託児遊び 『あーあ…』遂に私の部屋のドアポストにも託児された。 正直な所、どう扱ってよいか理解しかねる。臭い以外は意外に不快感はない。 「テチチ…おちり痛いテチ。ニンゲンさんコンニチワテチュ♪」 しかし、不快感が割合的に少ないからと言って安易に受け入れられるものでもない。 「ニンゲンさん、ワタチカワイイテチュ?飼っテチ♪」 仔実装は出来る限りのアピール行動に入っている。 しかし、この色…改めて近くで見ると…アレの色だよな? 「ニンゲンさん、ワタチにお名前付けてくれるテチ?カワイイお名前が良いテチー」 よし、飼ってやるか。 『そうだな、お前の名前はザクだ』 「テ!?ザ…ク、ザク…カワイイお名前アリガトテチュン♪」 『よろしく、そしてこちらが連邦の白い悪魔』 俺は仔実装の前に、HGUCガ○ダムを差し出す。 1日ぐらいは遊べそうだと思った。 1日の締めは、糞抜きした仔実装をコンロで炙る。 徐々にコンロ口に仔実装を近付けると仔実装は身体を丸めて絶叫する。 「テチャァァァァl!ママァ!ママ助けテヂィィィ」 あの場面を見事に再現し終えて満足だ! ———— なんと、一気に12匹もの仔実装がドアポストに託児された。 なんて光景だ、我が家のセキュリティうんぬんよりデタラメさが目立つ。 「テチ…ここが新しいオウチテチ?」「テチーママー…ママどこテチ?コワイテチュー」 「落ちたテチー!痛いテチーママー…テェェェン」「テチチ…ワタシもコレで飼いテチュン♪」 「ニンゲンさん、見て見テチュ、ウンコでたテチー」 しかしデタラメ度合いに突っ込むよりも、私は天啓を受けた気分になった。 そう正に天啓だ。 個体差などどうでも良い。その造形、スカート付きのシルエット、12匹と言う数が運命だ。 『よし、全員飼ってやる』 「「ホントテチ!!」」 『ああ、本当だ。ちょっと待ってろ』私は隣室にモノを取りに行く。ありったけの黒塗料を集める。 『飼いになるんだから服をオリジナルに染めてやろう。野良ではない証だ』タッパに黒塗料を満たしていく。 1匹1匹服を脱がせ、服を染めて、乾かせてから着せる。12匹分はけっこう大変だ。 「「テチャー♪黒い服テチ!飼いになったんテチュー」」 『よし全員黒服だな』 「「ハイテチー!」」野良と差別化された服色にゴキゲンな様子。団結しノリも良くなる。 『次に飼いとして大事なものをやろう。名前だ!』 「「オナマエテチューー!!」」もうハイテンションだ。 『お前達の名前は…全員ドムな(正確にはリック・ドムだけど)』 「ドム?い、いいオナマエさんテチー…」「全員ってみんなドムちゃんテチ?区別付かないテチィ」 「ワタチがトクベツなドムちゃんに決まっているテチュ」「ニンゲンさん、ドムちゃんのウンコでるとこ見テチー」 『静粛に…そんな12匹のドムちゃんに紹介します。これが連邦の白い悪魔』 仔実装達の前に差し出したのはHGUCガン○ム…のG-3カラーだ。スジ彫りからペイントまで自信の1作だ。 君たちはマグネットコーティング済の白い悪魔から3分以上生き残れるか!? 『じゅ、十二機のリック・ドムが…3分で全滅だとぉ』 部屋の中はビームサーベル(クリアパーツ)で縦か横に押し潰し切れた黒いドム達が、血反吐に脱糞を噴いて転がっていた。 「チ…チベェ…」 はい!楽しめた分、お片付け、お片付け。 俺も、妙に実装石の扱いに慣れてきたな…と感じてしまう。 次はどんな仔が託児されるかなぁ?足なんて飾りにしてみようかなぁ…。 おわり