タイトル:【虐?】 童貞敏明
ファイル:双葉先輩.txt
作者:13年越し 総投稿数:6 総ダウンロード数:348 レス数:5
初投稿日時:2024/03/14-06:57:25修正日時:2024/03/22-03:04:24
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■



「テチャアーー!! テギャアアアアア!!」

託児……? なのか……? わからん。何もわからん……。
俺の住むワンルームには今日もなんか仔実装がいる。ウンコまみれで。
歯を剥き出してもうめちゃくちゃ俺に威嚇している。



念願の一人暮らしだった。大学進学を機に親を説得し、半ばむりやり一人暮らしをした。
全部バイトでやりくりすると説得した。だからボロアパートのワンルームの一階だ。

ずっと陰キャで童貞の俺だ。
大学近くに一人暮らし、同級生も女子も気軽に集まってあわよくばウェーイ! ウェーイ!
上京にそんな期待をしてなかったと問われれば否定するのは難しい。
東京はめちゃくちゃキラキラしてて、憧れで、俺のキャンパスライフは輝きに満ちている。

はずだった。



部屋に帰ると、あんまりにも実装石がいた。テチャテチャとかテジャアアアとか俺を見て騒ぐ。
コンビニ袋の中にもいたし、ズボンの裾や靴の上に乗ったまま入ってきた奴もいる。

まがりなりにも家の中だ。どこからいつもこいつら入ってくるんだ。
追いかけて外に放り出す毎日。それでも、実装石はなんか毎日入ってくる。

ああ、すまない。
毎日は盛りすぎた。せいぜい、週に二回くらいだ。
でも、分かってくれるだろう? 帰宅して、ウンコ臭のする仔実装がウンコしてる日々を。
山だらけの地方とは言え憧れの東京都だ。こんなに、こんなに自立は、一人暮らしは困難なのか?

とにかく、俺の憧れの大学生活、念願の一人暮らしは実装石のウンコの臭いにまみれていた。
ウェーイどころか、友達もできない。
サークルにも入ってみたが、ああ、みんな俺を避ける。まるで臭いものを避けるように。

そう、俺はきっと、実際臭いのだ。




「敏明くんグンマーだっけ? 田舎は実装なんか当たり前だと思ってたけど」

ある日サークルで何年か上の双葉先輩が声をかけてきた。グンマーを田舎言うな。

「く、臭いっすか」
「臭いよ。すごい実装臭い」

「ああーーー」

俺はめちゃくちゃヘコんでへたり込んだ。

「いやいやいや、敏明くん自身は臭くないよ? いや、実装臭いか……」
「ああーーー」

「え、ええと。初めての一人暮らし特有の、部屋干し失敗した洗濯物臭とかそういうのじゃないし、
 たぶん毎日お掃除したり、お風呂入ってきれいにしようとかはがんばってるじゃんね? 偉いよね?」

双葉先輩は、なんか俺を慰めてくれているようだった。女子に背中をさすられたのは初体験だった。
なんか、ものすごく気持ちよかった。

「双葉先輩、そういうの分かるんすか?」
「まあね。すごいイキった子なのに、めっちゃすえた生乾き臭纏ってたりとかね。あるあるだしね」



双葉先輩はいい人だと思った。好きになってしまいそうだ!
俺は、目尻の涙を拭いながら(泣いていたのだ)立ち上がり、先輩に話した。

「実は、実装に託児されてて……」
「あーあー。そういう感じはすごいしてたね」

「部屋に戻ると実装がいるんです。いつもです。ウンコでもう大体やられました。PCも壊れました……」
「帰るといるの!? 深刻だね!? ちょっと待って? 詳しく聞かせて? 相談に乗るから」



■



双葉先輩は俺の手を引いてサイゼ〇ヤに入った。ドキドキした。

「大丈夫っすか? 俺、臭いんじゃ……」

俺は気が気じゃない。臭いのほとんどは、自分は分からない。周囲にどんなテロをしてるのかさえ。

「大丈夫大丈夫。敏明くん、ちゃんとお風呂入ってるでしょ? そんな分かんないはずだよ」

双葉先輩はどこかウキウキしている。本当だろうか。俺は臭いはずだ。臭いことが怖い。
周りをキョロキョロしながらも、注文用紙にとりあえずドリンクバーを頼む。

「赤ワインのデカンタの250とー」

飲酒!? 多っ!?

「アロスティチーニとー。生ハムとモッツァレラとー。チョリソーとー。アスパラガスと青豆とー。
 ソーセージピザとー。コーヒーゼリー&ジェラート! 敏明くんももっと頼んだら?」

「え。ああ、若鶏のディアボラ風と、イタリアンプリンも」

「イイネ!!」

双葉先輩は親指を立てた。ささっと届いた赤ワインをもう飲んでいた。



「っんはー」

生ハムとモッツァレラとスパイスマシマシのラム串をぺろっと食べながら双葉先輩はご満悦だった。
ぱかぱかと赤ワインを流し込む。

俺は、パリパリに焼かれた鶏肉を、野菜ペーストとともに口に運ぶ。
相変わらずマジうまい。これが500円って本当にサイゼ〇ヤはどうかしている。
双葉先輩はカリカリポテトをフォークでぎこちなく刺して食べている。もう酔っている。



「それで、あの」
「それでぇ?」

双葉先輩がデカンタのおかわりと追加でモッツァマシマシのピザを頼んだ。すごい。

「実装の話なんですけども」
「うん」



俺は悩みを話し始める。

今まで実装とは関わってこなかったので、全然詳しくなかった。
(グンマーなのにー?)グンマーでもそういうことはあるんです。

実装被害が何度か起きたから、検索して託児の習性は分かった。
確かに、買い物の中に仔実装がいたことは少しあった。
玄関を叩く音にドアを開けたら親実装がいたことは三回あった。

飼えないし、臭いし、とにかく困るので皆さん抱えて近くの公園に離した。

「敏明くん優しー。実装にはもっと厳しく当たらないと」
「その時は良かったんですけど、だんだん部屋まで入られるようになりまして」

自分ではよくわからない。
ただ、ズボンの裾にくっついていたことや、靴の上に乗っかっていたことや、
そもそもドアを開けた途端に仔実装が入り込んできたことや、
そんなことが続くようになった。

託児で言う、コンビニ袋の中にいました、とかじゃなくて、
なんかいつの間にかついてきてて、いつの間にか入り込まれるようになったのだ。

「敏明くんってさ、隙が多いって言われない?」

赤ワインをぱかぱか双葉先輩。くぴ、とげっぷまでしている。
双葉先輩はいつの間にか俺のコップにもなみなみワインを注いで。飲め、って感じに。
俺は酒は弱いんだ。
でも、結局なんか話しながら結局すごい飲んでた。

「最近は気を付けるようにしてますよ! それでも、まだたまに入り込んで来るんです」
「あー」

双葉先輩は残りのワインを全部飲んだ。明らかに酔っている。

「でもやっぱ、それは敏明くんの方に問題があると思うな」

少し据わった目で、俺をまっすぐに見つめ、指さした。
酔っ払い女子を前に、それでも俺は、ドキドキしてしまった。

「すいませーんデカンタおかわり。あと、ポップコーンシュリンプ」



■



「敏明くんの部屋の中でさ、いっぱいウンチされちゃうの?」

双葉先輩が、小声で、上目遣いで、俺に言った。ほとんど囁き声。耳がゾクゾクして、ドキドキした。

「そうなんですよ!」

俺は悩みを全部吐き出した。
そうだ! 実装の糞の問題と、それの片づけと、臭いと、俺はそれに困っていたのだ。

コンビニ袋の中にいたうちはまだ良かったんです。そのまま外に出せましたから。
でも、いつの間にか、家に帰ると一緒に玄関に仔実装がいて、もうウンコしてて。臭くて。

最近なんか、キッチンの中にも何匹もいて、備蓄まで荒らされてて、ウンコしてて!!
もう狭い家じゅうウンコですよ!! 実装も臭いですけどとにかくウンコの臭いが臭いですよ!!

「ちょ。ちょっと待って敏明くん。声が大きい……」
「えあ。あ。すみません」

ウンコウンコ大声で言う俺に、慌てて周りを見て頬を染める双葉先輩。可愛くてつい息を飲んだ。



「あのさ、」

見上げる双葉先輩の顔は真っ赤で、明らかにめちゃくちゃ酔っていて。
俺はもう少しこのままでいたかったし、酔った双葉先輩の顔を見ていたかったが、タイムリミットだろう。
だから、

「今から、敏明くんの部屋に行ってもいいかな?」

ばっちり潤んだ視線を合わせて双葉先輩がそう言った時、俺は困惑した。
酔ってもいたし、わけがわからなかったので。

「ひあ(はい)」
と答えるしかなかった。

何しろ俺は童貞なんだ!



サイゼを出て歩く。

「近くなの?」

近いです。大学の近くに部屋を借りたので。二人で歩く。あと十分もすれば俺のアパートだ。


「あれ。あ。そうっかー。あははw」

途中、双葉先輩がきょろきょろしながら笑い出した。
ンモー。酔っ払いダナー。そんなところも可愛いぜ。

「写真撮っていい? はいカメラ見てー」

ぱしゃり。

自撮りされた。
自撮りの素材に巻き込まれた。

何だ。全然わからない、インスタとかにあげるのか。俺はいまリア充展開にいるのか??

酔った双葉先輩は意外とチョロかったり??
例えばその、こここここのまま俺の部屋で性的にしけこんだり?? 脱童貞の流れになったり???



■



「テジャアーーー!!!!」

「うわあ……」

ドアを開け、部屋に入ると、糞まみれの汚い仔実装が5匹くらい。キッチンの辺りから威嚇してきた。
何でや。

「テッチュウン!!」

俺の足元から声が聞こえる。なんか仔実装が二匹、嬌声を上げてキッチンへと走り出した。
何でや。どこからお前ら沸いたんや。

「あははははははは!!!!」

双葉先輩が爆笑してる。
涙を流して笑っている。笑いながら、ぱしゃぱしゃ写真を撮っている。



双葉先輩が爆笑しながら、ばたん、と後ろ手でドアを閉める。
俺の狭いワンルームの中は実装の騒がしい鳴き声でいっぱいだ。
ちょっと待て。お前ら、何匹いるんだ。どこから入った。

「あははははは!! もう、おかしい、何これ。こんなの初めて見た!!」

酔った双葉先輩の笑い声は可愛い。けどどこにも何もムードなどなかった。
俺の部屋には、キッチンにはすでになんか糞まみれの実装が7匹いて、
あと、さっきの、なんか沸いた仔実装が二匹それに加わっている最中なのだ。

「あはははは!!」

双葉先輩は笑い通しだ。スマホの画面を見ては、さらに笑う。



「双葉先輩??」

すみません。ごめんなさい。よろしくお願いします。あの、何が何だか分からないんです。

「えあw あっと、ごめんねww 敏明くんw っんっくはははははは!! おかしすぎて、その、wwwww」

「ごめん、ごめ、これ、リンガル。あの、実装の、翻訳アプリ」

「ずっと見てたんだけど、おかしくってwww もうダメwww」

双葉先輩がスマホを俺に寄越す。可愛いカバーに可愛いステッカーに可愛いストラップがついている。



「こいつウンチ臭いテチ! でもこのウンチの臭いは知ってるテチ! ママのウンチテチ!!」
「ママが託児大成功だって言ってたテチ! このニンゲンはチョロいテチ!! 一族全員でおしかけるテチ!!」
「このニンゲンの家はウマウマいっぱいテチ! こいつ飼ってくれないっぽいけどそんなことどうでもいいテチ!」
「ウマウマいっぱいのレイゾウコ開かないテチ! 悔しいテチ! ムカつくから床いっぱいにウンコするテチ! ウンコォォ!!」

「ここがチョロいニンゲンの家テチ? 噂は聞いたテチ。ワタチタチもがんばってレイゾウコ開けて、ウンコもするテチ!」
「勝手口? に大きなスキマがあるテチ! 聞いた通りテチ! みんな! ここから入れるテチ!!」
「入るテチ! 入るテチ! ウンコしてマーキングするテチ! ここはもうワタチタチの縄張りテチ!!」
「餌がないテチ! 餌をよこすテチ! 言うことを聞かないクソニンゲンにはウンコをおみまいするテチ!!」



「なんだこれ」

ふんわり酔ってちょっとエロい感じのサークルの先輩と二人きり、帰ってきた自室には、
思い思いに叫びながら餌を探したりウンコしたり冷蔵庫を怒って殴る実装が十匹近くもいて、
床は実装のウンコまみれで、相変わらずめちゃくちゃ臭くて。

「勝手口ってどこ? あ、ここだーwww なにこれめっちゃスキマ空いてるしwww 実装入り放題だしwww」

双葉先輩が大爆笑している。
木造の安アパートだから隙間風が寒いんだと思っていました。まさか、実装が入れるほどスキマがあるとは。

「いやwww いやでもwww 敏明くんも悪いよ? だってwww ププwww オウフwww」
「靴に仔実装くっつけたまま歩いてて全然気づかないままドアの鍵開けたよねwww 毎日これを!?www」

「いや、その、本当気づかなかったです。俺、バカですか?」

「バカだよwww あはははははwww グンマー民なのにwww こんなwww 実装にwww 馬鹿にされてwww」



■



「あーあー。分かったから。あたしが悪かったから。謝るから。ゴメン。だから敏明くん、泣き止んで」

信じられないくらい泣きじゃくる俺を、双葉先輩はすごい、ものすごい優しく慰めてくれた。

なんか両手で抱きとめて、おっぱいで俺のあたまを包んでくれた。
幸せではあったけど、あと、なんかすごい泣いちゃった自分自身に自己嫌悪もしたけど、
でも気持ちよかったし、俺を抱きしめる双葉先輩が優しかったから、童貞の俺は甘えた。
ここからワンチャンは狙いようもなかったけども。

「やっぱ敏明くん、実装に詳しくなかったんだね。こんな実装臭させてるのに。グンマーなのに」

群馬は関係ないだろう。

「本当に実装のこと知らなかったんだね。いやー。むしろありがとう。面白かったよ」

面白がらないでよ!

「ああ、ああ。ごめん。そんな意味じゃないよ。ありがとうがメイン的な。あたし、実装が好きなんだ」

恐らくべろんべろんに酔っているはずの双葉先輩は、あれ? どこに持っていたのか、バールを取り出し。

「あたしは実装が好きだけどー。可愛い後輩を困らせる糞蟲は」

泣きじゃくっていた俺のあたまを抱えたままバールを掲げ、

「駆除!」

ヂッ!!
テビッ!
テジャッ!!

「くーじょっ!!」

俺をふんわり床に寝かせて、その後の無双。

テヒャア!
テッチャ!!
チビッ!
ヂ。



「はぁはぁはぁ……」

頬を染めて、俺を見返す双葉先輩。なんか、うっとりとしてて、エロい。
童貞の俺は、ドキドキしてしまう。

「ふふwww」

俺を見返す双葉先輩。いや、明らかにエロい。
思わずちんこが反応する。いや、収まれ収まれ。

「テチャァアー」

その隙に、二匹の生き残りの仔実装が逃げ出そうとした。

「だーめっ」
「ヂッ」

双葉先輩は、まるで背中に目がついているかのように、余裕で一匹目を潰し、

「さいご」
「テッチャアアアア」

背後で媚びたラストの一匹を見もせずに潰した後、



俺のことを思いっきり真正面から目つめ、

「ちゅ」

なぜか唇を合わせてきて、しかも舌を差し入れてきて、
ちゅっちゅちゅっちゅ。

なんだこれ、なんだこれ。
双葉先輩は明らかに興奮している。



しばらくした後。

「こんなありさまの部屋に住んでるとはさすがに思わなかったな」
「掃除、手伝うよ。でも、夜明けまでかかっちゃうかなあー」

にっこり笑って俺に言った????






おしまい






赤ちゃんが寝てくれてたので今夜もなんかできた
よろです

13年越し@ijuksystem

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1 Re: Name:匿名石 2024/03/15-04:30:16 No:00008905[申告]
バカを通り越して池沼だよねこの男
2 Re: Name:匿名石 2024/03/15-06:33:26 No:00008906[申告]
靴に乗ってても気付かないし実装の侵入口にも気付かないし障害あるのかもね
3 Re: Name:匿名石 2024/03/17-02:27:05 No:00008910[申告]
これまでにも実装石より頭が悪い人間が登場した作品はあったがギャグや極端なキャラ付けの一種として描かれていた

一人称視点なのにぼんやりとした文体や先輩の「隙が多い」指摘が妙にリアルで
思考が浅く情動の薄い少し壊れた人間の生活感が生々しい

理解力の低い愚鈍で馬鹿な主人公の内面視点で「わからない」という言葉をほとんど使わずに曖昧模糊・意志薄弱状態を描く作者の筆力に驚く
この主人公は自分に何が足りないかすら理解出来ず終始疑問を感じ続け、先輩に質問しても的を得た答えが返ってこないことすら理解できないとんでもない低知能
フィクションの登場人物ながら福祉のお世話が必要な状態に見える
4 Re: Name:匿名石 2024/03/17-05:56:35 No:00008911[申告]
主人公に、えっ何コイツ注意障害?色ボケ?って
思考に付いて行けないって思いながらも話の流れは大体伝わったってなってゆくのは先輩が狂言回しを担ってるのといつもの安心安定糞蟲ムーブを読み手が察してるからなんだろうね
5 Re: Name:匿名石 2024/03/21-14:56:14 No:00008936[申告]
真面目に考えちゃうと主人公が一人暮らし絶対無理だろってくらいの不安っぷりだが
ギャグとしてみれば先輩可愛い!敏明の何が気に入ったのかわからんけど!
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