【お掃除実装シリーズ・後日談】 半年ほどしたある日…友人の司門(しもん)が遊びに来た。 ちなみに司門の奴も掃除機を持っていないお掃除苦手マンだ。 「ちぃーっす、久しぶりに遊びに来たぜー…ってうわ、何だこいつ!?」 『ボクゥ…? ボクゥ…ボクゥ…』 司門は床を拭いているアオイを見て固まっている。 アオイは少しだけ司門に視線を向けたが、俺が手を振って合図するとすぐに掃除に戻った。 既に成体間近のアオイは、身長40センチほどに成長しているので狭い部屋に居ると結構目立つ。 しかも、成長して気づいたが、何となくだが女の子の様に見える。 ボーイッシュと言えばいいのか、男の子っぽい服装をしているが、 こちらに尻を向けて拭き掃除する後ろ姿は、どことなく女の子っぽさがある。 「としあきお前…何だそれ、ペットか?」 「よぅ司門、いいだろ実蒼石。 名前はアオイって言うんだぜ…おーいアオイ、ちょっとこっち来て! 俺の友達に挨拶しような」 『ボクゥ!』 アオイは床拭きを中断してこちらに駆けてきた。 そしてエプロン(掃除する時の衣装として買い与えた)で手を拭くと、司門に向かってペコリと頭を下げた。 『ボク、ボクゥ!』 「お、おぅ…よ、よろしく。 話には聞いてたけど、これが実蒼石か…」 司門の奴、なんかキョドってんな…。 こいつも俺と同じで女子とあまり縁がないからな。 「ほら、アオイにワンピース着せた時の写真だ」 「!?」 『…ボクッ!?』 俺は司門に、蒼いワンピースを着せたアオイが映ったスマホの画面を見せてやった。 アオイが恥ずかしそうにスカートの裾を抑え、画面の方を見上げている。 そして、本物のアオイが俺の服を引っ張り、頬を染めて抗議している。 『ボクゥ~~~…』 「はは、悪かったよアオイ。 こいつ、恥ずかしがりやでさ…司門、どうした?」 司門はしばし黙っていたが、顔を上げて言った。 「それ、どこで買えるんだ!?」 …俺はお掃除実蒼のHPを教えてやったが、司門は値段に驚いていた。 こいつ、実蒼石どころか実装石にも縁のない生活してたんだなあ。 まあ、半年前までの俺もだけど。 後日。 司門が「俺もお掃除してくれるやつ買ったぜ!」と連絡を寄こしたので見に行ってみた。 「ピカリンって名付けたけどよ…でも、お前のと何か違くね?」 司門の買った商品の説明書をよく見てみると…。 【お掃除仔実装『ピカピカちゃん』拭き掃除対応・永続使用改造済。3000円】 「改造品じゃねーか!」 しかも実蒼石じゃなく実装石の方だ! こいつ正規品の値段が高かったからって改造品を買ったな? そして実蒼石と実装石の違いをよく分からずに買ったな!? 『テチュー』 まあ、ピカリンはちゃんと部屋の掃除をしているようだし、品質に問題はないのだろう。 『テチュ、テチュ…テェ、テェ…』 息を切らせて掃除するピカリンを見ているうちに、俺はクリンちゃんを思い出していた。 思えばあいつも、ちゃんと掃除するいい奴だったな。 「あっ、お前!また糞漏らしやがったな!」 …んん? ピカリンの様子を見てみると、四つんばいで床を拭きながら糞を漏らし、 その糞を拭くためにくるくると同じ場所を回り続けている…。 既にパンツはこんもりしていて、パンツから糞が漏れているようだ。 「お前、粗悪な改造品なんて買うから…」 「おぅ、反省してる…お前も反省しろ、ピカリン!」 『テチャッ!』 司門のデコピンを喰らい、仰向けに転がるピカリン。 『プリョ』とパンツの中で音がし、再び床に糞が漏れた。 「ま、まあ、あんまり虐めんなよ…」 アオイの顔が見たくなった…そろそろ帰ろう。 俺は司門に挨拶して家を後にすると、アオイが待つ我が家へと帰った。 「ただいまー」 『ボクゥ!』 その後、司門の奴はピカリンとそこそこ上手く付き合っているらしい。 糞を漏らしたらお仕置きすることで、徐々にではあるが漏らす回数が減ってきているとか…。 うん、俺は多少高くても正規品を買って良かった。 終わり
1 Re: Name:匿名石 2024/02/03-16:42:11 No:00008677[申告] |
蒼い子はそのうち人化してよろしくやってそう
ピカリンも個体としては当たりの分類だけど実装石で3000円はなぁ 公園での厳選と一から調教の手間を考えると安いのは分かるんだが |