タイトル:【虐】 とある実装石親子の話⑥
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作者:匿名 総投稿数:非公開 総ダウンロード数:579 レス数:2
初投稿日時:2023/02/19-18:09:05修正日時:2023/02/19-18:09:05
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遅くなってごめんなさいデスウ

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テミが、そうミンに言うが癇癪を起こすように泣くばかりのミン。
男が目無しと2匹の間の壁を取り除こうとする。


『帰るデズウウウウウウ!!!泣き声する奴らを食べて娘たちの元に帰るデズァアアアアアア!』


壁を必死に叩いている目無しとの境が無くなろうとしている。
考え込んでいたテンがミンに叫ぶ。


『ミン!しっかりするデス!テミと一緒に逃げるデスゥ!!』

『テェェ…ママ…オネエチャ…』


親の言葉で我に返ったか、ミンが顔をあげた。
壁が目無しの顔の辺りまで持ち上げられ、今まさにゲームが始まる直前であった。



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取り除かれた壁から、目無しが飛び出す。


『何処デズゥゥゥゥ!何処にいるんデズアァ!』


いきり立つ目無しに、体を震わせるテミ。

それでも何とか奮い立たせ、怖がるミンと逃げようとするが…


『テッチャァァァアァ!!怖いオバチャテチュゥゥ!!』

『ミンチャ! 叫ぶと危ないテチィ!』


テミの手を振りほどき、恐怖で糞をまき散らしながら別の隅へと逃げようとするミン。

だがパニックで叫びながら逃げようとするミンに、目無しが気づく。


『いたデス!いたデス!イタデズゥゥゥゥゥウウウウ!!!!』

『テチャアアアアアアアアア!!!!』


目無しがミンに駆け寄る、だが捕まえようとして壁に当たってしまって全身を打ち、そのまま倒れてしまう。

そしてミンが目無しが倒れる際に足で蹴飛ばされ、ミンも壁に体を打ち付ける。


『ミンチャ!』

『ミン逃げるデスゥゥ!!!』


なんだか遠くからママとオネエチャの声が聞こえる…。

壁に頭も打ち付けたのかミンが、人ごとのようにそんな事を考えていた。

しかしそんな事を考えているうちにも、目無しが立ち上がりミンに近づく。

テミが針を持ち、ミンを助けようと駆けだすが…。


『つ、捕まえたデスゥ…クソガキを捕まえたデスゥ!』

『テチャァァァ!!! ママ!オネエチャ!助けテチィィ!!!』


ミンが目無しに捕まってしまった。

テミが駆け寄り、針で足を刺す。


『デギャ!このクソガキは後でゆっくり殺すデズゥ!!』


テミは攻撃したまではいいが、目無しに蹴られ床に叩きつけられる。


『オネエチャ!!オネエチャ!!死にたくないテチューーーー!!』

『美味そうな声がするデスゥ~♪ これでまずは1匹目デスゥ♪』

『テチィーーーー!!ママーーーー!!ママーーーーー!助けてテチューーーー!』


目無しがミンの後ろ髪を掴みゆっくり口に放り込もうとした。

しかし、その時


「やっぱり止めるか、このゲームはつまらないな」

『デベェ!?』


男が目無しの、顔を棒で叩きそのまま頭から床に崩れる。

ミンも目無しの手から離れ、床に叩きつけられる直前…。


「おっと、大丈夫だったかい?」


男がキャッチでミンを受け止める。


『テェ…?テェ?助かったテチ…?』


何があったか分からない顔をするミン。

男の左手に乗り、顔を見上げている。

何がなんだか分からないと思っていると、横から声がした。


『テミチャ!無事で良かったテチ!』


男の右手にはテミがいた、そのままテミも左手に乗せる。

お互い無事を分かち合うように抱き合う2匹。


『オネエチャ!オネエチャ!良かったテチ…』

『テミチャ!無事で良かったテチ…』


抱き合っていると男が、そのままママの元へとそっと下す。

親子は久々の再開に感激し、泣きながら抱き合う。


『テミ!ミン!良かったデスゥ!本当に良かったデス…』

『ママ!ママ!怖かったテチィ!怖かったテチィィ!』

『ママー!寂しかったテチュ!もう離れたくないテチ!』


親子が感動の再開を果たしていると、目無しがその声を聞きつけたのかケースの壁に体を擦り付け叫ぶ。


『何処デズァ!何処行ったデズゥ!!!早く喰わせるデス!馬鹿ガキ早く食わせろデッスーーーー!!』

「もう終わったんだ、お前はやっぱり処分だよ」


そう言って男が目無しに、棒で何発か叩きこんだ。

目無しはしばらく叫んでいたがしばらくすると静かになった。


「さぁもうこれでいいね、今まで悪かったね」


男が親子に頭を下げた、そんな姿を3匹は呆けて見ていたが。


『いいんデスゥ…やっとまた会えたんデス、これ以上の幸せはないデスゥ…』


テンが涙を流し、またテミとミンを抱きしめる。


「そうだね、じゃあお詫びのしるしにまずはお風呂に入ろうか」


気絶しているのかグッタリしている目無しを余所に、男と親子は部屋を出た。


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『アワアワテチ!オネエチャ!アワアワ初めてテッチュン♪』

『ワタチも初めてテチュ!アワアワいっぱい楽しいテッチュ~♪』


ママと久々に入るお風呂は暖かく、そしていっぱいの泡に包まれている。

ショップでも体験したことは無く、一度高級と呼ばれる実装石が入ってるのを見た事あるだけの、初めての泡風呂に興奮していた。


『テミ、ミンあんまりふざけると危ないデス~』


テンもそう2匹に言うが、強い口調ではない穏やかだ。

とっても幸せな時間…ショップでも味わった事の無い時間…。

テンは久々の宝物が戻ってきて心底幸せそうに笑っている。

髪の毛もテンが仔実装専用と呼ばれるもので洗ってくれた。

ミンはその嗅いだ事も無いようないい香りにウットリしてしまう。


『こんないい香りするなんて信じられないテチュ…♪』

『本当テチィ~、ママもミンチャもいい匂いテチ~♪』


ドライヤーで乾かす時もいい匂いがふんわりと鼻をくすぐる。

ショップにいたらここまでのものは味わえなかったであろう。


「さぁこれに着替えなさい」


男がテミとミンに服を手渡す、それはママとお揃いの綺麗なピンクの実装服。

今まで自分たちが来ていて緑色のではない、飼い実装の証とも言えるような色。

テミとミンは目を輝かせてそれを見つめる。

そして着替えると、今まで自分達が着ていたものと思えないくらいの肌触り。

途中から恍惚な表情が止まらなかった、こんな幸せがあっていいのだろうか。

そしてご飯はもっと信じられなかった、話にしか聞いた事の無かったステーキ、寿司…そしてデザートにはプリンとコンペイトウ。


『デェ…ゴシュジンサマいいんデスゥ…?』

「ああ、いいよ今までのお詫びだからね」


テンが姉妹の方を見ると、目を爛々と輝かせ涎を垂らしていた。

今か今かと待ちわびる姉妹が、テンの方を見る。


『お前達!意地汚いデス!”飼い”実装はもっと我慢するデス!』


そう姉妹を叱りつけたが自身も久々の親子の再開、アワアワのお風呂、そして豪華な食事と顔が少しにやけている。

男が笑って、さぁ食べなさいと言うと姉妹を皮切りに飛びつく。

噛み切れるほどに柔らかいお肉、旨味とそしてじんわり甘みもあるお寿司…。


『テミチャ!これ食べてみるテチィ!めちゃくちゃ柔らかくて美味しいテチュ!』

『オネエチャもこれ食べてみるテチュン! こんなの食べた事ないテチュ~~!』

『ママも食べるテチュ♪ 食べないならワタチがもらっちゃうテチー♪』

『美味しくて頬っぺた落ちちゃうテチューン♪』


食べた事の無い食事を目につく限り頬張る姉妹、そして見た事無いくらいの笑顔。

昨日から碌な食事を取っていないのだ、当たり前といえば当たり前だろう。

そんな姉妹を見ながら、微笑ましく笑うテンと男。

2匹でテッチュ~~~~ン、と大喜びで食事の時間は過ぎていく…。



そしてその夜。

お風呂に食事、その後おもちゃで遊んだ姉妹は興奮冷めやらぬと言ったところだ。

親子で大きなベッドに入るも中々寝付けない。

ミンを中心に右にママ、左にテミがいる。

幸せ、幸せ…こんなに心が温かくなった事はないだろう。

あの男はアクマかと思っていたけど、どうやら優しいニンゲンサンだったのかも。

そう思い始めていた時。


『ミン』


ママの呼ぶ声がして、右を笑顔で振り返る。

そこには口が顔になったかのようなママがいた。

口が裂けるほどに大きく開け、ミンを呼んでいる。


『テェェェェェエエエエ!!???』


思わずパンコンしてしまうミン、驚いていると背中から声がする。


『ミン』


テミオネエチャの声、変になったママの事で助けを求めようと振り向くと…

そこには同じように口をあらぬ程に大きく開けたテミがいた。

2匹が自分を呼ぶ、訳が分からない顔になった2匹が。


『ミン』
『ミン』
『ミン』
『ミン』


ママとオネエチャはどうなったしまったんだ、頭の中がパニックでぐるぐる回る。

それでもそのママだったものとオネエチャだったものがミンを呼び続ける。

次第に声が大きくなっていく。

『ミン!』
『ミン!』
『ミン!』
『ミン!』


両耳を塞ぎ目を閉じる。

それでも恐怖で体は震え、先程までの食事を吐き出すかの如く脱糞が止まらない。

声はどんどん大きくなる。


『ミン!!!!!!!!!!!!!』
『ミン!!!!!!!!!!!!!』


あの恐ろしい顔が自分を呼ぶ、二人はどうなってしまったのか。

怖い怖い怖い…!

その時ひと際大きな声がする。


『『ミン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!』』



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ミンがハッとする。

そこはベッドなんかでは無く、あのケースの中だった。


『テェ…ここは何処テチ…?』

『ミン!起きたデス!しっかりするデス!』

『ミンチャ!早く立ち上がるテチ!逃げるテチュ!』


ミンの目の前にはあの時と変わらない裸で汚れたテミオネエチャ。

そしてケースの壁の外にいるママだった。

テミは壁にぶつかった衝撃と今のストレスから逃げる為、幸せ回路をが最大限に働いた。

そこで見た夢、全ては夢だった。


『…?ピンクの綺麗なおべべは何処テチ…?ベッドは何処テチ?』

『何言ってるテチ!あのオバチャが倒れている間に早く逃げるテチュ!』


そういうテミの腕が刺す方向を見ると、徐々に立ち上がろうとしている目無しが見えた。

一気に現実へと戻り恐怖が戻る。


『テチャアアアア!!!』


そして変わらず大量に糞を漏らしながらあらぬ方向へと逃げるミン。


『ミンチャ!』


そんなミンを見て、思いついたテンがテミに話しかける。


『テミ、よく聞くデス!……』


完全に立ち上がる目無し。

そしてまた怒り、叫び出す。


『よくもやってくれたデスゥ!!!とっとと高貴でセレブなワタシのお腹に入るデジャアアア!!』


怒り狂う目無しに駆け回るミン。

そしてテミも叫びながら糞をまき散らし始める、叫びながら。


『怖いテチューーーー!!!オバチャ怖いテチィィーーーー!』


テミもまた泣き叫びながら逃げ惑う、ミンとは逆に。

その声に気づき目無しが反応するが。


『デェ!?声があっちこっちからするデスゥ…?何処デジャアァ!』


目無しは手を前に突き出し歩き出す。

テミはテンから言われた作戦を、忠実に実行している。

ミンがパニックになっているのを逆手に取り、逃げ惑うミンとは逆に逃げ目無しを惑わす。

そしてテンも姉妹を呼びながら叫ぶ、これで時間を稼ぎ目無しを撹乱する。

駆けだす目無しは混乱しながら壁に何度も衝突する。

痛がるのも時間稼ぎになっている。


「…やっぱりこいつは頭がいいな」


男が呟いた、テンが男の方を振り向く。

何か男が呟いたのに気づいたが、何を言っているかまでは分からなかった。


逃げ惑うテミとミン。

だが考え無しに逃げていたミンが、疲れ立ち止まる。

目無しがたまたまそれに気づき、振り向く。

叫び声が止まった方向…、きっとそこに糞ガキがいる。

テミが拙いと叫ぶが動きながら叫ぶ方には、振り向かなかった。


『見つけたデスーーー!やっと食えるデズァァア!!!』


と駆けだした。


『デェ!?』


だが目無しは何も無いところで足を滑らせる。

これこそがテンの考えた本当の作戦だった。

2匹で糞をまき散らしながら逃げ惑う、床は次第に糞に塗れていくだろう。

小さい2匹ならまだしも、成体の実装石ならば…。

見事に的中し、目無しがそのまま倒れこむ。

その足裏には糞がべったりついている、猶更転びやすいだろう。


『テミ!今デスゥ!!!』


間髪入れずにテミが走り、目無しの膝の横部分に針を何度か刺す。


『デジャアアアアア!!!痛いデス!痛いデズァァ!!!』


関節部分の方に一撃を入れられ、痛みを訴える目無し。

とここまでが、テンの作戦だ。

あとはミンも冷静さを取り戻して協力するしかない。

テミが疲れているミンに駆け寄る。


『ミンチャ!大丈夫テチ!?』

『オネエチャ怖いテチ…、怖いテチュウ…』


震えるミンをテミが鼓舞するように。


『大丈夫テチ!ママの言った通りやったら、あのオバチャが倒れたテチュ!きっと大丈夫テチ!』


ミンが泣き顔で目無しの方を見る。

確かに倒れている目無しがいる、しかも痛みで転がり回っている。


『…すごいテチィ…あれオネエチャがやったテチ…?』

『ワタチだけじゃないテチュ…ママが教えてくれた事とミンチャが協力してくれたからテチ…!』


自分では何もやっていなかったが、あの大きい目無しが倒れて痛がっている。

それがミンの正気を取り戻し、やれるという気力を出すのには十分だった。


その後もミンが加わった作戦は順調に運ぶ、巨体で足を取られ尚且つ関節部分に傷を負わされる目無しの動きは鈍る。

時間ばかりが過ぎ、更に冷静さを欠いていく目無しは凶暴になっていくのだが翻弄されていくのだが…。


『テェ!』


だがここに来て流石に体力が尽きてきたテミが、滑ってこける。


『テミ!』

『オネエチャ!』


そこで幾ばくか慣れてきた目無しが滑るように転がり…。


『つ、捕まえたデズァァァアアア!!!!』

『テェェ!!!』


滑って立ち上がれなかったテミを捕まえてしまう。

腕を上げ勝ち誇ったように持ち上げる目無し。


『やったデジャアアア!やったデスゥ!やっと馬鹿を一匹捕まえたデズ~~♪』

『オネエチャ! オネエチャを離すテチャアアア!!!!』


ミンがテミを離そうと、駆け寄り脚に針を差し込む。


『痛いデズ! この糞ガキデジャ! あとでお前もゆっくり食ってやるデッスーーン!』


そう言い放つとミンを足で蹴り再び壁にぶつかる。


『テミ!テミーーー!離すデスゥ!!!やめるデスゥ!!!!』

『さっきから聞こえてる声はこの糞ガキの親デッス~~? こんな糞ガキ今から食ってやるから見てるデッスーーン♪』


そういうと目無しは、そっと口にテミの左足を入れ食いちぎる。


『テギャアアアアアアア!!!!!テジュアアアアアアアアア!!!!痛いテヂィィ!!!ママーー!!ママーーーー!!』

『デッス~~ン?これはデリシャスデスーン♪ お前ら野良じゃないデスゥ? これは肉にコクがあって甘みがあるデス、最高デス~♪』


クチャクチャ咀嚼をし、左手を頬につけ満足げに笑う目無し。

テミは痛みで暴れながら糞を漏らし、泣き叫ぶ。


『痛いテチィィ!!!!ママ!!ママ!!死にたくないテチ!ここまで頑張ったテチィ!!!』

『テミチャ! 離してデスゥ…!お願いデスゥ!ワタシの可愛い子供なんデスゥゥゥゥ!!!!』


テンが泣きケースに顔を擦り付け、何度も何度も子供を助けようとケースを叩く。

だが実装石程度の力では、ヒビすら入れる事は叶わない。

尚且つ目無しは見えないのだ、きっと心地いいBGMになっているだろう。


『デッピャッピャッピャッピャ!そんなの聞くわけないデスゥ~ 公園に住むワタシ達はこんなの日常茶飯事デジャッァ!
 アホな飼いの言う事なんて聞くわけ無いんデス~♪ 残りも頂いて子供達のところに帰るデッス~ン♪』

『ママーー!ママーーー!!!』


気づいたミンも、目の前の光景に思わず叫ぶ。


『テェェ!?オネエチャ!オネエチャァァ!!』

「そこまでだ」

『デビュオア!?』


男が目無しの、顔を棒で叩きそのまま頭から床に崩れる。

テミが目無しの手から離れ、落ちる。


『テェェェェ!』

『オネエチャアアアア!』


ミンが走ってテミを助けようとする。

…しかし壁に飛ばされたミンには遠い、間に合わない…。

そう思った瞬間。


ブリュブリュリュリュ…ブビ!ブリュ!


顔がへこむ程に殴られた目無しが、ショックで糞を大量に総排泄孔から出した。

その量が、余りに多く…


『テジュ!』

『オネエチャ!オネエチャ!』

『……ミンチャ……オバチャのウンチで助かったテチ…』


糞で2度も自分たちが助かる事になるとは思わなかっただろう。

棒を持った男が目無しに告げる。


「タイムオーバーだ、もっとお前が冷静ならテミを食って足元にいた妹もすぐ食えただろうに…」

『デェ・・・デェエ・・・』

「本当に実装石はすぐに調子に乗るところが悪いところだよ、敗因はそこだね」


目無しが怒り、捕まえた喜びで油断をし過ぎた。

味わう暇等無かったのだ、尚且つ勝ち誇ってベラベラ喋っていたのが悪かった。


「きっかり12時だ、残念だったね」

『デジャアアアア!!こんなはずは無いデズ!やらせるデスゥ!あと少し!あと少しあれば食えたデズゥゥ!!!』


吠える目無し、そこを変わらぬ顔で腹に棒を突き立てる。


『デボエァ!デジュユ…デボウ…デェェェェェ…』


そのまま吐く目無し、どれだけの力だったのか腹に空いたような跡が出来ている。

痛みで吐きながら転がりまわる、姉妹は壁の隅に逃げ抱き合い寄り添う。


「いやいや、汚い勝利だったけど…見事だったね いや姉妹よりは親子のチームワークだったかな」


男がテミとミン、そしてテンに拍手をする。

テミとミンは男の左手に乗せられる、ミンが何か見た事ある光景だと考えていると机の上の小さな水槽に入れ

そこは入れられてたケースよりも床はタオルで暖かく、ふわふわとした久々の気持ちのいい空間だった。


「今日は面白いものを見れたからね、テンが掃除を終えるまではそこにいなさい」

『テェェ…気持ちいいテチ…』

『オネエチャ…良かったテチ、足大丈夫テチュ…?』


一番の頑張りを見せたテミは力を使い果てたのか、痛みもあったがそのまま寝てしまう。

テンが心配そうにそれを見ていた。


「大丈夫だよ、勝者なんだきっちりケアするさ、千切られた足もね」

『デェェェ…ゴシュジンサマ、ありがとうございますデス…』


男は水槽の空の皿にフードを多めに入れる、そして眠っているテミを風呂のような入れ物に入れ何かを入れた。


「これで足も時期に治るだろう、さて…あの野良の方だ」


今痛みを堪えている野良の後ろ髪を掴んで持ち上げる男。


『デ!?何するデス!離すデス!』

「さて敗者の方だが…、君の公園帰りはもう無くなった 僕の遊びに付き合ってもらうよ」


笑う男、帰れなくなったと暴れる目無し。

しかし後ろ髪を掴まれては手も足も空を切るばかりだ。


『デスーーーー!!帰らせるデスゥゥ!!愛する仔達が待ってるデズァ! 帰るデス!帰らせてデス!帰りたいデジャアアア!!!』


ニコニコする男に暴れる目無し。

テンは今もヒヤヒヤしながらその光景を見つめる。

子供達をケアしたゴシュジンとギャクタイをするゴシュジン、どちらが本当なんだろうか…。

そんな事を考えていると男から声を掛けられる。


「テン悪いが散歩の前に、この部屋片づけて置いてくれ」


後ろを見るとケースには大量の血と糞…。

それでも子供がそばにいると思うと、何かやる気が出てきたテンだった。



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その夜、しばらくぶりに子供達とも会話ができ、満足げなテンだった。

そして今日も外から声がする、きっとミー達だろう。

ゴシュジンサマから何か野良が来た時に立ち向かえるものをもらったと散歩の時に言っていた。

外で禿裸になってはいるが、家族で一緒に何かを出来るのが非常に羨ましいテン。

そんな事を考えながら…


『出来たデスゥ…』


テンがベッドの中で目を輝かす。

決行は、次にゴシュジンサマが家を空ける時。



-続く-

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1 Re: Name:匿名石 2023/02/20-22:42:29 No:00006860[申告]
生き残ったかー
目無しがどうなるか
テン達は何をするのか・・・
2 Re: Name:匿名石 2023/02/21-03:30:21 No:00006862[申告]
目無しの今後が気になるがそれ以上にご主人さまが何企んでるか気になるデス
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