タイトル:【馬虐食】 やめらんねえ!とまんねえ!これは譲れねえ!
ファイル:Them's Good Eatin'.txt
作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:321 レス数:5
初投稿日時:2024/03/12-21:56:47修正日時:2024/03/12-21:56:47
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「この間ウチの子がコンペイトウをアイゴハサンからもらってきたんデスゥ」
「いい仔デスゥ」

「テチテチ~!」「次女チャ、あんまりはしったらころんじゃうテチ!」

その公園は野良実装石たちの活気あふれる住処だった。
リーダー格の大柄な個体を中心に、小さな体で懸命に生きる実装たちはお互いに協力し合っていた。
このほとんど放置されている公園は実装たちの小さな町のようなものだった。

……

しかし、平和な日常は突如として破られる。

「おっオマエタチ!逃げるデス!とにかく公園から…デギャアアッ!」
公園の外縁部、リーダー実装が危機を知らせる叫びを響かせた。

「デデ?どうしたデス?」
「なにかあったみたいデス」

異変に気付いた実装たちは、リーダー実装の声がした方向へ振り向く。そして固まった。

ぐっちゃぐっちゃ、ばくり、もぐもぐ、ごくん
腹が出ていて、頭の禿げたニンゲンがリーダー実装を頭から貪り食っていた。ぴくぴくと痙攣するリーダー実装の身体。もう助からないだろう。

おそるべき速度で捕食されて行くリーダー実装。
あまりの光景に緊張が走る、誰もが固まってその光景に釘付けとなっていた。

パンコン玉すら難なく口に入れる。糞袋が歯で千切られて顔も糞まみれになっているにまるで意に介す素振りもない。

リーダー実装がたった数十秒で食いつくされると、ニンゲンは口の端から糞汁と涎の混合液を滴らせながら笑顔で言った。

「ぼく、実装石おいしいおじさん!みんなは、ごはん」

「デッギャアアアアアアア!!!!」
「逃げるデスゥ!お前たち、逃げるんデスゥ!!」

静止した世界が動き出す。大パニックの幕開けだ。

蜘蛛の子を散らすように逃げていく実装たち。
公園の四方八方に隠れていく、我が仔を守るべくハウスへ向かった者も見える。

しかし

「おいしいなあ、新鮮だ、おいしいな」
「やめてデス!ワタチタチはタベモノじゃないんデス!」
「たすけテチ!たすけテチィィィ!!!」

「母娘、丸のみ」
「デシャアアアアアアア!?」「テチャァッ!」

素早いおじさんの魔の手からは絶対に逃れられない、仔の手を引いて逃げようとした母娘が捕まり、丸ごと大きく開かれたく口の中に消えていく。

「ごっくん、みんな丸のみ」

同じ調子で実装石たちを掴まえてはおじさんは丸のみにしていく。何度も繰り返されて行く。

「デギャアアアッ!あのニンゲンはおかしいデスゥ!」
「こわいテチィ!こわいテチィ!」

「デデデッ!こんなとこで立ち止まっちゃダメデス!」
恐怖に竦んだ娘、立ち上がるように促す母。

「デ…デデッ!」その前に立つおじさん

「テチャッ!?」流石に立ち上がって逃げようとした仔が掴みあげられる。

「い、いまデス!ワタシは逃げるデス!!」娘を見捨てて逃げようとした母。

「だめじゃないか、見捨てたりしちゃ」

大きく口を開けたおじさん。家族はまた一つになった。

……

植え込みの奥のダンボールハウス。

「ここなら安全デス、いいデス?絶対に声を出しちゃダメデス!」
「はいママ…テチェッ!?」「びっくりしてウンチさんもれちゃったレチィ!」

驚愕する母娘、固まる仔実装たち、ウンチを漏らす親指。口をぱくぱくさせた家族。

ばさり、ダンボールハウスを見つけたおじさんは手刀でそれを真っ二つにしたのだ。

「おいしそう」

反応をまず味わったおじさんは、先ほどと同じ調子で家族を飲み込んでいく。

……

「テッチテッチ、ワタチタチだけでも逃げるテチ…」

不気味なほど静まり返った公園、かと思えば時折思い出したかのように植え込みや茂みから聞こえてくる叫び声。

「捕まったらおしまいデス…でもワタチタチこれからどうするんデス?」
「コーエンからにげるんテチ、とにかく生き残るんテチィ!」
「こわいテチ、ママ、オネチャ、だきしめテチ…」

このようにおじさんの猛威から逃れるべく、公園脱出を画策した家族もいた。

「テッチテッチ」「デッスデッス」

全速力で目指すのは公園の出口。

とにかくこの公園は危険だ、おじさんがハウスへ引きこもった家族たちに気を取られている間に逃げなければいけない!

(なんなんデス?あんなニンゲンサンみたことないデス)

親実装は人間と言えば暴れる虐待派や優しい愛護派、干渉してこない無関心派くらいしか知らない。

そのどれとも異なるようなあの存在が恐ろしくて仕方ない。
(とにかく逃げるデス…)

「で、出口が見えてきたデス!ムスメたち!みんなで外に…」

「おいしいねぇ~」

振り返った時、ムスメたちはおじさんの舌の上で生首だけが残っている状態だった。

……

『今月で五件目…白保市内の野良実装、集団失踪』
『虐待派団体「デスゥトロイ」声明発表、遺憾を表明「我々は関与していない」』
『宇宙人誘拐説』
『両断されたダンボールハウスの謎』
『不審な中年男性の目撃証言』
『大自然の警告?』
『実装ショップ・飼い実装用防犯グッズ売り上げ急増』
『怪人物を映した映像に議論「AI生成では?」』

『実装石おいしいおじさん』

おわり


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1 Re: Name:匿名石 2024/03/13-05:33:42 No:00008899[申告]
もはや怪異なんよ
2 Re: Name:匿名石 2024/03/13-15:06:11 No:00008900[申告]
ビジュアルを想像したら某鬼ごっこのアンノウンだったわ
3 Re: Name:匿名石 2024/03/14-19:22:18 No:00008902[申告]
手刀でダンボール真っ二つにする謎の強フィジカル
4 Re: Name:匿名石 2024/03/14-22:06:23 No:00008903[申告]
ただの趣味嗜好も極めれば怪異のようになる
5 Re: Name:匿名石 2024/03/14-23:43:51 No:00008904[申告]
とんでもない胃腸の強さをしておられる
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