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二匹はウエハースを夢中でむさぼった。 生まれて初めて経験する「甘み」に、二匹は打ち震え、パンツの脇からブリョブリョと糞を漏らした。 在庫置き場から人の気配がなくなった後、二匹はそっと段ボール箱から出た。 すでに営業時間となっており、在庫置き場の出入り口に掛かるのれん の隙間からは、売り場の明かりと軽快な音楽が漏れ出していた。 好奇心に駆られ、光の方へ歩み寄る二匹。 そっと売り場を覗いて見ると、そこには溢れんばかりのおもちゃが 所狭しと並べられていた。 一家が公園で暮らしていたときの姉妹のおもちゃと言ったら、人間が捨て た弁当に付いていた輪ゴムや、プラスチックのフォーク 公衆便所で拾ったトイレットペーパーの芯ぐらいのものであった。 写生をしていた子供が忘れていった、赤いクレヨンと 母がゴミ捨て場から拾ってきてくれたガチャガチャのゴム人形が姉妹のお気に入りで いつも取り合いのけんかをしては 叱られたものだったが、そんな思い出がみすぼらしく感じられるほどの 素晴らしいおもちゃの数々に、二匹は目を奪われていた。 それらは、遊びたい盛りの仔実装たちには魅惑的過ぎた。 「「テッチューン♪」」 歓声を上げておもちゃ売り場に突進する二匹。 (ここは本当に楽園だったんテチュ!) キューが眼前で惨殺されたことを、二匹の仔実装たちは既に忘れていた。 . ******************************************************************** . ナァは、ぬいぐるみ売り場の棚によじ登った。 「テチュゥ・・・」 そこには、大小様々なぬいぐるみが、所狭しと並べられていた。 パンダや犬猫など、動物の姿態を模したぬいぐるみ 丸や四角の奇妙なキャラクターのぬいぐるみの他、 大きな丸い耳を付けた黒いネズミ、服を着た黄色い熊といった、その名称を 明記できないようなキャラクターのぬいぐるみも取り揃えられていた。 「テチャー!」 傍にあった、自分の背丈と同じくらいの大きさの熊のぬいぐるみに抱きつくナァ。 ふかふかのぬいぐるみに抱かれていると、まるで母の胸に抱かれているような安心を感じた。 「決めたテチ!これはワタチのテチ♪」 熊のぬいぐるみを抱いたまま、棚の上でころころと転がるナァ。 しかし、次の瞬間、ナァの耳は人間の足音が近づいて来るのを捉えた。 「テェェ!ニンゲンが来るテチ!見つかったら殺されちゃうテチ!」 ようやく人間に見つかる危険を思い出したナァ。 隠れる場所を必死で探す。 ふと、自分の抱いている熊のぬいぐるみの背中に穴が開いているのに気づいた。 抱いたまま転がっているうちに、背中のファスナーが開いてしまったのだ。 中からは、いい香りのする、乾燥した花びらの詰まった袋がこぼれ出ていた。
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