリと笑う。「」はなんとなく察しがついた。 「あの、強精剤の類とかですか?バイアグラとか…」 「ん?まぁそうね、そんなものよ」 Wの言葉になんとなく納得する。「きっと初めての自分の為に Sが気を使ってくれたのだろう」そう考える事にした。 「さ、どの実装石にする?」 水槽の前で実装石を品定めする。水槽の中の実装石達は 外の様子にすっかり怯え、頭を抱えて耳を塞ぎ、出来る限り 小さくなって震えていた。その中に札の付いた2匹を見つける。 親実装の116番と、その仔117番。「」は2匹の首根っこを掴むと 親子はジタバタと暴れ出す。 (デェェェエェエェ!!!離すデーーッス!!) (チァァァァァァァ!!ママァ馬鹿ニンゲンがァ!!馬鹿ニンゲンが虐めるテチュゥゥゥ!!!) その2匹を連れて2人はシーツに横たわる。 Wは仔実装を手にすると、優しく頭を撫でる。 「フフ、良い子ねー。可愛らしい。この子達、貴方の所から 持ってきた親子よね…」 「はい。その、いつも漏らしたり、人の言う事を聞かないんで Sさんと相談して、ここにってことで…」 「」の説明を受けたWは、目を細めて117番に微笑みかける。 それの笑顔を見た仔実装は怯えるのを止め、小首を傾げ口元に 手をやりWに尋ねる。 (テテテ……テ、テチュ?…お前は私の可愛さが分かるテチュ?) リンガルを覗き、仔実装の問い掛けにWが笑顔で答える。 「ええ。ホント、実装石らしくて可愛らしいわよ」 (…テチュチュチュ♪このニンゲン、もう私にメロメロテチュ…これなら周りの 仲間みたいにされることもなさそうテチュ♪) 聞こえてないつもりなのか、仔実装はコソリと笑うと 「テチューーン♪テチュゥゥゥゥゥン♪」 媚びの声を上げて身体をくねらす。 「可愛いわ、ホントに……」 そう呟きながらWは「」のタオルを剥ぎ取り、自分もタオルを外す。 やはりふくよかだがその分サイズの大きなバスト。それは90以上は 確実にありそうな迫力。Sよりも瑞々しく艶がある白い肌が 「」の目に飛び込んできた。 Wの裸体を目の当たりにして、「」の胸の鼓動が高鳴り 身体が熱くなる。これもあの薬のせいなのだろうか。 「あ、あの…」 「あ、ほら、この子のママが逃げちゃうわよ」 「」の横脇に置いた116が震える足に鞭打って、その場から 逃げようとしていた。 (デ、デヒ…馬鹿ニンゲンがあの子に構ってるウチに…) 「」は手を伸ばし、116の髪を掴む。 (デ!?離すデス!!馬鹿は馬鹿を弄ってればいいデーーッス!!) 頭を振り乱しその場で暴れる116は鼻水を飛び散らしながら 叫ぶ。子供よりは注意力がありそうだ。しかし所詮は実装石、 自分の身を守る為なら子供でも利用する糞蟲だ。 「」は116を手繰り寄せると、左足を掴み外側にジワジワと 捻り始めた。 (ビ!?デビ!?イタ!痛いデーーーッス!この馬鹿!!離せデス!! わた、私がどうなっても良いデスゥゥゥゥ!!?) 恐怖に青ざめながらも、口ではまだ強がる。甘い生活で養われた 身の程知らずな性格が深く根付いている証拠だ。 そのまま捻り続けると、歯を食い縛り両手で捻られている足を押さえ なんとか抵抗しようと必死でもがく。 「デデデデデ!!!!デヒ!?ジェベ!ジィィィィィィィ!!!」 ゴキ 「!!!デガァァァアアァァ!!!」 骨が外れたか、砕けた音。心地良い感触が「」の手に伝わる。 そして直後にもう片方の手にブルブルと暴れる振動と、 ギュルギュルと鳴る腹の下る音が聞こえた。 「ん…良い声ね…お腹まで鳴らして…フフフ…」 「なるほど…ショックで漏らさない様糞抜きした上で プラグ付きのパンツを履かせた訳ですね」 「そう。貴方達もこの日の為にこの子達を3日程無菌室に 隔離したでしょ?だから体液は大丈夫なの。もっとも慣れが 必要だけど。だけど、やっぱりプレイ上お漏らしとかあっちの方はね…… もっともそっちの趣味がある人達には堪らないんでしょうけど、 ここの人達にそっち好きな方はみえないわねぇ」 Wは苦笑し、117を抱き上げて頭を撫でながら答えてくれた。 (テチュチュチュ♪ママは馬鹿テチュゥ…自分が醜いのに気付かないから あんな目に逢うテチュゥゥゥ♪) 117の胸糞悪い鳴き声をリンガルで眺めながら、 「」はここに来る3日前に、この2匹を地下の綺麗な部屋に 隔離した時を思い出す。 『やっぱり私達は特別デスゥゥゥ♪馬鹿ニンゲンと思ってたけど、 少しは賢いデスゥ。褒めてやるから頭を撫でるデスゥゥ♪』 小躍りしながら部屋で喜ぶ親子の姿。そして今朝、 下剤を仕込んだ朝食を与え、お腹を空っぽにした上で睡眠薬入りの お菓子を与え、寝ている隙に下着を取替えから Sと一緒に綺麗な部屋を清掃し消毒した事。この実装石達には それなりの元も掛かっているからこそ、この様なプレイも 可能なのだろう。 「スワッピングはね、お互いの信頼があってこそ出来るの。 そしてこの糞蟲を使ったプレイもね。もし誰かが 糞蟲にプラグパンツを履かすのを忘れていたら、 きっとこの場の雰囲気は瞬時に壊れてしまう」 Wは117をシーツに置くと、116を掴み「」と同じ様に もう片方の足を捻る。 (デ!?デヒィィィ!!??) バタバタバタバタ! 両手がシーツを叩き、音の大きさが苦しみの度合いを表す。 子供である117は、親の116に近づき口を押さえながら 「テチュチュ♪」と見下した笑い声を零す。 その姿を目の当たりにした116番は、目を引ん剥き 青筋を立て吼える。 (デ、デフゥゥゥゥゥ!!!この馬鹿!! 笑うとは、デ!?デヒ!?痛い!痛いデェェエス!!止め! …デデデデ…笑うとは何デーーーッス!!早く助け、いデデデ!!) Wは足を捻る度合いを強めたり弱めたりと弄りながら 自らも興奮を高める。 「ハァ…良いわ…フフ…その声、ン…素敵よ…」 Wの顔が少しづつ紅潮するのが分かる。そのまま116の足が 捻られると、限界を超えた股関節が悲鳴を上げる。 ゴ、ゴキ! 悲鳴、いや絶叫。飛び散る涙。116は小刻みに痙攣しながら 「デ…デデ…」 と呟くだけになった。 Wは身動きの出来なくなった116を床に置き、「」を押し倒す。 「!?」 不意打ちを食らった「」は116同様に なにも出来ぬままシーツに倒れる。「」の視界に黒い影が現れ、 独特の臭いが鼻を突いた。Wが股間を押し付けてきたのだ。 「ねぇ…お願い…」 中腰で「」の顔に跨る。「」は恐る恐る口を開き舌を伸ばす。 そこは既に湿って芳香を放っていた。 「」の舌が秘所の突起に軽く触れるとビクンとWの身体が 震えたのが分かる。「」は両手でWの腰を掴むと、 顔を上げながら蜜を啜り出した。 「あ…う!……ん、んん!!」 Wは身体を前に倒し、這い蹲った格好で「」に自らの蜜を供給し、 自身は快楽を貪る。半分失神状態の116を引っ掴むと 腕に爪を立て、力一杯握った。 ビクン! 「!?デヒィ!?デベェェェェェエエェエェ!!!」 116は首を左右に揺り動かし、口を命一杯開けて舌を出しながら 半狂乱に叫ぶ。 「ほら、休んでないで、もっと良い声で鳴きなさい……ほら、ほらぁ!」 「!!?」 ボタボタボタ!! 掴んでいたWの手116の身体から離れると、一面に緑色の体液が飛び散った。 116の腕は肩から千切れたのだ。ただでさえ大きな眼球を更に大きく 見開いて痙攣する116は、ショックのあまり声も上げれないでいた。 パァン!! Wのビンタが116の頬を捉え、打たれた部分が赤く腫れ体液が滲み出る。 「…ヂェ……ヂエエエエェェェェエエェェェエ!!!!??」 周りの空気が震える絶叫。それは夢中で舌を動かし続ける「」の 耳にも届いた。絶叫の後、Wの蜜の量が一段と潤いを増し 後から後から溢れて来るが、それでも「」はその蜜を零すまいと 必死に舐め続けた。 どれだけ舐め続けたろうか。Wは強引に腰を浮かし 「」から離れた。一瞬不安に駆られる。 『Wを怒らせてしまった?やっぱり自分では役不足だった?』 焦りと申し訳なさが脳裏を過ぎる。Wは髪を掻き揚げながら 向き直すと、自分の愛液塗れの「」に激しく口付けをする。 どちらからともなく唇を離すと、喘ぎ疲れた笑顔で「」を見つめながら 「ハァ…心配しないで…良かったわよ、とても…」 と言った。そして、今度はお返しとばかりに「」の硬直した 股間に顔を埋める。 「ン…ジュプ…ジュル!チュ!ジュ!ンフ…」 暖かい感触が自身を包み込み、粘膜の感触と舌の絡みつきが 「」の硬直を更に硬くさせる。ただ強引に吸い上げるだけでなく、 強弱とポイントを付いた攻撃に、「」はSとの違いを覚え戸惑う。 「ぐわ…!これ……あぁ!!」 身体をよがらせ思わず声が漏れる。自分自身がWの口の中に吸い込まれ、 蕩けそうな錯覚を覚えたのだ。Wは口を離し、「」の物を右手で 上下に優しく動かしながら得意げに答える。 「フフ…私、お口は得意だから…こっちならあの子にも負けないわよ」 Wの意味深い笑みを見た「」は、腰に力が入らない感覚に陥る。Wは口 だけでなく、手淫の方もSに勝るとも劣らなかった。「」は先端に 熱い塊が集中しているのを感じた。 ネチャ…ヌチャ… 「ン、ンン…ジュポ、レロ…ンハ…チュパ、チュ〜〜〜!!」 Wはここぞとばかりに攻めまくり、「」を陥落させようと 自身のテクニックを駆使する。 「ンガ!…ちょ!!あ、あの!あんまり、その…」 震えながら声を上げる「」は既に限界が近いのを感じ、 身体を起こしてWの攻めをかわそうとするが、Wはそれをさせなかった。 「ン…チュポン!……良いわよ、出しなさい。ンハァ、見ててあげるから…」 Wの手の動きが早くなる。全身がピーンと張り詰め、その快感は 股間に集中し、それに耐えようと「」は思わず腕で目を覆う。 「ンァ…ビクビクしてるわぁ……ハァハァ、イクの?イッちゃうの!? …良いの、良いのよぉ…ほらほらほら…イキなさい!!」 寝そべった身体が反り返り、全身にビクビクと電流が走る。 Wはシーツに手を伸ばす。 「テ?」 「うわ!うああぁぁぁ!!でる、ぅ!!」 放出感、いや開放感。自分の物が跳ねた後、「」は今までにない 射精感覚を憶えた。自分の解き放った体液が自分の喉辺りまで跳ね、 続いて腹部に降り注ぐ。尿道を通る熱い塊がいつもより長い。 「?…テビュ!?」 「う!…うぁ…はっ!……あ、…なん……んぁ!…こ、んな…」 「あはぁ♪凄いわぁ…すごぉい…流石実装丸…量がハンパじゃないわぁ… やっぱり若い子は元気ねぇ♪」 歓喜の声を上げながら、Wはそのまましごき続ける。 音を立てながら放出される体液は、通常の量を遥かに超え 腹部にちょっとした水溜りを作っていた。 いつもより長い射精が終わり、Wが手を離す。 グッタリとした「」は、自分の生暖かい腹部に奇妙な動きを感じ 頭を上げて覗いてみると、117が自分の精液塗れで プルプルと震えていた。117は突然両手を振り上げたかと思うと チーチーと叫び出す。 (なにするテチィィィィィィ!!!可愛い私の服も髪の毛も台無しテチィィィ!!!) 「ハァハァ…な、なんだおま…!?……この量は一体…」 小うるさい117を他所に、「」は自分の腹部に広がる夥しい量の 精液を見てを見て驚く。ドロリと濃い白濁した精液は、 とても自分1人の量ではないように思えたからだ。 「これが「実装丸」の効能よ」 「実装…丸ですか?」 Wの言葉に反応し、先程自分の飲み込んだものを 思い出して見る。正露丸よりも少し大きい、球状で半生タイプの薬… 「まぁ、その他の効能もすぐに自分で分かるわよ」 Wは117を手に取ると、顔に自分の顔に近づけ臭いを嗅ぐ。 (馬鹿ニンゲン!!臭くて溜まらないテチュ!!早く綺麗にするテチュ!!!) リンガルを確認したWは薄っすらと笑い、117を眺め 何度も何度も臭いを嗅ぐ。 「そうね、すごい臭い……むせるわぁ…なんて粘り気なの……」 Wの目がトロンと溶け始めたのが「」からも見える。 (チィィィィィィィィ!!!!早く私を綺麗にするテチュゥゥゥゥゥ!!!早くしないと 可愛がらせてやらないテェェェェチュ!!!) Wは静かに117の髪の毛に手を掛けて精液を拭い出した。 (テッチュ!!そうテチュ!それでいいテチュゥ♪) 「…可愛そうに…それじゃあ早く綺麗にしなくちゃ……ね」 ブチ 「ヂッ!?」 Wの手には117のおさげが2本、しっかりと握られていた。 「……チ…チィ…ヂェェェェェェェェ!!!」 毛を抜かれた痛みで頭を抑える117は、事実を受け入れるまでに タイムラグがあり、それが間抜けさを一層醸し出していた。 Wの手に握られた髪の毛を取り返そうと身体をくねらせる117。 しかし、人間の手の中で仔実装が身動き出来る訳がない。 Wは117の前髪、頭巾、服と次々に剥いてパンツ一丁の姿にさせると、 改めて117を見つめる。 「フフフ……どう?少しは綺麗になった?」 (テテテテテテ…ブルブル……ややや、止め…) Wは腕を摘み軽く引っ張る。 ミチ…ミチミチ……ブッ! 「ヂエエエェェェェェェ!!!??」 小さなものの悲鳴とは思えない声が響く。 Wはその行為を計4回繰り返すと、その回数通り 悲鳴が上がった。「」はWのプレイを夢中で見つめる。 倶楽部では冷徹に虐めたり、皆と笑い、語り合いながら 弄るものだが、ここでは快楽を高める為の玩具にさせている… 「あ……あは…ンン…良い声よぉ…」 Wの身体が赤緑の体液で汚れる。それを見た「」は正直戸惑った。 倶楽部ではそんなのも気にせずに虐待をするし、糞塗れの 糞蟲さえ扱うが、なぜだか自分が裸だと、無害だとはわかっているつもり でも身を引いてしまう。 『こんな状態では興奮は出来ない…… それに今さっきあれだけ大量に出したばかりだし、しばらく休憩を……』 しかし、その考えとは裏腹に「」のそれは先程と変わらず、 見事にそそり立っていた。 「え?…な、なんで…あれだけ出したのに…」 達磨にされた117を親である116の傍に置き、 荒い息を吐くWが「」に跨ると、「」の硬直を手にして 自らの秘所に宛がう。 「!? Wさん!あ、あの、まだ汚いしゴムも!」 「」は小声で、だが強い焦りの入り混じった口調でWに訴えるが、 Wは構わず腰を落とす。口から舌なめずりする音が微かに聞こえた。 「ん!……う、ん!…あぁ!!あ、ぁぁ!…あはぁぁぁぁぁぁ!!」 「う、うぅっ!」 ヌルンとWの体内に包まれると、「」は思わず声を漏らす。 暖かく柔らかい、そして妨げるものが何もないダイレクトな 感触を味合わせながら、Wは「」を迎え入れた。 「あ…ぁぁ………」 Wはとたんに崩れ、「」に身体を預けた。 「え?…ちょっと……Wさん?…Wさん!」 「」は耳元で呼び続けるが、Wは身体を震わせ何も答えない。 どうしたものか考えあぐねていると、 「ん……んぁ…あ…」 Wが目を覚ました。 「あ、良かったぁ…ビックリしましたよ」 「あぁ……ゴメンね…私、イキ易い体質なの……」 まだ醒め切っていないとろりとした目が、「」を捕らえ離さない。 「あの…その…い、良いんですか?」 「ぅん?……何が?」 「」はWに話しかけた。気になって仕方がない事が 沢山有り過ぎたからだ。 「その…僕、まだ洗ってもないのに…な、生で…」 「…あぁ……良いのよぉ…私婦人病、やっててね…もう卵巣 取っちゃってるから、大丈夫……病気も、心配しないで…… でも…他の人と、する時は…着けなきゃ…ダメよ?」 いまいち反応が鈍いWは「」の頭を撫で始めた。それを聞いて 一気に胸の痞えが取れた気がする。やはりそういった事には 気を使ってしまう。 「そうですか…あ、す、すみません……余計な事を」 「ん?…フフ…優しいのね……ゴメンね、まだ動かないでくれる? 腰に力が入らなくて…」 「」はWの腰に手を回し摩り始める。この状態は「」にとっても 好都合だった。 「「実装丸」って一体なんですか?あんなに精液が出て、 しかも衰えないなんて…」 「…山マラ実装ってご存知?…山実装の中でも警戒心が強くて、あまり 人目に触れることはない実装石…それを食用実装の種親にしている ところがあるの……そこにお願いして、何匹かのマラを切り取って 漢方薬と煮詰め薬状にした、ナチュラルバイアグラみたいなモノ。 服用すると精液の量が増え、2,3回出したぐらいじゃ収まらない… 貴方もマラ実装の精力は知ってるでしょう?」 「」思わず吐気に襲われる。確かにマラ実装ならあの量も分かるが… 『アレがマラ実装のマラを煮詰めたモノだったなんて……』 「フフフ…でも身体への負担がケミカル系に比べて軽いから 普通の精力剤の数倍の値で取引されてる希少価値の薬よ」 「」の表情を読み取ったWが笑いながら答えてくれる。 確かにその効果は絶大で、こうして全くプレイとは関係ない話を していても、硬度は維持したままで衰える事を知らない。 Wの口調にハリが戻り、だいぶ回復してきた事が「」にも分かる。 このまま再開されては一番聞きたい事を聞く機会はなくなるかも知れない。 「」は一番気になっている事を聞こうか迷っていたが決心した。 「あ…あの、S…さんの事ですけど…」 戸惑いつつ尋ねる「」を見て、Wは何を聞きたいか感じ取った。 「…あの子の、過去…?」 「…はい…その…どんな人だったのか、Sさんの「あの」姿を見てたら どうしても気になって……」 「チュ……あの子と私は、大学時代の同級なの。就職して、 お互い結婚しても家族ぐるみの付き合いをしててね…旦那さん? 旦那さんは食用実装の会社を経営してたの。きっと名前だけだろうけど、 今でもあの子は会社の役員の筈よ。だから実装丸が手に入る訳」 Wは「」に軽くキスをすると語り始める。それはどこか、母親が子供に 昔話をしているのに似ていた。 「あの実装倶楽部はね、もともとこのスワッピングパーティーが 始まりで、パーティー自体はあの子の旦那さんとウチの旦那とが 共同で初めたの。パーティーの時、お客さんが余興で持ってきた 実装石を弄ってたら 『面白いからこれはこれで独立しよう』 ってあの子の旦那さんが始めたのよ。それで私達夫婦は このパーティーを引き継ぎ、あの子達は倶楽部を始めた訳。 ん?、私の旦那?あぁ、海外出張中よ」 以外だった。元はこのパーティーが倶楽部の始まりだったと知って 「」は驚く。S夫妻がどんな事をパーティーでしていたか想像すると、 何かモヤモヤとした心情に駆られると共に、自身の強直が一段と 堅くなった気がする。 「でも、あの子の旦那さんが亡くなって…あの子、精神的にも 参っちゃってね…倶楽部も何もかも嫌になって店を畳もうとした時、 ある男性と知り合い付き合いだした……その人はSと一緒にここに来て、 私も何度かお相手した事があるわ」 「じゃ、Sさんとその人は倶楽部でも一緒だったんですか?」 「えぇ、そうみたいね」 「」は少し嫉妬に駆られる。旦那以外に、自分の前にもそんな事を していた人が居たと思うと複雑な気持ちだった。 「でも、その幸せも長く続かなかった…ちょっとした、そう シャツのボタンを掛け違えた様な些細な事で、2人の関係は 一時冷えてしまった。でも、あの子は少し時間を置けば、 またよりを戻せると思っていたみたいね。ところが、 そこに違う女性が現れ、彼を奪い逃げていってしまった…… よくある話でしょ?」 「え、えぇ…そう、ですね…」 「」は正直なんと返事をして良いのか分からず、鈍らな言葉で誤魔化しか 出来なかった。 『…まさか…しかし……』 「」は動揺する。 「でも、彼を奪った女性が自分の娘だったら……そのショックは如何程の ものでしょうね」 「……冗談…でしょう…?」 「」は耳を疑う。動揺は的中してしまった。 引き攣った笑い顔で尋ねる「」にWは真顔で答える。 「事実よ。…あの子の元彼は、貴方が良く知るAさん」 衝撃だった。倶楽部での話しで、てっきりAがSの娘を奪い 駆け落ちしたものとばかり思っていた。でも、事実は その逆だったのだ。「」は娘の部屋でぬいぐるみを握り潰すS姿を 思い出した。 『あれは…A先輩じゃなくて、娘さんに対する嫉妬と怒り…』 「ン…」 Wがいきなり唇を押し付けてきた。そのまま「」の口の中をネットリと 舐め回し、唇を離してこう言った。 「はい、この話はこれでおしまい」 Wは起き上がると「」の脇に転がる116と117に目をやる。 Wと117は目が合い、Wは妖しい笑みで117を見下ろす。 117は恐怖に青ざめガクガクと震えるが、なぜか急に媚びの声で 鳴き出した。 「テテテテ……テ、テチュゥゥゥゥン…テチュゥゥゥゥゥゥン♪」 体液で汚れた顔面を歪めながら、愛想笑いを浮かべて媚びの声を 絞り出す117を見てWは微笑む。 「まぁ、こんなにされてもまだ媚びるなんて…良い子ね…」 117は媚びれば助けてくれる、また可愛がってくれる、 そう考えているのだろう。「自分は母親より可愛い」そう思い込んで いるからこそ、この行動に出たのだ。幼くとも見事な糞蟲ぶりを見て、 Wは喜び、そっと117を掴み上げる。 (…テ?テ、テチューン♪わ、私、可愛いテチュ?おお、お前は 私の可愛さ分かるテチュゥゥ…) 「えぇ…分かるわ」 (テ、テチュゥゥン♪わ、私、死んじゃうと、これ以上可愛くなれないテチュゥ… お、お前、私可愛がれないテチュゥゥ…だだ、だから…) 117はWに、糞蟲らしい命乞いをすると、またテチューンと媚び出した。 「大丈夫よ…貴方にはもっと可愛くなってもらうから…」 (テェ?ホントテ…?!) Wの口元が横に広がるのと同時に、117は116の口に勢い良く 突っ込まれる。 「ヂェ!!」 「!?」 117の身体は、頭が僅かに口から出た状態で、親である116の口の 中に納まってしまった。 「ング!?ンェェェェェェェェェェェ!!!」 失神していたところに、いきなり我が子を口に突っ込まれ 錯乱する116は、117を吐き出す事も出来ず首を左右に振ると、 口の中からは微かに117の声が聞こえた。 「ヂィィィィィィ!!……ヂェェェェェェェェ!!」 「あぁ……良いわ、はっ!…その顔…子供の声も…くっ!…素敵…っん」 「ぐっ!…Wさ…あぁぁ!!」 Wはゆっくりと腰を動かし出すと、「」に再び口付ける。 先程と変わらない、いや、それ以上に快楽を貪らんと輝く黒い 瞳。それは「」にとってメデューサの瞳だった。 「んぷっ」 唇を離したWはグイグイと腰を押し付け、「」を自身の一番深い場所へと誘い、 硬直した細胞を溶かそうと締め付ける。 「うっ!…はぁ!…ん!…ねぇ……見てるわ♪」 「」はゆっくりと首を動かすと、Sと目が合う。 男との一戦を終えたSがこちらを見ているのだ。 男に寄り添いながら、うっとりと満足した顔付きで 「」とWの営みを見守っている… 「」は心臓が口から飛び出そうになる程焦り、動揺する。 先程とは逆の立場で愛しい人に見られている… 「んぉ!はっ!!あは、…ん!また大きく、うっ!!…なったわ」 Wは「」の頭を強引に自分に向かせ、腰の動きを止めると 頬を摩りながら諭す。 「…言ったでしょ…?「相手」の全てを受け入れてこそ、 この遊びは楽しめるの……」 その言葉は「」の頭に強く木霊する。尊敬していたAが、 Sの恋人だった事実を突き付けられ、それが薄っぺらな表面的でなく、 深く染みこんだ見えない汚れた部分を含めた事だと言う事を、嫌でも 理解させられる。 『僕は…僕、は……』 ズプッ!チュ! 再びWが腰を上下に使い出した。 「ん!…ねぇ!!突いて!!はっ!突き上げてぇ!!」 「」の頭の中に白い火花が飛び散り何かのスイッチが入る。 パジュ!グチュ! 「」が下から突き上げると、結合部は淫らな音を奏で出す。 両手でWの腰を掴み若さに任せて激しく動き、自分自身の硬直を Wに送り込む。 「ああぁぁ!!い、いいっ!!いいわ!!」 Wの悦ぶ声と同時に秘所がキュッと硬直を締め上げ、 「」は再び熱い塊が充填されるのを感じる。 『え、もう?…あ、あれだけ出したのに…』 普通ならば1度射精してしまえば射精感覚は鈍るものだ。 しかし、「」は陰嚢から肛門にかけてムズムズとした 独特の熱いものが溜まり出し、ジワジワと込み上げるのを感じる。 腕を広げ踏ん張ろうとすると、 「W、がっ!さん!!っふ! あっ!! くぁぁぁっ!!」 押し寄せる大きな波に、「」は堪らずWの腰から手を離し シーツを掴もうともがく。 「ンフィッ!?」 「?」 「」の指先に暖かい感触が伝わりったかと思うと、 ビクビクブルブルと振動する。シーツを掴もうと振り下ろした手が 116号の左目を直撃し、めり込んでしまったのだ。 「ンヒィィィ!!!ンェ!?フィィィイイィィ!!」 気管を117に半分以上塞がれ苦し上に、いきなり目玉を潰された 痛みと恐怖を振り払おうと首を動かそうとするが、「」の手がガッチリと 食い込んでしまっている。口の中では117の激しく篭った鳴き声が 聞こえていた。 「テヂ!!!ヂエェェェェェ!!!!」 116の歯が117の身体に食い込んだのだろう。 「フィ!!?」 「」が手を引き抜くと、116はビクンと大きく跳ねて失神した。 Wは「」の手を掴むと、自分の頬に擦り付け微笑む。Wの頬が赤緑の 体液と肉片でベトリと汚れる。 「あ……良い声…ん!…ふふ……子供はまだ鳴いてるわぁ… 素敵よぉ…この子達も、貴方も……」 Wがチラリと横を向いたと思うと、勢い良く手が振り下ろされる。 「!!?」 「ヂ!!?」 その手は、的確に116のもう片方の目に命中し、中指は 深く刺さりグリグリと動いていた。 「フェ!?ポヒュ!…ェ、エェェ…(ビクン!)…フィ!?」 Wの指は恐らく脳にまで達したのだろう。116は痙攣と意味不明な 呼吸を繰り返すのみとなり、口の中の117は、116が頭を 噛み潰し絶命した。 Wが手を引き抜くと、今度はそれを「」の頬に擦り付ける。 「あ、あぁ……」 一連の行動を呆気に取られて見ていた「」は、戸惑いの声を上げながら Wの成すがままにされつつ、生暖かい濡れた感触とWの指先が自分の頬の 神経を刺激するのを感じた。 「……これで貴方も…立派なメンバーよ……」 ヌチャリ… Wが腰を上げ「」を抜き取ると、横にゴロンと寝転がり、 腕を伸ばし「」を引っ張る。 「うわ」 今度はWが下になり、正常位の形にチェンジした。 足を開き膝を立て迎え入れる体制を取りると、右手を伸ばし 「」の物を優しく掴み導く。 「あぁ…ここ、ここよぉ…んはっ、…あ、うあぁっ!!」 「ぬぁ!あ…き、気持ち、良いです…うっ!」 「」の硬直がWを貫き奥に入り込むと、ゆっくりと 一定のリズムで腰を動かし出した。 「んあぁっ!!もっと!!もっとぉ!!!」 Wは腕を「」の首に、足を腰に絡ませ、全身で「」を 締め上げる。その言葉に答えるように、「」は挿入速度を上げながら Wの唇を貪り唾液を啜り上げる。 「ジュプ!!ジュ!ジュポ!!……んぁ!!い、良いの!! 上手よ! ハァッ!! だ、ダメ!!」 既に昇りつつあった逝き易いWは、左手を「」の首から離し、背中を 滑らせに臀部に辿り着くと指で肛門を刺激する。 「!!?」 未知の快感に「」自身の硬直がビクビクと波を打ち悦び、 熱い塊が急速に駆け上がってくる。Wの足が痛いくらいに「」の腰 を締め上げ、それとは対照的に肛門を弄る指は優しく揉み解しながら 新たな刺激を送り続けた。 「あぁぁーーっ!! い、いぐぅ!!い、 い、いっ!!!」 ガクガクと震えながらWが先に昇りつめ、 「ハァハァ!ハァ!!おぁ… ぐ… はっ!!」 直後に「」も絶頂を迎え、腰を叩きつけWの一番奥に迸りを吐き出す。 「……お、おぉ…あ、 うっ…はっ……んぁぁぁぁぁ…」 半開きの口からはだらしなく涎を流し、「」の全てを受け止めるWは 全身で快楽に浸り悦ぶ。一方「」も射精の快楽にどっぷりと浸かっていた。 先程と同じぐらい大量の精液をWの中に放出しながら、いつもより長い 射精時間に身を震わせ身体を弓反りさせたあと、Wに身体を預けた。 どれくらい気を失っていたのだろう。 身体が揺れ股間にニュルリと滑る感触。暖かい感触が抜け、冷たさが じんわりと広がり出すと、仰向けに寝かされた。 ぼんやりと霞む視界に、すっと人影が現れる。 『…W…さ、ん…?』 「…ぶ?……大丈夫?」 「」の耳がピクリと反応すると、身体が無条件に反応した。 「……え!?あ、S…さん!?」 Sは「」を見下ろしながら微笑む。「」が隣を振り返ると、 小刻みに震えながら失神するWの姿。その秘所からは、濃く 粘り気を帯び白濁した名残が大量に溢れ出ていた。 「ンフフ……気を失っていたのは30秒ぐらいかしら? どう?初めて体験したご感想は?」 気が付けば他のお客達も自分達の周りを取り囲み 微笑ましく見つめていた。 「な、なんです皆さん!?…え、感想…あ、は、はぃ… とても……良かった、です…」 消え入りそうな感想が「」の口から漏れると、周りから歓声と拍手があがり 部屋に響く。その音でWも目を覚まし、「」の肩に寄り掛かりながら 起き上がる。 「…おめでとう」 そう一言だけ言い、疲れた、それでいて満足そうな笑みを見せて 「」にキスをすると、顔を真っ赤にさせて俯く「」に 他のお客からまた笑い声が漏れた。 「取りあえず休憩しましょう。「」さん、アレ用意しておくわね」 クスクスと笑いながらSは「」とWにバスタオルを渡すと立ち上がった。