★規約違反申告/バグ報告として作品[
]についたレスNo.
を管理人に申告します
★「つまらない」も1つの"感想"です、しかし"しつこく"投稿する場合は別なので対処します
◆申告の種類を選択してください
◆バグ報告等の場合は詳細を以下の欄にお願いします
タイトル:
名前:
本
文
「お嬢さん、いい子をお選びになりましたね。その子は、バラやハイビスカ スのとてもいい香りがするんですよ」 女性従業員が女児に説明する。 「へー、そうなんだぁ♪」 女児は、胸に抱いた熊に顔を近づけると、胸いっぱいにその香りを吸い込んだ。 ナァが生まれたのは、公園の中にある公衆便所の大便器であった。 実装石に支配され、管理や清掃が放棄された公園の大便器だ。 生まれてからは、日々生ごみを喰らい、ドブの水を飲んで生活して来た。 家はゴミ捨て場から拾って来た野菜の段ボール箱。 糞尿はそこらに垂れ流しで、パンツの中で漏らすこともしばしば。 服や下着の洗濯など、清水もなく、そもそもそんな知恵もないため、 一度もしたことはない。 女児は、絹ごしにそんなナァの匂いを胸いっぱいに吸い込んでしまったのだ。 次の瞬間、女児は、ポロリと熊のぬいぐるみを取り落とした。 「テッ!」 いきなり落とされて尻餅を付き、 「チー!チー!」 と手を振り回し女児に抗議するナァ。 一方の女児は、白目を剥き、肩を震わせながら手で口を押さえ、 よろよろと2、3歩歩いた後、意識を失って倒れた。 その口と鼻穴から、多量の吐しゃ物が吹き出る。 . 「きゃぁぁぁぁ!」 「うわぁぁぁ!」 両親の悲鳴がフロアに響き渡った。 女性従業員が慌てて医務室に電話をかける。直ちに医師と看護士が駆けつけ、 女児の気道に詰まった吐しゃ物を排除した。 女児は意識を取り戻したが、むせび、涙を流しながら嘔吐を繰り返す。 「もう大丈夫です、しかし念のため病院で検査を受けたほうがいいでしょう」 医師が女児の背中をさすりながら両親に声をかけた。突然のことに青くなってい た両親だったが、ほっと胸を撫で下ろす。 その父親の目に、テチテチと声を上げながら逃げて行く熊のぬいぐるみの姿が映ってしまった。 ナァは、突然の事態の急変にパニックになり、この場から逃げ出そうとしていたのだ。 そのぬいぐるみをむんずと捕まえた父親。 背中のファスナーを引っ張ってみると、中から一匹の仔実装が出てきた。 怒りのあまり眉間に青筋を立てる父親。 唇がワナワナと震えている。 女性従業員へ、その仔実装を突きつけ、一気にまくし立てた。 「君の店ではこんなペテンをやっているのか! ぬいぐるみの中に、不潔な実装石を入れて子供たちを騙す とは、一流デパートが見損なったものだ!」 覚えのない疑いに、女性従業員も 目を白黒させるばかりだ。 「せっかくの娘の誕生日を台無しにしてくれおったな・・・ 泣き寝入りはせん、訴えてやる・・・絶対に許さんぞ!」 弁護士であり、街の市議会議員であり、このデパートの大株主でもある父親は すでにパンコンして下着からほかほかと湯気を出しているナァを女性従業 員の手に押し付けると、娘の背中を撫で、肩をいからせながら、妻とともに 医師に付き添われ歩いていった。 周囲の客たちが、いったい何事かとざわめく中で、一人残された女性従業員 は、ぽかんと立ち尽くしていたが、やがてうなだれるように手元に残された仔実装に目を落とした。 「テチィ♪」 その視線を受けて、再びナァは媚びて見せた。 「カワイワタチを飼わせてやるテチ♪」 手の中で、何事もなかったかのようにテチテチ 手足を振る仔実装に、女性従業員は静かに声をかけた。 「絶対に許さないよ。」
画像
画像削除
本文
追加
本文に本レスを追加します
削除キー
変更
投稿番号:00006850:を修正します。削除キーを入力してください
削除キー
スパム
チェック:
スパム防止のため8325を入力してください