実装石保護センター5

セレクション第二の設問は服選び。
この服のどれかが危険・・・ということではなかった。
本来は衣装のセンスを見極めようというだったが頭のいい仔実装が揃ったのか。
先ほど餌に毒が入っていたことに警戒し、好みの服を奪い合うような光景は展開されなかった。
・・・とはいえ結果は決まっていた。
一番ダサイ服を選んだ仔実装が脱落する。
さて脱落する仔実装にどうなるのか。
寝ていたDに最初に変化が起きた。全身に発疹がでて、寒気がする。
吐き気と痛みで涙が止まらない。一体これは何が起こったのか。
いわゆる実装痘という実装石に感染する疫病。
4つの服に実装痘の病原菌を付着して置いておいたのである。
今回のセレクション、ピンクの衣類を選んだ個体の勝利なわけだが・・・・・・。
センスで選んだわけではなく、残り物には福来たるという結果となった。
そして一番センスのない服を選んだのはC、次にE。
この結果は審議となった。
「最初に自分でかわいい服を選んだのはDじゃないか？」
4つの服を最初にこれだと選んだDだ、一抜けはDいいのかもしれない。
次にかわいいピンクの服が回ってきたBが2抜け。
問題は脱落する方をがどちらか。
パンツだけを選んだC、いつもと変わりない緑を選んだEか。
「まあダサい服には違いないけどこれはEじゃないの？」
という意見でまとまりかけた時、今回の設問の趣旨を改めて問うた。
『一番ダサイ服を選んだ仔実装が脱落する』
私はCの履いているパンツを指す。
実装石の衣類、最高級ブランドのデスサーチ。Cが履いているのはそのパンツだった。
「なにぃ！？そんなバカな！！」
Eに賭けていた職員たちは驚嘆の声をあげた。
「おしゃれというのはわからんもんだなあ」
Eに賭けていた職員たちはぞろぞろと千円札を置いていく。
脱落者となったE。耳を掴まれ、水槽からつまみ出される。
Eはバタバタともがき抵抗したがなんてこともない。
水槽からつまみ出されあEは仔実装にぴったりの小箱の中に入れられ封された。