タイトル:【虐馬】 2023年テチューの旅
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初投稿日時:2023/03/06-18:24:55修正日時:2023/03/06-18:24:55
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2023年テチューの旅

 私の名前は寿(とし)・あき夫。実装石愛護派とは縁遠い…かと言って過激虐待派にも染まっていない。そして、観察派と言う程に我慢強くもないと言うどうしようもない一個人。
 本日は最強寒波到来の予報日と言う事もあって、陽が出ていても空気自体が凍る様に冷たい。日が暮れれば更に寒くなるだろう。予報では氷点下だ。そんな天気の中、ホームセンターにて家のDIY補修部品を購入し店を後にする帰り道の事だ。

 私は、ふと手にしたビニール袋から漂う異臭に気が付いた。(あちゃー…やってしまった。いや、やられてしまったか)とビニール袋の中身を見ずに思った。
 微妙だが、重みが変わっている上に漂う異臭。実装石による託児行為だ。実装石には、自身の産んだ仔を人間に委託する奇妙な人間への寄生行動がある。

 全くもって不思議なのだが、この託児行動は野良であれば聡明な個体、愚鈍な個体のどちらでも行う。どちらであっても目的は体系的に2つ。人間にその仔が養育されると言う妄想に近い希望と、食い扶持を減らすと言う現実から至る打算だ。
 これが、特に実装石の生存環境が酷になる冬場は特に多くなる。夏の暑さは水が確保出来て日中に出歩かなければ、まだ耐えられても、冬は生命維持の水を代表に、あらゆる物資が不足した上に冬眠本能が低く、体温を保持や増幅する手段と知能が少ない。
 摂氏一桁の世界では、人間同様に体温が奪われ行動が鈍り、摂氏0度の世界では水分を含んだ物を手にとるのは自殺行為であり、氷点下を下回れば水は凍り、雪で隠れた餌を見つける事自体が難しくなる。

 まあ、実装石の思考などどーでも良い。今は私の買い物袋に、実装石の仔が複数入れられたと言う点だ。これから使う物が不衛生の塊に汚染されたと言うのが屈辱だ。
 うっかりエコバッグを忘れ、どうせ食品ではないからとビニール袋をレジで購入したが、エコバッグを忘れる位のうっかりだ。託児対策に封をするのを忘れていた。
 買い物袋もそこに実装石絡みの政策費用が上乗せされ、ビニール袋は1枚5円だったのが今や実装対策税と言う名目で10円も払わされて、糞蟲の処分に自己責任を押し付けられるのはたまったものではない。
 それでも、今回は私の油断が原因なのでそこで感情を高めるのは止めておこう。『はぁ…今日は予定外ばかりだ』と声に出る。

 私は、モゾモゾガサガサと音を立て始めた買い物袋を、3回振り回してから「そぉい!!」と地面に叩きつけたい感情を抑えて人通りを避けた公園に移動する。
 公園では、この寒空の中、さっそくに私の存在を見つけたみすぼらしい野良実装石が、何かをねだりに駆け寄ってくる。

 貰える物であれば何でも良い。それが食べられる物なら僥倖であり、食べられない物でも、人間から貰う物は家の材料なり何かに使える物だと思って居る。
 人間から害を受けた実装石など長くは生きられないし、代替わりで驚異の継承や経験値などは夢のまた夢なので、種族としてみれば単純なコロリ撒きでも簡単に何度も引っかかる。
 公園近くに住み、この寒空でも動けるのは、野良でも比較的に人への害がマシな部類だから存在できているのだが、それでもこれ…おおっと、また話が飛びそうになった。

 私は、群れてくる一段の先頭を蹴り飛ばす。何組かの親仔が肉塊になり、何組かの親仔が負傷する。それで、実装石の集団は、遅い足で私を『危険』だと理解して散り散りに逃げ出す。
 それでも寄って来る屑を踏み潰し、公園のベンチの前に腰を下ろすと、ベンチの上で買い物袋を開ける。袋を開けると見事に3匹の仔実装が入っている。
 袋を覗き込んだ時に糞をひり出している真っ最中の『阿呆』。その糞に塗れながらも真っ先に媚びる『馬鹿』。糞を避けるのに物の上に登る事で汚れを回避し、頭を抱えて怯える『マシなの』の3匹だ。

 私は手袋を外し、ポケットに常備している使い捨てのウレタン手袋に付け替えると、1匹ずつ掴み出してはベンチの上に置く。ベンチの上なら仔実装が逃げても降りる手段がないからだ。
 次に阿呆の漏らした糞に汚されてしまった品物を並べる。「テッチュ~ン♪」と馬鹿が、自分にこれが与えられたと勘違いして置いた物に頬ずりする。

 置いたのは引き戸用の固形ワックス、ジッポオイル、釘、バスコンク、瞬間接着剤、アンプルタイプの植物栄養剤…他にも買ったが、とりあえず使うのはこの辺りだ。

 先ずは接着剤だな。虐待アイテムとしては定番と言えるアイテムだ。単純にパーツを付けて慌てる様子を眺めたり、応用で実装石の偽石を、とりあえず固めて割れない様にすると言う使用法をされる紳士も多いだろう。
 外装を破りキャップを外すと、勘違いしている馬鹿が手っ取り早いと顔を向ける。「テチュ?テッチュ~ン♪(ニンゲンさん、お目が高いテチュ~ン♪)」と馬鹿は媚びの姿勢に入る。その瞬間、馬鹿実装の手先に瞬間接着剤を数滴落としてやる。頬に付けた手が頬から離れなくなる。

「テ!? テテテ…テチィー!!?」仔実装は必死に手を離そうとパタパタと暴れ出す。片手の動きが制限され、ヘタリと腰を落とすと、文字通りジタバタしだす。まあ、この程度の悪戯は誰もが経験するお遊び。

「テェェェチィィィ!!!」おっと、そう言う間に暴れた力で頬の肉の方が千切れて自由を取り戻す。正確には、手の方も皮膚?の部分がだいぶめくれている。

『おーう…何て事だ、媚びしか能のない馬鹿なお前のためにその仕草で付けてやったのに…』そう言葉を掛けるが、馬鹿の方は「テチャァァァァ!!テチィィ!!」と泣き喚き手足をばたつかせる。おそらくは「痛い」と「不満」しか出ていないだろう。

 私は、駄々をこねている馬鹿を掴み上げる。仔実装はその動きが予想外なのか「テッ…」と喉をつまらせた様な間抜けな呻きと共に、その実装服のスカート裾から緑に染まった下着を膨らませはみ出させる。
 仔実装は排泄した感覚によって気分を紛らわせて、一旦落ち着いたのか、私の顔を見るなり頬を朱に染めて「テチィ♡」と媚びを見せる。私が、パンコンした下着を見て性的興奮をしたとでも思ったのだろう。非常にムカつく。
 同時に、接着剤と言う物が認識できていないので、手を接着したのが私だと、それが危害を加える動作だと理解できないのだろう。
 私は、えぐれた顔肉に寸分違わぬ位置に手を付けた媚び仕草をみせる馬鹿の生まれ持った媚び特化の能力に感心しながら、その手の周りに接着剤を多めに盛ってやる。

「テッ? テチチ? テェー!!テェェェェ!」馬鹿仔実装は、再び手が頬から離れなくなった事に藻掻く。そして、ようやく手が離れないのと私のした事に関係性があると理解したのか、鳴き声に勢いが感じられる。
 だが残念だ。何を抗議しようと、今の私はお前なぞの言葉に耳を傾けるリンガルの電池消耗は拒否する。リアクションさえ返してくれれば満足だ。
 私は、馬鹿を掴んだ手の親指と人差し指で、馬鹿の頬を押し込むと、その口が開きっぱなしになるので、その口内に瞬間接着剤を垂らしてやる。
「テテ? テチュー!!テッ…カッ、ヒッ、コパァ!!?」媚びの馬鹿は瞬間接着剤が喉(食道)で固着し、短時間で喉をつまらせて顔を赤く「ンパー! ンパー!」としか発せないまま苦しみだす。

『まあ、窒息で簡単に逝ってヨシすると思うな』私は、窒息をし始めている馬鹿をベンチ上に戻してやる。媚びのポーズのまま、ビンクビンクと身体を跳ねさせ、体色を赤から青、そして紫と変色させていく。
『この辺りかな?』私は、馬鹿の偽石の位置に当たりをつけると、そこに瞬間接着剤の口を差し込むと、残り全量を一気に絞って注入してやる。馬鹿の腹部が膨らみ、それで胃袋が圧迫されたか、更にパンツを糞で膨らませている。
 馬鹿の偽石崩壊を防ぐことで、馬鹿は簡単に窒息だけでは死ねなくなった。実装石の生命限界付近、文字通り呼吸(蘇生)と窒息(仮死)の狭間で藻掻き苦しみ続けるのだ。
 それでも無敵になった訳ではない。生と死の葛藤は、接着剤が固着した喉が改善しない限り死に天秤が傾いたままだ。人間の時間で見れば即死の定義からは外れる時間しか生きていられない。生きている間、コイツの得意げな媚び姿勢を維持させてやるのが温情だと思え。

 一瞬の仮死状態から再び顔色を赤に取り戻し藻掻き苦しむ馬鹿の様子をじっくりと眺める事となった『阿呆』と『マシなの』は、ようやくに私が託児をされて飼うような人間では無いと理解できただろう。
 『マシなの』は、既に予想される絶望の展開にヘタヘタと腰を落として震えだす。それでもパンコンしないだけマシな個体だが、所詮はマシでしかない。
 そして『阿呆』なのに至っては、自分で漏らしたゲル状の糞を手で救って「デチィィィ!デチィィィ!」と歯を剥き出して、いわゆる威嚇行動として糞を投げてきた。歯を剥き出して両手を振り上げるのが威嚇の第一段階で糞投げは第二段階だ。
 まあ仔実装の動きなので、不意を突かれない限りは手袋した手で払える程度の糞投球だ。

『まさか、隕石に当たって死ぬよりレアな優しい人間に託児されたとか夢を見たか?馬鹿め。お前らにとって私は、日本で日本人に会う確率と同じぐらいにありふれた虐待派だよ!』
 その勢いに阿呆は、慄き尻を向けてパンツを下ろす。自己防衛本能、威嚇参ノ型…直糞糞射。まあ、ケツ穴を向けて直接圧力を溜めた糞の噴射で相手の意欲を萎えさせる。本当に本能のままで何も考えない阿呆だ。
 ブビビビビィィィっと萎える音で、大して飛びはしない糞を撒き散らしだす。その姿は無駄に人型生物だけに醜悪その物であり、不快感マックスにさせると言う点で威嚇には効果があるかもしれない…。
 怒りを買うではあろうが、一般人はこれほどの糞を撒く蟲を、邪魔にならない限りは積極的に攻撃しないだろう。視界に入るだけで邪魔と言うのはあるが。

『まあ、それはそうと、これ、食べるか?』私は、阿呆仔実装の脱糞ショーの間、固形ワックスを削って屑の山にした物を差し出す。マシなのならば絶対に手を出さないだろうが阿呆は違う。何故なら阿呆だからだ。
 そもそも食べ物かも怪しい物も、あからさまに変な匂いと見た目で無く人間に食べ物と言われて出されれば、とりあえず口に含む選択をするのが基本の実装石だ。
「テー?テチテチ?テチュン♪」阿呆仔実装は、数秒前まで威嚇した相手から差し出された、良く分からない削りカスの山の前に、ポテンと無防備に両足を前に投げ出した姿勢で座ってそれを手にとってもしゃもしゃと食べだす。

「テーテチテチー…テテ、テチュテチュン!(ゲップ…)」アクセントの感じから、ふてぶてしくもまずいとか、もっと良い食べ物をだせと不満を言っているのだろう。そもそも、目の前の人間が仔実装に酷い事をしたのを見ててこの大食いである。
 今の気分であれば、リンガルを見てしまうとプッツンして自分自身で楽しみを半減させかねないのが馬鹿と阿呆クラスである。
 阿呆の方は、出した固形ワックスの屑を見事に完食し、締めのゲップをして、足を投げ出した座りのまま腹をこすっている。吐かないのならこのまま仕上がるまで待とう。

 マシなのの方は、無駄と知りながらも「テチィー!テチィー!」とベンチの上部を駆け回って、降りられそうな場所を探し回っている。マシなのの方は見ていても不快度が低い。マシと普通の差が酷すぎるのだと思う。
 そのマシなのを捕らえる。流石にマシなのは多少力を入れて掴んでもパンコンするまでダダ漏らしはしない。糞を容易に漏らさないだけで実装ショップで千円位で販売されているレベルで優良だ。

『よしよし、お前は他の2匹と違い見所がある。分かるか?もう少し賢ければ飼い実装としてやっていける』リンガルの電源を入れながら優しく声を掛ける。
「テ…テチ?ニ、ニンゲンさん、ワタチにコワイ事しないテチ?ママの言ってた…イチバンちゃんの新しいママになってくれるテチュ?」マシな仔実装は怯えながら確認してくる。
 なるほど、イチバンと言う名前があるほどの仔ならば、親実装も賢いが冬を越せそうにない状況で、託児に仔の僅かな生存の希望を託したのだろう。泣ける話だよだれが出てくるぜ。

『残念だが私が飼うわけではない。お前がもう少し賢ければ新しいママになるニンゲンが居るかもしれない』
「もう少し賢く…テチィ?イチバンちゃん、おトイレしっかり覚えるテチ。おゴハンも食べすぎないテチュ。それから、それから…イチたすイチはニテチュ!イチたすニは…ニ?サンテチュン!」
 怪しさ満点だが、算数で賢さアピールしてくるとは中々にやるな。1+1=2を言葉遊びだけでも覚えていられるだけ親の教育も良いらしい。

『もう少し賢くなればと言っただろう。1+4は?』私は意地悪く問題を混ぜる。
「テッ!!イチはイチでテチー…ヨン?ヨンテチ?ヨンバンちゃんはお歌が得意テチュン♪」マシなのは恐怖に強張った力を抜いて答える。ちょろいもんだ。
『惜しいな。もう少しなんだ』
「もう少しテチ…イチバンちゃん頑張るテチィ!ママはワタチなら、ニンゲンさんと生きられると言ってたテチ!!」
『そうか、頑張れるか!少し痛いのは我慢しろな』私は、マシなのの頭巾をずらして頭部を露出させる。「テッチィ?」完全に気の緩んだ仔実装は頭巾を剥かれたのに反応しない。
「テテッ!!」っと外された頭巾を戻そうとする動作の時には、私は植物栄養剤のアンプルの先端をポキッ!っと折ると、マシなののツルツルの脳天にズブリ!っとぶっ刺す。
 アンプルがブレないところまで差し込むと「テベロ!」っと短い呻きとともに、仔実装の両目が若干前に浮き、見えない鼻から体液を滴らせ、間抜けに開いた口からよだれと舌を垂らせてしまう。加えてやはりパンコンする。

 仔実装の手が届かない脳天に突き刺したアンプルの中身がグイグイ減っていく。脳みその中心に良く浸透しているようだ。
『よしよし、我慢できたな!』掌で支えるマシなのに声を掛けるが、「テポ!テアポペ?」と翻訳不能の言葉を発し、両目がそれぞれ別方向にうねうねと微動している。正直、不気味ですらある。
 ベンチの上に戻してやると、ヒクンヒクン!と背中を反り返らせて痙攣しているので背中を支えてやる。まあ、構想だけで実践したことはないが、実装石には治癒能力があるから大丈夫だと思いたい。
 ビタミン等は分かるが、リン酸等の植物用栄養剤ではどうなるのか?実装石の無駄な脳にだけ栄養を回したらどうなる?と言う実験だ。

 マシなのへの脳みそに直接栄養剤(植物用)点滴が決まるまで、阿呆なのの様子を見る。
 阿呆の方は、頭にアンプルの刺さった仔実装を指しながら「テピャピャピャ♪」としばらく笑っていたが、やがてソワソワしだすと器用に緑に濡れ汚れたパンツを脱いでしゃがみ姿勢になるとブビビビビ…と糞を放り出す。
 目が合った私に「テチュテッチュ♪やだ、ニンゲンさんはえっちテチュ♪」と頬を赤らめてのたまう。私の買い物袋で糞を漏らしていた貴様がその態度に出るか!と切れそうになる。

 ブビャビャビャ…ブッピ!ブピ!ブッ…ジョババババァ。阿呆なのは固形物が出終わるが、屁を出した後は液体が垂れ流し状態になる。
「テ!テ!テ!?」普通なら放り出し終わった頃合いの糞が、液状化して垂れ続けるが、阿呆なのには排便感がないので、パンツを履こうとして漏れ出る物に気がついてパニックになる。
「テチャ!おウンチテチ!?これウンチテチュ!ナンデテチュ!ナンデテチィ!」排便感のない排便に、阿呆なのはワタワタと騒ぎ、やがて内股で股間を押さえて止まらない水便に彷徨い出す。

 先に食わせた固形ワックス屑が、胃袋で温度と水分により液化して下剤の効果と共に、その真価を発揮して潤滑効果を発揮する。
 バラムツと言う魚を食べる時にはおむつ必須と言われる。バラムツの身に含まれる脂は、消化不能なワックスエステル(蝋)成分で出来ており、これがワックスのまま腸を通ってくるので排便感のない便をおもらしするのだ。その原理を応用してみた。
 実装石の排便は性器を兼ねた総排泄孔への排便刺激が快感と安定を感じる行為になっているとされる。その排便感がなく漏れ出す糞汁に「ナンデ、ナンデ」と言いながら誰へともなく救いを求めている。
 もっと賢い個体なら、より優れた羞恥心の増大崩壊(オーバーキャパ)で壊れていくのが拝めるだろう。

『慌てるな…。胃袋が空になれば止まるんだから』そう阿呆なのに言い聞かせながら、私はバスコンクの先端を処理して準備する。
「ウンチ止まらないテチ!止まらないテチ!チンじゃうテチャァ!」騒ぐ阿呆を持ち上げる。こんな糞蟲がナメクジ以下の括約筋(?)を総動員して尚、内股になって締めようとする姿は笑える。
「テチュン♡」その持ち上げた阿呆の総排泄孔に、容赦なくバスコンクの先端を突っ込む。
「駄目テチュ♪ニンゲンさんはケダモノテッチュー♡ワタチのカラダにメロメロテチィン!」そうのたまう糞蟲にイライラしながら、バスコンクをニュルニュルと注ぎ込み抜いていき、総排泄孔の周りを丹念にシーリングする。
「テ?お股動きにくいテチ…」

『さて胃袋も空にしたし、シール加工も終わった。次は…』私は、躊躇なく、阿呆なのの後頭部の髪を握ってブチ!っと一気に引き抜く。
「テチャァァァ!!ワタチの髪ぃ!大事な髪が抜けたデチィィィィ!!」この辺りは両目から血涙を流しテンプレートな反応を見せる。
 だが、もうこの阿呆なのは最後の仕上げだ。泣きじゃくる阿呆の脳天に釘を刺すと、コキャとあるのか無いのかわからん首の骨と思しき物を折って顔が天を向くように固定するのに、実装石の足に後頭部から抜け出た釘を刺す。
 さらに口が拡がる様に頬を伸ばし釘を差し、その先を肩から腕へと貫通する骨格にしてやった。これで、動きたくても動けない。

「イタイデチ!イタイデジ!ヒドイテチチ!ギャクタイハニンゲンテチ!」そう、身動き取れずに喚く『容器』を作った。
 そして、上を向き開いた口にジッポオイルをピューッっと注ぎ込んでやる。まっすぐに口から胃袋が通って見えるには不思議な光景だ。
 ジッポオイルが喉の辺りまで溜まる。コポコポとかろうじて何処からか排気の気泡が漏れてくる。出口である総排泄孔穴は防水栓がされている。
 さらに阿呆から毟り取った髪を軽く紙縒って1本の紐にすると、それを胃の底まで到達させ、反対の紙縒りを口の上に伸ばす。

『いいか阿呆。動かなければお前はしばらくは生きていられるだろう』そう言い、天を仰ぐ姿勢の阿呆の口から突き出る阿呆の髪で出来た紐。それに火を付ける。
 ジリジリと最初は不快な実装石の髪の焦げる臭いが立ち込めるが、少しするとオイルの匂いとともに炎が安定し始める。
「ポヘーー…ゴポ、ゴパァ、ホヘー…」阿呆な仔実装は、今は実装石オイルライターと言うか実装蝋燭だ。
 髪で作った芯材に浸透していくオイルで火点が安定・持続し、僅かに胃で吸収されたオイルもボディに浸透していき、燃えやすいとされる実装石の肉体を緩やかに綺麗に、それこそ跡形もなく燃えきってくれると言う訳だ。
 生きて居られるのは頭部が焼ける頃合いで、私の買い物を汚した阿呆への罰としては軽いが、喋れてもイラつく事しか言わないので、暖を取る道具になってもらった。寒空の下では中々に暖かい。

 その間にマシなのへの脳天直点滴も終わっており、アンプルを抜いてやる。マシなのは栄養剤の部分点滴のよって、頭、それも顔から上半分、脳のある部分だけが成体のサイズなのは不気味だ。
「テ…テテ…頭痛いテチ、ニンゲンさん、酷い事したテチュ。頭重いテチ…変テ…テチャァ!」マシなのは、まだ頭部に穴の空いた状態だが、身体が動くようになって恐る恐る頭巾を被ろうとして肥大化した頭部に気が付いた。
 立ち上がろうとしても肥大した頭部でバランスが崩れて立つ事が出来ない。いや、頭部の大きさは成体サイズだが、物理的質量はそれ以上に増している。

「ニンゲンさん、こ、これはドウ言うことテチュ!」心なしか、その放つ言葉に存在感、知性を感じる。
『まあ、まあ、落ち着いて答えてみ?1+1は?』「2テチュ」打てば響くように返ってくる。『1+4は?』「5テチ」言える!実装石が手足の数以上の数字を認識している!植物用栄養剤、凄いぞ!脳の処理能力が質量に比例しているかのように向上している。

『ふふ…そのつもりは無かったが…どうやら私は凄い発見をしてしまったかもしれない。お前は賢くなった!!』
 そう、マシなのをちょっと知能を上げてから虐めれば、より良いリアクションが得られると思って注入しただけだったのだが、ここまで知能が上がるとは思って見なかった。

 しかし、褒めた矢先に、仔実装の顔がやつれ、心なしか虐待してもプリプリなのが売りの実装石の肌がカサついて光沢を失ってしまったように見える。
「いいんテチ…。ワタチは飼いなんて望んでないんテチュ…。飼いなんてママの幻想なんテチ」急にめちゃくちゃネガティブになりだした!
『待てよお前!もう少し頑張れよ!』と思わず声を掛けるが、「気にかけてくれるのはありがたいテチュ。でも、ワタチは何をやってもダメなんテチ」とシオシオになっていく。

 はて…。これはまさか、脳だけが肥大化した影響で肉体の方が栄養不足になっているのか?と実験結果から閃いた私は、まだ塞がっていない脳天の穴に、再度のアンプルブッ刺し投与を試す。
 アンプル内の液体が減っていく程にマシなのの肉体が艶を取り戻していく。
「テッチュン♪栄養が染み渡って漲るテチュ!!御主人様、今の私なら分かるテチ!三角形の内角の和は180度になって、外角の和は…こうだから360度になるテチ!」
 マシなのは、私の用意した釘を手に取ると、なにやら図形を宙に描きながら言う。本当に理解している?いや、その実装石には生涯費やしても無理そうな知識は何処から来る?宇宙意志とかそーいう代物なのか?
 そう思った次の瞬間には、再び肌色が色褪せていく。
「テー…もう、どうでも良いテチー。ワタチは所詮、野良の仔なんテチ…頑張っても報われないテチ」ハイになったりウツったり忙しいやつだ。だが、徐々に理解した。
 私は、マシなのの総排泄孔に新しいアンプルをブッ刺して、乱暴にプラ製のアンプルをペコペコ押して栄養剤を注入する。すると、やはり艶が戻る。推測は多分、かなり正解に近い感じがする。

 どうも、植物用の栄養剤の成分が脳を活性化させ、その脳の肥大、高性能化で消耗する栄養を肉体から吸い上げて急速消耗する。
 いわゆるパソコンを高速化するのに、無茶振りなクロックアップや高性能グラフィックボードを載せた結果、膨大な電力を消費して電気代がヤバいとか、家のブレーカーが保たない状態…とでも言おうか。

 まあ、実装石の知能レベルと肉体は、阿呆なのや馬鹿なののレベルで釣り合っているから存在できるバランスなのだと言えるだろう。

 私の起こした偶然の結果は…自然は必然的にそう出来ている…実装石も、その枠の1つであり、同時にそれを超えては逆に自然の方が生きていけないと証明した形になる。いや、そう私が解釈しただけかもしれないが。
 ああ、ならば人間はどうなのだろう?等の複雑な気持ちが沸き起こる。

「テッチュン♪ご主人様、イイクニ(1192)作ろうは、今はイイハコ(1185)作ろうに代わって…テビャァ!!」
 気が付いたら、私は仔実装の脳に釘を1本、2本と突き刺していた。黒ひげ危機一髪ゲームの様に10本、20本と刺している。
「テチィィィィ!デチャァァァァ!!デェェェェ…ナンデ…ナンデテチャァァ。賢く…なったのにテー…」
『済まない。私はそんなつもりでお前を作ったのではない…。お前は存在させてはならないモノになってしまった』
 私は、最後の釘をマシなのの総排泄孔に刺すと、マシなのの後ろ髪を束ねて掴んで持ち上げ、阿呆なのキャンドルの燃える炎に吊り下げて、股間の釘を炙る。
「デデデ!!テヒピャァァァァ!!」マシなのが、賢いゆえに理解できる結末を描いて絶望の笛を奏でる。只の仔実装と同じ悲鳴なのに、只の仔実装をいたぶった物では得られない恍惚を感じてしまう。

『だが、お前が体内から焼かれ、意識を失うまで苦しむのは…   勝手に私を御主人様と呼んだせいだ!!』
「テェェェェェェェェェ!!!ヤメテクダサイテチ!反省しますテチ!ヤメテテチ!ヤメ…」

 やたら頭部だけがデカくなった不気味な仔実装の燻製が残ったので、窒息した馬鹿なのと一緒にベンチ下の地面に置く。
 私が立ち去ってほとぼりが冷めれば、公園を寝床とする野良実装の真冬の貴重な資源となってくれるだろう。
 そして、私の手元にはまだ幾つか品物が残っている。自分の家では使いたく無くなった品の使い道を寒空の下で考える事になった。

 ちなみに、後日、同じ脳みそ直挿し実験をしたが再現は出来なかった。その点は少し反省しておこう…。

- おわり -

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