スレに投下したものを上げます 「ごめんな…もう家ではおまえを飼ってやれないんだよ…」 『イヤテチィ!!ワタチは野良になんかなりたくないテチャァ!ゴチュイン様捨てないテチィ!!』 夕日も沈んだ公園のある一角で、『心底申し訳ないといった顔』をしている男と、必死の形相で男に捨てないでくれと懇願している仔実装の姿があった。 よくある実装石を捨てる場面。 単純に飼っていけなくなった。 仕事の都合で… 家族が… 勝手に仔を… 様々な理由がある。 そしてそういう手合いは普通であれば保健所に連れて行くのが筋であろう。しかし、半端に『優しさ』を持ってしまった優柔不断な飼い主は、仔の『新たな進展を願って』公園に遺棄するのだ。 その行為が、どれだけ残酷な意味を持つのかも理解せずに。 「あれあれあれあれ〜!?お兄さんちょっとそれまずいんじゃね?」 そして、そんな悲痛な思いなんぞ知ったこっちゃねえ輩どもが1人と1匹に近づいてきた。 「テチ?」 「な…なんですかあなたたちは?」 急に声を掛けられて驚いたのか、飼い主はやや怯えた様子で返事をした。 仔実装は何が起きたのかわからないといった顔をしている。 まあ男が怯えるのも無理はない。近寄ってきた輩どもの様相は、雑に染めた金髪をツーブロックに決めていたり、ピアスやタトゥーを施して耳や腕を惜しげもなく晒しているような存在たちだったからだ。 「あ、俺らーアヤシイもんじゃねーすから。別に拉致ったりとかボーリョクテキなことしないんでマジで」 金髪ツーブロックが軽薄に答える。 「それよりお兄さんさー、ジョーレイ?て言葉知ってる?ガッコーで習ってるはずだよねー?」 「は…?」 「ジッソーアイゴ管理ジョーレーだよ?ジッソーを勝手に遺棄したら10万以下の罰金」 撮影器具を構えたタトゥー男がニヤニヤしながら言い放った。 「勝手に餌付けしたら3万以下の罰金、他にはペット用マイクロチップ未装着は厳重注意とか?」 「まさか知らないわけないよね?」 「あ…その…」 「えーーーー!?まさか知っててその仔ジッソーを捨てようとしたんですか!?それって明らかな犯罪行為ですよね!?」 飼い主が言葉に窮した瞬間を金髪は見逃さなかった。 すぐさま捲し立てるように『正論』を畳み掛ける。 「困るなー?公園は市民のゼーキンで管理されてるコーキョーの場所なんすよ?」 「ダメじゃんお兄さん、マジ犯罪行為アンド迷惑行為。どういう神経してんの?マジ親の顔見てみたいわー」 「親が知ったら泣くよー?いい年した大人なんだから犯罪はダメでしょ犯罪は」 「な…さ、さっきからなんなんだアンタら」 『こ、こわいテチャァ…』 問い詰めるようにグイグイと飼い主に詰問する金髪。 仔はその勢いに呑まれカタカタと震え出した。 そのあまりのしつこさにとうとう男は痺れを切らし反論しようとする、が 「あー!?逆ギレっスか!?うわっこえ〜マジアイゴ派こえ〜。 俺らただの一般市民としてお兄さんに注意してあげたのにそういうこと言っちゃうんだ?」 「これがアイゴの実態ってやつっすか?ギゼンシャ全開っスねー。 マジで許されざる実態だわマジで。これは是が非でも視聴者の皆様に知って貰わないと!」 「ちょ…あんたら何勝手に撮影してるんだ!?」 『私人逮捕系ユーチューバー』 最近話題となり、そして問題となったユーチューバーによる私的な犯罪行為の取り締まりは、当然のごとく実装石界隈でも取り沙汰されるようになった。 主に虐待派の殺戮行為、愛護派の公園での餌やりなど、法律や条例に抵触する案件を彼らは敏感にキャッチした。 特に飼い実装の無断遺棄は格好のターゲットになる案件だった。 彼らは正論を振りかざすがそこに正義などはカケラもなく、ただ承認欲求と金の臭いだけが存在した。 「はい確保〜、お兄さんちょっと大人しくしてね?撮れてる?」 「ばっちりよ?決定的瞬間!!無慈悲な飼い主による実装石無断遺棄を未然に防ぎました!このまま警察に連れて行きま〜す」 「やめ…あだだだだ!?」 『テェエッ!ゴチュインさまー!?』 飼い主はチキンウイングアームロックでしっかりと拘束されてしまった。 格闘技は不良の嗜みであるので当然といえば当然であった。 『ゴチュインさまをはなすテチー!』 恐怖に怯えながらも、飼い主の男のために立ち向かう仔実装。 己を捨てようとした男に対してまだ尚愛情を持っている辺り、飼いとしては上等な気質なのだろう。 ぽふぽふと金髪の安全靴に攻撃するが、当然ながら全く効いていない。 というか気付かれてすらいない。 その時… 「オメーら何やってんの?」 「!!」 「あっ、センパイ…チ、チーっス」 公園の入り口からヌッと現れたのは、これまた筋肉質な大柄な男だった。その厳しい不機嫌顔は眉間に皺を寄せていることでさらに近寄り難い形相になっている。 仔実装はそのただならぬ気配だけで全身を震わせながら脱糞した。 ただならぬ男は拘束されている飼い主を一瞥すると、心底どうでもよさげに金髪に語りかけた。 「なに?そいつ」 「あ…こいつは、そこのジッソー捨ててたんで、俺ら市民のギムを果たそうかなーなんて」 「なんで動画撮ってるの?ナマ?」 「は、はい、そうっス」 「ふーん…」 飼い主は拘束されたままで生きた心地がしなかった。 ただでさえお近づきになりたくない連中に絡まれ、その上さらに危なそうな雰囲気を醸し出している男まで現れたのだ。 もうなんでもいいから助かりたいと願っていた。 「動画消せ」 「へ? でもセンパイ…」 男がこともな気にそう言い放つ。 この男はその界隈が世間に与えている印象と、それに付随するリスクを多少は知っているからだった。 そして金髪がただならぬ男に『意見』しようとした瞬間を、本人は聞き逃さなかった。 「え!?なに!?」 「ひっ!?」 「バカ!す、すいません失礼しました。動画消します。配信やめます」 ただならぬ男が凄むと2人は体をビクッと震わせ、拘束した飼い主を解放する。 「散れ」 「は、はいいっ!!」 「失礼しましたあっ」 2人はそそくさとその場を後にした。 その場にへたり込む飼い主。 仔実装は恐怖のあまりパンコンしながら気絶している。 そんな1人と1匹の前にただならぬ男はウンコ座りしながら気怠げに語りかけた。 「だいじょうぶ?」 「あ…はい…」 「おたく、災難だったね?アイツら社会のクズだからさ、社会常識がないの。バカだから」 「はあ…」 ま、俺もだけどね そう言いながら男はチラと仔実装の方を見やる。ビクンビクンと痙攣はしているがパキン死に至るほどではなさそうだった。 「これ、捨てんの?」 「え…いや、あの」 「そう」 一言呟くと同時に男は立ち上がり… グチャッ 『ヂッ』 空き缶を踏み潰すように仔実装を踏み抜いた。 「あ!!?あ…あんたなにやってんだあ!?」 「なに?」 「……ッ」 突然の暴虐に声を荒げる飼い主だったが、男と目線が合ったことで思わず黙り込む。 下手に刺激すると危険だということを本能で悟ったからである。 「捨てたんでしょ?いらないなら処分してやったの。勝手に捨てんのは周りにメーワクだしな。 それに、一撃だし多分楽に死ねたんじゃない?」 「……」 「ま、最近こういうのやるとすぐネットに晒されるからさ、やめた方がいいと思うよ?」 男はゴシゴシと靴を地面に擦り、仔実装のシミを落とす。 「だからって…なにも殺さなくても」 「それ、おたくが言う?」 男は若干呆れの入った声で、飼い主に語る。 「俺ら社会のクズだけどさー… 社会のクズでも知ってるジョーシキ言われんのって、ぶっちゃけどうなん?」 それだけ言うと、男は仔実装の肉片を摘むと実装廃棄ボックスに投げ捨て、その場を後にした。 『元』飼い主は呆然とその場に立ち尽くしていた。 ※ただならぬ男はウシジマくんがイメージです
1 Re: Name:匿名石 2024/03/02-02:00:50 No:00008836[申告] |
本当はいけねえことだけど!飼い主がクズ&情けなさ過ぎて途中まで私人逮捕系を応援しちまった…! |
2 Re: Name:匿名石 2024/03/07-02:06:47 No:00008862[申告] |
実際野良実装石なんて野犬並みの危険生物だろうしこの飼い主は私人逮捕系のカモにされても文句は言えんわ |
3 Re: Name:匿名石 2024/03/21-15:21:53 No:00008939[申告] |
人をダシにして目立ちたいだけの私人逮捕系もウェーイも嫌いだけど
無限に増えるゴミのもとを公園に不法投棄しちゃう飼い主も大概邪悪だもんね… 実装飼い主の責任としてちゃんとシメてから燃えるゴミか実装ゴミに出さないとねぇ |