タイトル:【悲虐】 剣道場
ファイル:剣道場.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:3168 レス数:1
初投稿日時:2008/12/14-11:01:09修正日時:2008/12/14-11:01:09
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 ある夏の日、私は、友達二人と母校である双葉中学校に立ち寄った。
夜の同窓会の前に、教師に挨拶したり、見て回ろうと考えたのだ。
学校には他の同級生も来ており、グループを作って思い出話に花を咲かせていた。
私たちは、当時の担任にあった後、学校の中を周ることにした。

 小さく見える教室や、理科室、美術室などを見た後、私たちは小さな体育館のような建物の前にいた。
そこは剣道場だった。私の学校は剣道部が強く、専用の施設を持っていたのだ。
そして、末端部員とはいえ、私もその一員だった。

「ああ、ここは…」
「ははは」

 友達二人は少し気まずそうに笑った。
それというのも、高校時代に起こしたちょっとした事件で、私たちはこっぴどく叱られたからだ。
しかし、今の彼らと私が浮かべただろう思いには、大きな隔たりがあるはずだ。




…7年前
 私はいつもどおり部活の厳しい練習にへばり、剣道場を抜け出して、とある場所でねっころがっていた。
剣道場の横には体育館があり、その裏には目立たない空間ができている。
そこのそばには体育教師の部屋があり、実際には誰もいないことが殆どなのだが、
うまい具合に不良の溜り場になることを防いでいて、私しか知らない休憩場所となっていた。

 いつものように草の上に転がっていると、頭のほうから「テチー」と鳴き声がする。
驚いて振り返ると、そこには二匹の仔実装と、それを押さえ込むようにしている親実装がいた。
当時、私は実装石には大した興味が無かった。幼稚園児の頃に、面白さに任せて
蛆を拾って潰して遊んだことはあったが、臭い体液がスモッグに着いて親に叱られて萎えてしまった。
 
 親実装の顔を見るとこちらを警戒している様子だ。思うに、親実装はそれなりに賢く、今までは
私にも見つからずに縁の下で静かに暮らしていたのだろう。それが、いつもだらけているだけの私に
仔実装の緊張が緩み、つい声を出してしまったのだろうと思う。

 野生の実装石にしては大して汚くも無く、知性も感じたので、私は少し交流を試みることにした。
まず、親実装がこれ以上脅えないようにゆっくりとした動きで、仔の頭を撫でてやる。
「テチュ〜ン」「テチテチー」
すると、仔実装は心地よさに顔がほころび、親の緊張も緩んだ。
そこで次は、持っていたスポーツドリンクを手酌して舐めさせてやる。
「テッチャア」「チュッチュ」
仔実装は私の手にしがみついて、ドリンクをペロペロと舐めだす。
親はおずおずと私の顔を窺っていたが、手を顔の前にやり、舐めるように施すと、
「デスゥン」
と一鳴きして、仔と一緒にピチャピチャと舐め始めた。
なんと愛らしい生き物だろう。
この実装親子は、降って湧いた幸福にがっつくこともなく、あくまで控えめに行動する。
その後で仔をあやしてやったのだが、それでもこの親子は『飼い』を要求するような厚かましさも見せない。
この場所も賢さゆえに発見したのだろう。私は、彼女らが俗に言う『糞蟲』とは到底言えない個体だと確信できた。

 あまり長い時間抜け出すわけにはいかないので、縁の下にあったプラスチック容器にドリンクを注いでやって
帰ろうとすると、仔が名残惜しげにすがりついてきたものの、親はちゃんと制して
「デスデスー」
と、感謝のこもった鳴き声で私を見送った。

 それからというもの、私はこの実装親子に愛着を抱き、昼休みに何もすることが無かったり、部活を抜け出した時に、
彼女たちの所に遊びに行った。私は仔をあやし、弁当の残りや飴玉をやっていた。一緒に日向ぼっこをすることもあった。
私はもとより、実装親子にとっても楽しい時間だったはずだ。このことは友達には恥ずかしかったので隠していた。

 しかし、そんな日々も崩れようとしていた。年度末が近づいており、この人目につかない空間にも人の手が入る可能性があった。
私は、実装親子を何とか保護してやれないものかと考え、家の庭の隅で飼ってやることにした。
親の許可は取っていなかったが、賢い実装石なら犬などより手間もかからないし、許してくれるだろうと甘く考えていた。
冬休みに入る日、ホームルームが終わった後、私はいつもの場所に行き、実装石たちを持ってきた布袋に詰め込もうとした。
そこで後ろから声がした。

「よう」「としあき、何やってんだよ」

 友達二人は、私が笑みを浮かべて部活を抜け出すのを見て、何かをしていることに薄々感づいていたようで、
終業日にいそいそと教室から出て行った私に、何かがあることを確信して、あとを着けていたのだ。

「お前も好きだねえ」
「あはは とっしーが実装いじりしてたなんてな」

 どうもこいつらは、私が実装石を虐待していると思ったようだ。
布袋の中で実装石がモソモソ動いている様を見たらそう思うことも無理は無かったかもしれない。
おまけに、私は一人で実装石を愛でていたことを、少女趣味のように感じて
中学生の安いプライドからか、どうしても言うことができなかった。

「しゃあねえなあ」
「俺たちも混ぜてよ」

 物事が悪い方向に流れていることを強く感じたが、当時押しの弱かった私は、
場に流されて、何となく二人の後を着いて歩いてしまっていた。
手の袋の中では、実装石たちが新天地を期待してモソモソゴソゴソと蠢いていた。

 二人の友達、双海と馬場は当時、典型的な中二病患者であり、
実装虐待サイトdeathrish.comで実装虐待動画を見て大興奮し、ライトな虐待に手を染め始めていた。
それは木の棒を振り回しながら実装石を追い回したり、水風船をぶつけるなど、他愛の無いもの(結構死んでたのもいたが)
だったが、この日、彼らは私が隠れ虐待派だと知って(思い込んで)大いに喜び、
新虐待仲間の歓迎ついでに次のステップに進もうとしていた。

 私たちは剣道場の前に着き、誰もいないことを確認すると中に入った。
もう校内にはいくつかの練習中の部活の生徒しか残っておらず、剣道場内の音は、
校庭や体育館からの声や音にかき消されてしまう。剣道場は今や実装石を虐待するにうってつけの場所となっていた。

 私が双海に促されるまま仔実装を布袋から出すと、仔実装二匹が私に擦り寄ろうとして駆け寄ってきた。
「テッチュー…チュベッ!」「チボッ!」
「厚かましい連中だ 媚全開で寄ってきやがった」
「デスーデスー!」

哀れ仔実装たちは即座に糞蟲認定を受けて蹴り飛ばされてしまった。壁に激突は免れたものの、
鼻血をたらし恐怖から糞をモリモリと溢れさせ荒い息を吐いている。
親実装は親子の未来が悪い方向に大きく変わっていたことをようやく悟ってか、騒ぎ始めた。
私は、体液と糞まみれになった剣道場をどうするのか、もう止めようと主張したが、
双海と馬場は「もう遅いぜヒャッハー」「バレやしねえよヒャッホー」と取り合わない。
今にして思うとこれは、溜まった人がペットボトルにチンコを挿入して病院送りになるのと同じだろう。
幸せ回路とも大差ない気もする。

 二人の暴挙を、私は止めることもできずに、内心悔みながらも傍観していた。
「デギャアス!」
親実装は袋に入れられたまま馬場に思いっきりジャイアントスイングをされていた。
猛烈な勢いで回転しながらゲロと糞を吐き、袋にそれが染みてくると、馬場は手を離した。
親実装袋は遠心力に任せて吹っ飛んでいき、双海の腰の辺りに直撃した。

「てめー!!」
「悪かったって…うわ!」

双海は腹いせに仔実装を無駄にきれいなフォームで投げた。
それは馬場の頭に直撃し、彼の顔は文字通り血みどろになってしまった。
「ヂュバ…ヂュバ…!」「デズゥー デギャ」「テチャアアァァァ!!」
それぞれ泣き喚く実装親子。

仔実装は片手片足がグズグズに崩壊し、ブクブクと血の泡を吹いて悶絶している。

親実装は袋から這い出てクネクネと蛆のようにうねりながら糞の跡を残していく。腕はちぎれかけている
「デェェン デェェン プギ!」
時折ビクッと痙攣しながらも親実装は仔の元に懸命に這いずっている。
強い親子愛からの行動だったが、馬場にとっては無駄に汚れを広げるものでしかない。
馬場が足の裏で強く押さえつけると、
「デシッデシッ」
としばらくは弱々しげに威嚇をしたものの、じきに大人しくなった。

もう一匹の仔実装は比較的軽症なものの、他者の惨状を目の当たりにして、
泣き叫びながら、身の丈の半分はあろうかという糞の山を築いていた。

「しょうがねえなあ」
「シャツは帰りに洗ってこうぜ」

双海と馬場は笑いあいながら、竹刀で満身創痍の実装石を折檻している。
馬場が後ろ髪のロールに竹刀を引っ掛けて勢いよく振ると、一本釣りのように仔実装が飛び、糞の虹を描く。
そこに双海が竹刀をフルスイングすると、足に掠って、ちぎれ飛んだ。

親実装は馬場の足で揉まれて体中が複雑骨折し、時折竹刀でつつかれると、激痛からかたこのように蠢いていた。

それを眺めていると、比較的軽症の仔実装が私のところに駆けてきた。

「お前の収穫物なんだから お前もやれよ」

私の腕に仔実装が擦り寄ると、糞と涙と血と涎がこびりつき、反射的に腕を振り上げてしまった。
仔実装は宙に舞い上がり、頭から畳と激突した。

「テッチュアアアアァァ!!!」

仔実装は私の変貌に最後の希望を失ったと見えて、少しつぶれた頭を抱えながら、そこを支点にして
足をばたつかせてねずみ花火のように糞を撒き散らしながら暴れまわった。

私が実装愛護を恥ずかしがったばかりに、この愛すべき実装親子は未来を閉ざされつつある。
そして、私は、未だにこの友人二人からの評価が気になり、なんの行動も取れずにいる。虐待に参加しているのと変わらない。
自分の下らないプライドに情けなくなり、実装石との親交が取り返しのつかないほどに破壊されたことに気づいて、
目の前の実装石のことへの関心が薄れていくことが分かった。

双海は暴れる仔実装を取りあげて、
「汚いんだよ!」
と怒鳴ると、力を込めて両腕をひねりちぎった。
仔実装はブレイクダンスのタートルウォークのようにもぞもぞと進んでいって、壁にぶつかり糞をひと噴きして悶絶した。

 馬場と双海は道場内の剣道着を掛けておくハンガーを三つ取り、それをカーテンレールに引っ掛けた。
それに実装を一匹ずつ、裸に剥いてから道着の帯を使ってくくりつけた。そして気付けに、私のバッグからスポーツドリンクを
取り出して口に突っ込んで強引に飲ませた。数分すると実装たちはもぞもぞと動き始めた。
彼女たちは私を見て涙を流しながらわめき散らした。
その場にリンガルが無かったのは幸いだった。私の実装愛護を暴露されると、事態が複雑になる。
実装親子たちは少しずつ毛を引き抜かれ、じわじわと再生不能の喪失感を味わっていた。
「デスァデスァ…」「テヂャアアァァ!」「ヂャアアアァァ」
程なくして、三匹は体液にまみれた禿裸となった。四肢満足なものは最早おらず、
自然界で生き残ることができる可能性は数学上では0となった。
命は苦痛を与えるものでしかなく、自身の賢明さは、彼女たちから安らかな偽石崩壊を奪った。
その慟哭に合わせる様に水っぽい糞がぼたぼたと垂れる。そろそろ頃合だな、と私も感じていた。

 双海が私に竹刀を手渡して言った。

「仕込みは終わった メインディッシュはお前のものだ」

私は懸命に笑顔を作って言った。

「ヒャッハー!」

「テェェン!」「デェェン!」「チベベベ!」

 …五分後、私の前には、三つの赤緑の肉袋がぶら下がっていた。
双海と馬場は頭が冷えたのか、急に騒ぎ出し、雑巾を持ってきて一生懸命に床や壁を拭いた。
畳はビニール製のもので、染み込むことも無く、なんとかふき取ることができた。
さすがに電気を点けると目立つので、日が暮れる頃には抜け出して帰ってしまったが、
発覚は無いだろうと、晴れやかな気持ちで岐路に着いた。私以外は。
ちなみに、三匹の死体はビニール袋につめて、実装ごみに出した。
袋を持つと半分液体かのように揺れ動き、大変気味の悪い感触だった。

 次の日の昼休み、私のクラスに鬼の形相で剣道部の顧問の担任教師がやってきた。
昨日の事が発覚したのだ。なぜバレたのかと言うと、彼の剣道着に、実装石の体液が付着していたからだ。
壁に当たって跳ね返った体液が、見えづらい位置に小さくはない染みを作っていた。
実装石が侵入したと思った教師が隈なく中を調べると、所々に残った汚れや、拭いた跡が発見され、
そこからは、剣道場に入る私たちを見た何人かの生徒から、犯行はあっという間に発覚した。
今思えば、夕暮れの中では汚れの見落としがあっても当然のことで、どうしようもなく馬鹿な行いだった。
 親子を呼び出され、説教の嵐と長大な反省文の提出を経て、事態は終結した。
実装虐待については、もう二度としないことを誓約させられた。




「やめるわけねーっての」
「そうそう」

双海と馬場は、それからも隠れて実装虐待を盛んにしていたようだ。
私は叱られることを口実に参加は御辞退申し上げてきた。

 体育館に入ると、同級生たちがバレーボールで遊んでおり、二人もその中に入った。私はその隙に、あの体育館裏の場所へ行ってみた。
実装石のいた面影は最早無いと思っていたが、縁の下を見ると、なんとプラスチックの容器や、土に返りかけている
ダンボールや新聞紙が残っていた。
 私は愛すべき実装親子の痕跡を見て涙を流した。それは「感謝」の涙だった。
自分たちを犠牲にして、私に命のはかなさを教えてくれた。そして…最高の実装虐待初体験をさせてくれた。
本当に仲の良い実装石を嬲り殺す。最早、虐待漬けになった私には叶わないことだ。
あの日の、幸福に包まれた実装石を蹂躙する行為で、私の脳は焼かれてしまった。
大学に入って一人暮らしを始めてから、私の部屋には小さな同居人が絶えることがない。
それから見る実装石は、悲哀に満ち満ちた、愚か極まる痴態を晒す、嗜虐心を満たすだけの存在としか認識できなくなった。
今の生活は心の底から楽しく、私の人生は輝いている。

バッグからスポーツドリンクを取り出し、地面に撒いて私は言った。
「天国の実装親子にささやかな差し入れだ」

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1 Re: Name:匿名石 2019/03/12-19:52:04 No:00005797[申告]
ションベンでもかけとけ
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