「ピノ実装」 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 『参った』 彼の名はトシ。 仕事帰りに寄ったコンビニでエス○モーのアイス「ピノ」とカラアゲさんを買い、 マンションに帰ってメットを脱いでみるとカラアゲさんの袋のほうからレチュレチュと声がする。 『あいたー、託児されたか』 普段なら中身も見ずにスリッパで叩き潰して消臭スプレーを吹き込みゴミ箱直行だが、 今回は奇跡的に糞はしてないようなのでそのままテーブルの上で袋を逆さまにしてみた。 「レチィ! レチーーーーッ!!」 「レッチャァァァーーーー!」 テープの封がはがれかけたカラアゲさんと一緒にコロコロと転がり出てきた親指二匹。 仔実装なら開けられて食われてたな、と思いながらケータイのリンガルを久々に起動し イヤホンをつけて椅子に座った。とりあえず無事そうならカラアゲさんを食べよう。 … 「うまいレチュ! もっと持ってくるレチュ! デザートもよこすレチュゥ!」 「レェェェ… ありがとうございまチュ ニンゲンさん」 『…』 爪楊枝でほぐしてやったカラアゲを一個づつ抱えながら脂まみれになった二匹がしゃべっている。 託児された二匹のうち一匹はどうにも糞蟲のようだ、もう一匹は今のところ普通。 野良にしては両方ともそれなりに服は綺麗なので親はある程度躾をほどこしたのだろう。 託児前に親に言い含められていたからか、テープの封をはがせなかったからかは不明だが なんとか無事だったカラアゲさんの隅々までチェックしてからやっと食おうと思ったトシ。 そんな彼…ではなくカラアゲさんを見上げてレチャレチャ騒ぐ二匹をとりあえず黙らせるために 一個ずつくれてやることにしたのだった、七個しか入ってないのに。 『おい、俺はおまえたちを飼えないからな? それ食ったら帰れよ?』 糞「レプププ… うるさいレチ 汚い部屋レチが高貴なワタチが飼い実装になってやるレチ あとそれもよこすレチ♪ ケプッ」 普「ニンゲンサンいいひとレチ ギャクタイハじゃないレチ できればワタチタチを飼ってホチイレチィ…」 いきなり温かいカラアゲにありつけたことで虐待はないと思ったらしい、 好きなことを言っている。「それ」とはピノのことのようだ。 … ちぎったピノの箱のフタの上にアイスを二つのせてやり、少々考え込むトシ、六個しか入ってないのに。 糞「テチュー!!! つめたいレチー♪」 普「テッチューン!! いいにおいレチー!! こんなのはじめてレチ!!」 糞親指はもとより普親指もトシにお礼も言わずピノにかぶりつく。 姉は礼儀正しいが所詮は野良の低脳親指のようだった。賢ければ遊んでやってもいいし 帰れよ、といったからには帰してやるつもりだったのだが…ムカついてきた。 と、甘いことを考えていたトシは考えを改めた。 『((糞を撒き散らされる前に…潰して捨てるか。でも血が出るよなー。))』 トシは遊びで悪友に連れられ虐殺も虐待もひととおりやったことがある。 最近は近所の交番や愛護派の目が厳しくなったことや もともと屈折はしていても血を見るのが好きではないトシは 虐殺は数分で気分が悪くなり、また同じ理由で虐待のレパートリーも少なく、 特に新しい方法も思いつかないまま次第に実装石と疎遠になっていったのだ。 糞「ひえひえであまあまレチィ♪ ウスノロ、おまえのもよこすレチ」 普「レチッ!? い、いやレチ 妹チャは自分の食べちゃったレチ?」 速攻でピノを胃に収めた糞蟲が、バニラとチョコでベタベタになりながら ウスノロと呼んだ姉に迫る、姉はゆっくり楽しんでたようで、まだ1/3ほど残っている。 ちなみに残りのピノはもうトシが全部食べてしまった。 あせったらしい姉はいそいで残りを口に詰め込んだ。こっちももうベタベタだ。 糞「レチィィィ!! ふざけるなレチ!! ウスノロ!! それはかわいいワタチのものレチィィィ レェェェン!!!」 普「妹チャ!? おちつくレチ!! …レチャアアア!!!」 糞親指が泣きながら姉に飛びかかった、姉妹の力は同じ程度らしく姉も反撃する。 突如として泥レスならぬチョコレスが開始した。 糞「レチューーー!! レチューーー!!」 ポフポフ 普「レチャアアアア!!」 ポフポフ カラアゲの脂とチョコで滑ってお互い有効打は出にくそうだ。 糞蟲な分倫理的なリミッターの無い妹が優性かな? とトシが思っていると そのうちチョコの茶色に混じって二匹の体とテーブルに緑色の汚れが出てきた、そして異臭。 糞だ。糞をもらしながら喧嘩している、しかも両者色違いの涙を流している、本気だ。 『ああ くそ、待て待ておまえら!』 殺す気はあるが、汚れるのは嫌だったのでピノの空箱を二匹の間に強引に割り込ませ、制止する。 糞「レッ…!! レシィィィーーー!! レシィィィー!! ウスノロのクセにさからうレチカ!!」 普「レェェェェェン レェェェェン ママァァァ!!」 ピノの箱をはさんでテーブルを叩いて怒る糞親指とパンコンしたまましゃがみこみ泣き出す姉、 やれやれとピノの箱を持ち上げると、フタのない箱に戻していたプラスチックの串が落ちた 糞「レシャァァァーッ!!」 すかさずそれを拾い、持ち上がった箱をくぐってしゃがんだ姉に飛びかかる糞親指! 『おお?』 糞「レチィィー!!」 普「レキャッ!? レキャァァァァッ!?」 うずくまったままの姉の背中にブスブスと青い串を突き立てる糞親指。 トシはというと、糞親指が親指の知能で道具を使ったことに驚いていた。 姉からあがる血しぶきをできるだけ避けつつ、レチャレチャわめきながら一心不乱に 姉に串を突き立てていく糞親指をもう制止はせず 逆に感心しながら眺めている。道具を使うか、やるなあ。見直しました、と考えながら。 道具…道具かぁ…そういえば先月買ったアレを使えば血は出ない…かな? 『あ、なんかイイコト思いつきそう…』 パキィン! 『閃いた!』 普「レブッ…」 糞「レプッ! やっと死にやがったレチ… これで飼い実装はかわいいワタチレチ… レププ♪」 音とともに動かなくなった姉を蹴り飛ばして糞親指が笑う。ピノが発端かと思ったがこれが本音のようだ。 いいタイミングで響いたさっきのパキィンはどうやら姉の偽石が割れた音らしい。 血は苦手だが、特に糞蟲でもない姉に自分が手を下さなくてよかったとトシはちょっとほっとした。 糞「レププ♪ ニンゲンはいまからドレイレチ、つよくてかわいいワタチが飼い実装になってやるレチ♪ ゴハンはステーキがいいレチ デザートにさっきのひえひえあまあまも食わせるレチ♪ それとそれと… 」 返り血と糞とチョコと脂にまみれてふしぎなおどりを踊りながらトシに要求を開始する糞親指、 トシはそれを聞かずにテーブルのすみに手を伸ばし何か探していた。 『あった』 ぱちん ぶすっ 糞「おふろは毎日入ってやるレチ♪ 高級おべべも今から買いに行くレチ…レッ!?」 気が付くと糞親指は輪ゴムで腕と胴体をまとめられ、 頭巾の後頭部からワンピースの背中へとピノの串が通されていた。 糞「レ・・・ レェェェッ!? はなすレチ! ドレイのブンザイでワタチを縛るなんてオマエバカレチカァ!」 『はっはっは、おつかれさんー♪』 糞親指はピノの箱の中敷に無理矢理座らされ、背中に通った串の先が箱に差し込まれる。 糞「レチャーーーーーー!!! 聞いてるレチかドレイ! ナマイキレチ! ウンチ食わせるレチ!」 糞親指はわめきちらすが背筋を頭巾ごと縫いとめられてるので首は固定され動かない トシはポケットから取り出した小さな懐中電灯の後端をひねり、スイッチを入れる。 上に向いた懐中電灯の光は蛍光灯で明るい天井にさらに強烈なスポットライトを当てる。 見上げることの出来ない糞親指は何が起こっているか解らずバタバタ暴れている。 『シュアファイア(SureFire)っていうライトだよー、すごいんだぞーコレ』 そういうとトシはピノの箱の開け口に立てかけるようにそのライトを置く、 高出力の白色LEDによる強烈なスポットライトが糞親指の顔を直撃する。 糞「そんなモノ知らんレチ!! 早くほどレ…チャァァァァァァァァッ!!!???」 『ライトアップ!!』 突然向けられたLEDの真っ白の光に糞親指は反射的に目をつぶるが、 120ルーメンの光は直撃すれば人間が目をつぶっても目がくらむほどの光であり、 不意打ちで一瞬でも目を照らせば人間でも数秒は身動きできなくなるという強力な逸品。 体調10cmにも満たない親指実装のまぶたなどはこの光の前では無いも同じであった。 糞「レチィィ!? おめめつぶってもまぶしいレチ!! おめめいたいレチ!! やめるレチ!! いいいいまならゆるしてやるレチ!! コンペイトウ100個でいいレチ!! ドレイのくせに!! アッ! ギッ…!!」 顔を背けようにも首は頭巾ごと串に固定され動かない。 トシは思いつきの割には好反応な糞親指を見て少し浮かれていた。これなら血は出まい。 しばらく眺めていたが、反射する光がまぶしいのでテーブルの掃除に取り掛かった。 糞「ママー!! ママどこレチ!? 助けてレチ!! 助けて!! お姉チャ!! お姉チャ助ゲてエエエエ!!」 手でかばおうにも腕は輪ゴムでとめられ動かない。 圧倒的な白色光に意識を切り刻まれ、糞親指は先ほど自分が殺した姉に助けを求めはじめた。 糞「マ゛マ゛ア゛ア゛ア゛ーー!! なんでも言うこと聞くレチ!! お姉チャと仲良くするレチ!! マ゛マ゛ア゛ア゛ア゛ーー!!」 体をよじって逃げようにもお尻がピノのくぼみにはまって思うように動かない。 しかもブビブビとパンツの中に溢れる糞に腰が押し上げられ、串を揺らそうとする力も逃げる。 糞「レジュー… いい…子に…る…レゲッ マ゛マ゛ア゛…レゲッ… レヒ…ヂュボァ!?」 ストレスのためか、先ほど食べたカラアゲとピノを緑色の粘液とともに吐き出した。 親指の絶叫を聞きながら掃除していたトシは爪楊枝をとり、それで痙攣する糞親指の腹を押した。 糞「レゲッ… レボァ!? ア゛ア゛…?? レゲェッ! ア゛ア゛…??」 糞親指は何度かえずきながら口や喉に溜まった吐瀉物を全部吐き出した、 しかし胃液は少し透明になっただけでまだまだ逆流してくる。唾液と混ざってぶくぶくと泡になっている。 『窒息したらタ・イ・ヘ・ン! だったね』 トシの声は聞こえているはずだが、目に飛び込む暴力的な光量に錯乱している糞親指は理解していない。 トシも自分でこのライトを試したから解っている、ぐわわ〜んという耳鳴りしか聞こえてないだろう。 そろそろ偽石が割れるか、仮死か、視神経がいかれるか、精神がいかれるか。…と期待したが。 『あれ?』 糞「マ゛マ゛…ダズ…レゲッ… ゲッ…」 思ったよりもしぶとい、外傷や精神的な苦痛とはまた違うのだろうか… と、糞親指の固く閉じたまぶた観察していると、まぶたの表面がかすかに隆起して動いていた、 ははあ、どうやら閉じたまぶたの奥で眼球だけを上に向けているようだ。 解ってやってるわけではなさそうだが、確かにこれならやや下から来る光の何割かは網膜に届かない。 トシはライトをゆっくり右にずらす、糞親指のまぶたの隆起もそれあわせて逃げるように左に動く。 やっぱりだ、それを確認し、右手で素早くライトをつかみ、左上から光を照射する! 糞「ッ!!! ジャアアァァァ!! マ゛ァ゛ァ゛マ゛ァ゛!!!!」 ピシリ いい音がした…が、糞親指は生きている。ピノの串は今のショックで大きく傾いたがもうライトはトシの手にある。 トシは左手にまだ持っていた爪楊枝で糞親指の右まぶたを押し上げて光を直接網膜に焼き付ける。 糞「レゲッ…!! マ゛ァ゛… レゲッ…!! レェッ…」 ピシピシピシ また音がした、まだ生きてる、痙攣しながらえずいているが泡混じりの胃液だか唾液だかが流れ落ちるだけだ。 次は左まぶたも同様に爪楊枝で押し上げる。 糞「レッ…!! … … …」 音はしなかったが、声がやんだ、体も動かなくなった。呼吸はしている。トシはライトを消した。 糞親指のまぶたは半開きになっている、下半分から見える赤と翠の眼球は灰色がかったようににごり、 瞳孔は全開、焦点が合わずに左右勝手なタイミングで痙攣している。 トシはカッターで糞親指の輪ゴムを切り、ピノの串を抜く、 そのままだと箱の外へ仰向けに転げ落ちそうだったので串でつつきながら横に倒してやったら、 痙攣しながら体を丸めて大量の胃液を吐き、ほぼ液状の軟便をぶちまけた。 呼吸には支障なさそうなのでそのままにしておく。吐くモノ吐いて楽になったのかレー レーと呼吸が大きくなる。 トシは休憩をとることにした、強い光の当たった糞親指をみつめていたので目がチカチカする。 窓を開けて換気扇を回し、トイレに行く。そうとうあわてていたようだ。 掃除はもうあらかた済んでいて、あとはこの箱ごと処分したら部屋中に消臭スプレーを撒き散らすだけだ。 トイレから戻ったトシは帰ってからまだ煙草を吸っていないことに気づき、一本つけた。 そしてそういえば親実装は来るのだろうかと考えた。 託児されたコンビニは徒歩でもカラアゲの冷めない距離ではあるが、親指二匹が匂いの元になる 糞をしていなかったことや、それなりに賢いと思われる親が糞蟲と低脳を託児したということから 来れる理由も来る理由も薄かろう、見捨てるつもりだったのだろうと思った、来たらその時考えよう。 「レェ… レェ…」 ピノの箱から声がした、復活したらしい、輪ゴムを切ったのは早急だったかもと焦りつつトシは覗き込んだ。 糞「レェ… ママァ… オネチャ… レキャ… マッシろ…レチ… キャキャ… オネチャ…」 さっきと同じく焦点の合わないにごった半開きの目で倒れこんだままつぶやいている、 トシはライトをつけ、スポットライトの外周〜光の弱い部分からゆっくりと光を当ててみた、反応は無い。 ときどき痙攣はするがそれは光に対する反応ではなく、視神経と精神がやられているようだ。 言葉はリンガルでも部分的にしか解らないがどうやら笑っているらしい。 『あー、しまったな、楽しそうだ』 糞「レェ… レキャ♪ レキャ♪ オネチャ オネチャ」 トシは正直がっかりした、直接触らずにあのまま糞親指が苦しんで偽石が壊れることを望んでいた。 そうなれば次に虐待派の悪友に会った時にちょっといい話のタネになるかなと思っていたのだ。 精神が壊れて幸せそうなこの糞親指に止めを刺す方法は直接手を下すこと以外、トシには思いつかなかった。 『いい方法思いついたと思ったんだけどなあ… あ、灰皿』 糞「レキャキャキャキャ♪ マッしロ…」 帰宅後一本目の煙草は気が付けば今にも灰が落ちそうなほど短くなっていた。 灰皿は今朝使った位置、ピノの空き箱をはさんで向こうにあった。 トシは灰を落とさないようにそっと立ち上がって身を乗り出し、 上体をテーブルの上に伸ばして灰皿に灰を落とそうとした。その時。 「レェ…! レェェェェエエエエエエエエエエエエエーーーーーーーーン!!!」 突然トシの腹の下…ピノの空き箱から甲高い悲痛な泣き声が上がった。 思わずびくっと身を震わせるトシ、煙草の灰は灰皿まであと少しのところで折れて落下した。 糞「暗いレチィ!!! レギッ!! くらいレチィィィィ!!! オネチャーーー! こわいレチィィィィィ!!! …マ゛マ゛ア゛ア゛ア゛ーー!!」 その言葉の最後はライトの光に苦しんでいた時とほぼ一緒だった。 暗い? トシはその姿勢のまま考えた、俺の体が蛍光灯の光をさえぎって暗いと言っているのか? だとしたら…。 糞「レギャッ!! レギャッ!! くら…嫌レゲッ レゲボォッ!!」 痙攣しながら胃液を吐く音にトシは自分の顔がニヤけるのが解った。 そのまま腕を伸ばし煙草をもみ消して上体を起こすと。悲痛な悲鳴はぴたりと止まる。 糞「レキャキャ♪」 糞親指が笑い出した、どうやら一定以上の明るさは解らなくなったが、一定以下の暗さは解るらしい。 蛍光灯の安堵したのかにごったロンパリ目をぴくぴくさせながらも笑っている。 トシはその顔を何枚かデジカメに収めた。 『レキャ♪』 糞「レキャキャ♪」 壊れた糞親指の笑い方を真似しながらトシは部屋の入り口まで歩いた、部屋の蛍光灯のスイッチがある。 明るさが調節できるロータリー式のスイッチではないのをはじめて残念に思った。 夜、あるマンションの一室の明かりが消え 点き また消え また点き 消えた。最後は小さな命と一緒に。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ (おわり)
1 Re: Name:匿名石 2023/02/12-05:45:48 No:00006791[申告] |
糞親指のクズっぷりが短い中によく現れててすごく好き
最後がハッピーエンドでよかった! |