★規約違反申告/バグ報告として作品[]についたレスNo.を管理人に申告します
★「つまらない」も1つの"感想"です、しかし"しつこく"投稿する場合は別なので対処します
◆申告の種類を選択してください
◆バグ報告等の場合は詳細を以下の欄にお願いします
このスクは[実装石虐待補完庫(塩保)]の[過去スクまとめ]に保管されていたものです。
2021/10:塩保消滅によりスクが見れなくなりましたので当保管庫の保存したキャッシュを表示します
ギャクタイムゥビィ・ジャッジメント
06/03/31(Fri),00:17:22 from uploader
この作品は[ギャクタイムゥビィ]の続編に当たります。
読まれる際にはまずギャクタイムゥビィをご覧ください。
また、ギャクタイムゥビィの結末が気に入っている方にはあまりお勧めいたしません。
ギャクタイムゥビィ・ジャッジメント
(暑い・・・・・・それに・・・妙な匂いが・・・)
混濁した意識が覚醒していく。
手足は鉛のように重く、鼻から後頭部のあたりがじんわりと痺れ、朦朧とする。
顔面を流れ落ちた汗が口に入り、しょっぱさを感じた所で異変を意識した。
体が動かない。
呼吸は?苦しくない。目は?・・・、かなり力を入れないと駄目だがまぶたは動く。
周囲の様子は見えない。光源が無いようだ。
(なんだこりゃ・・・)
呟こうとしたが舌は動かない。
喉の奥が鳴った。
動くのはひとまず諦め、周囲の状況を確認する。
暗い。と言うより闇だ。
おかしな匂いが漂っている。昔嗅いだ事のある匂いだが、懐かしさは感じない。
何の匂いだったか思い出そうとするが、いまだぼんやりとした頭ではそれ以上の事を思い
出せない。
耳が痛い沈黙の中、自分の呼吸音だけがやけに耳に障る。
が、意識を集中していくと近くに自分以外の何かがいる事がわかる。
そう遠くない場所で穏やかな呼吸音がする。
緩やかな傾斜の付いた、椅子のような物に寝かされているようだ。
着衣の感覚が無く、裸の背中にかいた汗で貼り付くレザーの座面が気持ち悪い。
足は軽く開かれており、両手は肘掛か何かに投げ出されている。
(・・・俺は・・・俺は確かゆうべ・・・・・・)
近くの気配が大きく吐息をつく、その音を聞いて近くにいるのか見当が付いた。
(アキトシ・・・おい、アキトシ・・・)
だが声は出ない、必死で声帯を震わせ唸る。
少し間をおいて、気配が揺らめく。
どうやらアキトシも覚醒したようで、かすかに唸り声がした。
次の瞬間、圧倒的な光に視神経が焼き尽くされる。
慌てて目を閉じ、痛みにうめく。
まるで白いハンマーで脳を直接殴られたような衝撃。
重く静かに、劇場の防音扉が動くのと同じような音がした。
一瞬気圧が下がり、流れる空気が汗まみれの体を撫でて行く。
何者かが足音高く歩み寄ってきた。
「はじめまして、ギャクタイムゥビィブラザーズのお二人様。私、「」と申します。」
朗々たるバリトン。
恐る恐る目を開ける。
目の前には一人の初老の男性が立っていた。
黒々とした髪を撫で付け、片眼鏡を付けている。
日本人には珍しい彫りの深い顔立ち。
身に着けているのは漆黒のタキシード。
片手でステッキを突き、片手は胸元に寄せられている。
人を惹き付ける柔和な表情。
だがその目に視線を交わした時。
所轄「」署のヤマダトシアキ刑事は、背中に冷たい氷塊を差し込まれた様な気がした。
「ぅ・・・うぅ・・・」
左手側から相棒のアキトシ刑事の声がする。
「」と名乗る男性の、その視線を受けかね目をそらしアキトシのほうを向く。
アキトシは全裸で、人型をした歯医者の診療台のような椅子に寝かされていた。
自分の姿は確認できないが、おそらく同じような具合だろう。
見た限りではどこも怪我をしていないし、拘束されているわけでもないようだ。
『あ、だいじょぶっす、映ってますよアニキ』
『アニキはよせ・・・エー、さて、こんにちはフタバさん』
室内に音声が流れる。
顔を正面に向けると、「」の背後に大きなテレビモニターが設置されていることに気が付
いた。
スピーカーは椅子に内蔵されているようで、大きい音量ではないが明瞭に耳に届く。
「」は二人の間を歩くと視界ギリギリの位置で立ち止まり、コンパスのように反転した。
トシアキは動かない体で何とか「」の様子を探ろうとする。
「」はまっすぐ立って画面を見ているようだ。
『アニキ、こいつジタバタして面白いですね』
『しょっぱなから遊びすぎだ・・・あとアニキはやめろ』
『テ、テテェェーン!テェェーン!』
「・・・実に良い。シンプルかつ大胆。複雑にして明瞭。純粋に破壊を楽しむという意味に
おいて、貴方達はマエストロの域にかなり近づいていると言えます」
画面が早送りになる。
あの日、ミドリコとその家族を破壊した動画だ。
画面の中で、仔実装が、焼かれ、ちぎられ、揚げられ、叩かれ、破裂し、凍りつき、燃え
上がり、踏みにじられ、食われていく。
ミドリコが吊るされ、切られ、刺され、殴られ、殴られ、殴られ、窒息する。
「・・・ただ、貴方達は・・・越えてはいけない一線を越えてしまいました。」
今までの深みのある声に違いは無い。
だがその口調のいかに冷たい事か。
画面では赤帽子・・・トシアキがカメラに向かって話しかけているシーンが流れていった。
「虐待は楽しい・・・その暗い楽しみは人をたやすく陥れます。・・・だが、それゆえに虐待師
は己を律せねばならない。・・・貴方達は己の楽しみのために人を傷つけました。」
通常の再生速度になるモニター。
『法律上ではこれは窃盗と器物損壊にしか当たらん、だがな・・・だが、ミドリコは、その
子達は私の、私らの家族だった、娘だった、孫だったんだ!!』
血を吐くような口調で叫ぶ老人が、画面に映る。
ピントがぼけているためその表情は良くわからない。
(・・・完全版じゃないか・・・何故・・・)
トシアキは愕然とする。
自分の素性を知るごく親しい友人にだけ配られる、完全版ギャクタイムゥビィをこの男が
所有していた事に。
「・・・こ・・・んなことして・・・ただじゃすまない・・・ぞ・・・」
アキトシが声を振り絞る。
「こうむいん・・・りゃくしゅ・・・だ・・・お、まえも・・・はんざいしゃ・・・」
「フム・・・なるほど・・・」
手に持ったステッキで床を突く。
それと同時にモニターの映像が切り替わった。
街中を歩くトシアキとアキトシ。
夜更けの繁華街で、10mほど離れた位置からの映像だろうか。
画面には二人の他に、二人の女性の後姿が映っている。
赤と緑のコートの二人連れ。
それを見た瞬間、トシアキは昨夜何があったのか思い出した。
その日は夕方に職務を終え、二人は揃って夜の繁華街へ繰り出していた。
元々街道筋の宿場町である「」市は、表通りから一本奥に入ると小ぢんまりとした飲み屋
や定食屋、スナックや風俗店などが軒を連ねている。
二人は行きつけの居酒屋で静かに祝杯を交わしていた。
ギャクタイムゥビィ、祝・第10作目完成記念。
数週間前に最新作は完成していたのだが、別の窃盗事件の捜査に時間を奪われて延び延び
になっていたのだ。
店の一角、階段下にある元物置の小スペースにある穴蔵のようなテーブル席で杯を重ねる。
2時間ほどその店で過ごし、河岸を変える事にした。
ほろ酔い気分で街を歩いていると、後ろからつけて来る気配に気が付いた。
物理的な圧力を持つかのような視線が、トシアキの背中に突き刺さっている。
歩みを止め、振り返る。
街灯の陰のあたりから歩いてきた女が二人、立ち止まった。
静かに歩み寄りドスを効かせた声で問い詰める。
「お前ら・・・なんで俺たちを尾けてきた?」
きょとんとした表情の女性たち。
「・・・え、何、ナンパですか?」
「変なのぉ・・・カンジ悪い、いこう、ルイちゃん」
先ほどまで感じていた視線は消えている。
だが、他の気配は感じない。
緑のコートの女性の手を引いて、トシアキの横を通り過ぎようとする赤いコートの女性。
その腕を掴んでさらに問いかけようとしたとき
「やだなぁ〜もうアニキぃ〜、ナンパするんなら打ち合わせしないとだめっすよぉ」
アキトシが間に割って入った。
「ごめんねぇ、僕ら・・・現職警官でアリマス。つけて来る気配と美人には敏感なのであり
まーす!」
敬礼しつつにこやかに話しかけるアキトシ。
この調子の良さは真似できない。
そちらの対応は任せて、自分は周囲を見渡した。
やはり何の気配も感じない。
どこかのスナックから、調子の外れた演歌をがなるカラオケの声が聞こえてくる。
だが、トシアキは自分の感覚に自信を持っていた。
何者かが・・・この女たちでなくとも、意思を持った何かが自分たちを観ていた。
「アニキ、アニキ?行きましょうよ」
アキトシに呼びかけられ、振り向くと何故か先ほどの女性たちがアキトシと一緒にいる。
「・・・?」
声に出さずにアキトシに問いかける。
「え、やだなぁ、アニキが声かけたんじゃないっすか。一緒に呑みに行くんでしょ?」
おかしな事になった。
歩き出す3人から半歩遅れてトシアキは思う。
祝杯は・・・内容が内容だからもう無理だな。
だがたまにはこういうのも悪くない。
「ねぇ、アニキアニキって呼んでるけどぉ、二人はあんまり似てないよねぇ。彼ってもし
かして・・・コレなのぉ?」
右手の背を口元に当てて問いかけてくる赤い女。
「いや・・・そういうわけじゃ・・・俺とあいつは名前が似てて・・・学校の先輩後輩だったんだ
が・・・いつもアニキはよせって言うんだがな・・・」
「へぇ、そうなんだぁ。私はマリで、あの子はルイ。私たちは本当の姉妹なんだぁ」
たわいも無い会話を上の空でする。
視線の先でアキトシが緑の服の女にさかんに話しかけ、それに女がボソボソと答えるのが
聞こえる。
俺たちと似たような二人組みだな。
そう思った。
画面の中では4人の男女が話しながら歩いていた。
やがてある店に着くと視点が切り替わる。
店内の防犯カメラがどこかから4人を写す。
薄暗く、ブルーの間接照明で照らされた店内。
ジンライムを飲んだな・・・思い出して、自分の喉が渇いている事に気が付く。
そうだ、あの後。
バーでしばらく飲んで、どこか静かな所に行こうという話になったのだ。
いい加減大人だ、その言葉の意味くらいわかる。
だが姉妹一緒でなければ嫌、となると当惑が強くなる。
アキトシは相好を崩していて判断力皆無といった様子だ。
「アニキ、滅多にあるもんじゃないですよこんな機会。それなんてエロゲ?ってシチュで
すよ。行きましょうよぅ」
阿呆。肉欲丸出しのアキトシにあきれ返る。
だがまあ・・・アキトシが言う通りなのかもしれない。
縁が薄いだけで女が嫌いと言うわけじゃない。
そして二人の女に導かれ、市内のホテルに入った。
そこでドリンク剤をすすめられた。
精力剤と言われ、顔をしかめて飲み干すアキトシ。
女達も同じ物を飲み干したのを見て自分も口をつけた。
妙に苦味が強く、どこかで嗅いだような匂い。
シャワーを浴びる女を待つ間に、頭が妙に朦朧としたのを覚えている。
そして気が付いた時には・・・
「・・・これを観る限りでは、お二人とも進んで付いて来られているご様子ですね」
はめられた。
トシアキはようやく悟った。
これだけ用意周到に陥れるとは。
画面に大写しになる、だらしない顔のアキトシと、冷静を装っているがやはり落ち着きの
無いトシアキ。
「・・・ふたば・・・の・・・さしがね・・・か・・・それとも・・・にじうら・・・」
過去に「出演」してもらった街の有力者の名を出す。
だが、「」は目を閉じ、首を左右に振った。
「いいえ・・・あの方々からお話は伺いました・・・が、あまり関係はありません」
物憂げにあごをなでる。
「これは、言うなれば我ら虐待師の「業」の問題です」
「人の業は天上の何かが人の元へと返す物。人の罪は人の法によって裁かれる物。」
ステッキを軽く振り回し、床につく。
「虐待師の業が貴方達の心をゆがめ、越えてはならない一線を越えさせたのならば」
「虐待師としての誇りを失った貴方達に」
右手を差し上げ、音高く指を鳴らす。
「ペナルティを受けて頂かねばなりません」
閉ざされていた扉が開かれる。
入って来たのは昨日の女達、そして彼女達の押す台車の上に載った特大のケージの中で、
こちらを凝視する多数の実装石達。
実装石達は血走った目でトシアキとアキトシを見ている。
その鼻息は荒く、何か狂気めいた物すら感じられる。
「そちらの貴方」
アキトシを指し示す。
「貴方は映画がお好きなようですね。私もソウは拝見いたしました。中々面白いサスペン
スでした」
数歩下がり、ケージの中の実装石を眺める。
「お若い方はあまりご覧にならないかと思いますが・・・アルフレッド・ヒッチコックの作品
で、鳥、という映画がございます」
コンパスのような動作で振り返る。
「一度リメイクされましたが、やはりあの時代のフィルムグラフィの雰囲気には中々かな
う物ではありませんね。」
ケージの脇でかがみこんで何かを取り出す。
「小さく無力な鳥たちが、ある日大挙して人を襲う。・・・パニックホラーの傑作です」
「昨日貴方達がお飲みになられたドリンク剤」
「」がドリンク剤の瓶を示した。
「これは男性の体内に入るとホルモンと作用してアポクリン腺を刺激し、汗がある種の匂
いを放つようになります・・・嗅いだ事がおありでしょう?・・・実装香です」
トシアキは、自分の体を覆う匂いがなんなのか思い出した。
最近は虐待師の間でもあまり使用されなくなっているが、昔は実装寄せの為に良く使用さ
れていた。
その香りは実装石の食欲中枢を刺激し、匂いの付いた物なら生きた同族であっても食って
しまうほどの効力を発揮する。
実装香の匂いを放つ自分達と、おそらく絶食していたのであろう実装石たち。
アキトシの方でちょろちょろと水音がする。
自らの運命を悟って、いやいやと首を振り失禁していた。
「・・・こ・・・こんな・・・事が・・・許されると・・・」
「?・・・こんな事?・・・ふふ・・・フタバ氏も似たような事をおっしゃっておいででしたね」
同時にケージの蓋が放たれる。
中から実装石たちがもつれ合いながら飛び出してきた。
その声はベウー、ベウーと聞こえる。
明らかに尋常ではない。
「さあ、ペナルティタイムです!」
「」がステッキを床に突くと、実装石達は一斉に二人へ襲い掛かってきた。
「・・・糞、何が虐待師の誇りだ、越えてはならない一線だ・・・」
「お、俺たちは実装は殺したけど人間に危害は加えてないぞ・・・」
実装石の非力な顎でもこの数でかかられれば一たまりもない。
ましてや何かの薬が効いて身動きが取れないままだ。
考えられる中で最低の死に様・・・実装石に食い殺されるなんて・・・!
足指に襲い掛かってくる実装石の動きが見えた。
熱い感触。
「た・・・助けっ・・・う・・・うひょおほおお!?」
アキトシの声が上がる。
トシアキも己の体に取り付いた実装石たちの、熱くぬめる口腔の感触に悲鳴を上げていた。
が、予想した痛みは無い。
何かブヨブヨとした物が実装石の歯にはめ込まれており、一定以上口を閉じる事ができな
いようだ。
体中をしゃぶられ、舐め回される感触。
椅子の隙間に頭を差し込み、狂ったように舐め上げてくる実装石たち。
首を、脇の下を、わき腹を。
足指を、内股を、股間や尻の谷間を。
頭の位置まで登ってきた実装石は頭髪に染みた匂いに誘われ、髪の毛を頬張ってはチュー
チューと吸い上げる。
口腔の感触に、実装石の臭いに、体を覆う実装石たちの体温とブヨブヨした体の感触に。
二人は大きな悲鳴を上げた。
「発表します。貴方達にはこの実装石たちのご奉仕を受けて、心行くまで昇天して頂きま
しょう」
平静な声で告げる「」。
実装たちの攻撃は止む事を知らない。
いくら美味しい匂いの物を口に含んでも、腹が満たされないのだ。
噛み千切ろうにもマウスピースがはまった口では髪の毛一本食いちぎる事ができない。
だが美味しい匂いは食欲中枢を刺激し、いっそう実装石の舌の動きを加速させる。
顔面にのしかかり、口の中に舌を突っ込み唾をすする。
股間の物に顔をうずめ、しきりに吸い上げる。
肛門に実装の生暖かな舌の感触が忍び寄る。
気持ち悪さと同等の抑え難い快感に、二人は声にならない悲鳴を上げた。
どれだけ責め苦が続いたのか。
幾度と無く押し寄せる波に、人間としての尊厳、実装石相手の射精を我慢していた。
が、もう限界と思われたその時。
「ベブゥ!」
顔面にのしかかっていた実装石が放り投げられた。
何か抗議する声がしていたが、何か食べ物を貰ったのかその声も聞こえなくなる。
堅く閉じていた目を開けると、至近距離に昨日の女の顔があった。
赤い服の、軽いノリの女。
さわやかな柑橘系の香水の香りが鼻に届く。
「ね・・・私、あなたの事結構好みなのよねぇ。素直に「君が欲しい」って言ってくれた
らぁ・・・あんな糞蟲達じゃなくて・・・私が気持ちよくして、あ・げ・る♪」
何もかもがどうでもよかった。
この糞蟲達の熱烈な愛撫から逃れられるなら。
その言葉の裏など読むことも出来ず
「き、君が、君が欲しいッ、お願いだ、早く、早くそいつらをどけてくれ!!」
叫んでいた。
にっこりと笑う女。
「・・・って、あの娘が言ってるのよぉ♪」
胸の谷間から取り出されたリンガル。
[気持ち良くしてア・ゲ・ル・デスゥ♪]
流れる文字に呆然とするトシアキ。
「デッスゥーデスデスゥン♪」
何か重くて柔らかなモノが、体の上に圧し掛かってくる。
示されたリンガルに文字が流れる。
[素直な子は大好きデスゥ、たっぷりサービスしてやるデスゥン♪]
自分の股間の物をつかんで、総排泄孔に導いているコロコロに肥えた実装石。
挿入するため前に倒れてきたその実装石の、鼻の穴が瞬着で塞がれているのが見えた。
トシアキは自分達が、糞蟲の性的玩具に堕した事を知った。
饗宴の中、扉が開き一団の男女が部屋に入ってきた。
皆一様に複雑な、生まれて初めて青汁を飲んだ人のような顔で観ている。
「これが我々の、彼らに対する罰となります」
その声に反応して「」の方を向く人々・・・ギャクタイムゥビィブラザーズによって、飼い
実装を殺された被害者たちだ。
一人が悄然とした様子で口を開く。
「・・・これは・・・何と言うか、その・・・」
目の前で繰り広げられている事態をどう受け止めて良い物か。
この罰が始まるまでは、己の腹の中に溜まったマグマのような怒りや憎しみが、彼らの体
を熱くしていた。
自分たちの家族が殺された様を、奴らの体で再現してやりたい。
その思いが、目の前でよだれを垂らし、泣き笑いのまま実装石相手に腰を使っている彼ら
を見て、モヤモヤとした形容しようの無い想いへと変換されていく。
「当然、彼らの今受けているペナルティは虐待師としての物です。社会的、法的にはまた
別個に罪を認め償って頂かねばなりません。窃盗、器物損壊で警察に通報いたしますし、
民事訴訟も起こされると良いでしょう」
「そ、それはそうだ、だが・・・」
「こんな物を見させられてもどうすれば良いのかわからない、ですか・・・?」
微笑む「」に頷き返す。
「・・・嘲笑って差し上げればよろしいかと。あなた方の家族を奪い、玩具にして、その悲
しみを嘲笑う為にあのビデオを送りつけた、彼らにふさわしい罰。それは、糞蟲と見下げ
る実装石の玩具となった彼らを、嘲笑う事ではないでしょうか?」
肩を落としうなだれていた一人の中年女性が、顔を上げる。
「ふ・・・ふざけないでよっ!カトリーヌの仇なのよっ!!こんなもんじゃ済まされるわけ
無いでしょ!?」
「では・・・これをお使いになりますか?」
ステッキの柄をひねる。
キン・・・と澄んだ音が響き、白々とした刀身が晒される。
その仕込み杖を女性に手渡し、手を引いてエスコートする。
「さあ、今なら彼らは抵抗できません。喉を裂くなり心臓を突くなり、ご自由になされる
と良いでしょう」
呼吸が乱れる。手に持った刃が重い。
だらしなく喘ぎ、虚ろな目で天井を見上げる男。
実装石の唾液にまみれ、己の放った体液で下半身をべたべたにし、腰の上でうごめく実装
石に玩ばれている、憎い、憎い、憎んでも憎み足りない男。
「ですが、己の為に他者の命を踏みにじった瞬間から・・・貴女は人間以外の者となるので
す。その二人、己の楽しみの為に他者の命を、そして貴方達の心を踏みにじった者達のよ
うに」
頭上に構えた刃が手から離れ、床の上に転がり落ちる。
「うふ、うふふ・・・本当ね・・・みっともない・・・みっともない人たち・・・ふふふ・・・あははは
はは!」
女性は笑っていた。泣きながら、笑っていた。
そして、飼い主たちは皆泣き、笑った。
何の事だかわかっていない実装石が、周りの雰囲気に釣られてデプププと笑う。
「」は悲しげに、彼らを眺めていた。
飼い主たちはその部屋を辞した。
心の傷は残るだろう。
虐待派へのわだかまりが消えることは無いだろう。
だが、それぞれの思いは心にしまって、彼らは帰っていった。
「さて、片付けましょうか」
白い絹の手袋をはめて、「」が宣言する。
室内は実装石の唾液と体液、体臭と実装香の入り混じった異様な臭いで包まれている。
「はい、おじ様」
二人の女性がケージの上蓋を外す。
「」はステッキに仕込んだ白刃を抜き放ち、軽やかなステップで二脚の台の間に踊り込む。
刃が一閃するごとに実装石のマウスピースが斬り飛ばされ、次の瞬間には服の端を剣先で
引っ掛けられケージの中に放り込まれる。
手荒に扱われた事に抗議する実装石だが、次々と降り注いでくる同族に踏み潰されそうに
なって慌てて逃げ惑う。
女達はケージの側面にアクリルの板を立て、角をゴムパッキンつきの鉄鋼材で補強してい
く。
トシアキたちにしゃぶり付いていた実装石がまたたく間にケージに返される。
残ったのは腰の上でデフンデフンと喘いでいるデブ実装たちだけだ。
力なくなったペニスをしごきながら、何か文句を言っているようだ。
リンガルには
[この程度でダウンするとは情けない男デスゥ、シャキッと勃たせて私を満足させやがれ
デスゥ]
と表示されている。
「やれやれ・・・」
「」がその肩に手を置く。
振り返ったデブ実装は、
[なんですオジジ、こいつらの代わりに私を抱きたいのデスゥ?でもそんな老いぼれで下
の方は役に立つかデスゥ?]
と息巻くが、次の瞬間。
空気投げ。
伝説と呼ばれた投げ技がデブ実装たちを次々と宙に舞い上げた。
ケージ内に満載になり、押しつぶされた同族を食っていた実装石の上にさらに落下するデ
ブ実装。
軽く手をはたき、絹の手袋を脱ぎ捨てる「」。
お仕置き台の上で喘いでいる二人に声をかけた。
「さて、おふた方。良くペナルティに耐え切りました。お見事でした。そろそろ薬のほう
も切れるはずです。・・・どうですか?まだ少し痺れが残っておられますか」
台から起き上がろうとして果たせず、床の上にへたり込む。
それを見てケージの中の実装石たちが騒ぎ立てる。
[ンマァイにおいの人間が逃げるデスゥ!食わせろデスゥ!もっとしゃぶりたいデッスゥ
ン!さっき散々ディープキッスをしてやったデスウゥン、そいつは私のダーリンデッスゥ
♪まだ足りないデヂャア、ンマァイ人間をここに入れろデスゥ!舐めさせろデスゥ!もっ
と奥までかき回して欲しいでスゥ!おまえらの仔を生んでやってもいいデスゥ!・・・]
リンガルを流れていく実装石たちの叫び。
その声に怯え、後ずさるトシアキたち。
「・・・さて、ペナルティに耐え切ったお二人にはご褒美タイムです」
うつろに見上げる二人。
「あなた方にあの実装石たちを差し上げます。突くなり焼くなりミンチにするなり。法の
手に渡る前の、最後の虐待になります。お楽しみになられて・・・」
「「ひ、ひぃぃ!」」
二人は言葉を最後まで聞かずに逃げ出す。
足はもつれ、まっすぐ歩くこともおぼつかない。
最後には四つんばいで廊下へ出て行った。
「・・・やれやれ」
「」は壁際に進むとボタンを操作し、遮光シャッターを開ける。
窓の外は快晴。
気持ちのいい春の日だ。
しばらく眼下に広がる景色を眺めている。
と、最下階の玄関から全裸の2人連れが走り出て行くのが見えた。
街を歩いていた人たちがさっと二つに割れていく。
二人は街中を前かがみのまま走って行き、路地へと駆け込んで見えなくなった。
「マリ君、ルイ君。私はこれから警察に行って、彼らの忘れ物を届けるついでに事の顛末
を説明してきます」
部屋の隅にまとめてあった荷物を手に取り、歩き出す「」。
「おじ様、これはどうなさいます?」
アクリル板で囲われたケージを指して、緑の服の女が問う。
「ああ、そうでした。これはケージの仕掛けで処分してしまってください。何かしたい事
があれば別にそれでもかまいませんが?」
その言葉に赤い服の女は首を振る。
「さすがにちょっとこの子達、臭すぎるから・・・私も別にいらなーい。ルイちゃんは?」
その言葉に緑の服の女が、ケージの台車についたボタンを押し込む。
「私もいらない。」
アクリルの囲いの中で、閉じていく鉄のケージ。
ゆで卵をみじん切りにするスライサーのように、実装石たちをゆっくりと圧し切りにして
行くのだ。
その様子を眺め、軽く頷く。
帽子掛けから山高帽を取り上げ、頭に載せる。
「では、後片付けは宜しく頼みましたよ。」
「「行ってらっしゃいませ、おじ様」」
二人に見送られ、部屋を出る「」。
人は彼を虐待紳士と呼ぶ。
ギャクタイムゥビィ・ジャッジメント[完]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
注釈. 及び後記.
06/06/03(土)23:00:00
*1:アップローダーにあがっていた作品を追加しました。
*2:仮題をつけている場合もあります。その際は作者からの題名ご報告よろしくお願いします。
*3:改行や誤字脱字の修正を加えた作品もあります。勝手ながらご了承下さい。
*4:作品の記載もれやご報告などがありましたら保管庫の掲示板によろしくお願いします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
戻る
ギャクタイムゥビィ・ジャッジメント
06/03/31(Fri),00:17:22 from uploader
この作品は[ギャクタイムゥビィ]の続編に当たります。
読まれる際にはまずギャクタイムゥビィをご覧ください。
また、ギャクタイムゥビィの結末が気に入っている方にはあまりお勧めいたしません。
ギャクタイムゥビィ・ジャッジメント
(暑い・・・・・・それに・・・妙な匂いが・・・)
混濁した意識が覚醒していく。
手足は鉛のように重く、鼻から後頭部のあたりがじんわりと痺れ、朦朧とする。
顔面を流れ落ちた汗が口に入り、しょっぱさを感じた所で異変を意識した。
体が動かない。
呼吸は?苦しくない。目は?・・・、かなり力を入れないと駄目だがまぶたは動く。
周囲の様子は見えない。光源が無いようだ。
(なんだこりゃ・・・)
呟こうとしたが舌は動かない。
喉の奥が鳴った。
動くのはひとまず諦め、周囲の状況を確認する。
暗い。と言うより闇だ。
おかしな匂いが漂っている。昔嗅いだ事のある匂いだが、懐かしさは感じない。
何の匂いだったか思い出そうとするが、いまだぼんやりとした頭ではそれ以上の事を思い
出せない。
耳が痛い沈黙の中、自分の呼吸音だけがやけに耳に障る。
が、意識を集中していくと近くに自分以外の何かがいる事がわかる。
そう遠くない場所で穏やかな呼吸音がする。
緩やかな傾斜の付いた、椅子のような物に寝かされているようだ。
着衣の感覚が無く、裸の背中にかいた汗で貼り付くレザーの座面が気持ち悪い。
足は軽く開かれており、両手は肘掛か何かに投げ出されている。
(・・・俺は・・・俺は確かゆうべ・・・・・・)
近くの気配が大きく吐息をつく、その音を聞いて近くにいるのか見当が付いた。
(アキトシ・・・おい、アキトシ・・・)
だが声は出ない、必死で声帯を震わせ唸る。
少し間をおいて、気配が揺らめく。
どうやらアキトシも覚醒したようで、かすかに唸り声がした。
次の瞬間、圧倒的な光に視神経が焼き尽くされる。
慌てて目を閉じ、痛みにうめく。
まるで白いハンマーで脳を直接殴られたような衝撃。
重く静かに、劇場の防音扉が動くのと同じような音がした。
一瞬気圧が下がり、流れる空気が汗まみれの体を撫でて行く。
何者かが足音高く歩み寄ってきた。
「はじめまして、ギャクタイムゥビィブラザーズのお二人様。私、「」と申します。」
朗々たるバリトン。
恐る恐る目を開ける。
目の前には一人の初老の男性が立っていた。
黒々とした髪を撫で付け、片眼鏡を付けている。
日本人には珍しい彫りの深い顔立ち。
身に着けているのは漆黒のタキシード。
片手でステッキを突き、片手は胸元に寄せられている。
人を惹き付ける柔和な表情。
だがその目に視線を交わした時。
所轄「」署のヤマダトシアキ刑事は、背中に冷たい氷塊を差し込まれた様な気がした。
「ぅ・・・うぅ・・・」
左手側から相棒のアキトシ刑事の声がする。
「」と名乗る男性の、その視線を受けかね目をそらしアキトシのほうを向く。
アキトシは全裸で、人型をした歯医者の診療台のような椅子に寝かされていた。
自分の姿は確認できないが、おそらく同じような具合だろう。
見た限りではどこも怪我をしていないし、拘束されているわけでもないようだ。
『あ、だいじょぶっす、映ってますよアニキ』
『アニキはよせ・・・エー、さて、こんにちはフタバさん』
室内に音声が流れる。
顔を正面に向けると、「」の背後に大きなテレビモニターが設置されていることに気が付
いた。
スピーカーは椅子に内蔵されているようで、大きい音量ではないが明瞭に耳に届く。
「」は二人の間を歩くと視界ギリギリの位置で立ち止まり、コンパスのように反転した。
トシアキは動かない体で何とか「」の様子を探ろうとする。
「」はまっすぐ立って画面を見ているようだ。
『アニキ、こいつジタバタして面白いですね』
『しょっぱなから遊びすぎだ・・・あとアニキはやめろ』
『テ、テテェェーン!テェェーン!』
「・・・実に良い。シンプルかつ大胆。複雑にして明瞭。純粋に破壊を楽しむという意味に
おいて、貴方達はマエストロの域にかなり近づいていると言えます」
画面が早送りになる。
あの日、ミドリコとその家族を破壊した動画だ。
画面の中で、仔実装が、焼かれ、ちぎられ、揚げられ、叩かれ、破裂し、凍りつき、燃え
上がり、踏みにじられ、食われていく。
ミドリコが吊るされ、切られ、刺され、殴られ、殴られ、殴られ、窒息する。
「・・・ただ、貴方達は・・・越えてはいけない一線を越えてしまいました。」
今までの深みのある声に違いは無い。
だがその口調のいかに冷たい事か。
画面では赤帽子・・・トシアキがカメラに向かって話しかけているシーンが流れていった。
「虐待は楽しい・・・その暗い楽しみは人をたやすく陥れます。・・・だが、それゆえに虐待師
は己を律せねばならない。・・・貴方達は己の楽しみのために人を傷つけました。」
通常の再生速度になるモニター。
『法律上ではこれは窃盗と器物損壊にしか当たらん、だがな・・・だが、ミドリコは、その
子達は私の、私らの家族だった、娘だった、孫だったんだ!!』
血を吐くような口調で叫ぶ老人が、画面に映る。
ピントがぼけているためその表情は良くわからない。
(・・・完全版じゃないか・・・何故・・・)
トシアキは愕然とする。
自分の素性を知るごく親しい友人にだけ配られる、完全版ギャクタイムゥビィをこの男が
所有していた事に。
「・・・こ・・・んなことして・・・ただじゃすまない・・・ぞ・・・」
アキトシが声を振り絞る。
「こうむいん・・・りゃくしゅ・・・だ・・・お、まえも・・・はんざいしゃ・・・」
「フム・・・なるほど・・・」
手に持ったステッキで床を突く。
それと同時にモニターの映像が切り替わった。
街中を歩くトシアキとアキトシ。
夜更けの繁華街で、10mほど離れた位置からの映像だろうか。
画面には二人の他に、二人の女性の後姿が映っている。
赤と緑のコートの二人連れ。
それを見た瞬間、トシアキは昨夜何があったのか思い出した。
その日は夕方に職務を終え、二人は揃って夜の繁華街へ繰り出していた。
元々街道筋の宿場町である「」市は、表通りから一本奥に入ると小ぢんまりとした飲み屋
や定食屋、スナックや風俗店などが軒を連ねている。
二人は行きつけの居酒屋で静かに祝杯を交わしていた。
ギャクタイムゥビィ、祝・第10作目完成記念。
数週間前に最新作は完成していたのだが、別の窃盗事件の捜査に時間を奪われて延び延び
になっていたのだ。
店の一角、階段下にある元物置の小スペースにある穴蔵のようなテーブル席で杯を重ねる。
2時間ほどその店で過ごし、河岸を変える事にした。
ほろ酔い気分で街を歩いていると、後ろからつけて来る気配に気が付いた。
物理的な圧力を持つかのような視線が、トシアキの背中に突き刺さっている。
歩みを止め、振り返る。
街灯の陰のあたりから歩いてきた女が二人、立ち止まった。
静かに歩み寄りドスを効かせた声で問い詰める。
「お前ら・・・なんで俺たちを尾けてきた?」
きょとんとした表情の女性たち。
「・・・え、何、ナンパですか?」
「変なのぉ・・・カンジ悪い、いこう、ルイちゃん」
先ほどまで感じていた視線は消えている。
だが、他の気配は感じない。
緑のコートの女性の手を引いて、トシアキの横を通り過ぎようとする赤いコートの女性。
その腕を掴んでさらに問いかけようとしたとき
「やだなぁ〜もうアニキぃ〜、ナンパするんなら打ち合わせしないとだめっすよぉ」
アキトシが間に割って入った。
「ごめんねぇ、僕ら・・・現職警官でアリマス。つけて来る気配と美人には敏感なのであり
まーす!」
敬礼しつつにこやかに話しかけるアキトシ。
この調子の良さは真似できない。
そちらの対応は任せて、自分は周囲を見渡した。
やはり何の気配も感じない。
どこかのスナックから、調子の外れた演歌をがなるカラオケの声が聞こえてくる。
だが、トシアキは自分の感覚に自信を持っていた。
何者かが・・・この女たちでなくとも、意思を持った何かが自分たちを観ていた。
「アニキ、アニキ?行きましょうよ」
アキトシに呼びかけられ、振り向くと何故か先ほどの女性たちがアキトシと一緒にいる。
「・・・?」
声に出さずにアキトシに問いかける。
「え、やだなぁ、アニキが声かけたんじゃないっすか。一緒に呑みに行くんでしょ?」
おかしな事になった。
歩き出す3人から半歩遅れてトシアキは思う。
祝杯は・・・内容が内容だからもう無理だな。
だがたまにはこういうのも悪くない。
「ねぇ、アニキアニキって呼んでるけどぉ、二人はあんまり似てないよねぇ。彼ってもし
かして・・・コレなのぉ?」
右手の背を口元に当てて問いかけてくる赤い女。
「いや・・・そういうわけじゃ・・・俺とあいつは名前が似てて・・・学校の先輩後輩だったんだ
が・・・いつもアニキはよせって言うんだがな・・・」
「へぇ、そうなんだぁ。私はマリで、あの子はルイ。私たちは本当の姉妹なんだぁ」
たわいも無い会話を上の空でする。
視線の先でアキトシが緑の服の女にさかんに話しかけ、それに女がボソボソと答えるのが
聞こえる。
俺たちと似たような二人組みだな。
そう思った。
画面の中では4人の男女が話しながら歩いていた。
やがてある店に着くと視点が切り替わる。
店内の防犯カメラがどこかから4人を写す。
薄暗く、ブルーの間接照明で照らされた店内。
ジンライムを飲んだな・・・思い出して、自分の喉が渇いている事に気が付く。
そうだ、あの後。
バーでしばらく飲んで、どこか静かな所に行こうという話になったのだ。
いい加減大人だ、その言葉の意味くらいわかる。
だが姉妹一緒でなければ嫌、となると当惑が強くなる。
アキトシは相好を崩していて判断力皆無といった様子だ。
「アニキ、滅多にあるもんじゃないですよこんな機会。それなんてエロゲ?ってシチュで
すよ。行きましょうよぅ」
阿呆。肉欲丸出しのアキトシにあきれ返る。
だがまあ・・・アキトシが言う通りなのかもしれない。
縁が薄いだけで女が嫌いと言うわけじゃない。
そして二人の女に導かれ、市内のホテルに入った。
そこでドリンク剤をすすめられた。
精力剤と言われ、顔をしかめて飲み干すアキトシ。
女達も同じ物を飲み干したのを見て自分も口をつけた。
妙に苦味が強く、どこかで嗅いだような匂い。
シャワーを浴びる女を待つ間に、頭が妙に朦朧としたのを覚えている。
そして気が付いた時には・・・
「・・・これを観る限りでは、お二人とも進んで付いて来られているご様子ですね」
はめられた。
トシアキはようやく悟った。
これだけ用意周到に陥れるとは。
画面に大写しになる、だらしない顔のアキトシと、冷静を装っているがやはり落ち着きの
無いトシアキ。
「・・・ふたば・・・の・・・さしがね・・・か・・・それとも・・・にじうら・・・」
過去に「出演」してもらった街の有力者の名を出す。
だが、「」は目を閉じ、首を左右に振った。
「いいえ・・・あの方々からお話は伺いました・・・が、あまり関係はありません」
物憂げにあごをなでる。
「これは、言うなれば我ら虐待師の「業」の問題です」
「人の業は天上の何かが人の元へと返す物。人の罪は人の法によって裁かれる物。」
ステッキを軽く振り回し、床につく。
「虐待師の業が貴方達の心をゆがめ、越えてはならない一線を越えさせたのならば」
「虐待師としての誇りを失った貴方達に」
右手を差し上げ、音高く指を鳴らす。
「ペナルティを受けて頂かねばなりません」
閉ざされていた扉が開かれる。
入って来たのは昨日の女達、そして彼女達の押す台車の上に載った特大のケージの中で、
こちらを凝視する多数の実装石達。
実装石達は血走った目でトシアキとアキトシを見ている。
その鼻息は荒く、何か狂気めいた物すら感じられる。
「そちらの貴方」
アキトシを指し示す。
「貴方は映画がお好きなようですね。私もソウは拝見いたしました。中々面白いサスペン
スでした」
数歩下がり、ケージの中の実装石を眺める。
「お若い方はあまりご覧にならないかと思いますが・・・アルフレッド・ヒッチコックの作品
で、鳥、という映画がございます」
コンパスのような動作で振り返る。
「一度リメイクされましたが、やはりあの時代のフィルムグラフィの雰囲気には中々かな
う物ではありませんね。」
ケージの脇でかがみこんで何かを取り出す。
「小さく無力な鳥たちが、ある日大挙して人を襲う。・・・パニックホラーの傑作です」
「昨日貴方達がお飲みになられたドリンク剤」
「」がドリンク剤の瓶を示した。
「これは男性の体内に入るとホルモンと作用してアポクリン腺を刺激し、汗がある種の匂
いを放つようになります・・・嗅いだ事がおありでしょう?・・・実装香です」
トシアキは、自分の体を覆う匂いがなんなのか思い出した。
最近は虐待師の間でもあまり使用されなくなっているが、昔は実装寄せの為に良く使用さ
れていた。
その香りは実装石の食欲中枢を刺激し、匂いの付いた物なら生きた同族であっても食って
しまうほどの効力を発揮する。
実装香の匂いを放つ自分達と、おそらく絶食していたのであろう実装石たち。
アキトシの方でちょろちょろと水音がする。
自らの運命を悟って、いやいやと首を振り失禁していた。
「・・・こ・・・こんな・・・事が・・・許されると・・・」
「?・・・こんな事?・・・ふふ・・・フタバ氏も似たような事をおっしゃっておいででしたね」
同時にケージの蓋が放たれる。
中から実装石たちがもつれ合いながら飛び出してきた。
その声はベウー、ベウーと聞こえる。
明らかに尋常ではない。
「さあ、ペナルティタイムです!」
「」がステッキを床に突くと、実装石達は一斉に二人へ襲い掛かってきた。
「・・・糞、何が虐待師の誇りだ、越えてはならない一線だ・・・」
「お、俺たちは実装は殺したけど人間に危害は加えてないぞ・・・」
実装石の非力な顎でもこの数でかかられれば一たまりもない。
ましてや何かの薬が効いて身動きが取れないままだ。
考えられる中で最低の死に様・・・実装石に食い殺されるなんて・・・!
足指に襲い掛かってくる実装石の動きが見えた。
熱い感触。
「た・・・助けっ・・・う・・・うひょおほおお!?」
アキトシの声が上がる。
トシアキも己の体に取り付いた実装石たちの、熱くぬめる口腔の感触に悲鳴を上げていた。
が、予想した痛みは無い。
何かブヨブヨとした物が実装石の歯にはめ込まれており、一定以上口を閉じる事ができな
いようだ。
体中をしゃぶられ、舐め回される感触。
椅子の隙間に頭を差し込み、狂ったように舐め上げてくる実装石たち。
首を、脇の下を、わき腹を。
足指を、内股を、股間や尻の谷間を。
頭の位置まで登ってきた実装石は頭髪に染みた匂いに誘われ、髪の毛を頬張ってはチュー
チューと吸い上げる。
口腔の感触に、実装石の臭いに、体を覆う実装石たちの体温とブヨブヨした体の感触に。
二人は大きな悲鳴を上げた。
「発表します。貴方達にはこの実装石たちのご奉仕を受けて、心行くまで昇天して頂きま
しょう」
平静な声で告げる「」。
実装たちの攻撃は止む事を知らない。
いくら美味しい匂いの物を口に含んでも、腹が満たされないのだ。
噛み千切ろうにもマウスピースがはまった口では髪の毛一本食いちぎる事ができない。
だが美味しい匂いは食欲中枢を刺激し、いっそう実装石の舌の動きを加速させる。
顔面にのしかかり、口の中に舌を突っ込み唾をすする。
股間の物に顔をうずめ、しきりに吸い上げる。
肛門に実装の生暖かな舌の感触が忍び寄る。
気持ち悪さと同等の抑え難い快感に、二人は声にならない悲鳴を上げた。
どれだけ責め苦が続いたのか。
幾度と無く押し寄せる波に、人間としての尊厳、実装石相手の射精を我慢していた。
が、もう限界と思われたその時。
「ベブゥ!」
顔面にのしかかっていた実装石が放り投げられた。
何か抗議する声がしていたが、何か食べ物を貰ったのかその声も聞こえなくなる。
堅く閉じていた目を開けると、至近距離に昨日の女の顔があった。
赤い服の、軽いノリの女。
さわやかな柑橘系の香水の香りが鼻に届く。
「ね・・・私、あなたの事結構好みなのよねぇ。素直に「君が欲しい」って言ってくれた
らぁ・・・あんな糞蟲達じゃなくて・・・私が気持ちよくして、あ・げ・る♪」
何もかもがどうでもよかった。
この糞蟲達の熱烈な愛撫から逃れられるなら。
その言葉の裏など読むことも出来ず
「き、君が、君が欲しいッ、お願いだ、早く、早くそいつらをどけてくれ!!」
叫んでいた。
にっこりと笑う女。
「・・・って、あの娘が言ってるのよぉ♪」
胸の谷間から取り出されたリンガル。
[気持ち良くしてア・ゲ・ル・デスゥ♪]
流れる文字に呆然とするトシアキ。
「デッスゥーデスデスゥン♪」
何か重くて柔らかなモノが、体の上に圧し掛かってくる。
示されたリンガルに文字が流れる。
[素直な子は大好きデスゥ、たっぷりサービスしてやるデスゥン♪]
自分の股間の物をつかんで、総排泄孔に導いているコロコロに肥えた実装石。
挿入するため前に倒れてきたその実装石の、鼻の穴が瞬着で塞がれているのが見えた。
トシアキは自分達が、糞蟲の性的玩具に堕した事を知った。
饗宴の中、扉が開き一団の男女が部屋に入ってきた。
皆一様に複雑な、生まれて初めて青汁を飲んだ人のような顔で観ている。
「これが我々の、彼らに対する罰となります」
その声に反応して「」の方を向く人々・・・ギャクタイムゥビィブラザーズによって、飼い
実装を殺された被害者たちだ。
一人が悄然とした様子で口を開く。
「・・・これは・・・何と言うか、その・・・」
目の前で繰り広げられている事態をどう受け止めて良い物か。
この罰が始まるまでは、己の腹の中に溜まったマグマのような怒りや憎しみが、彼らの体
を熱くしていた。
自分たちの家族が殺された様を、奴らの体で再現してやりたい。
その思いが、目の前でよだれを垂らし、泣き笑いのまま実装石相手に腰を使っている彼ら
を見て、モヤモヤとした形容しようの無い想いへと変換されていく。
「当然、彼らの今受けているペナルティは虐待師としての物です。社会的、法的にはまた
別個に罪を認め償って頂かねばなりません。窃盗、器物損壊で警察に通報いたしますし、
民事訴訟も起こされると良いでしょう」
「そ、それはそうだ、だが・・・」
「こんな物を見させられてもどうすれば良いのかわからない、ですか・・・?」
微笑む「」に頷き返す。
「・・・嘲笑って差し上げればよろしいかと。あなた方の家族を奪い、玩具にして、その悲
しみを嘲笑う為にあのビデオを送りつけた、彼らにふさわしい罰。それは、糞蟲と見下げ
る実装石の玩具となった彼らを、嘲笑う事ではないでしょうか?」
肩を落としうなだれていた一人の中年女性が、顔を上げる。
「ふ・・・ふざけないでよっ!カトリーヌの仇なのよっ!!こんなもんじゃ済まされるわけ
無いでしょ!?」
「では・・・これをお使いになりますか?」
ステッキの柄をひねる。
キン・・・と澄んだ音が響き、白々とした刀身が晒される。
その仕込み杖を女性に手渡し、手を引いてエスコートする。
「さあ、今なら彼らは抵抗できません。喉を裂くなり心臓を突くなり、ご自由になされる
と良いでしょう」
呼吸が乱れる。手に持った刃が重い。
だらしなく喘ぎ、虚ろな目で天井を見上げる男。
実装石の唾液にまみれ、己の放った体液で下半身をべたべたにし、腰の上でうごめく実装
石に玩ばれている、憎い、憎い、憎んでも憎み足りない男。
「ですが、己の為に他者の命を踏みにじった瞬間から・・・貴女は人間以外の者となるので
す。その二人、己の楽しみの為に他者の命を、そして貴方達の心を踏みにじった者達のよ
うに」
頭上に構えた刃が手から離れ、床の上に転がり落ちる。
「うふ、うふふ・・・本当ね・・・みっともない・・・みっともない人たち・・・ふふふ・・・あははは
はは!」
女性は笑っていた。泣きながら、笑っていた。
そして、飼い主たちは皆泣き、笑った。
何の事だかわかっていない実装石が、周りの雰囲気に釣られてデプププと笑う。
「」は悲しげに、彼らを眺めていた。
飼い主たちはその部屋を辞した。
心の傷は残るだろう。
虐待派へのわだかまりが消えることは無いだろう。
だが、それぞれの思いは心にしまって、彼らは帰っていった。
「さて、片付けましょうか」
白い絹の手袋をはめて、「」が宣言する。
室内は実装石の唾液と体液、体臭と実装香の入り混じった異様な臭いで包まれている。
「はい、おじ様」
二人の女性がケージの上蓋を外す。
「」はステッキに仕込んだ白刃を抜き放ち、軽やかなステップで二脚の台の間に踊り込む。
刃が一閃するごとに実装石のマウスピースが斬り飛ばされ、次の瞬間には服の端を剣先で
引っ掛けられケージの中に放り込まれる。
手荒に扱われた事に抗議する実装石だが、次々と降り注いでくる同族に踏み潰されそうに
なって慌てて逃げ惑う。
女達はケージの側面にアクリルの板を立て、角をゴムパッキンつきの鉄鋼材で補強してい
く。
トシアキたちにしゃぶり付いていた実装石がまたたく間にケージに返される。
残ったのは腰の上でデフンデフンと喘いでいるデブ実装たちだけだ。
力なくなったペニスをしごきながら、何か文句を言っているようだ。
リンガルには
[この程度でダウンするとは情けない男デスゥ、シャキッと勃たせて私を満足させやがれ
デスゥ]
と表示されている。
「やれやれ・・・」
「」がその肩に手を置く。
振り返ったデブ実装は、
[なんですオジジ、こいつらの代わりに私を抱きたいのデスゥ?でもそんな老いぼれで下
の方は役に立つかデスゥ?]
と息巻くが、次の瞬間。
空気投げ。
伝説と呼ばれた投げ技がデブ実装たちを次々と宙に舞い上げた。
ケージ内に満載になり、押しつぶされた同族を食っていた実装石の上にさらに落下するデ
ブ実装。
軽く手をはたき、絹の手袋を脱ぎ捨てる「」。
お仕置き台の上で喘いでいる二人に声をかけた。
「さて、おふた方。良くペナルティに耐え切りました。お見事でした。そろそろ薬のほう
も切れるはずです。・・・どうですか?まだ少し痺れが残っておられますか」
台から起き上がろうとして果たせず、床の上にへたり込む。
それを見てケージの中の実装石たちが騒ぎ立てる。
[ンマァイにおいの人間が逃げるデスゥ!食わせろデスゥ!もっとしゃぶりたいデッスゥ
ン!さっき散々ディープキッスをしてやったデスウゥン、そいつは私のダーリンデッスゥ
♪まだ足りないデヂャア、ンマァイ人間をここに入れろデスゥ!舐めさせろデスゥ!もっ
と奥までかき回して欲しいでスゥ!おまえらの仔を生んでやってもいいデスゥ!・・・]
リンガルを流れていく実装石たちの叫び。
その声に怯え、後ずさるトシアキたち。
「・・・さて、ペナルティに耐え切ったお二人にはご褒美タイムです」
うつろに見上げる二人。
「あなた方にあの実装石たちを差し上げます。突くなり焼くなりミンチにするなり。法の
手に渡る前の、最後の虐待になります。お楽しみになられて・・・」
「「ひ、ひぃぃ!」」
二人は言葉を最後まで聞かずに逃げ出す。
足はもつれ、まっすぐ歩くこともおぼつかない。
最後には四つんばいで廊下へ出て行った。
「・・・やれやれ」
「」は壁際に進むとボタンを操作し、遮光シャッターを開ける。
窓の外は快晴。
気持ちのいい春の日だ。
しばらく眼下に広がる景色を眺めている。
と、最下階の玄関から全裸の2人連れが走り出て行くのが見えた。
街を歩いていた人たちがさっと二つに割れていく。
二人は街中を前かがみのまま走って行き、路地へと駆け込んで見えなくなった。
「マリ君、ルイ君。私はこれから警察に行って、彼らの忘れ物を届けるついでに事の顛末
を説明してきます」
部屋の隅にまとめてあった荷物を手に取り、歩き出す「」。
「おじ様、これはどうなさいます?」
アクリル板で囲われたケージを指して、緑の服の女が問う。
「ああ、そうでした。これはケージの仕掛けで処分してしまってください。何かしたい事
があれば別にそれでもかまいませんが?」
その言葉に赤い服の女は首を振る。
「さすがにちょっとこの子達、臭すぎるから・・・私も別にいらなーい。ルイちゃんは?」
その言葉に緑の服の女が、ケージの台車についたボタンを押し込む。
「私もいらない。」
アクリルの囲いの中で、閉じていく鉄のケージ。
ゆで卵をみじん切りにするスライサーのように、実装石たちをゆっくりと圧し切りにして
行くのだ。
その様子を眺め、軽く頷く。
帽子掛けから山高帽を取り上げ、頭に載せる。
「では、後片付けは宜しく頼みましたよ。」
「「行ってらっしゃいませ、おじ様」」
二人に見送られ、部屋を出る「」。
人は彼を虐待紳士と呼ぶ。
ギャクタイムゥビィ・ジャッジメント[完]
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
注釈. 及び後記.
06/06/03(土)23:00:00
*1:アップローダーにあがっていた作品を追加しました。
*2:仮題をつけている場合もあります。その際は作者からの題名ご報告よろしくお願いします。
*3:改行や誤字脱字の修正を加えた作品もあります。勝手ながらご了承下さい。
*4:作品の記載もれやご報告などがありましたら保管庫の掲示板によろしくお願いします。
━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━
戻る

戻る