タイトル:駄文で読みにくいでしょうがすみません。虐待というより解説になってしまいました。
ファイル:実装ガチャガチャ.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:3772 レス数:1
初投稿日時:2006/07/10-17:09:45修正日時:2006/07/10-17:09:45
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とあるスーパーの前に設置されている実装ガチャガチャ。
数百円を入れると青やらピンク、橙、緑色をした
安っぽいカプセルが一個落ちてきて、それを開けると気を失っていた実装シリーズが、
偽石に通じている特殊な留め金が外れることにより意識を取り戻し、
めでたくその人の所有物になるというシロモノ
最近できたこのガチャガチャは運がいいと家庭の役にも立つ実蒼石などが
数百円で手に入ってしまうことなどもあり、
近所の少年たちの間で話題になっている。

少年「さて今日は何が出るかな・・・」
ガチャガチャ・・・ころころ

パカッ…

中身「テッテレー」
少年「何だ、またただの仔実装かー こいつキモいしウザいからいらないんだよね・・・」
中身「テ?」
少年「でもここで踏み殺して放置すると店の人に怒られるらしいし・・・またあれやるか・・」

そう言うと少年はきょろきょろと周りを見渡した後、適当な石を見つけるとそれを手に持った。
そして不思議そうに『??』というような表情をしている中身を無理矢理
カプセルの片方に押し込むと、もう片方のカプセルに手に持った石を入れ、
二つを無理矢理に閉じてしまった。

グシュグチャ

中身「テブ! デチュブア!!」

窒息防止用の小さな空気穴から緑色と赤色の混ざった体液があふれ出てきたのを
少年は確認すると、それが指につかないように器用にカプセルをつまみ、
ガチャガチャ機の斜め裏辺りの建物と建物の間にある茂みに向かってそれを投げ入れた。

コス…カラコロ

カプセルが止まったのを見ると少年は何もなかったかのように振り返り、去っていった。



数日後・・・

買い物に来ていた主婦が自動ドアをくぐり、外に出た時かすかに奇妙なうめき声のようなものを聞いた。
はじめ主婦は空耳かと思いそのまま帰宅しようとしたが、やはりそのうめき声は聞こえてきた。
主婦が恐る恐るその音のするほうに近づいていく。


 「ヂュウゥゥ… ヂュアアァ…」   「テー… テチチュー…」
       

そして主婦が少年がカプセルを投げ捨てた建物の隙間の前に来たとき、
主婦はその正体をを見たのだった。そこにはたくさんの少年たちに残酷にも“不要”“ハズレ”と
判断されたのであろう「中身」が、カプセルに詰め込まれ大量に投棄されていた。
中にはカプセルが外れたり割れたりして腐敗した死体がのぞいている物もあった。
少年たちは生きたまま中身を廃棄するのをはばかり、一応中身を殺す作業をしてから
廃棄していたのだが、やはり少年達とはいい加減なものであり、その処理もなおざりな時もあったのだろう。
だがそれだけでは無い。元々実装石は生命力が強い種であるが、このガチャガチャ用に用意される個体は
工場でカプセルに詰めこまれ、偽石に特殊な金具を通じさせ気を失わせる前に、
失神中の養分として偽石を栄養を含んだ特殊なフィルムでコーティングしているのだ。
それにより金具が誤って偽石を傷つけたり、輸送中のショック等で固体にダメージが行っても
死ぬことが少なくなり、顧客が生きた商品を確実に手に取れる確立を上昇させているのである。
 (勿論残念なことに、まったくのゼロではない。“カプセルを開けたら仔実装とそれが生んだと思われる数匹
  の蛆実装の潰れた死体が入っていた”とか“カプセルを開けたときにはすでに両目の色が白くなっていて、
  同時に大量の糞が手にこぼれ落ちてきた”等といった苦情が月に数件は寄せられている。これは何らかの
  原因で固体がカプセルに閉じ込められる前に妊娠していたり、糞抜き処理の失敗が理由であろう。)
しかしこれは、逆に言えば生きたくなくとも生かされてしまう処理とも言える。そのせいで
カプセルに異物等と共に詰め込まれたま数日間、ストレスによる偽石自壊も許されず、
苦しみながら死に切れないでいる者も少なくなかったのだ。


 「テヂィー・・・」     「テフチー・・・」   (苦しいデチィ)   (もう死にたいデチィ)

         「レー」          「テ・・・・」  (おなかぷにぷにしてレフ・・・)  (・・・・・・)

このガチャガチャは元々国内に多種ある実装産業の様々な過程において発生した実装石の無駄な仔の内
ある程度以上賢いと判別された固体を、楽に商売に利用できないかという提案のもと開発されたものである。
商品原価はタダに近く、そのことでより魅力的な商品を当たり賞品として用意できた。(実蒼石等)
たとえはずれである実装石がでてしまっても、選別されたそれなりに賢い固体なので、ペットショップの実装並とは
とてもいかないだろうが、子供の気軽なおもちゃ兼ペットとして楽しめるだろう。
つまり“子供達の旺盛な好奇心を利用して気軽に実装シリーズに対する理解、さらには実装産業対する理解を
深めさせ、かつお金儲けもできるステキな道具”などと・・開発陣は考えていたのだ。


仔実装石がカプセルに詰め込まれ、外の世界に出るまでにはそれぞれ様々な過去があっただろう。

生まれてすぐに母親の顔も見ぬうちに連れ去られ、気がついたらカプセルに押し込まれており
怖かったし苦しかったけど、白い服を着たニンゲンに 
「君は選ばれた仔なんだよ。次に目が覚めたときにはそこから出られて、
 優しいニンゲンさんに飼われて幸せな生活が待ってるよ。     」
と言われ、うれしくなって『テチュチャァーー!』と鳴いたら、その途端になんだかとても眠くなってきて
気を失ってしまった仔実装。

最初はたくさんの他の仲間たちと一緒に、いつも同じニンゲンさんから甘い金平糖をもらって
遊んだり、喧嘩したり、幸せに生きていたのに、ある朝気付いたら他の子は
みんな白い糸の塊のような物になってしまっていて、話しかけてもゆすっても何も答えてくれなくて
ひとりぽっちで寂しくて泣いていたら、いつものニンゲンさんに棒のような物でつままれて
知らない部屋連れて行かれた後、車で輸送され、やはり気付いたらカプセルに押し込まれていて
その後眠らされてしまった仔。

しかしどの仔もどの仔も、早く自分を閉じ込めるカプセルから開放されて、お外の世界で
希望の光に包まれた暖かい生活を送りたかったのは、間違いないだろう・・・

にもかかわらず・・・・



 「ちぇっ、いらねー」      
 「デヂャワー」
 
 「テッテレー… テ、テチ…?  テヂュブェ」

 「はぁ‥シネシネ」
 「テ…!」
 グチュチャ 

あんなに怖かったのに、あんなに辛かったのに、外の暮らしがとてもとても待ち遠しくて、
自分が外に出られたと分かった時には、喜びのあまりあんなに可愛らしい声で※鳴いたのに…      ※(中身の主観)

 「テッテレー! テチ テチテチィ!テッテテテチテチ!」   (ニンゲンさん!ワタチを飼ってくれるんテチね? ありがとうテチ!とりあえず金平糖くださいテチ!)
 「・・・・・」

  
  ・・・ブチャ
  
人間のエゴによりあまりにもあっけなくその夢と希望を破壊され、ある仔実装は即死し、
ある仔実装は死にかけのまま人目のつかぬ場所に放置されたのだ。その固体は狭いカプセルの中で思った。

苦しい。辛い。痛い。

そして絶望。

   「テテチ テチィ・・・ 」    “ワタチは 何のために生まれてきたデチカ・・・?”

その絶望はいつしか人間への恨みに変わっていったのだ。
そして鳴きだした。自分をこうしたニンゲンへ呪いを込めて、低く悲しく、絶望的に。
その主婦が聞いた音とはまさに彼女達の声だったのである。

 「ヂュウゥゥ… ヂュアアァ…」  (ニンゲン・・・どうして騙したデチ・・なぜこうしたデチ・・) 
 「テー… テチチュー…」     (誰がこうしたデチ・・・うらむでデ・・・チ うらむデチうらむデ・・チ・・)





数日後、例によってガチャガチャ台は撤去された。と同時に投棄され散乱していたカプセルもそのスーパーの店員達によって掃除された。
トングでカプセルをつかみゴミ袋に入れる店員。と同時にカプセルが開き中から腐敗しかかった絶望しきった表情の
仔実装の死体が出てくる。だが店員は特に言葉を交わすでも無く淡々と仕事をこなしていった。



それからしばらくして・・・

スーパーのガチャガチャコーナーには新しい別の種類のガチャガチャ台が設置され、住民達はみな実装ガチャガチャのことなど
すっかり忘れてしまったようだ。
しかし少年達もそうであるかというと、決してそうではない。
あの騒動の後しばらくして、公園の実装石の数が目に見えて減ったのだ。
そう、少年達の脳には確実にあの時の仔実装の悲鳴、絶望、体液の色、臭気が染み付いていた。
そしていつしかそれが、実装石の命を操る事に喜び、快感を感じるように成長していったのだ。
子供達の実装シリーズへの理解を深めることが目的だった実装ガチャガチャ、開発陣の思惑通りにはどうやら、
いかなかったようである。しかし子供達は子供達なりに別の方向で実装シリーズに対する理解を深めたようだ。









 開発陣の一人「実は・・・ 最初からこれを狙っていたわけですがね・・・」

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1 Re: Name:匿名石 2019/04/11-00:23:02 No:00005861[申告]
観察系の傑作だと思います
映像化までされてるし…
もっと目立っていいと思う


作者様に直接感想を言いたかった…
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