仔実装チーちゃん3 前回までのあらすじ 敏子は無事に仔実装をお迎えする事が出来た 翌日からお世話を開始し始めて その一挙一動に一々感動していた リンガルアプリを通じての会話に感極まって つい叫んでしまったが仔実装は驚いて委縮してしまう 敏子は慌てて誤解を解き仔実装にチーという名前を与えた 名前を付けてもらった事にチーは小躍りして喜ぶのであった 一方敏子が属するママ友グループは半年前に引っ越してきた 晶子の奇行に悩まされていた また近所で飼い実装の誘拐事件が多発していることを敏子は知る 翌日チーの健康診断と予防接種のおりに 医師の勧めもあってチーにマイクロチップの装着を施してもらう そんな中人知れず飼い実装を虐待死させながら 猟奇的な性行為に耽る謎の女性が新たなターゲットを探し始めていた ********************************************** 自宅に戻ると以前注文していたケージや専用トイレが届いていた 玄関に置き配されていたそれを家の中に運び込み それから助手席に固定していたキャリーケースを入れた その日の晩に夫が仕事で疲れているにも拘らず ケージを組み立てチーちゃんの部屋に設置する 専用トイレを中に入れトイレ砂を敷く スターターキットの付属の物よりも大きめなので チーちゃんも粗相をしにくくなるだろう 餌箱と給水器はそのまま流用し 寝床のクッションも気に入っている様なので そのまま継続して使うことにした 将来に成体になる事を見越して大きめのケージにしたのだが 今のチーちゃんにはやや持て余し気味のようであった ********************************************** 「まったく…困ったものだわ」 そう言うと晴美さんの紅茶を飲みクッキーを食べるペースが上がっている 今日は何時にもましてご機嫌斜めのようである 「晶子さんったら今度は田舎から送ってきた野菜をタカリに来たのよ こんなに沢山あるのだからおすそ分けで貰ってあげるわとか言って 大体おすそ分けは自分からクレクレする物じゃないわよ」 積もり積もった怒り爆発なのかティーカップを 降ろす仕草も荒っぽくなっていた 怒る気持ちも分からなくもない 晶子のクレクレ攻撃は近頃エスカレートしており 他のママ友グループからも煙たがられている様である それだけではない 近頃では晶子をお茶会に呼んだ人の家から必ず何かしら小物や 買い置きしていた物が無くなるという事が頻発しているのだ 今日のママ友会も半ば晶子対策会議の様を擁しており 結論として晶子をお茶会には絶対呼ばない事に決定したのだ 「これで収まってくれればよいのだけど」 由奈さんが心配そうにつぶやいた あと飼い実装誘拐はまだ定期的に起きていて 犯人に繋がる手がかりが掴めないでいる 個人的には早くそっちの方が解決して欲しいと思っていた ********************************************** 次の週明けになって注文していた物が届いた ペットの見守りカメラである 室内の好きな位置に簡単にセットする事が出来 その様子をスマホを通してみることができる優れものである 撮影した画像データーはカメラ本体に保存される他にも 指定されたスマホやPCにも転送する事が出来る これで出かけている時にも好きな時にチーちゃんを見守ることができるのだ その日の晩に夫に手伝って設置してもらった 取り付け位置は部屋を見渡せるようにドアの上の天井に取り付け 延長コードを壁に取り付けてカメラと接続した 夏のボーナスが入ったらこの部屋にエアコンを付けたいと 夫に言うとあっさり快諾してくれた 夫曰くこの部屋は元々収納用の部屋なので窓は明り取り用のしかなくて 夏場になった時を心配していたんだと言った そんな夫の気遣いがとても嬉しかった ********************************************** そして恒例になったママ友会の日となった 今週は私の家で行う番だったので昼食を済ませた後 大急ぎで準備に取り掛かった この日のために用意したお高めの紅茶葉に それに合うようにとスコーンを焼く テーブルにカップを並べ中央にスコーンを盛った皿を置く これで準備が整った後は二人が来るのを待つばかり だが今回に限って些かイレギュラーが発生した 何時も時間厳守な由奈さんが珍しく遅刻しているのだ 先に到着した晴美さんと二人でしばらく待っていたが 来る気配が無いのでLINEにお茶会を先に始めるというメッセージを送り とりあえず始める事にした 最近の近況を話題に喋っていると玄関のチャイムが鳴る音が響いた やっと由奈さんが来たと思い急いで玄関口に迎えに行き ドアを開けるとそこには 何時にも増して得意げな顔をした晶子と その後ろで申し訳なさそうな顔をして立っている由奈さんが居た ********************************************** 晶子は上がるわよとい言って私の了承も得ずに ズカズカと上がり込んで来た その後ろにいた由奈さんに事情を聞くと ここへ向かう途中で出くわしてしまい 何とか誤魔化して振り切ろうとしたが逃げきれなくて そのままついて来たのだと言う 申し訳なさそうにしている由奈さんを慰めると 慌ててリビングの方に向かった晶子を追いかけた 晶子はリビングの席を占拠して勝手に紅茶を注いでスコーンを頬張っていた 余りの事に怒りよりも呆れてしまい とりあえず来てしまったものは仕方がないと やむを得ず晶子も交えてのお茶会となった そして適当な世間話を延々としてそろそろ苦痛に感じ始めた頃 晶子が突然用事を思い出したと言って帰ると言いだしたのだ いそいそと帰り支度をする晶子を横目で見ながら 内心助かったという気持ちでいっぱいになり安堵していると その前にトイレを貸して欲しいと言うので奥に案内して 私達はお茶会を再開した しばらくして晶子がなかなかトイレから戻らない事を心配したが 晴美さんがそっちの方もケチで出し渋っているのかよ などと容赦のない事を言い放ち それがツボだったのか由奈さんは肩を震わせて笑っていた そろそろ様子を確認しに行こうかと思った頃 晶子が出てきたのだ 長くなってゴメンなさいとだけ言って帰って行った ********************************************** その後も私達はお茶会を続け最後には大いに盛り上がったところで 解散となった 二人を見送った後お茶会の後始末をして 一段落着いたところでチーちゃんを愛でるために部屋に入った だが部屋に入った瞬間いつもと違う感じがした 違和感の正体が何なのか部屋中を見渡すと ケージの鍵が破壊されて転がっているのが目に入った まさかと思いケージに近寄り中を見たが そこにチーちゃんは居なかった チーちゃんが攫われた 私はショックに打ちひしがれてその場にへたり込んでしまった ********************************************** チーは怯えていた 突然体の自由を奪われバッグに押し込められて 知らない人の部屋に連れてこれてたのだ 小さな水槽に放り込まれ怯えながら当たりの様子をうかがう さっきから不快な異臭が鼻を突き 得体のしれない恐怖を肌で感じていた やがて部屋に一人の女性が入ってきた だがそれはママとは違い恐ろしい顔をして近づいてきた そして口元を醜くゆがめて笑いこう言った 「ようこそ…今日からここがあなたのお家よ」 続く
1 Re: Name:匿名石 2023/02/11-03:52:38 No:00006777[申告] |
チーちゃんの運命を考えると楽しみで仕方ないデス |
2 Re: Name:匿名石 2023/02/12-03:20:46 No:00006783[申告] |
チーちゃん死ぬのか!? |
3 Re: Name:匿名石 2023/07/08-16:03:47 No:00007474[申告] |
さすがに頭悪すぎるだろ! |