======================================== ウジチャはウジチャレフ 生まれてすぐにこの場所に放り込まれたんレフ ウジチャの他にも何匹かのウジチャがいるレフ ここはゴハンも一杯で快適なんレフ ここは天国かもしれないレフ〜 ウジチャは選ばれた存在なんレフ〜 ======================================== 季節は夏が近く、気温が高くなる日が増えてきた時期。 デスゥ… そう溜息をつく実装石がいた。 公園生まれ公園育ち。成体として標準的な体格。標準的な知能。 どこからどう見ても普通の実装石。 溜息の理由としては目を離した隙に仔が全滅したこと。 順調に仔の成長を実感してきた矢先であった。 悪いのは自分の油断、不注意。 なまじ半端に育ってたせいで喪失感が大きくじゃあ次、という気にはなれなかった。 デー… 悲しくても腹は減るので生ゴミ漁りに出掛ける実装石。 トイレにしている穴の中に自分が産んだ存在がいること。 生き残りである蛆実装の存在はすっかり忘れているのであった。 ======================================== 季節は少し進み、完全に夏と言っていい時期。 先程の実装石が丸い物体を素に持ち帰ってきている。 スイカである。 近所の畑から持ち帰ったものだ。 もちろん人間の目に留まれば命は無いものと理解している。 だが今回持ち帰った品は規格外なのかそれとも商品価値が無いのか。 畑の片隅に打ち捨てられたものである。 畑の人間もそちらへの監視の目はとても緩かった。 こうしてこの実装石は自分でも持ち運べる手頃なサイズのスイカを手に入れられた。 久々の甘味と水分に失った仔の事も忘れ貪り食った。 デデデ… 突然貪り食う手を止め、ウンチ穴に駆け寄る実装石。 痛んだスイカを一度に大量に食ったのだ。 腹からゴロゴロと音が鳴るのも当然のことであろう。 ブリリッ ビチビチッ ブッパッ バロロロロロ… こうして口から総排泄孔までを超特急で駆け抜けた下痢便がウンチ穴に注ぎ込まれた。 ======================================== レー、最近暑くてまいっちゃうレフー ゴハンに困ることは無いレフけどニオイが酸っぱいレフ あっ、ママレフ、いつもよりゴハンの時間が早いレフ (ブリリッ ビチビチッ ブッパッ バロロロロロ…) レピャァー 溺れちゃうレフ!(レポゴボオボボ) でもいつものゴハンよりとってもアマアマレフ! 何か硬いツブツブがアクセントとなって最高のゴチソウなんレフー! ママー、ありがとうレフー! ======================================== デフゥー、と大量の下痢便を出し切って満足気な実装石。 その足元のウンチ穴から浴びせられる称賛の声も耳に入っていない。 この実装石にとって蛆は我が仔ではないのだ。 もはや存在を認識しているかどうかも怪しい。 「この穴にウンチをするといつの間にか減ってる」 これくらいの認識かもしれない。 それどころかスイカが美味過ぎたせいか仔がいた事も忘れてそうである。 上機嫌でパンツを下して総排泄孔にその辺の花を突っ込み始めた実装石。 やがて両目が緑となってデッデロゲーの胎教が聞こえる事となろう。 ======================================== レエエ… あのアマアマなゴハンが恋しいレフ… それもレフけど何だか身体が重いレフー… 他のウジチャも同じっぽいレフー そういえばウンチがしばらく出てないレフー… ………………… …………… …… いつの間にか元気なウジチャが誰もいないレフ… 舌を出してパキンしてるウジチャもいるレフ でもそれより パキンしたウジチャの 穴という穴から 緑の何かが ニョキニョキ出てきてるレフ… ウジチャたちどうなっちゃうレフン… ======================================== 季節は秋。 過ごしやすい気温や天候となり実装石も活動的となる時期。 ここは田舎の公園ゆえに目立った実装石による被害もほぼ無く、 そこそこの数の実装石がそこそこの生活水準で暮らしている。 目立てば一斉駆除の憂き目に遭うことを知っているのだ。 その中では先程の実装石はかなり冒険したと言って良いだろう。 その先程の実装石は既に新たな仔を出産し、冬に備えようとしていた。 備えるといっても精々どんぐりを集めるか防寒になりそうな物を集めるくらいだが。 実装石…親実装にとって少し気になることがあった。 ウンチ穴から植物の蔓が伸びているのだ。それも一つや二つでもなく大量に。 もはやウンチ穴の底の様子を確認することは出来ない状態だ。 穴が蔓で一杯ではウンチが溢れてしまう。 仕方がない、と親実装は木の棒を手に新たなウンチ穴を掘り始めた。 掘ってる最中に親実装は何かを聞いた。 自分を呼ぶ声… ママ、と。 しかし仔の姿は見えない。今はダンボールハウスで寝ているハズだ。 どこから? 一通り穴を掘り終えた親実装は周囲を確認した。 そして声の正体を見つけたのだ。 ======================================== レフー、何だか気が遠くなってたレフ ここどこレフ? 穴の中じゃないレフ あっ、あっちに見えるのはママレフ! ママ! ママ! おかしいレフ、動けないレフ 緑のニョロニョロに身体がくっ付いてるレフ これじゃママの所へ行けないレフー… あっ、ママがこっちに来たレフ! ママ! ママ! マ ======================================== デスゥ♪ 親実装は満足気に収穫物をハウスの中に持ち込んでいた。 以前のウンチ穴から伸びていた植物に実がなっていたのだ。 声のする方に振り向いたらあったので思わぬ収穫である。 実の見た目は蛆実装にそっくりで味もよく似ていた。 もぎ取って口に運ぶ際に悲鳴が聞こえた気がしたが多分気のせいだろう。 しばらくは食料には不自由しない。 金のなる木ならぬ蛆のなる蔓があるのだ。 新しいウンチ穴も掘ったし先日の出産時に舐め切れなくて蛆になったのも入れた。 後は仔達とのハッピーライフが待ってるデスゥ♪ ところでワタシの仔達の姿が見えないデスゥ? 終わり ======================================== あとがき この実装石の仔は目を離してる隙に同族に食われとるんじゃろ多分。 悪食で消化力が強い実装でも超特急で排出すればスイカの種も残るじゃろ多分。 蛆ちゃんがスイカの種飲んだら消化不良で中で詰まるじゃろ多分。 スイカゲームいいよね。 何か過去作と傾向が同じだぞ俺。 勢いで書いたので(いつもの言い訳) 色々ごめんね ※過去作 3387 緑の畑 3329 平和な山 3300 実装石による秋蛆の養殖
1 Re: Name:匿名石 2024/07/21-04:24:58 No:00009255[申告] |
実が成る植物の多くはこうして種(しゅ)を存続させてきたんだよね
植物の生命力ってすごい! |
2 Re: Name:匿名石 2024/07/21-05:15:20 No:00009257[申告] |
植物と比べるまでもなく実装の営みって不毛だな |
3 Re: Name:匿名石 2024/07/21-10:23:28 No:00009259[申告] |
蛆の割には長生きできたしうんこをご馳走と認識してたから比較的幸せな実装生だったんだろうな |