実翠石との生活Ⅲ 短編まとめ4 ----------------------------------------------------------------------- 人肌の温もり、雪の冷たさ 肌寒さの強い休日の朝。 目を覚ました秋人は眠い目をこすりながら寝室からリビングへと向かう。 リビングでは、一足先に起きていた実翠石の裏葉が、庭へと続く窓から外を眺めていた。 既にエアコンが起動しているため、部屋は充分暖まっている。 素肌に秋人のぶかぶかのワイシャツを羽織っただけの裏葉が、秋人に気付いて愛らしい顔に笑みを浮かべた。 「パパ、おはようございますです。お外に雪が積もってて、とってもきれいです」 おはよう、と返しつつ、秋人は裏葉を後ろからぎゅっと抱き締めた。 「きゃっ!?パパ・・・?」 「そんな格好じゃ寒いだろ?温めてあげようかなってね」 「・・・ぁぅ、その、パパのが、当たってる、です・・・」 男性特有の朝の生理現象、というにはいささか硬くなりすぎているモノが背中に当たる感触に、裏葉は頬を赤く染めた。 「裏葉が可愛いせいだよ」 そのまま秋人は愛撫混じりに裏葉の秘裂へと手を伸ばす。 指先で優しくなぞると、そこは既にじゅんっ、と潤いを帯びていた。 幾度となく身体を重ねた事で、すっかり開発されてしまったからか。 それとも、昨晩たっぷりと中出しした精液が、膣奥から溢れて来ているせいだろうか。 いずれにしろ都合がいい事に違いはない。 「あっ・・・♥」 羞恥と、そして期待に頬を染める裏葉が、秘部の刺激に身体を震わせる。 誘うように揺れる腰を優しく、だがしっかりと掴み、秋人は朝勃ちを通り越して硬く滾った己の分身を、裏葉の腟内へゆっくりと押し込んだ。 「ぁっ、はぁんっ・・・♥」 腟内を埋めてゆく硬さと熱さに、裏葉は身体がガクガクと揺れる。 立ったまま背後から突かれる身体を支えようと裏葉は窓に身体を預けるが、その冷たさに身体がびくりと縮こまった。 「ひゃんっ!?」 「・・・今、アソコがすごく締まった」 「い、言わないでですぅ・・・♥」 気を良くした秋人が腰を一定のリズムで動かすと、それだけで裏葉は上り詰めてゆく。 「パパぁ♥ぁんっ・・・パパぁ♥」 自身が達するまでまだ余裕がある秋人に、悪戯心が芽生えた。 繋がったまま裏葉の身体を抱え上げ、幼児に用を足させるような格好を裏葉にとらせる。 「あっ♥パパっ・・・?」 「ほら、裏葉のエッチなところがよく見えるよ」 「あぅっ、こ、こんなのやぁですぅ・・・♥」 うっすらとガラスに映る自身の扇情的な姿に、頬を抑えてふるふると首を横に振る裏葉だったが、言葉と裏腹に裏葉の秘部はキュッキュと秋人の愚息を締め付けていた。 幾度も身体を重ねたはずだが、裏葉の乳首も秘裂も、処女を奪った時から変わらぬ綺麗な桜色を保っている。 元々色素が薄いためか、美少女然としていてもやはり人間とは違うためなのか。 いずれにしろ、それがまた秋人の劣情を掻き立てた。 流石に我慢できなくなったのか、秋人は下から突き上げるように腰を打ち付けて、裏葉の最奥に精液を吐き出した。 「ぁはぁっ♥腟内で、パパのが、あばれてるですぅ・・・♥」 秋人の精液を搾り取ろうとばかりに、同時に絶頂を迎えた裏葉の膣が秋人の愚息を締め付ける。 実装石と比較して実翠石は妊娠しにくい故だろうか、孕む機会を逃すまいとしているように秋人には思えた。 落ち着いたところで、抱きかかえられたままの裏葉が秋人を見上げて、可愛らしく唇を尖らせる。 「・・・もう、いじわるしたら、めっ、です・・・♥」 そんな裏葉の唇をキスで塞ぎながら、秋人はとりあえずシャワーを浴びないとな、と呑気に考えていた。 愛欲に満ちた秋人と裏葉の情事を、一匹の黒髪仔実装が庭から覗き見ていた。 勝手に入り込んだ庭で半ば雪に埋もれ凍えながら、怒りや悔しさといった諸々の負の感情と血涙を溢れさせて。 叶うことなら今すぐにでも家の中に乗り込んで、あのヒトモドキのデキソコナイに糞を喰わせて殴り殺してやりたかった。 だが、飢えと寒さに弱り切った黒髪仔実装は、鳴き声すら上げられないほど消耗しきっていた。 とうとう崩れるように雪上に倒れ込んだ黒髪仔実装の口から、呪詛のように言葉が漏れる。 『どうしてテチ・・・?どうしてこんなことになったんテチ・・・?』 そもそもの原因は黒髪仔実装の母実装にあった。 この母実装は、成体になるまで売れ残っていたところを、とある若い夫婦に引き取られ、それなりに丁寧に飼われていた。 だが、そこはやはり実装石。 現状に満足するどころか、夫婦の仲睦まじい様子に嫉妬を抱き、あろうことか妻を追い出そうと画策したのだ。 夫婦の間にはまだ子供が居なかった。 ここで自分が先に男との仔を産めば、女は追い出されて自分は今よりもっとシアワセになれる。 幸せ回路がひり出した論理性の欠片も無い妄想に取り憑かれた母実装は、夫婦から禁じられていたにもかかわらず五匹の仔を産み落とした。 幸せ回路の為せる技か、産まれた仔はいずれも黒髪だった。 『デププ!これでワタシの勝ちデス!あの女を追い出してシアワセいっぱいデス!』 歓喜した母実装は意気揚々と自慢の黒髪仔実装達をお披露目し、夫婦から嫌悪と制裁でもって迎えられる羽目になった。 『なんでデス・・・?どうしてこんなことになったデス・・・?』 瀕死になるまで滅多打ちにされ、娘共々ダンボールに詰められて公園に捨てられた母実装は、奇しくも娘と同じ疑問を血泡と共に吐き出した。 無論、その疑問に応えてくれる者など有りはしない。 代わりに現れたのは、飢えと寒さに苦しむ公園の野良実装達だった。 『テチャァッ!?髪の毛抜いちゃダメなんテチィィッ!?』 『やめろテチ!ワタチタチは半分ニンゲンテチ!お前たち野良が軽々しく触っていいわけなテベヂィッ!?』 『食べちゃいやテチュゥゥ!?ワタチのおてて食べちゃいやテチュゥゥ!?』 『ママァ!助けテチ!助けテチ!ワタチタチ食べられちゃうテチャァッ!?』 アイデンティティである黒髪を無惨に引き抜かれ、服を破かれ禿裸にされた挙げ句、嬲り殺しにされて喰われてゆく娘達。 既に身動き出来ぬまで打ち据えられた母実装には、ただ見ている事しか出来なかった。 もっとも、母実装自身もすぐに娘達の後を追う事になるのだが。 散々甚振られた挙げ句に生きたまま喰い殺されてゆく家族を尻目に、件の黒髪仔実装は懸命に逃げた。 何とか五体満足で公園を脱出出来たものの、親の庇護が無い仔実装の運命など先が知れている。 本能的にこのままでは己の未来が明るくない事を感じ取ったのだろう。 公園から距離を取りつつ、母の代わりに庇護してくれる存在、ニンゲンを見かける度に、黒髪仔実装は鳴き声を上げてアピールした。 『テチュ〜ン♪カワイイワタチを飼ってほしいテチュ♪』 『かわいそうなワタチを助けてほしいテチュ♪』 『ワタチは半分ニンゲンテチュ♪だから飼ってほしいテチュン♪』 返ってきた反応は嫌悪や蔑み、舌打ちだけだった。 危害を加えられる事は無かったが、遠慮なくぶつけられる悪意にはさすがに堪えたらしい。 飢えと寒さ、心細さに苛まれながら、黒髪仔実装は宛もなく彷徨い続けた。 気付けば夜も更け、雪がうっすらと積もる中、母実装から受けた胎教だけを寄る辺にして、黒髪仔実装は歩き続ける。 『黒髪で産まれてくればシアワセになれるデス〜♪。ニンゲンから愛されてシアワセになれるデス〜♪』 何の根拠もない、実装石らしい妄想を音声化したような歌。 だが、そんな歌にでもすがらなければ、黒髪仔実装の偽石はストレスでとっくに自壊していただろう。 『ワタチは黒髪テチ。半分はニンゲンテチ。だからシアワセになれるテチ・・・』 『ニンゲンにイイ仔イイ仔されて、おいしい食べ物を毎日お腹いっぱい食べてシアワセに暮らすんテチ・・・』 『ワタチと同じ黒髪チャン達をたくさん産むんテチ・・・』 『カナシイことになったママ達の分まで、シアワセになるんテチ・・・』 黒髪仔実装は自身に言い聞かせるようにテチテチ呟きながら安住の地を求めて彷徨い続けた。 夜が明け、精も根も尽き果てかけた頃、いつの間にか入り込んでいた家の庭で、黒髪仔実装は窓越しに人影を見つけることができた。 小さいニンゲンの女の子。 その愛らしい顔は、一目で優しげな性格だと見て取れる。 窓に添えられた左手の薬指には、指輪が煌めいているのが見えた。 きっとこの娘ならワタチを助けてくれる! 残された力を振り絞り、よたよたと近付こうとするが、少女の瞳の色に黒髪仔実装は酷い違和感を覚えた。 赤と緑のオッドアイ。 始めて見るが偽石に刻まれた本能が教えてくれる。 あれは実翠石だ。 ニンゲンに媚びるために生まれて来たかのような、卑しい性根の肉人形だ。 そんな下賤で卑猥な存在が、ニンゲンに飼われ、暖かな家の中でのうのうと暮らしている。 それだけではない。 ヒトモドキの背後から現れた飼い主と思しきニンゲンの男に抱き締められたかと思ったら、黒髪仔実装の眼の前で交尾までし始めたのだ。 ヒトモドキのデキソコナイ風情が、何不自由無く暮らし、ニンゲンに身も心も愛されている。 その一方で、半分はニンゲンであるはずの自分は、ニンゲン達から嫌われ、蔑まれ、飢えと寒さで苦しんでいる。 こうした現実は、黒髪仔実装のプライドをズタズタに傷付け、精神的に致命的なダメージを与えていた。 雪上に倒れ伏した黒髪仔実装の小さな身体から体温がみるみる内に奪われてゆくが、もう起き上がる体力も気力も無い。 何より、黒髪仔実装に突き付けられた残酷に過ぎる現実が偽石を蝕んで、耐え難い激痛をもたらしていた。 『どうしてテチ・・・?どうしてワタチはシアワセになれないんテチ・・・?』 答えてくれる者など誰もいない問いを最期に、身体の外と内から責め苛まれ、苦しみ抜いた末に黒髪仔実装は死んだ。 パキンッ、という小さく乾いた音が響くが、それは誰の耳にも届くことはなかった。 ----------------------------------------------------------------------- いってきますのキス いつもと変わらぬ穏やかな朝。 勤め先へと出勤する秋人を、実翠石の裏葉は玄関先でいつものように見送っていた。 「じゃあ、行って来るよ」 「あ、待ってです、ネクタイが曲がってますです」 背を伸ばす裏葉に合わせて秋人が腰を屈める。 裏葉はネクタイの直しも程々に、秋人の頬を両手でそっと挟むと、自身の小さく愛らしい唇を秋人のそれに押し付けた。 「んっ・・・ちゅっ・・・」 小鳥が啄むように、三度、四度と唇を重ねる。 さすがに舌は入れてこないが、ここ最近は明らかにキスの回数が増えていた。 年度末で仕事が立て込んでおり、あまり二人の時間が確保出来てないのが原因だろうな、と秋人は思った。 「・・・今日は、なるべく早く帰るようにするよ」 「パパ・・・、はいです、その、楽しみに待ってます、です」 頬をほんのり赤らめる裏葉の頭をそっと撫でて、秋人は玄関を後にする。 「行ってらっしゃいです〜!」 手を振って見送る裏葉に小さく手を振り返しながら、秋人は勤め先へと足を向けた。 『テヂィィィィィィィィィッッ・・・・・・!』 そんな秋人と裏葉の様子を、飼い主の若い女性に抱っこされて日課の散歩中だったテチナは歯ぎしりしながら睨み付けていた。 ここ最近、毎日のように見せつけられる光景に、いい加減テチナは我慢の限界だった。 飼い主に発情するなど飼い実装にとっては最大のタブーのはずだ。 それをあの肉人形はいとも容易く破って、なおかつ幸せそうに日々を送っている。 自分よりも、はるかにニンゲンに愛されている。 実装石よりも劣っているはずの実翠石が、自分よりも厚遇されて良いはずがない! ワタチはもっとご主人サマに愛されるべきだ! 論理性など欠片も存在しない、実装石らしい自分本位の結論に飛びついたテチナは、飼い主にテチャテチャと鳴き喚いた。 『ご主人サマ、ご主人サマ!もっとお顔に近付けてほしいテチ!』 テチナの唐突かつ妙な要求に訝しみつつも、飼い主は言われた通りにテチナを顔に近付ける。 テチナはデキソコナイが飼い主のクソニンゲンにしていたように、瞳を閉じて飼い主の唇に自身の唇を押し付けようとした。 「うわ、キモッ!」 テチナの意図を察して、飼い主は嫌悪感からテチナを振り払ってしまう。 結果、テチナは自身の身長の十数倍の高さから落下し、地面に叩き付けられた。 『ヂッ!?』 潰れたトマトのようになったテチナを見て顔を引きつらせた 飼い主は、バツの悪さも相まってそそくさとその場を後にする。 後には汚い赤と緑の染みだけが残される事となった。 ----------------------------------------------------------------------- 雛祭りの夜に すっかり陽が沈んだ頃合いの道を、秋人が実翠石の裏葉と寄り添って歩いている。 近所の食事処で開催されていた雛祭りフェアの帰りだった。 「パパとのお食事デート、楽しかったです」 「ちらし寿司に桜餅にひなあられと、どれも美味しかったな。裏葉も気に入ってくれたようで何よりだったよ」 息が白く染まる程度には冷え込んでいるが、指を絡めるように繋いだ手から伝わる温もりが、互いの身も心も温めてくれていた。 「・・・子供が出来たらさ、雛人形も用意してあげないとな」 さり気なさを装って言う秋人だったが、その頬は少々赤くなっている。無論、寒さが理由ではない。 「・・・それじゃあ、早く赤ちゃんができるように、お家に帰ったら、たくさん愛してほしい、です・・・」 そう返す裏葉も頬を朱く染めながら、より秋人に身体を密着させる。 天気予報では雪が降る程冷え込むとの事だったが、既に下腹部を中心に身体が火照り始めていた裏葉には、むしろ丁度よい心地よさだった。 『へヒュ・・・ヘヒッ・・・』 秋人と裏葉の仲睦まじい様子を、路傍に打ち捨てられたダンボールから這い出た元飼い仔実装のテテが呪い殺さんばかりに睨み付けていた。 ほんの数時間前まで、テテは母や姉妹と共に飼われるという恵まれた生活を送っていた。 だが、テテがほんの出来心とはいえ飼い主に発情したばかりに、恵まれた生活に強制的に終止符が打たれた。 嫌悪感と共に振るわれた金属バットで家族共々滅多打ちにされ、ダンボール詰めにされて捨てられたからだ。 万が一蘇生しても野良で生きていけないよう、丁寧に髪も服も毟り取った上で。 捨てられた時点で既に瀕死だったテテの母と姉妹は、とっくに物言わぬ骸になっていた。 テテ自身も、右腕を残して他の手足はあらぬ方向に折れ曲がっていた。 また、顎を砕かれていたため、垂れ下がったミツクチからは間抜けな鳴き声しか出てこない。 そんな惨状のテテに気付くことなく、忌々しい肉人形とその飼い主のクソニンゲンは、幸せそうに歩き去って行った。 『へヒュン!・・・へフェンッ!』 テテは悔しさのあまり血涙を流しながら、ポフポフと地面を何度も殴った。 何故あのヒトモドキはあんなにオシャレで温かそうな服を着ているのか。 ワタチタチは大事な大事な髪も服も失ってしまったのに。 何故あのデキソコナイは美味しそうな食べ物の匂いを漂わせているのか。 ワタチタチにはもう誰もご飯をくれないのに。 何故あのダッチワイフは飼い主に発情しているのに、あんなにも愛されているのか。 ワタチタチはママもお姉チャンも妹チャンもみんなカナシイことになったのに。 『ヘヒュ・・・ヒフェ・・・』 今際の際で見たくもない格差を突き付けられたテテの怨嗟混じりの問い掛けは、誰に聞かれるでもなく虚空に消えてゆく。 やがてはテテの体温も降り始めた雪の冷たさに奪われてゆき、その命は雪の中に消え入るように潰えていった。 -- 高速メモ帳から送信
1 Re: Name:匿名石 2025/03/22-05:57:30 No:00009570[申告] |
この分だと次は黒髪の仔実翠が産まれてそうだね…
実装石が嫉妬に狂う様が見える |
2 Re: Name:匿名石 2025/03/22-06:55:22 No:00009571[申告] |
黒髪仔実装の担保無き自信が潰える姿は様式美すら感じる
それは連中がデキソコナイと罵る者に唯一勝てる部分なのかも知れない |